「玲瓏」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 玲瓏とは

2020-07-22

推しの全ての可能性と瞬間と感情をずっと観測していたい

増田腐女子などに代表される女オタク発見されて1ヶ月程度だろうか。

私はどちらかと言えば手斧を投げ合うインターネッツの住人なんだと思うんだけれど、昨今のこういったムーブはそのうち去ると思うので、今のうちに便乗をさせてほしい。

既に辟易している増田諸君も多いかと存じますが、増田という海の懐は深いと思うし、そもそもこんな記事はすぐ流れて藻屑になるだろう、どうかお許しください。

何より、自分思考は恐らく異端と判じられることなのだろうなと常々考えていた。

から増田に書き捨てておきたい。

 

かれこれ20年程前から、ずっと好きであり続けているキャラクターがいる。

私がインターネット世界に身を投じる少し前にプレイした、ややマイナーゲーム登場人物だ。

その当時のオタクは、同人誌即売会などの直接的なものを除けば、雑誌への投稿交流の中心だった(10年前の個人サイト、5年前のpixiv現在Twitter等の役割に近い)。

親指の先ほど小さなイラストでも、そのキャラが描かれたイラストが1枚でもあれば、雑誌を購入する理由になっていた(今になってなぜ雑誌スクラップを作っておかなかったかと後悔している)。

学生の頃、それも義務教育の枠内である時分にのめり込んだので、それまでの短い人生の中でも形成されていた嗜好を、そのキャラ存在が塗り替えた。

それまでは分かりやすいくらいの熱血漢で優しさもあるような性格キャラクターが好きだったのだが、

以後は他作品であってもそのキャラに似た、少し長めの黒髪で深い青の瞳、淡々として気難しい性格キャラクターが好みになる。

 

さて、私が好きになったキャラは、前述の通りゲーム登場人物だ。

そのゲームマルチエンディング採用しており、プレイヤーのとった行動によってはそのキャラは死を迎えることがあるが、幸福を得るエンディングもあった。

どのエンディングも余韻や想像余地を残すものであり、創造意欲を掻き立てられるものだった。

20年前当時の私は(そして多分今でも)、このキャラに恋をしていた。いわゆる夢女子である

まったくそういう性格付けはされていないのだが、彼は私にとっての王子様だった。私にだけは優しくしてくれるなどという愚かな妄想をし、どうしたら彼の心を解すことができるかを悩み、

眠りから覚めたばかりで夢と現実境界曖昧ときは『こんなに苦しいならば直接会いに行こう』とさえ本気で思い、そして現実にこの人がいないことに気づいて、我ながら馬鹿すぎると落ち込むのだった。

ゲームで描かれた物語ハッピーエンドベースとして、このキャラを中心とした夢小説をいくつも書いた。

その頃の私は夢女子であったけれど、元々は男女の組み合わせで話を書くのが好きだった。別のゲームとかマンガとかではそういうお話をよく書いていたし、

このキャラが出ている原作ゲームでも他の男女の組み合わせの話を書くこともあった。

でも、このキャラと他の女性キャラクターの組み合わせだけはどうしても苦手で、殊更苦手な組み合わせは目にすることすら苦痛に思うこともあった。

私の思い描く世界幸せになってほしい、というエゴ押し付けた話を量産していたのだ。

しかし、二次創作とはおおよそそのようなものだろうとは思っている)

そして、当時の私は悪い意味で若く、一途ではなく、新しい刺激があればすぐさまそちらに寄っていった。

まり、他の新しい作品に入れ込んで、このキャラ主体二次創作をすることがだんだんとなくなっていったのだ。

新しい世界の扉を次々と開いて、その中で繰り広げられる物語に浸る。

そしてときどき、思い出してはそのキャラのいる世界に戻って、やはりいつになってもこの人は素敵だと幾度となく確認してから、また別の世界へと渡っていく。

どんな世界を覗いても、心を惹かれるのは例のキャラにどことなく似ている人物ばかりで、こんなにも己の内を侵食されているのだと我がことながら呆れもした。

百様玲瓏世界の扉の中には、私のうちの別の嗜好を開く鍵がいくつもあった。

たとえば、それまでは毛嫌いしていた同性同士の組み合わせの話が読めるようになったり、書くようにもなった。

たとえば、性転換や両性具有などといった趣向も持ち合わせるようになった。

たとえば、四肢の欠損や痛がる描写死ぬまでは生きてもがく様にある種の美しさを見出すようになった。

時には、二次創作ではなく全く別の世界に誘われることもあった。

そして時間が流れ、時代平成から令和へと移り変わった。

さまざまに思うところがあり、私はそのキャラ原作ゲーム二次創作を再び始めることにした。

その前に、まだネットの片隅に残っている、そのキャラが出てくる二次小説を片っ端から読み漁った。

存在のものがあり得ないと思っていた同性キャラとの組み合わせの話に感動した。

文字列を見るだけで苦々しく思っていた女性キャラとの組み合わせの話は、むしろ好みになっていた。

そして、以前ならば絶対に思わないことを思うようになっていた。

『バッドエンドの世界線の話を描いてみたい』と。

私は、20年以上も自分の心の真ん中に立つこのキャラクター幸せをずっと祈っている。

どうかできればハッピーエンド世界線でずっと幸せ暮らしていくことを願ってやまない。

だけど、その一方で、この人の苦痛に苛まれて歪む顔、今わの際の表情だってきっと美しく魅力的だろうから、描いてみたいと思ってしまった。

それだけではない、かつては苦手としていた女性キャラとの組み合わせの話も書いてみたい、ありふれているけれど満ちみちた暮らしを手にすることができるのだろう。

同性との組み合わせも書きたくて仕方ない、ガラス細工のように繊細で、そして耽美雰囲気も実に似合うのだ。

もちろん、十数年前と同じように、夢小説も書いていきたいと思う。

どんな形でも構わない、そこに自分の行動の介在ができれば、きっとこの上なく嬉しい気持ちになれると思うが、所詮妄想から叶うはずがない。

否、結局はこの人の存在こそが空想のもので、私がその在り様に一喜一憂しているだけなのだ

そうは分かっていても、このキャラクターいかに他の人物・状況・世界に触れて、何を感じ、どんな表情を見せるのか、そのすべてを見てみたいし、この手でそれらを書いてみたいと思う。

元々がマルチエンディングゲームである、その分岐をすべて観測できる立場に私はある、

ならばいっそ、自分妄想したものでも他の方の手によって描かれたものでも、幸福でも不幸になっても、このキャラのすべての可能性を見れるものならば見てみたい。

自分が好きなキャラクターがただ不幸になるところを見てみたいなど、あまり思ってはいけないし、ましてや見えるところで言ってもいけないことだろう。

これから、このキャラが何かしらの形で苦痛を受けて流血する話を初めて書く。

どういう話にするかは何となく頭に浮かんでいる。これからプロットを立てていく。

その前の儀式として、増田の場を借りて書き捨てさせていただいた。

 

ありがとうございました。

2011-10-17

鈴木信太郎訳 ヴィヨン 疇昔の美姫の賦

語れ いま何処(いづこ) いかなる国に在りや、

羅馬の遊女 美しきフロラ、

アルキピアダ、また タイス

同じ血の通ひたるその従姉妹(うから)、 

河の面(おも) 池の辺(ほとり)に

呼ばへば応(こた)ふる 木魂(こだまエコオ、

その美(は)しさ 人の世の常にはあらず。

さはれさはれ 去年(こぞ)の雪 いまは何処(いづこ)。

 

いま何処(いづこ)、才抜群(ざえばつくん)のエロイース、

この人ゆゑに宮(きゅう)せられて エバイヤアルは

聖(サン)ドニの僧房 深く籠こもりたり、

かかる苦悩も 維(これ) 恋愛因果也。  

同じく、いま何処に在りや、ビュリダンを

嚢(ふくろ)に封じ セエヌ河に

投ぜよと 命じたまひし 女王

さはれさはれ 去年(こぞ)の雪 いまは何処。

 

人魚(シレエヌ)の声 玲瓏(れいろう)と歌ひたる

百合のごとく眞白き太后(たいこう)ブランシュ、

大いなる御足(みあし)のベルト姫、また ビエトリスアリス

メエヌの州を領(りやう)じたるアランビュルジス、  

ルウアンに英吉利人(イギリスびと)が火焙(ひあぶり)の刑に処したる

ロオレエヌの健(たけ)き乙女ジャンヌ

この君たちは いま何処(いづこ)、聖母マリアよ。

さはれさはれ 去年(こぞ)の雪 いまは何処。

 

わが君よ、この美しき姫たちの

いまは何処(いづこ)に在(い)ますやと 言問(ことと)ふなかれ、

曲なしや ただ徒(いたづら)に畳句(ルフラン)を繰返すのみ、

さはれさはれ 去年(こぞ)の雪 いまは何処。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん