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はてなキーワード: 雑貨とは

2008-07-21

楽天市場で中身のなさそうなものを売っているショップ上位30

アフィリ率

店舗

ジャンル

42.00%

乾燥肌の人がつくった化粧品屋さん

美容・コスメ香水

41.50%

生搾りどくだみ青汁酒の店 食援隊

食品

41.10%

本場ケフィアの専門店 ケフラン

食品

40.00%

ネクタイのシャトー

メンズファッション・靴

35.10%

明日葉ショップ

ダイエット健康

35.00%

メガネのれんず屋

バッグ・小物・ブランド雑貨

35.00%

genius shop

メンズファッション・靴

30.00%

サンスターオンラインショップ

ダイエット健康

30.00%

スナップ

バッグ・小物・ブランド雑貨

30.00%

すこやネット

ダイエット健康

30.00%

キュプリ

美容・コスメ香水

25.50%

花咲けShop 楽天市場店

インテリア・寝具・収納

25.10%

スリムバス

美容・コスメ香水

25.10%

祈願堂本舗

バッグ・小物・ブランド雑貨

24.00%

CRYSTAL COSME

美容・コスメ香水

22.20%

モロヘイヤ直売センター

ダイエット健康

22.00%

急須窯元 わらい窯

キッチン日用品雑貨・文具

21.10%

ビューティーマザーリーフ

美容・コスメ香水

20.70%

美食同源

食品

20.50%

おから本舗

ダイエット健康

20.20%

四国剣山森の天水

水・ソフトドリンク

20.00%

筑前屋

食品

20.00%

髪を科学するティアーズ

美容・コスメ香水

20.00%

ケイアイプランニング

花・ガーデン・DIY

20.00%

プリナスビューティーショップ

ダイエット健康

20.00%

サプリメントショップ マキシ

ダイエット健康

20.00%

ナチュラルサプリ タイ天然ハーブ

ダイエット健康

20.00%

銀座プラトンエステプラザ

美容・コスメ香水

20.00%

動体視力&脳力トレーニングラボ

パソコン周辺機器

20.00%

HAVILAND

キッチン日用品雑貨・文具

ネタ

楽天市場アフィリエイト 高料率ショップ(Dランク

http://partner.afl.rakuten.co.jp/uplist/uplist.cgi?t=up&l=100&r=5&p=0

エロブログはじめました。

http://hakushaku.9.dtiblog.com/

親に隠れてこっそりエロい記事の更新するのは至難の技である。

アダルトブログやるならば、やっぱり一人暮らしのほうがいいと気づいたが、ともかく続けていくつもり。

なかなかアクセスがない。

前途多難だ。

エロブロクの管理人って、毎日毎日エロに埋もれて生活しているんだよね。

そのうち発狂するんじゃないかってくらいエロエロ言葉の羅列に勝負掛けてやってる姿はまさに漢だ。

俺は家が狭いから、PCのある部屋とはふすま一枚隔てて親がくつろいでいたりする。

こんなの運営活動しているのを親に見られたらきっと泣かれるに違いない。

しかし、今はお金欲しいから続けていく。

普通雑貨や本なんかを扱うよりも、エロエロ大好物な男どものスケベ心をくすぐったほうが、クリックしてもらいやすそうだから、敢えてアダルトアフィリエイトやるよ。

あと、どうか子供は見ないでくださいね。

2008-07-10

http://anond.hatelabo.jp/20080710223047

釣りじゃないことだけは信じてほしいです。

みなさんがアドバイスをくれたので申し訳ないですから。

16万円の内訳です。

洋服類:4万円

雑貨:1.5万円

アロマ関連:1.5万円

飲食:4万円(お昼と友達との飲みは生活費ではなく自分で出します)

交通費等雑費:3万円(通勤交通費が出ないので自腹)

夫へのプレゼント:1万円

書籍:1万円

おおよそこんな感じです。

2008-06-27

「底辺正社員給与明細」の反応に反応してみるよ

http://anond.hatelabo.jp/20080626112533の「底辺正社員給与明細」を書いた増田です。

なんかブックマークとかですごい反応が。正直びっくりした。増田では初めて。

感謝をこめて、反応に反応してみるよ。

職種と肩書き、住んでいる場所、会社階級もないと参考にならんのじゃないのか?(b:id:gin-oi2)

スペックをもうちょっとさらしてみるよ。

  • 地域は広い意味での関東です。
    • 企業事情わりと詳しく書いちゃったので、これぐらいでお願いします。
  • 業種は製造業。少量多品種生産工場なので自働車部品から産業機器部品まで何でも。
    • 最近仕事なくって、街灯なんてのも作ってるぜ。
  • 会社の規模は中規模になるみたい。
  • 職業CAD/CAMと5軸マシニングセンタのオペレータだけどなんでもやるぜ。
  • 専門卒で勤続4年目。
  • 肩書き・役職って何? あー、あの3,000円でこき使われる制度? 私はまだセーフです。

-

田舎だとボロボロアパートでもっと安いのがあるんじゃまいか。2間で8k円とか(<その物件は昼なのに真っ暗、窓が2面あったけど隣の塀で完全に潰れてんの)(b:id:pbh)>

家賃が高いかなー(b:id:Blue-Period)

うちの地方特有なのかわからないけれど、安いアパートは、すでに日系ブラジル人とか残留孤児とその親戚孫とかの人たちばかりで大盛況みたいでなかなか借りれないのです。あと外国人トラブルを嫌う家主は一定以上に家賃を上げるので、ワンルームとかが少ないのもどうやらそいういう理由があるみたいと同僚が言ってた。

安いアパートは常に捜してます。この間も38,000円を見つけたけど、駐車場5,000円かかるみたいで、敷金礼金とか考えるとちょっと割に合わないなーと断念。

家賃をなんとかしない限り、金はたまらないな。住居をシェアーしたほうが良いとは思うけど、田舎じゃルームメイトを探すのも大変かな(b:id:lakehill)

ルームシェアという発想は正直なかったです。こういうのってどういうふうに募集したらいいんでしょう?

とりあえず同僚とかにあたってみるのかなー。

お昼代はおにぎり二個で200円ちょい//動かないから(b:id:daihx)

俺も工場勤務の割には動かなくていいので実はパンひとつでもいいくらいなんですが、社員食堂が交流の場みたいになってるから、タバコやらないとそこを外すと雑談できる時間がかなり減っちゃうんです。社員食堂狭くって弁当持ち込み不可なのがなー。

ひとりもんだと税金関係がどうしても割高になるねえ。額面はうちの新人もそんなもんだ。/ただし5年越えで色んな社内資格取れば手取りで20超えるぐらいにはなるんだったかな。(b:id:mgkiller)

普通はそうなんですか……。うちの工場能力昇給とかで社内検定割増しとかはない……。

税金相場とかよく知らないです。もうちょっと勉強します。

How will Toyota sell cars to such a poor youngster? It's impossible, I think.(b:id:vierger)

トヨタじゃなくてスバルの営農サンバーです。poor youngsterって言うなー。

総支給額16万円弱でクルマに乗るって、偏っているような気がしないでもない。(b:id:hatayasan)

通勤距離往復22キロで、起伏が激しい土地なんです。電車はあるけど時間は合わないし、会社が山の中なので駅から歩いて30分くらいはかかると思います。原付も考えたんですけど、冬場雪が降る地域なので、雪や雨を考えるとちょっと厳しいかも。コンビニ行くにも車で5分。ちょっと車なしの生活は厳しいかも。自転車とか使えばもうちょっと燃料代圧縮できるかなぁ。

パラサイトシングルのススメ(b:id:kaitoster)

時間があって広い家に住んでるけど、お金がないわけか。確かに全然無駄遣いしてない。パラサイトシングルがいいと思う。(b:id:pho)

実家はすでに姉が跡を取っているので、気軽に帰れるけど、住む所じゃなくなってしまいました。米とか野菜果物なんかはパラサイトしてます。米なんか一回も買ったことないし、りんごとなしとキュウイと柿は死ぬほど食えます。どうだうらやましーだろ。

実家専業農家なんですが、ぎりぎりの経営だって言うのは知ってるので、これ以上は頼れません。保証人とかはお願いしてるけど。

そりゃあパラサイトシングルが増える訳だよなあ。ところで地方の企業だと逆に若者実家から通勤するのが前提じゃないか、って給与体系の所があるような。企業実家家計をアテにしてるというね。(b:id:citron_908)

そのとおりだと思います。親会社の給与体系では、同じぐらいの大卒で月給額面18万なのに配偶者手当が45,000円。当たり前だと思ってたけど、これってすごい歪らしいですね。そこの子会社である俺のところは昔は似たような制度があったらしいけど「男女平等の観点から」とかいって、俺が入社する前に能力給与体系と同時に廃止されてます。(なぜか親会社は廃止されてないんだよなー)

転職で博打に出るくらいしかねぇよな 4年前くらいの俺もこんなかんじだったわさサビ残だらけだったけど(b:id:uangi1092)

転職はあんまり考えてなかったかもしれません。石の上にも三年っていう気持ちもあったし、知り合いがころころと職を変えるのを見ていて思うところがあったので。それに求人14万からとかみると、まだいいのかと思って仕事してます。

それでも求人情報は集めてます。条件が良ければ当然考えるんですけど……。

「強制参加の社員旅行積立で月5,000円天引き」ってひどくないっすか。ひどいですよ(b:id:higepon)

社員旅行とか互助会とかの積み立てが強制天引きって当たり前じゃなかったの?(b:id:harumomo2006)

私も当たり前と思ってます。けど、一万円は正直痛い……だけどこれも税金みたいなものかなと思ってあきらめてます。特に団体損害保険って結局は会社にかかわる時で、誰かに賠償しなければならない時しか出ないらしいので、これだけは本当に勘弁してほしいと思ってたりとか。

実物の明細スキャンだったら感動していたけどなあ/増田フォトライフとかできんかね(b:id:K-Ono)

増田フォトライフができたら載せますが、今その役割を果たしてるアップローダとかは嫌な思い出があって使いたくないのでもうしわけないですが勘弁してください。

良い意味で底辺。評価は平均値から行われるわけではないので見る人によって変わるだろうね。(b:id:fk_2000)

今回いただいた反応で人によってさまざまなんだなーと思いました。底辺っていう自覚はあったけど、ここまで「これはひどい」だの「格差」だのとタグが付いたり反応いただいたりすると逆になんかショック……です。

ネタにできるくらいはたくましく生きてる」がんばれ。ネタには楽しませてもらった。(b:id:feather_angel)

ショックですが、逆にまだ十分ネタになりそうというのはわかりましたw。

なんで増田に自分のことが書いてあるんだ?。おかしいなぁ、書いた覚えはないんだけど……。というぐらい似てるわ。てか昼食代なんて全く一緒だし(b:id:TakamoriTarou

お前は俺か?です。地方だとどこもこんなもんなのでしょうか?

残金17,000円ならいいじゃん。(b:id:kanimaster)

働いてるだけましだよ・・・(b:id:Kamekiti)

俺もそう思って生きてます。

> 決して労働時間160で実質手取りの時給換算なんてしちゃだめですよ。 <684円…。(b:id:easynap)

決してするなって書いたのに……。泣くぞ!俺は泣くとうざいぞ!絡むぞ!

ぶっ倒れる前の手取りがほぼ同じでほっとしたが、年齢が10違うんだよねぇ…。/「二時間に一本走ってる鉄の箱ですか?」ワロタw こっちだとバスがそんな感じだな。電車は最寄り駅まで歩いて1時間以上。(b:id:fuji_hajime)

うちのほうは逆にバスがないです。一部路線のこってるけど一日一本とかですね。完全に車社会なっちゃってる。電車学生専用という感じですね。

増田氏は無賃過労ではないので本当の意味での底辺ではない。底辺社員未来はあしたココロだぁー。(小沢昭一風)(b:id:I11)

うちは残業代だけはちゃんとでます。2時3時までやって、深夜残業はまずいから、別の日に残業したことにしてくれ、とかは前はやってました。やっぱりそのあたりはすくいなのかなー。最近生産調整ばかりですっかり仕事が少なくなっちゃったけど。

リアルな地方の正社員給与明細年収で考えると明らかにワープア定義に引っかかる。(b:id:sekirei-9)

世の中のワーキングプア定義フリーター非正規雇用とか言ってたし、NHKスペシャルとかで取り上げられた酷いのはともかく、そのあとネットとか、本とかで出てくるワーキングプアの問題でこいつら俺より給料もらってるのになんでだろうと思って前のエントリーを書いたんです。

だって周り見渡しても職種は違うけど同世代だと給料俺と同じぐらいの奴ら結構いたし。

だけど、そうかー、俺もワーキングプアだったのかー……そっかー。そんな気はしてましたが。正社員だから違うのかとか思ってたけど……たしかに生きてくだけで精いっぱいだしな……。

貧乏なくせに車のってんなよ」的反応が無くてひと安心。田舎じゃクルマが必需品と言い続けて来てよかった。(b:id:KoshianX)

そういう反応ありました。ちくしょー都会人め自慢か?それは自慢なのか?いい気になりやがってわっちらの田舎バカにしんでねえぞ電車バスがどこに行ってもあると思うなよと少し思いました。

世の最低生活レベル(?)の参考として(b:id:morutan)

最底辺言うな!! 最じゃないもん。底辺だろうなって自覚はあるけど。

"正社員"もつらい(b:id:yukitanuki)

全俺が泣いた(b:id:dame_ningen)

だから、泣いてなんかないですよ?泣いてなんていないって。

大企業の支店以外の「普通田舎のOLさん」の給与水準に近いね。もっと安いところもある。それでも実家住まいならそれなりに貯蓄もできる額だけど、一人暮らしならきつすぎるよなあ。(b:id:tomo-moon)

求人はみんなこんな感じです。もっと安くて13万とかあるよ。

つらいだろうなと思いますかー。そうですか……。

田舎高校新卒の賃金がこれくらい。納得度の高い制度にするのは難しいが、いい仕事をする社員ポジションを早めに上げてしっかり昇給していくようにしなければ何歳になってもこのまま・・・(b:id:rulipon)

一応これでも若干昇給はしてます。新卒の賃金は確かにこんなもんです。下手すると中途でさえ……。一応求人には「以上」ってついてますけど、以上になった例あんまりきいたことないですね。

大変だなーって読んだけど、最後の彼女いない下りは別に賃金と関係ないだろ(苦笑)。(b:id:tohokuaiki)

うるさいうるさいうるさーーーーーーい!!!!!

というだけじゃあまりにもなんなので。

被服費に金をかけないので、家の中では夏はほとんど素っ裸でうろうろしてるし、髪は自分で切って盆と正月親戚が集まる時じゃないと床屋にはいかないし(美容院とは女性が行くものです)、見かけはひどいもんだと思います。それで塗装があちこちはげた軽トラに乗ってうだうだと独身男と既婚者ばかりの職場に通うだけの毎日で、出会いがあるなんて妄想はさすがにしてません。

自由時間はほとんどひきこもってますし。

っていうか誰かと付き合うのって、彼女とかじゃなくっても、お金がかかるし、お金もなかったし、初めからヒキコモリ気質だったのでだんだん付き合いが疎遠になっちゃいました……。その点、ネットの付き合いはお金はかからないので気楽です。

・・・いや、コレ生きていけないだろjk

保険とか入ったらもう残金1万ないですやん。

つか食費16000て何?何でそんなことできるの?

・・今、ザックリ5万は下らない気がする・・。もう少し何とかしないとね・・。(d:id:satomi_hanten)

お前はもう死んでいるですか?

保険とかは自動車保険以外一切入ってません。生命保険ったって今のところ残す人いないし……。損害保険といったって資産らしい資産パソコンだけですので。

食費は米は一切買ってませんし、野菜なんかも採れるものは実家から貰ってます。一人暮らしだし。私はもうちょっと抑えれたらと思ってるんですけどそんなに少ないですか?

田舎だから車が必需品なんだろうなあ.食費などはかなり押さえてる感じ.しかい田舎だとすれば,住宅はもっと安いオンボロ物件くらいないのかという気はする.

まあこれでも,一人で生きて,一人で老いて,孤独に死んでいくだけならなんとかなるけどね.結婚は諦めて,少子化貢献して下さいってところでしょう.

これが「ウツクシイ國」って奴ですか?(d:id:JavaBlack)

食費はまだ抑える余地はあると思って努力してます。米と野菜の一部は実家からもらってるので。物件は上に書いたみたいな事情はあるけど探してます。

ケッコンを諦めろって、血の跡なんかシミになっちゃうから、諦めろもなにもないでしょう? とボケ倒し。

走れてる、走れるうちはいいけど、保険はもちろん、蓄えって言えるほど蓄えはないから、病気とかしたらもうおしまいだとは思ってる。それでも税金だけは払ってるから、最後は社会保障を受けられると信じてます。そう思わないと義務なんだし払ってなんかいられない。

だけどまだ実家があるから、親が生きていて、姉夫婦が助けてくれるうちはなんとかなるかなと思ってる。その間にいろいろなんとかしないとっていう焦りは正直あります。

秋葉原通り魔事件のことと関連付けて取り上げてくださってますけど、正直事件のあった時、自分とこいついったい何が違うのかと考えたこともありました。趣味ネットオタクも入ってるし、友人だって多い方じゃない。専門学校卒で決して高学歴じゃないし。たぶんこれはちょっとオタク入ってて、ネットをよく使う人は誰でも考えたんじゃないかな。

出た結論は、正社員だし、ネットでもそれなりのサイトを運営できてるとかあるけど、一番の大きな違いは、親と実家が違うんじゃないかなーということでした。

犯人実家から食い物とかもらったりすることなんて絶対なかったんだろうと。対して俺は主食の米は全部もらってるし、野菜だって家庭菜園のやつを引っこ抜いてもらって漬物なんかにしてる。果物類も季節ごとに「職場の人たちにもわけて」と義理兄がたくさんくれるもの。りんごの季節なんかは、格外りんごを、食堂に丸ごと渡して配ってもらっても、一人半身づつぐらいいきわたるくらいの量をくれる。おかげで仕事はやりやすくなってると思ってる。果物類は実家にいたころは食う気がしなかったけど、今じゃそのありがたさは計り知れない。

俺は最後は実家があるって逃げ場があるけど、犯人にはきっとそれがなくて、持っていきどころがなく、それで追い詰められて犯行に及んだんじゃないかなーって思った。

最後に。皆さん反応してくれてどうもありがとう

以下追記です。

さらに追加でいただいた反応にも反応してみるよ

可処分所得1.7万円(b:id:emihal)

実はもっと厳密にやるとさらに減るかもしれないので衣類とか生活雑貨費なんかは入れてません。

家計簿に全部必要をいれてくと赤字になっちゃう。だから手を抜いてます。こういう場合でも、可処分所得の計算ってどうなるんだろう。一応簿記はかじってるんだけど、よくわからないです。調べてみよう。

家賃高いね。「書生さん」とか「居候」とか増えてくかな。

書生ってなんですか? 調べてみた。

書生

出典: フリー百科事典ウィキペディアWikipedia)』

書生(しょせい)とは、他人の家に寄宿して、家事雑務を手伝いつつ勉強や下積みを行う若者のこと。労役を提供するか否かで下宿生とは異なる。

つまり住み込みで働きながら学校行く人ということでしょうか?見習?新聞屋さんで働きながら奨学金もらうあれみたいなのかな。

今後再び昔に帰っていって話は納得しちゃうけど、職人の技がみんな機械化されていってるのを目の当たりにすると、師弟関係みたいなのって成立するのかなぁ。私の仕事の多くは業者さんに教えてもらったんですよね。

田舎でこの手取り一人暮らしは偉い。食費は無理に削らない方がいい。ここから家賃と携帯代を抑えて共済に入っておきたいところ。(b:id:ma-aya)

ほめてくれてありがとうございます。もっとほめてー。(髭ずらで笑顔

食費についてはそれほど無理はしてないです。こだわりがないっていうのが正直なところです。野菜類は基本的なところは実家から貰ってるので、それで水増しして食べてます。何といっても一人暮らしだし。

共済は受け取る人がいないのと、余裕がないのでまだ考えてません。だけどやっぱり必要なんでしょうか……。

携帯電話は一時Willcom検討したんですけど、会社でまともに電波が入らないので断念しました。Softbankにしてもいいのだけれど、ちょっとずるして実家家族割引に入れてるので、今使っているauを変えてはいるほどのメリットがないのです。家電引いてないので割と使うことも。もう少し検討の余地がありそうですね。

いい給料だね。手取り5万円の実態を教えてあげようか。 まずは我慢、これが重要だ、そして我慢、何より大事だね、そして何を置いても心するべきは当然が(ry

まずは自分を洗脳、これが重要です。とりあえず自分を洗脳。何より大事ですね。そして何をおいても心するべきは当然自分をせ(ry

ネタですすみません。

個人的には金のかからない趣味をすることが第一かなと思います。

ネット趣味普通の人より金掛けてるけど、利用してくれる人のおかげで好き勝手やっても鯖代とかは副収入でほとんど収支0にもっていけてるし、趣味読書ラノベ読みなんだけど、行きつけのブックオフラノベがほとんど全部100円で、古いのだと3冊50円とかなんで、竹宮ゆゆことか渡瀬草一郎とかが新作を買えと危険な罠を仕掛けてこなければ安い趣味です。最悪新品買っても600円だし、いざとなったら買取も安定しているので。

正社員やってるけど、ここ7年くらい夏にボーナスなんて貰ってないなぁ。と思ったら泣きたくなった。(b:id:atachailove)

情けなくも、今後、自分の給料がこのエントリーよりも減りそうな気がとてもするのでブックマークしました(b:id:sabolink)

そうですか……。入社して以来、どんなに減っても(実質手取り0.2ヵ月とかあったよ)ボーナスはなくなったことはないです。増減が激しくて全く当てにできないとはいえ、それにボーナスが初めからない職種もあるわけですし……。今年はサブプライムローン問題で受注がガタ落ちして大幅カットだそうですよ。いやー、楽しい冗談ですね。

田舎は家賃安いって印象が強いけど、家族向け住宅が多いし単身者向け住宅大学とかのある駅のある沿線にしかなったりする。輸送コストからか地場で取れるもの以外の生鮮品は東京並みかそれ以上の¥だったりするし。

家族向け住宅しかないのは痛感してます。かくいう今のアパートも本来新婚さん向けみたいで、どうもコンビニとかから遠すぎるせいで安いみたいなんですけど、学校が近いのがメリットみたい。右隣はお子様ありのご夫婦(今建売住宅を探しているそうですうらやましーな)、左隣は新婚さん。壁が薄いです。布団は右の壁につけてます。そーゆー日は布団かぶって寝ます。

地物というか農家直販はすごく安いと思います。一般売りの半値とか平気であります。だけど売ってるものは大抵実家からただでせしめてるので、買うことは少ないですけど……。逆に肉類は地物に変なブランドがついてて、かえって遠地からのほうが高いみたいです。

同じく20代半ば派遣SE (実態はIT土方) の5月の給与明細

たぶん似たような同業者が多数いると思うがw

(http://anond.hatelabo.jp/20080626222606)

家賃140,000とかすごいですね……。ここらだとそれだけでローン組めば庭付き一戸建てが割と楽に買えますよ。たぶん。都会とここらじゃこんなに物価が違うのか。たぶん俺は都会じゃ生きていけないですねきっと。部屋も借りないし。

ガジェットとか買えるのは正直うらやましいです。てか3万円とか本に使ってみたいな……。

そこそこ優良企業勤務の私の場合。

あまり面白いものでもないけど、単に比較の参考として。

上場メーカー企業はどこもこんなもんだと思う。

20代中盤のころのとある月の給与明細

(今はもう20代終わりかけですが、この頃とあまり変わらない orz

給与は259,800円 +残業代64,873円。計324,653円(残業代は3から7万円くらいで月によって変動する)

(中略)

これだけ引かれて、手取り249,553円。交通費は別枠で実費支給。

給与とは別に、ボーナスが年間で額面120万円、手取り100万ほどです。

支出面は、

都市圏なので車持ってないですが、その分家賃が高かったりして、元増田とあんまり変わらないです。

(http://anond.hatelabo.jp/20080627135439)

私の勤めているところも、親会社の名前を出せば、地元では有力企業なのですが……。他の地域の人は全く知らないけど。

単純に疑問なんですが、ボーナスというのは普通、最大でも1ヵ月とかではないのですか? 認識間違ってますか。たぶん間違ってますね。だけどそうやって教わったんだけどな。一ヶ月に満たない利益社員還元するのがボーナスだって。それ以外は給与に反映済みとか聞いたんですけど。嘘ですね。わかってます。はい。

追加で反応してくれた人たちも、反応してくれてありがとうございます。

2008-06-26

http://anond.hatelabo.jp/20080624202657

花の水やり係だった時、だいぶ枯らせてしまった。

確かに植物だって命だけど、花に水やるよりも、とにかく仕事をしたかった。

仕事をこなす能力がなかったので。

10人前後の小規模な会社で、とにかく一番能力が低かった。

他の人が当たり前にできることが、自分は全然出来なくて、退職前はいつも終電に近かった。帰宅は1時過ぎてた。

土日にも時々行ったけど、効率は悪かった。

睡眠不足だったし。土日は起床が昼頃だった。行くのは15時になった。

仕事ができないせいなのか、元々性格が悪いのか合わないのか、(たぶん全部だ)

会社の人は皆いい人なのだが、会社の人とはうまくいかなかった。

こっちが仕事ができない為に、帰宅時間が予定より遅くなったり、あふれた分の仕事が回ってきたりしたら、うまくいくわけがない。

もちろん直接ひどい扱いをされたり、直接何か言われたわけでもない。

表面的にはごく普通に接してくれた。仕事ができない割りには良い方だったと思う。

しかしそれまで退職していった、あまり仕事のできないか性格に難がある人々に対する会話が聞こえてくると怖くてたまらなかった。

社長や先輩達は、できないならそういいなさい、と言っていたし、

社内でも仕事量は一番少なかったはずだし、取引先も楽な所ばかりだった。

わからなかったら確認しなさいとも何度も言われた。(もちろん本来同じ事は聞いてはいけないが)

でもほとんどいつも最後まで残って鍵閉めてた。

自分と同じ未経験で、ほぼ同時に入ってきた人ができる量が、自分にはできない。

自分と同じ未経験で、1年前に入ってきた人が1年前にできた量が、たぶん自分にはこなせない。

ものすごく焦った。とにかく勉強しようと思って解説本とか買ったり、研修資料を持ち帰って土日に何度も読みかえした。

取引先や性格合わない人とうまくつきあったり、「ほうれんそう」がだめだと言われたけどどうしよう、と

友達にきいたり本をあさったり、笑顔の練習したりした。

とにかく必死だった。家族の紹介(コネというか頼みこんだのだろう)で入社したのもプレッシャーだった。

紹介した当の本人は、帰宅が遅すぎるといって無理な仕事押しつけられているのではないかと勘違いしていた。

誰がどっからどうみても内容も量も一番楽なはずなのに、仕事が遅く、ミスも多く、

自分はどうして馬鹿なのかどうして人付き合いが下手なのか悩んだ。苦しかった。

社長はよく朝早く起きて勉強して早くきて仕事して早く帰って勉強するのが一番いいと言っていた。

遅くまで残るのはよくないことだと言っていた。だから自分もそうしたかったが自分にはできなかった。

昔から目覚まし3個以上使ってもCDラジカセの機能を追加しても携帯アラームを追加してもやがて慣れて無意識に止めてしまう自分に早起きなんかできなかった。

家族に起こされても一度で起床できることがほとんどなかった。みんなどうやって起きてるのか今でも不思議でたまらない。

小さい会社だったから、掃除雑貨の買い出しはみんな分担で決まっていた。

ほかのこまごました分担の中に、花の水やりがあった。

きちんとやらなければならない仕事だというのはわかってたけど、

トイレ掃除も手抜きして時間つくってた自分には時間が惜しかった。

アレもコレもおまえの所で止ってるから帰れないし早くしろよ、

と言ってるように感じる空気の中で花の水やりとかできなかった。

週1回位の掃除の時にもあげるかあげないかだったから、植物はすこしづつしおれていった。

夏が近づくと枯れかけてきた。社長が気付いて週末や掃除のたびに、誰かに花に水をと言ったので、全部は枯れなかった。

植物は好きだ。でもあの頃は入口の枯れかけた植木鉢を見るのが辛かった。枯れて欲しかった。

せめて鉢が2つか3つ位なら良かったのに。

文章が長すぎた。数行だけ書くつもりだったのに。要点を簡潔にってよく言われてたな。あなたの言うことはわからないよ、とか。

2008-06-10

全国の女子のみなさん、オタクの方と付き合うのもいいですよ。

私には付き合って1年半になる恋人がいます。

三つ年上の彼とはふとしたきっかけで知り合い、

優しく誠実で、笑顔の素敵な彼に私はどんどん惹かれていきました。

メールデートを繰り返し、ついにお付き合いすることになりました。

そんな彼ですが、一緒にいるにつれ

なんとなく私とは異文化な面を持ち合わせている部分が

時々見えるようになりました。

例えば、

・暇なときは常にパソコンの前

・見ているページはニコニコ動画

・部屋にはゲーム漫画がずらり、フィギュアも陳列(クリアケース入り)

携帯に入っている音楽ゲーム音楽

カラオケに行ってもアニソンしか歌わない(歌えない)

・一緒に出かけるとアニメ漫画ゲーム関係のお店についてこさせられる。

・猫が好き(これは関係ないでしょうが)

などが列挙されます。

まぁ、ファッションにも無頓着

・謎のハイネック

・もったりとしたパンツカーゴパンツ?それ。)

・よくわからないメーカースニーカー

・謎のシルバーアクセサリー

・よくわからないロゴの入ったTシャツ

などをお召しになっておられました。

正直、ファッションの点は外に露呈する部分(一緒に歩くときキツい)がありまして辛かったですね。

出会った当初、あまり私服を見ることもなかったのでこの点はかなり見落としがあったと思います。

こんな彼ですがお付き合いしていくうちに

私も色々と考えることがあったので報告しておきます。

■自分の守備範囲以外の文化に触れて、文化の幅を広げる

これはかなり色々なものに触れましたね。例えばニコニコ動画

彼と付き合うまでその存在さえ知りませんでした。しかし、ニコニコの中で

私はレッツゴー!陰陽師schooldaysドナルド、ウッウーウマウマなどの文化に触れました。

一緒にニコニコ見て爆笑して、楽しい日々です。

また2chまとめのウェブページVIP?)で

世の中にはかなりチャレンジャーな方がいらっしゃることも知りました。

彼に出会わなければ、一生触れることの出来ない文化であっただろう、と今では感謝しています。

またwwwやオワタなどの意味も次第に理解していきました。

■服の趣味はどうにかなるものです

上にファッションがひどいことを記しましたが、服装というものは女子の力でどうにかなります。

一緒に買い物に行く際、女子が見立てればいいのですから。

オタクの方はその点は素直に受け止めてくれると思います。

(逆に今まで変にこだわりがある人のほうがこの点で劣る)

私の場合、初めて一緒に買い物に行ったとき、

とりあえず黒の細身のジャケットとカーキの細身のパンツを買うことを薦めました。

その後も、VANSの黒のスニーカーや(これはカジュアルにも少しフォーマルな格好の時にも使えて便利かと)

白のシャツ、リーバイスジーンズ、スモーキーな色のTシャツを買うことを薦めました。

時にはファッション雑誌プレゼントしたり。このような一連の作業もとても楽しいものでした。

■やっぱり人は見た目や趣味でなく、人間性かと。

こんなにわがままな私と彼との付き合いがここまで続いてるのも

彼の器の大きさや優しさに起因していると思います。

また私はカフェ雑貨屋さんめぐりが好きで、それにこりもせずに付き合ってくれます。

お互いの趣味を分かち合おう、という雰囲気です。

ここは人を好きになるという過程で見た目や趣味があう、

とかに引っ張られてばかりだと見抜ききれないポイントだと思います。

私も付き合う前、彼がオタクであることが判明していくうち

やっぱりこれ以上距離を縮めるのはやめておこうか、と思ったこともあります。

でも、そういうこと含めても彼が好きだった。

それだけだったと思います。


なんだか散漫なおのろけ文章になってしまってすみません。

なんとなくまとめておきたかったので。

もし、自分がオタクなせいで彼女できない、とか思ってる人がいたら

少しは元気付けられるかな。

2008-06-02

http://anond.hatelabo.jp/20080602202503

なんだくっついてるのは足裏同士かよ。

無駄な検索しちまったぜ。

妹同様描写力がねぇ増田だな。

それ見たことある。

たぶん例のぬーさんと同時期にあったトンデモ系のだ。どうやって履くかは知らん。

デザイン雑貨と同様で3秒で捨てちゃった。

2008-05-19

傘が無い

「置き傘」てするじゃないですか。

会社とかで。

でまぁ私も、置き傘していたわけですよ。青い傘を。

雑貨屋で1000円で売ってるようなやつですがね。

今朝来ると、無いんですよ。

傘立ては確かにエレベーターホールの横にあって、誰でも通れるんですけども。

私は土曜の昼に一度職場に来ていて、そのときはあったのを見ているのですね。

しかし今朝はない。

土曜日日曜日もいい天気でした。

なのに今朝はない。

あとで警備員室へ事情を話しに行こうかな??と思ったら、

もう一つある事務所(ここから数10km離れている)の人から電話

事務所にあった青い傘って○○さん(=私)のですか?」

「そうですよ」

「ごめんなさいー。私が土曜の昼に事務所行ったとき、

Eさん(もう一つの事務所にいるスタッフ)が忘れた傘だと思って

こっちに持ってきちゃったんですぅ。

それで今Eさんに聞いたら違うって言われて……今度もっていきますねー!」

Eさんが前にこっちの事務所に来たのはもう1ヶ月以上前

Eさんが傘を忘れてたら自分で取りに来るなり、

行き来している誰かに託したりするだろう……

なんで今更、Eさんの傘だと思って持っていくのだろう……

そして本日、夕方からこちらは雨。

あると思ってた傘が無い

ええわかっていますよ。これは嫌がらせではないのです、

天然な彼女天然ボケで天然の好意で持ち帰ったことなんだと!

だが今までこの人にはさんざん精神的に虐待されてきたこともあって

そうはどうしても受け取れん!

何が「今度」だ。もう既に雲行き怪しくなってたじゃねえか。

すぐ持ってこいよ。

……とか言いたいがそんな奴でも相手は上司

しかもそんなことを言ったら日にはまた

「私を上司だと思わない言動で私を傷つけたから謝罪を要求する」

とかその上の上司に泣きながら訴えられて私が物凄く怒られるだけなのだ。

あー、むかつく!

2008-04-26

今日無印でお買い物しました!

雑貨なんかは、ほんとはフランフランとかで買いたいけどさ…。

遠いしお金微妙節約したいしで。

ネット無印でお買い物。

洋服しまっておくケース欲しいなーと思って買ったんだけど。

ネットだと1個420円配送料金かかるのよ!

よ!よ!よ!

むむむ…。

これは、根性で手で2個運んで820円節約するべきなのか!?

最寄の無印まで、自転車で20分。

衣装ケースぶら下げて、かえってくる・・・かなあ。

2008-04-04

おとなりアンテナをみても「こんな日記を読んでいます」から飛んでもとにかく恋人のいる人にぶち当たって立つ瀬がない。

恋?なんですかそれは。

料理できて、カフェめぐりして、雑貨好きで、音楽のセンスよくて、恋人もいる文科系女子って、すげー!パーフェクト!

とりあえず、片っ端から拝んどいた。

2008-03-25

http://anond.hatelabo.jp/20080324181624

増田です。


思ったくらいにはブクマがついてくれたのが嬉しかったです。


じつは個人的にはそんなに捨てることは嫌いなことじゃないのです。


なんか、一瞬でも客観的な冷静な視点が外部から加わったのを感じたとき、自分にとってのそれ(新聞や絵やサークルやコレクション)も客観的なモノになってしまうというのが、一番的確な表現かもしれません。

いわば、単なる古紙落書き、集団、雑貨になってしまうのです。

だから、他者に対するあてつけという気分は若干あるかもしれない(そのときの他者の表情がみたいからやってる部分はあります)にせよ、「思い通りにならないから癇癪おこした」ってのはちょっと気分がちがいますね。

その後、後悔することはまったくないんで。


後、コレクションで一番多いものから捨てるってのは、実は1つの捨てる際のテクニックです。

例えば、ニコ動初音ミク関連をやまほど集めてたとします。(自分はニコ廚じゃないので、やりませんが)

でも、あるとき、客観的に見て「これって、そんなに大事か?」って気分が来る日が必ずあります。

別に集め終わって1週間とかじゃなくてもかまいません、2年先、3年先でもいいのです。

そうしたら、いったん全部捨ててしまうのです。

すると意外と実はそれが自分にとって、そんなに大事じゃなかったことに気づいたりするんです。

僕は基本的にモノを捨てられないので、捨てるときはそういう荒療治をする必要があるんです。

でも、そういうやり方をすると、妻や母は「あんなに大事そうに集めてたのに...」みたいな気分になるらしいんですね。



もっとも、それができるのは本当に必要ではなかったものです。

やっぱり、本当に自分の支えになってるモノではやらないです。

2008-03-01

アブソリュートラップ <後編>

TRACK8(INSTRUMENTAL)

 トゥルルル、ガチャ

 電話ベルが鳴った。

 「はい、もしもし。----ですけど」

 「あたし、分かる?」

 「うん。どうしたの?突然に」

 「別にどうもしてないんだけど、忙しい?」

 「いーや。何もしてないよ。暇だったけど」

 「…あのね、さっきテレビで怖いドラマ見ちゃってそしたら電話して言いたくなっちゃった

 「どんなの?」

    ↓

 「別にそんだけ。用はないんだ、じゃぁね」

 ガチャ

TRACK9

 待ち合わせ。と、いう行為は非常に楽しいことであると同時にとてつもない苦行でもある。その日は僕は極小Tシャツにデッドストックのブーツカットジーンズエナメルビルケンサンダルという出で立ちでひたすら彼女を待っていた。風のない日でおまけに正午、じりじりと僕を責めたてるものが太陽でなかったら一体なんだろう。焦燥、字面からしてもう、焦がれている。遅れること20分彼女はやってきた。いつもパンツルック彼女スカートを履いている。吉兆と緊張。

 昼食はでたらめに飛び込んだ店でとった。その割にはまぁ、美味しかったので、良い気分で店を出て電車に乗って移動する。ガタンゴトン。語っとこう、肩の力抜こう、と聞こえる。従い、彼女と語る。

 彼女の話は長いので省略。

 「へー。そうなんだ」

 とりあえずのところそんな風にあいずちを打っておけば問題ない。一応、カタルシス

 「今日スカートなんだね。初めて見た」

 「いつもはね、汚れちゃうからパンツなんだけど。足太いからあんまし履きたくないんだけどさ、今日はね。あたし、デートのときしかスカート履かないんだよ。どう?」

 「いいね」

 色々いい。色も良いし、もっと履いたらいい。

 様々な店がひっきりなしという感で立ち並ぶ雑多な、滅多に歩かない、街の通りを見て歩く。それはもう本当に様々で、古着屋、雑貨屋などをはじめに目に入った順に立ち寄った。僕も彼女も何も買わないし、何か目あての物があったわけではないのだが非常に楽な気分になれた。肩の力が抜けたという感じか、顔を合わせるのが3度目とは思えないほど僕達はリラックスし、それ以上に親近感が2人の周りの空間を包み込んでいた。呑み込んでいた。淀みが飛んでいた。

 夕方になると幾分風が、心地良く吹き始め、人々の頭髪を、柔らかく揺らす。僕の崩れた頭髪も、あっちも、こっちも。いつもおろしっぱなしの髪をバレッタで巻いて揚げた隣の彼女をも。もう。

 「はぁー。疲れたね」

 「うん、生き返った」

 喚き、歩き疲れた僕達はファーストフードの店に入りその体に飲み物をひとしきり流し込んで、そう交す。まるで仕事後のサラリーマン居酒屋でやってるみたいにだ。彼女の話を聞いていた。彼女はとてもおしゃべりな子で、そうそう黙り込むことはなかった。ハンバーガーを食べていた僕の口の周りはもはや壊滅的状況といった装いで、その被害情況は両手、トレイにまで及んだ。僕はハンバーガーだのがうまく食べられたためしがない。だったら食べるのよすのが良いんだけど。

 「もう。汚いなぁ、あたしが食べちゃおうかな」

 と言って大きく口を開けてかじりつくふりをする。ライオンみたい。

 やっとのことで食べ終えた僕は、

 「そういや、何か用事があるんじゃなかったっけか。何時に何処?もうすぐでしょ?」

 と尋ねた。外れない。

 「そうなんだよねー。あーあ、どうしよう」

 「すっぽかすのはまずいでしょ」

 「うん…」

 力なくそう答えてからいつも元気な彼女は次の瞬間しゅんとなって

 「…もっと一緒に居たいな」

 ぽつり。

 ここは駅付近、駅構内へ向かう人出て来る人どちらの人も皆せわしなく歩いている。足音だけが彼等の存在証明、そして僕等も、その存在を立証すべくお互いに優しく注意深く手を振る。彼女はもうすっかり笑ってそのたてがみの様な頭髪をゆさゆさ差し込む陽光で金色に光らせて今もう一度手を振った。もう1度揺すった。

 僕達は一体どうなるんだろう。願望だけが宙に浮いて。振り向いて。

 真夏のライオンキング

TRACK10

 僕と彼との一旦。

 暑い暑い気が触れる寸前の夜、俗にいう熱帯夜。基本的には気が滅入ってヤダ。でも、ちょっと素敵じゃない?

 「夏はまずコロナから始まるよな。コロナ2本、何か食う?」

 「いらないね。酒を飲むときは何もいらないんだ。しいていえばピスタチオくらいあれば申し分ない」

 「そうだった。じゃ、ピスタチオも」

 ウェイターにそう告げると快くカウンターに入っていった。無音で「いい」って言った。えらく少ないオーダーに嫌な顔をする店というのは結構世の中にはたくさんあるものだ。そんな中にあって稀少といってもいい店。だからよく行くお店。

 「最近さ、どうしてんのさ」

 「別に。どうもしないさ」

 「でも呼び出したからには何かあったんでしょ。少なくとも」

 「ただの世話話だよ」

 世話話というのは世間話のことだ。

 少し遡ろう。ちょっと盗聴っぽく。

 「はい?」

 電話に出た僕の耳に聞こえてくるのは紛れもない彼の声だ。

 「あのさ、ちょっと出れない?」

 「いいけどオールとか無理だぜ。君と違って明日も学校があるんだから」

 「あるのは知ってるさ。毎日ある。さらに言うなら君が行かないことも知ってる」

 「わぁったよ」

 「場所は分かってるだろ。何時に来れる?」

 「8時」と、僕。

 「ということは9時だな」

 彼の失礼な言葉電話を終わらせ部屋に戻り飲みかけコーラを飲んでしまうとそのあとでゆっくりとマールボロを吸う。ゆっくりと支度をした。

 「ごめん、遅れた」

 時計は8時45分を指している。

 「いいや時間通りだよ」

 こういうことを分かっている存在だ。ぞんざいか?

 「また夏が終わるよ。1人者の夏が」彼。

 「そうかい。嘆くことでもないと思うけどね」と、僕。

 「まーね、君は顔がいいからね」

 といつも言う口癖を言って5杯目のカクテルを飲み干す。とはいっても彼の飲んでいるのは全てショートカクテルの強いものばかりだ。僕だったらもうストップなのに彼はまだ飲むつもりらしい。積もることでもあるらしい。

 「オーダーいいすか?チャーリーチャップリンスレッジ・ハンマー

 「ああ、俺、結構キいてきたよ」

 「でも飲めるだろ?」

 「俺何か食おうかな。あ、これ頼んで。ナスとミートのオープンオムレツ、これ食いたい」

 「オーケー」

 僕は吸いかけの煙草を灰皿で揉み消し、新しい煙草に火を付ける。僕も彼もはっきりいってチェーン・スモーキングに近いのだ。そして料理を食べる。僕達は当初の予定通り身のない話を山ほどした。見ない未来の話や、なにか、そういう意味では今日ノルマクリアしている、現実的にも比喩的にもお腹一杯だ。だけどどんなに話し合っても分からないことだらけだったし、どんなに飲んでも食べても飢えも渇きも消えなかった。僕はそろそろ答えを欲している。そして、バックグラウンドはレゲェミュージック。ワン・ラブ。笑う。

 「どうだい?」

 「どうだろう?」

 夜はまだまだ終わらない。

 僕たちはまだまだ笑い終えない。

TRACK11(INSTRUMENTAL)

 僕は今まで数多くのものを憎んだけれど、このときのベスト1は美術予備校の講師だ。僕は天秤にかけられ、結果彼女に拒まれた。それだけだ。だけど秤に乗せられる気持ちなんて秤に乗ったことがある人間にしか分からない。僕は偉大なる日々から日常へと帰っていく。

 あるいは僕が憎んだのはこの僕自身だったかもしれない。もう忘れた。

TRACK12

 僕ともうちょっとマシなものとの会話。

 『ほら、言わんこっちゃない』

 「何が?」

 僕は怒っている。

 『分かったろ?』

 「だから何が?」

 『僕が話したいのはそんな君じゃないんだけどな』

 「いいよ、あきらめついたから」

 『そう?』

 「拒絶したい奴はすればいいさ。僕はそれほど何もかもに関心があるわけじゃないんだから」

 『ただの負け惜しみにしか聞こえないけど。未練たっぷり。直視出来ない、まともに見れん』

 「それも1つの見解でしかない」

 『まだ他人がうらやましい?忘れた?あの日、君は道標を見つけたんじゃなかった?なら進めよ。君が今嘆いているのは大前提事実だぜ、うかれて足元すくわれただけだろ。だいたい何をうかれてんだよ。君は何も知らなかった、それだけだろ。大きな勘違い

 「裏切られた気持ちを知らないからだ」

 『なら言ってやる。求めればあたえられるっていうのはナメてんだよ。子供か?何でも向こうからやって来るのを待ってんのか?耳かっぽじれ。求めよ!渇望せよ!そして進め。これが本当だ。この先はない。与えられん』

 「…」

 『泣いたってだめだよ』

 「どうしたらいい?」

 『大丈夫、きっとうまくいくさ』

 その夜、誰も見てないのを確認してから泣いた。

TRACK13(INSTRUMENTAL)

 そらで言える電話番号を押し彼女電話をかける。時の流れと一緒にプレッシャーも流動しているのだ。なぜならもう合格発表の時期だからだ。

 「どうだった?」

 僕と彼女では専攻が違うのでこの聞き方はおかしい。まるで一緒に受けたみたいだ。

 「そっか、俺の方もだめだったよ。今度のはいつ発表?何処?そんときにまたかけるよ。じゃぁね」

 別に彼女恋人でなくともできることはたくさんある。あるいはただ未練がましいだけかも知れない。それはそれでかまわないのだ、僕に重要なことは正しいベクトルであること。これだ。

 ××美大の発表の日、僕はすぐには電話をかけることができず少々ごたついてしまい結局かけることができたのはその何日か後になってしまった。胸を早く打ちながら、受話器があがるところを想像したが電話に出たのは彼女ではなかった。

 「この電話番号は現在使われておりません(繰り返し)」

 後にも先にもこれほど途方に暮れたのはこれっきりである。

TRACK14

 時の流れはきっと冷たいんじゃないかと思う。非情という意味ではなくて体感温度として、ちょっとした心象表現だ。下らないことを言ってみたかっただけ。そして、今だ僕の体もその流れの中にある。聞き流して。

 いや、溶かして。

 ハイ・シエラの谷でとれた水の冷たさで僕の右手はもはや麻痺し、何も描けない。はっきり言って逃げ出したかったけれど一体僕は何処へ逃げたらいいんだ?そんなわけで僕は日常の中で小さな現実逃避を繰り返しては、ぶりかえしては、熱病に執拗に、連れ戻されていた。

 僕には浪人という立場があり、やるべきことがきちんとあったがその答えをまるで別の方向で弾きだそうとするみたいに足掻いた。足掻いて、足掻いて、その跡で凍傷で焼けた赤い手を見て、そして、そのことからまた逃げるように他のことで代償行為としたのだ。言ってみればこの時にひょんなことで出会った娘と何度も、映画を見るための2時間限りのデートを繰り返したのだってその一環でしかなかったかも知れない。

 良く晴れた平日の昼間に近場の公園文庫本を読みながら、溜め息をついた。いまだ、僕の右手はかじかんだままである。

 あがけばあがくほどより深い溝にはまってゆく、それが僕に限った話かどうかは知らないけれど。アリジゴクっていうのがあるけどとても悲惨なネーミングだ。もう、本当に。誰がつけたか興味ないけれど、そんな名前をつける奴こそが深い溝の底で未曾有の苦しみを味わうがいい。

 僕は予備校にまた通い出した。大好きなマイナーなクソ映画もあらかた漁りつくし、しまいには見るものなくてフェリーニまで見た。夜な夜な飲み歩き、好きでもない酒を知らない人間と飲むのももううんざりした。近所の公園なんて僕の縄張りみたいなもんだ。やるべきことをやる時期、そう判断したのだ。ゆらゆらゆらゆらクラゲのように気楽に海水と愛の巣をつくる話は破談した。求愛する相手も無くし、色んな居場所を追われたけれどラッキーなことに僕にはまだやらなければいけないことが残っていた。僕はついてる。

 相変わらず判で押した様に定時に行くことは無理だったけどそれでも少しは救われた。

 ピリピリという擬音が聞こえてきそうなほど押し差し迫った空気の中、僕は浪人2度目の受験を迎える。そんな中に在っても僕はふっきれないまままるでコンクリートプールで泳ぐ気分だった。

 具合が悪くなるくらい考え事をして僕は生まれ変わる夢ばかり見た。1度だけ大学生に生まれ変わる夢を見た。勿論、笑い話だぜ。

TRACK15(INSTRUMENTAL)

 いよいよ試験の日程も押し差し迫るといった最後の前日、友達がお守りをくれた。実際に彼が身につけ、数々の合格をむしりとったラッキーお守りだからといって僕にくれたのだ。

 そして、僕は合格した。拍子抜けした。

TRACK16

 僕は大学生になり、あくせくと大学生をまっとうし、わだかまりとアクセスしたけれどそれが何だっていうのだろう?僕は考えられないほど学校に通い恋をすることもなかった、何事もなかった、暇がなかったわけでもないし余裕がなかったわけでもない。浪人中に比べればさほどの欝没も感じない。歳をとったせいか、はたまたそんな時代なのか知んないけどな。

 ただ僕は絵を描いていた。派手に遊ぶこともなく前から付き合いのある友人と付き合い、本を読み、そして絵を。辛かったことを忘れないように、嬉しかったことをかみしめるように、恥ずかしい自分を戒めるように、何よりも自分自身の僕という存在の力を知りたくて。

 そして、まだ、在りたかった僕になりたくて。

TRACK17

 蟻はただ働き、そしてそういう自らを肯定した。そのおかげでかつての僕を知る人などは変貌ぶりに驚嘆の声など挙げてみたり、またある人は近づき難しと距離をおいた。何も考えない、蟻は死など恐れない。死への行進、日付だけが更新。そんなの怖くなかった。ただ、そのシステムが変わるのが恐ろしかった。何かが変わるのが恐ろしかった。でも、案の定何かが変わる。

 僕はある女の子と出会った。それは特別にマーキングしておかなければとても目立たないような特徴のない毎日に降ってきた、だから僕はその娘が特別だとは少しも思わなかったのだ。

 電話が鳴る。その内容はとても事務的に終始しつつ意図の分からないものだった。予想外の人物、ただの1度以前に引き合わされただけの人物が電話の主とはいえ、特徴のない平穏な毎日の中にある僕はこの出来事の持つある種の特殊性に気付かずにいたのだ。

 そして2度目の電話も鳴る。

 「もしもし 覚えてますか?」

 消え入りそうな声。

 「ええ、覚えてますよ」

 遥か、遥か遠くから語りかける言葉

 そう。堯倖に等しい毎日はとても当たり前の顔をして始まったのだ。キングダム

 実際に会った彼女の中の王国は、かつて様々な人の中に垣間見たような理解の範疇を超えるような代物ではなかったし、逆もまたしかりだったのではないだろうか。

 なんとなく信じられないのは、今こんなふうに生きていること。ただその喜びは宙に浮かんで輪郭もはっきりとすぐ鼻先にあるみたいなのだけれど、蜃気楼みたいに決して届くことはないのかもしれない。物事は現実的であればあるほどそのリアリティを失っていく。誠実であろうと思えば思うほどそれが叶わないようにだ。

 世はなべて。僕は儚む。

 そして、一筋の光明

TRACK18(INSTRUMENTAL)

 最初に体を重ねてから数ケ月経ったある日、僕達は共同作業を終えた。それは本当に思い掛けないぐらい突然にやってきた。僕はこの時やっと誰しもが容易に掴み取ったであろうリアルを手中に収めたのだ。

 彼女は笑った。

 僕も笑った。

 何かが起こりそうな予感がする時は必ず何かが起こる。僕の得た貴重な経験則のひとつだ。

TRACK19

 人は忘れる生き物だから、人は忘れる生き物だから、人は忘れる生き物だから。

 ------

 オーケイ、ドント・スリープ

 男は言った。

 「信じているか?絶対の、完全無欠の、無制限の、無条件の」

TRACK20

 夕方4時頃目が覚めた。

 頬をつたう涙の正体は一向に分からなかったが、多分コンタクトを外さずに寝たせいだろうと解釈した。大学夏休みに入っていて特にすることがないのだが埒のあかないことにいつまでもかかずらっていることはあまり好みではないからだ。さてどうしようと考えて外食しにいく事にした。

 身支度をして部屋のドアを閉める。

 僕は随分と長い間喋り続けた後のような疲労感と、倦怠感、凄絶とも言えるかつてない空腹に襲われていた。そしてあまりに腹が空いて相当笑えてもいた。炎天下の下、こんな体を引きながら繁華街まで出るのはどう考えても億劫だった。駅に行くまでには定食屋だってあったし、それこそラーメン屋や各種飲食店の類は数え上げたら切りがないほど存在したのだけれど、何故か僕の足は駅に辿り着き、そして疲弊しきった体はというと、駅のホームに立ち、新宿行の電車を待とうとしていたのだ。辟易とした。

 平気?いや、平気じゃない。今何故か僕の体は睡眠から覚めたばかりだというのに随分と疲弊していて、風邪をひいたのか何か分からないけれど異常な倦怠感があったのだ。喫煙所でバカスカ煙草を吸いながら、僕は癇癪を起こしそうだった。どんな解釈も無用だった、もう、電車がホームに入ったからだ。どうも僕は乗る気らしいし。

 新宿の街で食べたものはといえば、それが果たして自分の住む近所で食べたこととそうも結果が変わるとも思えないようなメニューを選択してしまったし、それでなくとも、まともに考えればわざわざ新宿電車に乗って飯を食いに来る意味は何なのかと、自分に問うていた。腹が朽ちるとそれも馬鹿馬鹿しくて良い方向に笑えてくる。満腹になった今でいえば、そんなわけの分からない自分が、少し気に入ってきつつもあったのだ。

 大学夏休みに入ってからというもの、怠惰な生活に、対話なき生活に、僕はすっかり馴れてしかも親しんでしまっていた。基本的に自炊で食事を賄う僕としては外出することもなかなかなくなっていた。まぁ、念願叶うといってはおおげさだが、いい機会でもあった。

 ファッションビルの1番上から順に眺める。店舗に入る服屋を物色する。僕は必要に迫られない、狭められない、そんな買い物が好きだった。もう、若い者ではない僕には最先端の流行は必要ではない。購い者でもない。

 ひとしきり人ごみを満喫し、ポケットから煙草を取り出して、目的もなく歩く。人の流れにうまく乗り、集団の中手に、苦なく波に乗り、咥えた煙草に火をつけた。映画の巨大な看板を目にして、胸に何か去来する。僕には何も、分からない。

 信号の青い点灯を待たずに、跨がずに、すぐ手前の白線を踏む。人の織り成す濁流が交差して、甲翳して、ふたつの流れの交わるところで僕は前方から歩いてくる若い女性の姿が目に止まる。歳の頃も同じぐらいで、髪が肩よりも短く、白い開襟のシャツを着ていた女だった。堪らない程多くの人間といっぺんに交錯するようにすれ違う。目を覆うようにして翳した手の甲の影から、急に涙が込み上げて、歩きながら振り返ると個と解けた濁流は散り散りになっていずこへと消えた。

 僕は吸いかけの煙草をもう1度大きく吸ってから、迷うことをやめた。

2008-02-29

誕生日

暦の上ではひとつの節目。ほら、と指折り数えるように季節は過ぎ行く。夏と秋の間には確かにのっぺりと横たわるものがあり、それが僕らの気づかない進度で歩を進めた。徐々に徐々に森羅万象、そこかしこにその歩みの影を落としていった。僕らは気づかなかった。何故なら海はまだ青く、膝までつかった水温が迫りくるものが到来する時が遥か遠く先であることを語った。

 際限なく無限増殖する細胞のような入道雲は今にも落ちてきそうな程低く、僕らの町と空との間には気持ちの優しい屈強な巨人がその四肢でもって落ちてくるものを支えていたに違いない。それほど空の不透明度は低く、ときおり聞こえる巨人の唸り声や大地を擦って踵からつま先へと重心を移動するときの運びまで僕には雑音なくクリアに染みた。巨人が身を呈して守るこの町には軍事基地があり、そのお膝元では軍人の天下となっている。昔からの住人である人々には笑顔を顔に張りつける以外には生きぬく術がなかった。長い長い歴史の中で培われた護身術のひとつである。

  今しがた西の方から飛行機が飛び立った。

 「あ、また飛行機

 僕は銛を片手に堤防の岩肌が突き出した場所に腰掛けた少女の方を見て、呟くように言った。強い日差しの下でもなお黒い印象的に短い髪を風が撫でた。分け目なく乱れた前髪を手で払うようにしてから、彼女はその褐色に焼けた肌を惜しげもなく露出させたキャミソールに点々とついた水飛沫のあとを人差し指で追った。波礁のかけらが今また振りかかる。

 「珍しいね。何かあったのかな?ここんとこ見なかったのにね」

 有無は膝丈のジーンズをロールアップしたパンツから出した足をぶらぶらとさせ、パンツのポケットからメンソールの煙草の箱を出して包みのセロファンを開けて言った。

 「有無。タバコやめろって」と僕は即座に咎める。

 「またぁ。ほんと親みたいなこと言うね、コムは。いいじゃない別に。何がどうなるものでもなし」

 フリップトップの箱を開けて、銀紙を取り去る。ぎゅうぎゅうに詰った20本のうち1本を抜き取り、首から提げたヘンプライター入れから百円ライターを出して火をつけて有無は笑った。

 「コムじゃねぇよ。虚無。間違えんな

 僕は口を尖らせて言った。

 「知ってる?籠みたいなの被った人が時代劇とかに出てくるじゃない、アレ虚無僧』って言うんだよ。あんたと一緒。おかたいのよ、あんた僧侶だから」

 有無はけらけらと笑っていた。僕は口がたたないのでいつもこうやって最後には有無にオチをつけられてしまう。僕は僧侶ではないのだけど、有無の言うように「おかたい」のかも知れない。確かにうまいことを言うかも知れないがそれでも駄目なものは駄目だと思う。僕はそれ以上は取り合わず、水の中を覗くレンズで水中の魚の動きを追った。前かがみになり静かに刺激しないように獲物の動きを観察した。ふくらはぎの半分ほどの深さしかないこんな浅瀬でも魚はいるのだ。僕は彼らに悟られぬよう体を空気中の成分と同化させねばならない、水上で構えた銛の影だって彼らには察知出来るからだ。自分を狙う者の殺気を読めぬようではとてもじゃないけど自然界では生きてゆけない。僕はそういったことを父から習った。僕の銛が水中に落とされる。

 「オオッシャ!」

 僕は思わず拳を天に突き出し、歓声をあげた。銛の先には体をよじる反復運動を繰り返す魚がまだ息を絶えずにいた。その大きさは「大物」とは言いがたいが、とりあえずは僕がしとめた。僕は有無の顔を見る。

 「すごいじゃない。上達したのね」

 彼女は少し感心したような表情で、フィルターの近くまで吸った煙草を指に挟んだまま言った。短く切った髪を耳にかけて露出した耳には銀色ピアス太陽の陽光を眩しく反射させた。

 「その煙草、ポイ捨てすんなよ」

 僕は目を細めて、ぴしゃりと言った。

 家の玄関の引き戸を音を立てて開け、僕は「ただいま」と言っていつものように帰宅した。玄関先に婆ちゃんが駆けてきて、

 「あらあら、おかえり」と迎えてくれた。

 僕は獲れた魚が入ったびくを見せ、反応を伺う。婆ちゃんはやはり父には適わない、と言う。だけれど、僕だってそのうち父のように立派に成れるに違いあるまいと思うのだ。晩御飯の食卓にあがった自分の魚を想像して僕はにまりとした。

 「虚無、町に行って叔父さんのところに見せてくれば」

 婆ちゃんの提案に僕は「そりゃ名案だ」と同意して僕は自転車の籠に魚の入ったびくを載せて跨った。ゆっくりとこぎ出し、加速して町へ向かう坂道を駆け下りてゆく。頬にあたる風が普段の熱風とはうって変わって心地良いものになっていた。僕は心を躍らせて、叔父の賞賛の言葉と大きな手のひらが頭の上にのせられるのを想像してまたもにやりとした顔つきで自転車をこいだ。僕の着ていた白いTシャツはもう脇のあたりが大きな染みになる程汗を吸収し、ショートパンツは海の匂いが香った。汗でも海水でもいずれにせよ塩くさいのだが、僕の着るものがどれも余所行きではなくとも僕はそんなことは気にとめない。僕は頓着しない。

 町の中心部にある叔父さんの経営する釣具店へ向けて、僕はひたすら自転車をこいだ。

 栄えた大きな通りは夕ともなれば軍人で溢れる。彼らはそこで日々鬱憤を晴らすように酒を飲み、ときには暴力を振るう。そんな空気の中を僕は進んだ。

 規模は小さいが売春買春が行われる繁華街一角で見慣れぬ光景発見した。大概、一目でそれと分かる言ってみれば時代錯誤な「売春婦」風の女の人の立ち姿が見うけられるのだが、そのとき僕が見たのは僕と同世代か少し年上ぐらいのあきらかに条例違反であろう年代の女の子の姿である。僕は目を疑ったが真相など確かめる気もなかった。

 叔父の釣具店の扉を押すと、「波浪」と客に声を掛ける調子で叔父が言い、

 「おう、虚無か。どうした?」

 と僕と気づいた叔父は言い直した。

 「魚獲れるようになったよ」と僕は答える。やはり期待に違わず叔父は誉めてくれた。

 「すごいじゃねぇか。たいしたもんだよ、誰にも教わらずなぁ。銛じゃぁオレも教えられないし。どうだ?この際、針と糸に宗旨変えしねぇか?そしたらオレがみっちり鍛えてやるぞ」

 叔父はいつもそう言う。どうにも僕を釣り中間にしたいらしい。

 「それじゃぁ、食べられないじゃないの」

 と言って共に笑った。

 叔母さんの出してくれたオレンジジュースお菓子を食べながら、叔父さんと話した。

 「そういえば、諭くんどうしてるの?オレ昔良く遊んで貰ったよね、銛も上手かった」

 「あいつぁ、ダメだ」

 急に叔父の顔が険しくなり、僕は余計なことを尋ねた気分になった。叔父は続ける。

 「もう、虚無も大人だ。話してもいいだろう。いいか、虚無。おまえはしっかりしてるしそれに頭も良い。おまえだから話すんだぞ」

 「うん」と僕は異様な雰囲気に半ば飲まれながら頷いた。

 「諭。あいつはなぁ、チンピラだ。軍人の腰ぎんちゃくに成り下がって、ろくでもないことばかりしとる。麻薬の売人とかと組んでおるらしい。最近地元の子らを軍人に紹介する橋渡しのようなことをやっていると聞いた。要はな、売春の斡旋だ。分かるか?あいつだきゃぁ、クズだ」

 「ねぇ、叔父さん。じゃぁもしかして『桜番地』にいた僕と同じぐらいの年の子って…」

 僕は恐る恐る尋ねる。

 「あぁ、そうだ。昔は『桜番地』はきちんとした風俗街だったけど、今じゃぁ何だ、援助交際っていうのか?すっかり芯まで腐りきっちまったよ、この町も」

 叔父が煙草に火をつけたところで叔母が話に入る。

 「お父さん、やめなさいな。虚無ちゃんにこんな話。この子はまだ中学生なんだから。そうだ!虚無ちゃん、ご飯食べてく?」

 「何を言ってる。虚無はな、そこらのガキとは出来が違うぞ。そこらへんちゃぁんと分かっとる。な?虚無」

 僕は収拾をつけられなくなったので、「家で食べる」と言って店を出た。しかし、僕はさっき聞いた叔父の話で頭が一杯だった。僕がこんなにも動揺するのは集団の中に恐らく有無らしき姿を発見してしまったからに他ならない。まさかとは思う。ただ、どうしたらいいかは分からない。

 僕は家路に着いた。

 いつも魚を狙う場所があって、そこは観光客がくるようなところではなく地形も厳しく地元の子でもおおよそ僕ぐらいしか来ないプライベートな場所であった。今が夏休みだろうとそうでなかろうと、僕はそこで海につかった。 とろけそうな陽気の中有無はけだるそうに切り立った岩の上に立ち、僕を見下ろしている。彼女は紺色のキャミソールを着ていて肩にかかった部分から黒い下着のストラップがはみ出ているのが見えた。僕も彼女の立つところまで岩をよじ登る。爪や指先、そういった箇所が痛んだ。有無はやはり面倒臭そうに煙草を吸っていた。

 「今年は客足悪いんだってさ」

 彼女は自分の家が営む民宿の話をする。僕の家も観光客相手の商売を多少なりともしているので、そこらへんの話は良く耳にする。今年に限らず年々客足が減ってきているらしい。僕の住む町はそういったことに依った収入が不可欠な町なのだ。切り立った岩のすぐ下の水の中では僕が父から譲り受けた銛が天に向かって真っ直ぐに生えている。それは水没している部分がゆらゆらと正体不明に揺れて、眩しい光りを水面に放った。

 「喉乾かない?買ってこようか?」

 僕は振り返って有無の顔を見て言った。

 「ん」

 自分の財布を放り、咥え煙草のまま返事とも言えない返事で答えた。煙草を離した唇から白く風に棚引く煙を吹いて「奢る。あたし炭酸ね」と付け加えた。

 ガードレールなどない取りあえず舗装された道路を歩き、生活雑貨から何から売っている商店の前の自動販売機の前に立ち有無の二つ折りの財布を開いてお金を取り出そうとする。銀行カードや何かの会員証やらが差してあるスペースに異物感を感じて僕はそれを取り出した。僕は思わず絶句して立ち尽くす。コンドーム男性避妊具である。丁寧に連なったふたつのそれを慌てて元の場所にしまい、小銭が入るポケット部分から手早く出したお金ジュースを2本買った。有無のいる場所へ戻る最中、ずっと考えていたのだけど僕は僕の妄想を頭から払いのけることが出来はしなかった。

 缶を彼女に手渡すとき、偶然とは言いかねるが彼女の服と下着の中に眠るふたつの丘陵のゆるやかなカーブが見えて僕は激しく興奮してしまう。多分原因はさっき財布の中で見た、「性的な行為を行うときの確信」みたいなもので僕のその妄想を確かに現実の場所へ引きづりだすのだ。有無がいくら前かがみの体勢をしていたとしたってそれを覗くのは偶然でなく僕が見たかったからに相違ない。

 夏は終わりにさしかかっているようで終わりは一向に見えやしない。まだまだ雲はその力を誇示するかのごとく胸を張って広がりを見せる。空は低く。巨人はさわやかな笑みを浮かべ。

 僕は思い切って尋ねた。

 「なぁ、おまえ、やったの?」

 僕はこれ以上具体的には言えなかった。空気は全ての空間と繋がっていると僕は思っていたのだけど、それは違った。人と人を繋ぐ関係性の濃密によって区切られていたのだ。そして、僕は空気がこれ程硬く固まるものだなんて知らなかった。伝う汗さえも流れ落ちない程度時間が流れた。

 「見たんだ?」

 と言って有無は目を閉じて立ちあがった。そしてゆっくりとこちらを向き、太陽に背を向け逆光の中褐色の肌が通常よりもそのトーンを落とすのを僕は見た。明度も彩度もが一段落ちる。そして瞼を開いて微笑んで言った。

 「そうだよ。セックスしたよ」

  僕ははっきりと滑舌良く発音したその単語と服と下着の中から覗いたふくらみを脳裏に描いて、まるで猿のように際限なく永久機関のように終わりなくオナニーした。マスターベーション自慰行為と言い代えても良い。そう、十年一日のごとく来る日も来る日も布団の中でそればかりしていた。最低の男であった。他にするべきことも見つかりはしなかった。想像が加速してブレーキが利かず、有無は僕の想定した架空の世界の架空の部屋で日を追うごとに一枚ずつ脱いでゆき、日を追うごとに僕のどんな無理な要求にも応えるようになった。そしてある日の夕方一切立ち寄らなくなった海へ行き、計り知れなく大きい太陽ですらすっぽりと難なく包んでゆく水平線を見て自分が一体何者かを己に問うた。

 朝起きると適当な袋の中に水着タオルそういったものを積め込んで、海へ出かけた。銛は持たず、ただ体ひとつで海を泳ぐ。海水中の塩分が浮力を生み僕の体をまるで拒絶するかのように押し上げ水面に浮かせた。僕が潜ることを嫌がっているようでもあった。体中に蔓延した不健康な老廃物を全て排出する腹づもりで、体の奥深く何処かで息を潜める病巣の中核を探し当てねばならない。そうでもしないと僕は存在異議を失うのだ。夜毎陰茎をしごくだけの「もの」であって堪るものか。自分だけが知る海岸線でなく、公衆遊泳場に来ていた。時期もピークではないので割と地元若者が多いようである。そういった経緯で日がな泳いだ。

 僕はこれ以前にだって自慰行為をしていた。考えていた。ずっと。何故僕はこうまでみっともなくならなければいけなかったのか。何故僕はかさぶたを掻き毟るように。何故。何故。そういったことを呟きながら水中から回答の眠った宝箱を探す、見渡す。遊泳中のカップルの片割れで目的も持たずにふらふらと漂い泳ぐ女が平泳ぎの恰好で股の間の小さな布で隠された部分を晒すのを長い間ずっと潜り続けて凝視していた自分を発見したとき、僕は同時に答えをも発見した。なんのことはない。これが僕だったんだ。塩水で目を擦った。

 僕は大人になるまでこの自分自身の下半身的問題を平和的に解決出来ない。要するに女を買えない、ということだ。しかしながら僕は望みもしたが勿論憎みもした。有無が買われるという現実を、この両目ではっきりと見ておかなければならなかった。より深く自分を呪う為に。

  町へ降りると、金曜だけあって人は多い。都会の盛り場と比べたら本当にちっぽけなものだ。色町『桜番地』へ近づくにつれ、ぎょろぎょろとした目つきであたりを見まわす。ここの色町は変わっている。それらしい店を全部一角に集めただけで、表の通りから丸見えの場所で平然とさも普通のことのように売り・買いが成される。同時に良くある繁華街でもあるから、例えば僕や同級生やなんかが居ても特に誰も咎めない。

 僕は諭くんを見つけた。面影が残っていたのですぐに分かった。その後について歩くのは有無と同級生の友達であった。僕の予想は出来れば外れて欲しかった。全員知った顔で、それもクラスの中でも特に大人びていて顔だちが美しく整った者ばかりだった。そして有無は群を抜いている。

 僕は叔父さんの家にお使いに行く名目で町に来ていた、そして恐らく彼女らも似たような嘘を並べて来たことであろう。預かってきたトマトを握りつぶした。

 何てこった。あいつらか。

 僕は自転車の籠の中のトマト軍人の足元に投げつけた。そして僕自身、我を失い何事か夢中で叫んだ。自分ですら果たして何を言っているのか分からない。僕は右手の中指を立て、

 「間座墓!」

 と叫んだ。軍人は首だけで振り返り、それから僕の方へ歩みを寄せる。僕よりも40センチ身長が高い彼の眼光は既に「子供のしたこと」を笑って許すような雰囲気ではなかった。軍人はその上等な皮のブーツで僕のももの付け根をポケットに手を突っ込んだままで蹴った。大人の力の衝撃がその箇所から電流のように地面に抜け、さながらアースの役割でも果たしたかのように僕の左足は焼け焦げて落ちた。立っていられなくなり、地面に倒れ込むとすぐ目の前に皮製の靴のつま先がある。目をつぶる暇もなく鼻から大量の血が流れ出して、息が出来なくなった。口の中が熱くて、鼻水と血が混ざってマーブル模様を織り成しその不自然な美しいコントラストを眺めた。涙で視界が利かなくなると、今度はわき腹に針で刺されるような衝撃が訪れた。正体不明の嗚咽を漏らす僕を助けようなどという者は現れるはずもなく、結局は僕が何者であるかを問われるだけだった。彼の顔は笑っていた。

 「坂!…国家!」

 僕は片足を押さえ膝を付いた姿勢まで体を起こし再び中指を立てた。彼はそれまで顔の表情は笑った形を作って努めていたがその瞬間には完全に笑顔もおちゃらけた態度もなくなった。ポケットから出した拳で僕を思いきり殴りつけた。僕は誰だ?彼は最早軍人として僕を殴らない。そして笑わない。ならば、立ちあがろうとする僕は一体何者だ?今さっきまで軍人であった男は問う。オレは誰だと。オレは一生陰部を擦り続ける醜い生き物か?そんな男か?退いて生きるか?

 僕はふいに笑いがこみ上げた。

 「オレは海の男だ」

 僕は声に出して言った。

 彼は飽きたという身振りで友人らしき軍人を連れて、帰っていった。だらりとぶら下がった動かない腕はファイティングポーズのつもりだった。

 叔父さんの家で目が覚めた。叔父さんは安堵した表情で

 「あぁ、良かった。このまま目を開けないんじゃないかと思ったよ。しかし、すげぇ顔だなぁ」

 と僕に話し掛ける。叔父さんの説明によると僕は気を失い、そして軍人が帰っていった後で見ていた人達がここまで運んでくれたということらしい。有無がどうなったか知りたかったけれど、そんなことは勿論訊けはしなかった。叔母さんが出してくれたお粥を食べようとして口の中に入れたらすごい衝撃が走って、僕は思わず宙に浮く。

叔父さんも叔母さんも笑って言った。

 「虚無の親父さん、未曾有さんもケンカはしたけどさすがに奴らにケンカふっかけるなんざ聞いたことねぇや」

 「そうよ。もうちょっと相手を考えなさい。殺されてたかも知れないのよ」

 やはり叔母さんは泣き、僕はあとで家族にみっちりと怒られた。

 だけれど、僕は自分が何者かを取り戻した。

 以前にも増して僕は亡き父のように立派な漁師になろうと強く思う。鋭く切り立った岩壁を背に、汐が引いて膝丈程もなくなった外界から隔絶された知られぬ海で僕は銛を片手に空を見上げた。いつまでも空は夏の様相を呈していて水面に落ちた人影で僕は背後の岩の上に有無がいることを察知する。

 「そこだ!」

 僕は小指の爪ほどの大きさの小石を放ちながらそう言った。

 「久しぶりじゃない」と小石のことには触れずに進める。思わず冗談めかした自分が恥ずかしくなるほど冷静に。

 「そうだな」

 僕も冷静に。

 「虚無、少し変わった?」

 「そうかな」

 「何してんの?」

 「銛の練習。オレはやっぱり漁師になるよ」

 「そう」

 そんな会話を交わした。有無はメンソールの煙草に火をつけて煙を吐き出すと同時に顔を上げた。僕は相変わらず銛で水の中の地面を形をなぞるように落ちつきなく突ついていた。彼女は指に煙草を挟んだまま、切り立った岩のわずかな取っ掛かりを慎重に滑るように降りた。僕の隣に腰を下ろし尻をつけて砂浜に座る。僕も砂の上に座るが水着が濡れていた為に濡れた砂が尻の形にくっきりとついた。あまりスムーズ言葉が出ない。

 「有無は?何になるの?」

 僕は沈黙の堰を切るように話し掛ける。

 「分からない。あんたのお嫁さんにでもして貰おうかな」

 僕が驚いた顔をしていると「冗談よ」と言った。

 二人で動きのない海を見ていた。海鳥が遠くの島へ飛んでゆく。すると、有無は立ちあがり

 「気持ち良さそうね。あたしも入ろ」

 とそのままの姿で駆けて波を掻き分けてその身を浸した。僕があっけにとられ制止する暇もないまま彼女はずぶぬれの恰好で海からあがってきた。

 「やっぱ服着たままだと辛いね」

 僕の目は彼女の透けた服から浮き出た秘密しか入らず、完全に思考は停止し例えば気の利いたセリフのひとつも出てこないままとめどなく湧いてくる唾で急激に乾いていく喉を潤していた。髪をかきあげる仕草をした後、有無は

 「虚無はセックスしたいの?」

 と訊いた。

 僕は「オレはセックスしたいよ」と答えた。

 僕は煮え切らない情欲を抱えて悶々としたままの紳士に分かれを告げた。僕は快楽を貪る者だが、決してそれのみには存在しない。彼女に抱いた幻想彼女に抱いたいかがわしい妄想、己に都合の良い空想、そういったものを1箇所にまとめて全部破棄した。それから僕は有無と交わった。

  鋭く切り立った岩影で、外界から情報がシャット・アウトされた知られぬ砂の上で、落ちかけた太陽に焼かれ背中を水飛沫に濡らし僕は一際大きな声を出して果てた。

 僕も有無も裸だった。彼女のお腹の上にはまだ生々しく行為の証が記されたままである。濡れた有無の服は薄いタンクトップですらまだ乾かず先ほどと全く変わらない。時間の経過も感じられない。脱ぎ散らかされた衣類の位置もそのままだ。

 「気持ち良かった?」

 と一番最後に有無は乾いた服をそそくさと着ながら訊いた。

 自転車海岸線を走っていると、東の方角へ飛行機が飛んでいった。僕が数えただけでももうさっきから一体何台の飛行機が飛び立っただろうか。気体がもの凄い速さで小さくなっていくのを見届けてから、再び自転車に跨りエデンに似た外界から隔絶された場所へ向かう。遠目に有無の姿を発見して片手でハンドルを握りながら大きく手を振った。彼女も体全体を使って信号を僕に返す。

 「あ、また飛行機

 有無は上空を見上げて言う。

 「オレも見たよ。来るときだけですごい数の飛行機見たなぁ」

 「あたしも。何かあるのかなぁ。演習とか?」

 僕は「さぁ、どうだろうね」と言い終わらないうちに、すぐ隣に座る有無の乳房を背面越しに触ろうとした。彼女は僕の手をまるで蝿や蚊をはたくような感じで叩いた。僕が彼女に会うのが待ち遠しかったのはいわずもがななのだけど。有無は

 「あの時だけだよ。そんなねぇ、都合良くホイホイやらせるわけないでしょうが」

 と手厳しく言った。僕はしつこく懇願したが、彼女が要求を飲むことは無かった。岩場に立てかけた銛が太陽の光りを反射して光線を生み出す。僕や有無に浴びせ掛けられた兆しの元を探し、空を見上げた。往き付く先は夏を完全に体現しその大きな両手で包み込むような入道雲。空を支える巨人はやはりその笑みを絶やさずやがて秋が来るまで微笑み続けるのだろう。

 「まったく、言わなくちゃ分からないの?」

 有無は胸の高さの水面に左手を入れて、水の中で僕の手を握り引き寄せた。帆を張った舟のように水面に浮かんだ僕の体もその小さな力で彼女の体にぶつかる形で引き寄せられる。お互いに向き合い体の前面を押しつけるように抱き合った。彼女は僕の股間を水中で触る。空は高く広大で、僕たちは身を寄せ合い抗わずそこに含まれた。東の空からまた飛行機が飛んで来て、僕たちの上空を過ぎ去るのを見ていた。

 僕たちは飛行機の来た方角の空を見る。空では入道雲とは違う、けれど、ひときわ大きな球体のような雲が風船が膨らむ様を連想させた。心なしか荘厳で見ているものを魅了する何処かで見たことのある形の雲だった。ずっと、ずっと遠くまで、僕は僕の父も祖父もが愛したこの海の果てまで思いを飛ばす。

 「わぁ、見て。綺麗」

 と有無は水中から出した手をかざし、遥か遠くの海で立ち昇る雲を指差した。

2008-02-20

紺屋の白袴

こちとらイメージ重要な心の癒し商売だ。

いや、カウンセラーとかそういうんじゃねえよ。

まあ、お香を売ったり精油を売ったりしてると思いねえ。他には雑貨とかお守りとかさ。和風じゃなくてタリスマンつうのかなんなのかアジアンテイストな感じのアレな?スピリチュアルまで行っちゃうと客層がアレになっからよ、まあ雑貨好きの趣味人とかを相手にしてる。

でさ、なんか営業電話がかかってくるわけよ。

「これからはインターネットの時代です!ネットショップ開きましょう!絶対いけますよ!」とかいうのよ。

こっちはさあ、今の店舗をそこそこ維持して楽しくやってけりゃいいやって感じだし、もうネット上に競合はわんさかいるわけでさ。あんまり乗り気じゃなかったわけ。

でもしつこいからこっちも折れてね。

押し問答の末にさ、サイトの費用やら維持費やらは全部そっちもち、こっちが仕入れと発送担当利益はこっちがちょっとだけとってまあ大半はあっちにやっちゃうってことにしたわけ。ドロップシッピングとかいうのか?それのうちの店版な。

最初は良かったんだよね。件数も少なかったしさ、こっちは楽で。大して儲かんないけど店は普段通りだしな。

でもあっちがさあ。あせっちゃってさあ。

極端に宣伝し出すわけ。もうべたべたとさ。行く先行く先宣伝がみえんの。電話してても声がうわずっちゃってさ、事務連絡の後にぼちぼちやりたまえよって言ったら受話器がガッチャーン。余裕無いの。

まあでも注文がこなきゃこっちはどうしようもないしさ。取り分がどうとかじゃなくて全部渡したってお小遣いぐらいの金額しかねえんだもんよ。

電話じゃらちがあかねえとか言うから閉店後の夜中に来てもらったんだけど、もう見るからにストレスたまってんの。自分がどんだけ売ろうという努力をしているかとかさ、最初の営業電話より激しい勢いでまくし立てるわけよ。よっぽど金使っちゃったんだなアレはさあ。

どうせそんなことだろうと思ってさあ、落ち着く香を最初から焚きしめてたんだけどまあ見事にだめだったね。ハーブティーだってがぶ飲みしちゃうしさあ。

わかってたことなんだけどさあ、原因がはっきりしてたら癒しなんてきかねえんだよなあ。色々小さいことが積み重なって、こんがらがって疲れて、そんなとき、そこをときほぐすためにうちの商品ってあるんだなって。そこをこう「借金」とか「利子」とかがこれ以上なくはっきりとどかーんってなっちゃってたらまあ、だめなんだなあ。

んで今後の売り上げ向上策とか色々話し合って、辞典を作ったらどうかとかアフィリエイト始めたらどうかとかいうんだけどあっちにどんどん負担かかるじゃない。無理だと思うなら投げ出しても良いんだよ、損が大きくなりすぎねえうちに退くのも商売のうちなんだからようって言ったらまた顔がこわばるこわばる。どれほど損がでてんのかききてえけど聞いたら最後てえへんなことになりそうだったんで聞くのやめといたわ。

しまいにはとりあえず売り上げ向上策のために200万いるから投資してくれとか言い出しやがった。そんなのいきなりでねえよと。余裕資金がはいそうですかとそんなに出せるほどでかい店じゃねえだろうちは。

ちいと頭冷やしなっていってうちの店のおすすめセットをタダでもたせてやったけど、まあ役にたたねえだろうなあ。でもさあ、心に余裕のない奴から心のための商品を買ってくれるほど心の広い奴はうちの商品を必要としてねえんだよ。まず自分がおちつかねえと、な?



※この小説フィクションです。実在の人物、店舗サービスウェブサイトはてなキーワードなどとは一切関係ありません。

2008-02-12

http://anond.hatelabo.jp/20080212170012

普段入れないようなチャキチェキ女の子向けの雑貨屋さんにも

ホワイトデーだしー仕方ないんスよサーセン」な面で品物物色できるし。

端から見ると「ホワイトデーだしー」なんて見られずに「キモオタ乙」としか見えない罠。

つーか、臭いから男は雑貨屋に来んな。

http://anond.hatelabo.jp/20080212152218

楽しいよ。

ホワイトデーホワイトデーっつてもさ、

なんだかんだでこっちも選ぶの楽しいし。

普段入れないようなチャキチェキ女の子向けの雑貨屋さんにも

ホワイトデーだしー仕方ないんスよサーセン」な面で品物物色できるし。

まぁ、結局は大抵食い物にするけどね。

自分で焼いたクッキーだったり。自家製だとは恥ずかしくていえんけれど。

どうせ贈ってくれた相手も義理なんだから、そこまで気張ることないんだよ。

別に趣味の悪い小物選んでそいつからの評価下げられたとしても、大したことじゃない。

http://anond.hatelabo.jp/20080212131220

うーん、そうともいえないんじゃないかなぁ。

でも商売として成り立たないのは需要が無いからでしょ。


早朝から深夜まで開店している小規模店舗ネットワークした食品雑貨小売業(=コンビニね)が1970年代より前には存在しなかったのは、「需要がなかった」からというよりは需要が顕在化していなかったからなんじゃないかな?

つまり、女性向け性風俗産業が現在商売として成り立っていないのは性欲の男女差のせいではなく

  • 需要はある=女もシたがっている
  • だが需要を満たすようなサービス(安全・気軽・安価・高水準)が存在していない

・・・から、かもしれないよ

2008-02-01

http://anond.hatelabo.jp/20080201113319

中国をシャットダウンできないのは日本企業日本政府でしょ。

企業についてもっと言えば自分のボーナスを減らしたくない上の奴らだ。

庶民にとっては、価格が上がろうが品目が減ろうが、

安全と引き換えにするなら耐えられる程度の痛みじゃないの?

中国冷凍食品がなくなったら子供のお弁当を作ることが不可能、なんてありえない。

衣料品雑貨まで統制しろといってるんじゃないしな。

2008-01-30

http://anond.hatelabo.jp/20080130230026

なんと……

別にそういう訳じゃなく、単に、彼女が欲しがってたモノを見つけたので、買ってあげたいなぁと思ったんです

でも彼女に報告すると絶対「じゃあお金後で渡すから買っておいてくれる?」っていう流れになると思うんです

そうじゃなくて、買い物の代理じゃなくて、なんかもうプレゼントしたいなぁと思うんですけど

あと特別何かあるわけじゃないけど、彼女の好きそうなものを見つけるとプレゼントしたくなるんですよね

彼女の好きな雑貨屋とか。この時計似合いそうだなとか思って。

でも時計は既に彼女持ってるし。

指輪とか可愛いと思うけど俺のセンスじゃどうなんだろうとか思うし。

でもあげてみたい。みたいな。

でもやっぱり突然そんなもの渡すと「えっ!?何!?」って思われちゃうかなあ。

とも思うんですよ。

あんまりそんなにあげすぎると「気持ちが重いよ」と引かれそうで怖いです。

誕生日プレゼントしたとき、「こんなに高いの悪いよー」ってしきりに言ってたんですよね。それに友人にも「逆に引かれね?」って言われたんです。その辺の感覚が俺にはイマイチ分からないんでどうしても不安なんです。

2008-01-16

飛び込み販売

立川にREMIXという雑貨販売を飛び込みセールスしてくる会社がある。

http://townwork.net/h/r/Fh30010s.jsp?lac=01&gac=001&lc=130738&sc=08992&rid=05733611&rfn=1&axc=11

たぶんこれ。

毎回アルバイトらしき子が、

ヒーヒーいいながら、

おもちゃを買ってください!だとか、

この化粧品を買ってください!だとか、

この時計を買ってください!だとか言いながらお店に飛び込んでくる。

まさに飛び込み営業だ。

いまどきこんな営業は珍しい。

こないだコンビニにまで飛び込んで営業しているところを目撃した。

もうなんていうかどの子ももんの凄い必死。

毎回あんな必死な子達みたことない。

ただ毎回商材が意味わからなさすぎる。

しかも微妙に高い。

正直いらな過ぎる。

男に化粧品うりつけてどうするんだよ・・・。

売れない商品だから立川から相当はなれたこんなところまできてしまうのかもしれない。

本当に意味わからない商品ばかりで、かなり気合が入ったボストンバックらしきものから・・・

「これを」と言い出した時点でまた来たかと思ってしまう。

どこでそんなものみつけてきたのと思ってしまう。

だが今日は違った。

綺麗な発砲スチロールを抱えていたのだ。

一瞬宅急便の人だとおもって、受け答えしたのだがどうも様子が違う。

京都の方の大福屋だという。

口上がはじまる。

「このたび東京のほうで・・・」

「どの大福がいいですか?」

なんのこっちゃわからないので、

どれでもいいよと、受け答え。

支店をだすので挨拶まわりかな?と思った。

で、どこに出すの?と聞いたら、

立川だとかいいだした。


3連の大福をなぜか2つ積み上げた。

ん?

と思ったが、もらいっぱなしじゃ悪いからうちのサンプル商品もってきなよ、と、渡してあげた。

そこで、おにーちゃんが一言。

「1050円になります。」

・・・?

おおおお!

ここでようやくREMIXだと気が付いた。

REMIX?」

「…はい。」

大福いいよ…。おつかれさま。」

その子は大福をひっこめると、ハンドキャリーに発砲スチロールの箱を4段ぐらい積んで、

隣へ移動していった。

商品カウンターにまで置かせたのは初めてだぜ!

今日の子はなかなかやるな。

いや、しかし、この子達は何かノルマかなにか課せられているのだろうか…。

なにか地方からきましたというような純朴な子たちが毎回毎回実にがんばっている……。

ホームページにたどり着いた。

http://www.hpmix.com/home/remixltd/frame.htm

社長がまだ22歳なのか。なるほど…。

なんとなくこの向こう見ずな鉄砲具合の理由がわかった気がした。

なんか大福ぐらい買ってあげてもよかったかもしれない。

一時の気の迷いだけど。

一応。批判でもなんでもなくただの感想ね。

2007-12-16

http://anond.hatelabo.jp/20071216192719

Amazon佐川を選んではいないし(うちのあたりじゃPericanかヤマトメール便だし)

佐川の悪評(特に美術系や雑貨系で)は未だに消えてないし

というかリテール以外の部分ではヤマト佐川も便を融通しあってたりするし

まあべつに駄目と騒ぐことまで咎めはしないが、どうせ過去にあったちっぽけなことがきっかけだったりするんだろ

2007-11-16

http://anond.hatelabo.jp/20071116163207

日吉祥寺をぶらぶらした際に雑貨屋も商売がらずらっと回るので見て回ったのだけど、

めぼしい路面店ではつぶれてるところはなかった。

女の子しか店員がいない雑貨屋といわれて心当たりがあるのが、

そもそもそんなになかったのでめぼしをつけていったのだけどそこじゃなかった。

テナント店だとするとさっぱりわからない。

それに雑貨屋にしてはアルバイトの数が多すぎるのも気になっている。

10人以上・・・。

どこだろうなーーー・・・。

2007-11-10

http://anond.hatelabo.jp/20071110104104

どこどこ?

吉祥寺雑貨屋チェックしてるのだけどどこだかわからない。

どこらへんの店?

カンパニークラッシャー

社員もバイトも100%女性ばかりの某小規模雑貨店での出来事。

もともと女性1人で立ち上げたので、35歳の社長みたいな状態。若い。

私(30歳)はその広報・宣伝・PC担当だったので、

店内の装飾とかWebサイトとか通販とか似非POSの管理とかしてた。

だから基本店内には居なかったんだけど、バイト募集の告知を作ったときに

社長が急に「男性もOKっていれてみよっか」と半分イタズラみたいなことを言い出した。

まあ、こんないわゆるかわいい店にそんな告知貼ってもこないだろうと作成して掲示。

そしたら3日目に男の子がやってきた。

なんかいわゆる俗に言うメガネ男子。24歳の大学院生

ボーダーのシャツとか似合っちゃって、おとなしめで嫌味のないタイプ

悪く言えば主張が弱そうなタイプ。外見イメージだけは勝手くるりの岸田みたいな。なのでキシダくんと仮に呼ぼう。

なんか社長とか喜んじゃって即採用。まずはレジと倉庫&品出しやってもらおうという話になった。

はじめは「男くるんですかあ?」みたいに警戒してたバイトたちも、ひ弱そうなかわいい男子が来たことで

妙に盛り上がる。もともとジャンル的に「オトメ」みたいな連中なので

彼氏存在率が基本的に少ないし、よくわかんないけど専門出ばっかりなので

大学院とかいう響きに弱いらしく質問攻め、ハーレム状態。

「キシダくんって、どんな音楽きくんですかー?」

「あー、くるりとか」

「キシダくんって、専攻何やってるんですかー?」

「あー、仏文」

もうベッタベタだけど盛り上がりすぎて、仕事になってない。

しかも社長とかまで「研修」とかいいながら事務所で長時間捕まえてたりして

(その割には雑談ばかりとか)結構辟易してた。

妙に職場全体が彼を中心にして派閥とかが出来始める。

彼がいるってだけでシフトが偏りだし、品出しをしている彼にバイトがくっついていっちゃうので

レジががら空きになったりして、どうもバランスが悪い。

こりゃいかんと思って、社長に進言するも、意にも介してない。

「あなたはキシダくんがいることで店内に活気が出てきたことに気づいてない」

とか最後言い出すの。活気と浮ついた雰囲気は別だって言ってやりたかったが、

経営者としてどうなのよとすげえ感じて、底が見えた気がしてそのあと1ヶ月して仕事辞めました。

ただまあ、Webとか通販とかの各種引継ぎをしなきゃならなかったので

結局辞めた後も、ちょこちょこ割ともう一人仲のよかった事務の子とは連絡とってたのね

そこから伝わってくるのがすさまじい様相。

「○○さんがキシダくんに色目を使っているとバイトが揉めている」

「××さんはキシダくんがいないとシフトを絶対に入れない」

「△△さんはキシダくんのミスを一切隠す」

どこの女子高生だよ。仕舞いには社長がキシダくんだけの時給上げたりしてる。

私も限界です、なんて事務の子も言ってんの。どうしてそこまで彼女らが彼に入れ込めるのかがわからないが

とりあえず全員一致の意見で「キシダくんは何も悪くない」になってるから始末が悪い。教祖化しちゃってる。

どんだけ魅力的なんだよキシダと思ったが、実際彼は本当に何も主張しておらず

女の子の誘いにほいほい乗るわけでもなく、甘え上手なわけでもなく、

誰か一人を特別扱いするわけでもなく、そんな職場内のなんか微妙空気を感じるわけでもなく

(まあこの鈍さに問題があるんだろうけど)

ただ淡々仕事して、大学行ってる。確かに悪いことは何もしていない。

そんで先々月、どうやら論文がどうたらでキシダが半月バイトを丸々休んだらしい。

モチベーション下がりまくってた店内にひさびさにキシダが戻ってきて開口一番

論文研究がこれから本格的になるので、バイトやめます」

店内と事務所が一斉にどよめいたらしい。客いるのに。

そこからがすごい。大告白大会。客いるのに。

「そんな、私キシダくんいないならこの仕事やってる意味ないじゃん」客いるのに

「おかしいよ、論文くらいバイトしながらでもできるじゃん」客いるって

「いや、でもフランスまでしばらくいかなくちゃいけないんでご迷惑でしょうし」キシダ

「そんなことないよ、いてくれていいよ」社長登場

「だったらパリまで雑貨の買い付けいく。その手伝いしてくれてもいいし」社長それは…

「そんなずるい」「そのあいだお店はどうするんですか」「独り占めするんですか?」

他のバイト電話するやつ、泣き出すやつ、怒るやつ、社長につかみかかるやつ

店内の客も不審な目でみながらいつのまにか全部いなくなってた。

なのにキシダはきょとんとした顔をしてたらしい。

「キシダくんはどうしたいの!」

「いや、僕は単にバイトをやめたいというだけで他は特に…」

ここまで鈍いというか、空気読めないというのもすごいけれどなあ…

そうして何をするでもなくキシダは店を去り、バイト6人が一斉に店を辞め、あきれ果てた事務の子も辞め

店は半月間の臨時休業の後、10月末に閉店しました。

吉祥寺で急に閉まった、あの店の顛末です。

2007-09-23

ギャル彼女と長続きする要因

それはおばちゃん気質である。

相談を受けたらふんふん聞くだけ聞いてふーん大変だねーって言って終わってみたり

甘いものが好きだったり

雑貨屋が好きだったり

服屋を色々知っていたり

ミーハーになれたり

ジャニーズに詳しかったり

そうすると妙に長続きする。

友達の延長になればいいのかも知れない。

ちなみに、ギャルについては知らないのでなんともいえない。

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