以来、就職まで、祖父(人間のクズを煮詰めたようなDVセクハラジジイ)、祖母、母、きょうだい1人、私の5人で暮らしていた。
私の母親は、昔から「何か他の家のお母さんとは違う」と思っていた。
私が小さい頃、私の素行を注意した老夫婦に「うるせえジジババが」と言い返したり、中学生の時の塾の進路相談(祖父はクズだが金だけはあって塾に行けたのは幸運だった)を、ろくに話もしないで終えてしまい先生を困らせたり、騒がしい近所の家に対し抗議の意として化粧品の瓶を投げ込んだり。
DVを働く祖父に対して「クソジジイ」などと罵り、事態を悪化させるのも困りものだった。
当時はまだガラケーの世で、月額315円の占いサイトとかそういう有料サービスがたくさんあった。母親は知らないうちにそれらに多数登録してしまい、解約方法が分からず月に何万も携帯料金を払い続け、それを家族に隠していた(知的障害があると、問題が生じていても誰かに相談できず放置し続けてしまうことがある)。
携帯料金の明細を見た私はすぐに有料サービスを全部解約させ、二度とこういうことがないようにと、有料サービスの誘導画面の説明をした。
「まるで親と子が逆みたいだ」と思った。このあたりからなんとなく「うちの母親には知的な遅れがあるのではないか」と考えるようになった。
また、きょうだいにも、母親より少し重いが軽度の知的障害があった。
しかし、祖父は「障害者が一族から出たら終わり」という考えの上、自分が大学に進学できなかったコンプレックスもあり、きょうだいは無理やり名前を書けば受かる大学に進学させられた。
必修科目をシステム登録できず留年仕掛けたり、コンビニやカラオケのバイトも数日で退職勧奨されたり、見ていられない状況だった。
どうにかきょうだいに療育を受けさせられないか、居住自治体に問い合わせたこともあったが、母親に反対されて断念した。母親は私が通っていた中学の特別支援学級にいたダウン症の子を引き合いに出し、「あんなのと一緒にするのか」と宣った。ちなみに、福祉業界の知人いわく、「障害者が他の障害者を差別するのはよくあること」らしい。
私の就職が決まり、大学4年の終わりになるころ、祖父の経済的・精神的・身体的DVが極まり、家の中はめちゃくちゃだった。
ある日、母親が半ば錯乱状態で「お前らみんな包丁持ってきて殺してやる」と繰り返し叫んでいた。それを聞いた私は「この人はやりかねない」と恐ろしくなり、そこから半年くらい死恐怖症に苦しんだ。このときに出会った禅の思想は今でも心のお守りである。
祖父に関しては悩みもしなかったが、母親については何年も逡巡した。母親の知能だと、「なぜ子どもから縁を切られ、会えない状況が続いているのか」、一生理解できない可能性があるからだ。
しかし、3年、5年と絶縁している期間が長くなるにつれ、「これが私と母親との適切な距離なんだ」と感じるようになった。今では母親のことは「支援が必要な他人」として認識している。何かあったら、行政の然るべき部署につなげることはやぶさかではない。
ここまで書いてきて意外かもしれないが、私は知的障害者が育児することについて全く否定しない。
「子育てをしてはいけない人間」を指すとき、そうである者と、そうでない者の境はなんだろう?明確な線を引けない限り、それを誰かにあてはめることはしないというのが、私の立場だ。私自身苦労は多かったし、支援が欲しかったとは思うが、母親のことは、今となっては全く恨んでいない。
書いてくれてありがとう。 子供の同級生だった子の家庭に少し似ていて… 自分は何もできなかったことへの後悔や言い訳に襲われることがある…(近所だった) 関わることが正直怖く...
こちらこそコメントありがとう。 「よそはよそ、うちはうち」の世の中だから、何もできなかったのは仕方ないと思う。 私だって母親ときょうだいを見捨てて逃げたわけだし。 でも...
うん、正にそんな気持ちで生きてる。周りや若い人達にできることをできるだけという気持ち。ただ無理はせず…これは自分のため。
>母親の知能だと、「なぜ子どもから縁を切られ、会えない状況が続いているのか」、一生理解できない可能性があるからだ。 なるほどなあって感じ。 私も同じような母と距離を置い...
女は知的障害でも結婚して子供も産める イージーだよねぇ・・・
なんで増田だけ健常なの?種が違うのか運がいいのか
全部増田の妄想だったというオチ・・・?
きょうだいは遺伝というより出生時の状況から来るものじゃないかと思ってる。 私だけまあ増田に文章が書ける程度の知能を持って生きていることを「運がいい」と表現して適切かは...
知的障害があるけど、本人も祖父母も認知しないまま健常者として親やってる人は結構多いな。 うちの父親も本人は認めないけどたぶん知的障害者だよ。 年取ってから知的障害を認める...
ああ〜共感しかない。 とりあえず悪いニュースでテレビでその名を見ることがありませんようにと願いつつ、そのくらいのことがあれば支援にも繋がれるだろうかという気持ちも半分。
大変でしたね こういう家庭、結構あるんだろうな 今が幸せそうでなにより
このようなご家庭がどんどん増えていくといいな。 今後知的障害者の子育てについて支援する動きが増えるなら私も応援したい。自分がしてほしかったように。 その通りだと思う。 ...
日本の女なんて全員知的障害みたいなもんだろ
anond:20230430224151 母親が知的障害者だった増田だけど、書いた途端に祖父の訃報が届いた。デスエッセイか。 ※「縁切った言うてたやろ」と思うかもしれないが、縁切ったことがある人な...