2022-07-28

私に生きる意味ができた日

私には、「それをしても無駄なんじゃないか?」という思考がある。

これは高校生の頃に身についてしまって、大人になっても続いていた。

その思考が初めて生まれたのは、高校生とき学校勉強って意味あるの?」って思ったこと。

学校勉強はある程度意味はあるけど、本当は大学受験のための勉強である面が大きい気がしてた。

他にも、音楽音楽聞いてどんな意味があるんだろう?多少の喜びはあるけど、そんな多少の喜びのために聞いてどうするんだろう?

音楽演奏だって仕事としてお金を稼ぐならまだ分かるけど、趣味演奏して、そこにどれだけの意味があるんだろう。

いや、そもそもお金を稼ぐ意味って何?生きるためかな。じゃあなんで生きてるんだろう?

そんな風にして私はどんどん思考を進めていった。

今になって思うと、うつ的な傾向だったんだと思う。でも私にとっては大事な話だった。

その後大学に進学し、キャンパスライフ満喫する。

周りと同じように、友達と遊び、恋愛をし、サークルに入り、バイトをしたり、

美味しいお店を巡り、おしゃれをし、そうやって大学生活は終わった。

大学卒業し、社会人となる。そこそこの企業事務職就職

定型的な仕事。楽しくもないけど給料は手に入る。そんな生活が続く。

私には趣味がなかった。

例えば推しがいる友人が羨ましかった。そこまで夢中になれる存在があるのが羨ましかった。

もしくは、仕事に熱心になる友人。恋人に夢中になる友人。旅行が好きな友人。みんなすごいなって思う。

大学生活で遊びは一通りやったけど、どれも虚しかった。喜びの指数を100点満点で表すと、60点くらい。

私は病気なのかなと思って、心療内科受診した。

でも仕事もできているし、体調にも問題がないため、特に診断名はつかなかった。

気が巡るという漢方だけ処方され3週間飲んだが、効果はなかった。

思い返せば、この原因は、私が高校生に身に着けた「それをしても無駄なんじゃないか?」という思考にある。

「美味しいものを食べたって、結局それが何になるんだ?」みたいな。


そんな生活が続いたある日。変化が起こった。

好きな人ができた。

ただの恋愛感情じゃないことが瞬時に分かった。

今まで何人かと付き合ったことがあるが、それとは全く違うことが分かった。

「この人に会うために私は生まれてきたんだ」そう思った。

意味がわからなかった。辻褄が合わない感情

「そんな訳がない」理性でそれを否定するが、抗えない。直感的に、本能的に、分かった。

その相手一目惚れではなかった。友人を介し、何度か会ったことがあった。

好みの顔でも好みの性格でもなく、恋愛対象ではなかった。

ただ「格好いい人だな」とは思った。モテるんだろうなとは思った。

コロナ一時的に静まったある日、飲み会があった。

たまたま、その人と隣になった。

少しだけ話をした。ちょっと楽しいなと思った。

でもただそれだけ。でもなんとなく流れでLINEの交換をした。

その2週間後。休日に街を一人で歩いていて、ふと気づいた。

「あっ」って思った。「私、あの人のことが好きだ」。

びっくりした。胸がドキドキした。こんなことは初めてだった。

人の流れから外れ、店先に立ちすくんだ。「どうしよう」初めての経験で、うろたえるしかなかった。

涙が急に溢れてきた。人がいるのに。うつむいて、知られないようにハンカチで涙を拭った。

でもどうしたらいいかからない。

LINE他愛のないメッセージを時々送ってみる。でもそっけない返事。恋人でもいるのかな。

その時の私はどうかしていたんだと思う。

私はその人に「相談があるから会ってほしい」とメッセージを送った。全部話そうと思った。

から思えばもっと手順を踏むべきだった。

後日、カフェでその人と二人きりで会った。

そこで私は告白をした。

すると、「付き合っている人がいる」とのこと。

ああ、そうだったんだ。ああ、そうかそうか。そうだよね。

そしてカフェでその人と別れ、一人で家に帰る。

部屋に入って、「まあそりゃそうだよね、これで終わりにしよう」と思ったんだけど、急に涙が溢れてくる。

いままで見たこともない大量の涙。テーブルにみるみるうちに水たまりができる。

そして床に流れる。嗚咽とはこういうことを言うのだろうか。

悲しくて泣いてる自分と、それを冷静に観察する自分がいる。

意味がわからない。それだけ好きだったってこと?

30分くらい泣き続けて、やっと止まった。

それでも好きという気持ちは止まらない。

「ああ、これは受け入れなきゃいけないやつだな」そう思った。

しばらくしてLINEをしてみた。でも既読はつかない。

まあ、そうだよね。でも、いいんだ。

私は次の休日に、神社に行くことにした。

恋愛祈願の神さま。神頼みなんて受験生の時くらいしかしたことないし、

本当に馬鹿げてるって思った。でも今は神頼みする自分を笑えた。

休日になった。

その神社に行くまでの道。

舗装された石畳。柳が植えられ、人通りのないその神社へ続く道を歩いてる時。

私はふと思った。

「生まれてきてよかった」って。

すると急に涙が溢れてきた。今回は人がいなくて良かった。

涙が石畳に跳ね返った。

「よかった」「意味があった」そんな言葉が胸に響いた。

心臓が震えた。自分でも自分の涙にびっくりした。

その人のことを好きになる前、私は泣くことがほとんどなかった。

1年に1回、泣くかどうかという人間だった。

それが今はどうだろう。泣いてばっかりだ。

でも、悲しいわけじゃない。嬉しいんだ。

例えば仮に、生まれる前に

「生まれたら大変なことをたくさん経験します。でもその人に会えます」って言われて、

「もしくは、生まれたらたくさん幸せなことを経験できます。でもその人には会えません」

って言われたら、迷わず前者、その人に会える方を選ぶから

今後どうなるか分からないけど、その人に会えたことがそれほど私には特別だったし、

どんな経験があっても受け入れると思う。

・・・ここまで書いて、今読み返してみたら、すごい自分って怖い人だなって思った。

でも書いた気持ちは本当で、今後どうなるか分からないけど、どうしようもないし、このまま好きなままで過ごしてみようと思う。

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