2021-12-19

前住んでたところが結構なボロアパートだった

そこをクソ汚くしながら暮らしてた

家賃が三万くらいのとこだった

事務って言ってたから入ったけど普通に接客肉体労働も清掃もさせられる謎の休日出勤がある出退勤の記録が手書き残業代が一時間単位じゃないと出ないし下っ端にはつかない手当が存在する職場で働いてた

大学の時買った折り畳みベッドを六年くらい使って腰が乗る辺りが陥没してたけど壊れてはいなかったからそのまま寝てた

普通に眠れるし新しいベッドを買う必要はないとその頃は思ってた

冬になると窓から隙間風が入ってくるのがわかるしユニットバスは凄い勢いでカビていくからシャワーを手早く浴びてドアを開けっ放しにする

シャワーの湯が夏でも冬でもたまに突然水になってゆっくり湯に戻る

やたら風通しが悪くて湿気がこもる部屋で夏は蒸すし冬は寒かった

窓が小さくてドアがかなり奥まってたから仕方なかったのかもしれないけど

暖房エアコンを本当に耐えられない時に回すくらいだった

ずっとつけてると電気代が結構な額になるから

エアコンレンジを一緒につけるとブレーカーが落ちてたから多分20Aとかそのくらいのとこだったと思うんだけどそれでも毎月結構かかってた

冬は友達web通話する予定がない日はシャワーを浴びたら冷める前にベッドに入ってすぐ寝るようにしてた

エアコンが入ってようと入って無かろうと部屋が全体暖まることなんてなかったから室内でもコートを着て靴下を履いてなんなら手袋もしてた 寒いから

そういうところで三年くらい過ごしてた

食生活別にどうでも良くなってしまっていて毎日大体同じものを食べてた気がする

朝は前日の夜スーパーで買った半額おにぎりカップ味噌汁にぶち込んでコンロの前で立ち食いして仕事行って昼はカップ麺 夜は覚えてないけど多分うどん素麺を茹でて麺つゆ入れて食べてた

シフト制だったから遅めシフトの時は寝れるだけ寝て朝を食わずに昼に半額おにぎりカップ味噌汁を啜り込み出勤して夜はカップ

カップ麺は思い返すと正直毎日買うには高かったんじゃないかと思うんだけどそれをなんとかする精神的余裕がなかったんじゃないだろうか まあ経済的余裕もなかったんだけど一応半月分のボーナスが出るとこだったからそれをやりくりしてたんだと思う

職場環境もあんまり良くなくて周りの人が仕事してるのか居ないやつの陰口叩いてるのか陰口叩くのが仕事なのかわからないようなとこでパソコンできる人があんまり居なくていろんな資料作る役目が大体こっちに回ってきてた

正社員やらせろよと思ったけど正社員もみんなパソコンうまく使えない人たちだったから基本に毛が生えたくらいの知識でもそこの職場だと「パソコンができる人」だったらしい

覚えるために休憩時間を削ってマニュアル作ってたら「その前に仕事を覚えろ」って怒られるようなとこだったのを今ふと思い出した ちょっとおかしいと思う

なんなら休憩時間も俺以外電話に出なかったから休憩してなかったし外食も苦情が来たとかでだめなとこだったからずっと職場にいた

まあそういうところだったからいよいよきつくなってきてて軽く仕事愚痴をこぼしたら友達全員に「そこは辞めた方がいいよ」と言われたのでいろいろ考えたり失業保険とか職業訓練のこととか教えてもらったりしてやっとやめた

有給使って休んでたはずなのに「残業代出すから」って言われて出勤することになったりしてたけどまあちゃんと辞めれたと思う

そこから二、三ヶ月起きて飯食って図書館行って飯食って寝てみたいなことを繰り返してやっとそのルーチンにハロワが入り職業訓練が入りなんとか次の仕事を見つけて(ハロワ全然関係ないところで見つかった)そこでしばらく稼いでから引越しした

ベッドはそのまま持って行った

新居に遊びに来た友達にそのまま連れ出されてカーテン座布団と枕とフライパンを買うことになった

その後怒涛の勢いで比較安価で良いベッドの商品リンクが送られてきてその辺りで自分は何か変な暮らしをしてたんだなと悟ることになった

自分ヤバかったんだな」と言ったら「まだヤバいから人間になってくれ」って言われて色々買い足した

正直やかんとポットと鍋 あと電子レンジがあれば生きていけると思ってたし今までがそうだった

そこら辺から自分友達認識のずれというか「人間としてのQOLライン」の違いをちょっとずつ是正していくことになる

そこから二年とちょっとくらい経って今

うちには炊飯器があって家に帰ったら上着を脱いでエアコンつけてゆっくりしてると暖かくなってきて

フライパンで卵焼いて鍋で味噌汁作って飯の前に洗濯機回して

ちゃんと座って飯を食って

またユニットバスから月一くらいになるけど湯船にお湯張って入って

シャワーの後空調さえ入れておけば全裸で露取りしなくて良くて

その後部屋にいても手がかじかむこともなくて

ベッドの真ん中を避けて端っこで寝なくても良くて靴下履かなくても暖かくて眠れて

そして来週末友達と飯を食いに行く

この友達にはもう頭が上がらない

この人に人間にしてもらったという感じがする

いつか自分が何かしてこの人の役に立てたらいいなと思う

ただ会う度にちゃんと飯を食ってるか聞かれるのはちょっと恥ずかしい お母さんがもう一人できたような気持ちになる まだ心配されてるようで申し訳ないなとも思っている 今後ともちゃんしま

前こういう感じだったけど今こうですごいって話をする度に「それが普通なんだからね」って念を押される

二度と前みたいな状態には戻りたくないのは確かだけど 部屋にいて(これが当たり前に普通なのか)って思う度に普通ってすごいことだなと思う

正直まだちょっと怖い 普通よりちょっと上なんじゃなかろうかと思う ベッドこんなに柔らかくていいの?本当に?ってふとした瞬間に思うもん

今日晩飯キャベツ味噌汁キャベツツナのにびたしみたいなやつです キャベツがぐったりしてきたから早めに食ってやらないといけないんだけど明日キャベツまみれになりそう どうしよう

これを書いてても部屋が暖かくて不思議だなあと思う 引っ越して二年も経つの

いつか当たり前になっていくんだろうか

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