2021-11-19

温泉むすめに関して官公庁で後援名義出して側から見解

 過去官公庁で後援名義だしたり、公的機関として地方プロモーションに携わってた立場ちょっと所感を述べたい。

 温泉むすめは現在観光庁からだけ後援名義をもらっていて、民間の後援企業はすでに撤退している。

 この観光庁の後援というのは、正直申請書さえ出してしまえば大体通るし、書式が決まっているので細かいキャラクターの設定などは申請時には説明しない。企画自体社会通念上よくないだとか、思想が偏っているだとか、その催しで参加者から法外な金額徴収しているだとか、そういうことがなければだいたい後援名義を出してしまう。なので、温泉むすめに観光庁が後援名義を出しているのは、観光庁温泉むすめを積極的にどうこうしたいだとか、公的に相応しいと思っているとかそういうものでもない。後援する側からすれば、サポートには大した意味は持たないのだ。

 この官公庁の後援がいまだに取れないのは、これが官公庁の後援プロジェクトの「Your Japan2020」のコンテンツとして登録されている経過を受けてだろう。現在価値観をもって「過去登録は今の時流に合わないので訂正します」というのは官公庁的にはなかなか難しい。あるいは、温泉むすめは2020年に後援を受けたものだが、役所は単年度ごとで整理をつけるので、過去の時点では炎上しなかったので遡って名義を外すほどではないと考えている可能性もある。

 ただし、先述したとおり、申請時にはキャラクターの詳細設定などは見ていないので、現在炎上を経て内容を確認したところ「そもそも後援する要件を満たしていない」ということになれば、遡って後援名義を外したり、プロジェクト認定を外したりはあり得ると思う。そしてこの場合判断基準は、「企画社会通念上よくない」かどうかになると思う。

 キャラクター設定を見た所感だが、スカートめくり夜這いについては個人的には好ましくないが、それだけでは後援は外れないかな、と思っている。ただ、「高等学校に通う少女飲酒をして、それがポジティブ意味を持っている」というところは社会通念上よくないので、この部分が引っかかるかな、と感じた。彼女たちは神様で年齢の概念人間とは違うため高校生でも未成年ではないし、そもそも高校はいつ入ってもいいので成人してから高校生になった人が飲酒するのもままあると思う。ただ、イラスト温泉むすめたちは皆制服姿の少女の姿をしていて、「大人びた雰囲気」「子供のように見える」などの形容詞がついていたので、何も知らない人が見ると一般的な16〜18歳の高校生混同する可能性が高い。もしも過去に遡るなら、そこが争点になるのではないか

 公的プロモーションはどうしても不特定多数が見るためにプロモーション対象のセグメントを絞りきれない。例えば「このアニメとのコラボ若い男性向けの企画で、この界隈の文脈ではこの絵や設定はおかしくないです」と整理しても、「でも子供を持つ母親が嫌がったら?」「お年寄り不快に思ったら?」という明後日の方向から一言があれば、大事をとって引っ込めたりしてしまう(千葉Vtuberの件が最たる例かと思う)。

 個人的には、官公庁プロモーションアニメ萌え系は相性がいいと思っている。ゆるキャラを作っても当たらないが、アニメ系なら一定顧客がつく。プロモーションは見てもらう、知ってもらう、遊びに来てもらうが目的なので、訴求力が強いに越したことはない。ただ、それと同時に、官公庁はその性質上、上記のような明後日の方向からツッコミにも耐えられないので、コラボする時には気をつけることがかなり多くなる。アニメなどが官公庁コラボする時に露出が減るだとか、武器銃剣など)を持たなくなるのはそのいい例だ。

 長々と話したが何が言いたいかというと、官公庁で後援名義を出していた側からすると、温泉むすめは公的存在になるにはちょっと危なっかしいと感じた、ということだ。プロモーションとしては一定の成果も出してそうなので、官公庁の後援はとらず、民間プロジェクトだったらよかったなあと思う。今後温泉むすめから観光庁の後援名義が外れたり、都市公認が外れたとしてもしても、それは別に炎上たからではないし、いわんやフェミニストがどうこうということではない。ただ、公的ものとして存在するにはツッコミが入りそうだから大事をとって下げました、というだけ。こうした不幸な事故が起きないよう、こういう企画をする方におかれては、官公庁コラボ場合は多方向からツッコミが入らないかどうか検討を重ねてほしい。これはお願いベースですが。

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