2021-06-09

うちの旦那五輪に殺される

・まず、この話を投稿しようか迷っているうちにJOC内部で亡くなった方が出たみたいだ。経緯は全くわからないけれど、追い詰められたことがあったのでしょう。とても悲しく残念でやるせない。

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・うちの旦那は噂の「中抜き業者に勤める一社員だ。五輪にも思いきり関わっている

リモートワークだから家の中で漏れ聞こえる打合せの様子は淡々としているけど、本音旦那も悩みに悩みながら働いている。

旦那は15年以上この業界で働いてきた。昔は誰もが羨む職業だった。日本人の誰もがよく知る大きなプロジェクトを心血注いでいくつも手がけてきた。

ネットで言われる、銀座六本木どんちゃん騒ぎしてコネだけで世渡りしてるような広告マンなんて、バブル時代キャラだと思う。そんな人間もう絶滅したんじゃない?

・今の旦那仕事は、大きな図面や大きな大きなスケジュール管理表とにらめっこしつつ、眉間にシワを寄せながら、あらゆるところに連絡を取り、進捗を管理発注側に報告するための資料をつくる。地味な地味な調整役だ。

・私も昔は同じ会社に勤めていたので収益構造はわかってるつもり。

・今回炎上してる人件費単価の高さは、この一大プロジェクトアサインされた社員リソースを全て割いてるからなんじゃないかな。

・通常、3つ4つのプロジェクトを掛け持って売上ノルマを達成する社員が、この数年、五輪だけに張り付き状態。だから1プロジェクト専業で利益を上げるには、単価を上げなきゃいけない。

・それが中抜き構造と言われればそうだ。でも全体を俯瞰マネジメントすることなんて、中の人は正直そこまで手が回るわけとは思えない。大きなプロジェクトほど、この分業は必要になると思う。

・という感じで「中抜き事業者側にもこんな理由がある。だから、この構造理解して政治家説明できる、もしくはこんな構造のものおかしいと追求できないのは発注側の責任じゃないのか。ザル勘定だと言われた時に、言い返せないのは発注者の落ち度じゃないのか。

(とも、思っていたが、亡くなる方が出てきた以上、私の知るところ以上の根深構造があるのかも知れない)

しかし、こんな苦境でなぜ旦那は働いているんだろう?それは与えられた仕事からだ。アスリートのため?国のため?平和自由の祭典のため?そんなわけない。目の前の仕事からだ。

・「こんなことできる状況じゃない」という世論はひしひしと感じてるようだし、自分仕事意味のあることなのか、間接的に誰かの生命を脅かすことなのかと、愚痴とも自問ともわからない旦那の呟きは日に日に増えている。

・そこにきての過剰労働。正直、1年延長が決まってから会社メールは四六時中見ている。まとまった休みほとんど取れていない。

・何故こんな直前でバタバタしているかといえば、感染対策という明確な安全基準のない新しい課題に直面している上に、観客キャパがまだ決まらいからだ。計画が詰めの段階でまだ仮計画になっている。

・そして、来月から競技会場の近所のホテルに2ヶ月旦那缶詰になる。出征に旦那を送る心境はこんな感じかなと思う。

・2ヶ月毎日働くらしい。確実に36協定を超えるなと今は自嘲気味に話してる。

社会的に謗られる仕事に、旦那は悩みながらも出征する。私たち家族を養うためだ。

国民の半数以上が開催に疑問を投げかける大事業に身も心も捧げ、旦那は今、殺されようとしている。

・わかって欲しいのは、利権が渦巻く組織でも末端社員生命を削って葛藤しながら目の前の仕事をこなすため働いてる。そんな旦那を見てると、私は五輪の開催に賛成も反対もできない。

  • みんなでやめれば怖くないだぞ さっさと生活保護レベルまで落ちてこい

  • どうせ年収2000万くらいもらってんだろ? やめてくれていいよそんな仕事

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