これはアニメけものフレンズ1期の序盤で薄々気づいていたんだけど
最近のメディアミックスは、原作や設定のつながりなどを大事にする
昔のメディアミックスは、同じタイトルなのに作品によってガラッと話が変わったりする
これはおっさんならわかるかもしれない
1990年前半までは、漫画やアニメというのは1話完結に近かった
だからメディアミックスも、設定やキャラだけなんとなく同じであとは別物ということが多かった
売れたらアニメ化、売れたらドラマ化、売れたら映画化で、その中身はほとんど別物という感じだったと思う
それから2000年に入ってメディアミックス全盛期になってきてもまだ繋がりは薄かった
「ひょっとしたら地続きかも」と匂わせる程度だった
そういった状態だと、当たりとハズレが出るし、アニメは見たけど漫画は見ないとかそういうのが当たり前だった
例えばアニメにハマった人を漫画に誘導するとか、グッズを買わせるとか
一個の世界観を作っていろんなチャンネルでビジネスを展開し、長く愛されるコンテンツ=財産を作っていこうというのが方針だ
旧来のメディアミックスになくてIPにあるのは「話の繋がりの強さ」、「話のテンプレがある」当たりだと思う
たとえば原作が漫画の場合だと、映画化してもストーリーは一緒だし設定は大事にする
これは昔だと考えられなかったことだ
IPは「話の繋がりの強さで他のメディアに誘導する」か、「勝ちパターンを作ってナレッジを貯めていく」という戦略が主だと思う
その他に模索されてる方法として「同一キャラクター方式」「勝ち作品にのっかる」があると思う
同一キャラクター方式は見た目と性格は似てるのに、ストーリーや設定の違いが出るので別物扱いされる
当たり外れあるが、業界的には外れが多いので平均すると負けるだろうし、設定の食いつぶしも起きて徐々にやりづらくなる(ソシャゲに似てるね)
ここらへん、分かりやすのがアイマスで、「同一キャラクター方式」を捨てて「勝ち作品に乗る」「勝ちパターンを作る」にシフトしたと思う
(XENOGLOSSIAが2007年。ちょうどメディアミックスからIPへという時代だった)
これは擬人化の元ネタに興味を誘導したいのだろうが、うまく行っていない
結局「ストーリーの繋がり」「勝ちパターン」「勝ち作品に乗っかる」のどれかを選択するしかない
それでようやくけもフレの話だけど
これまでゲーム、漫画、アニメ1、アニメ2、舞台、そしてまたゲームが出るが
繋がりが弱い、勝ちパターンがない、というキャラクター同一方式=昔のメディアミックスだ
けもフレに感じるモヤモヤは、おっさんなら昔懐かしいモヤモヤなんじゃないだろうか?
結果的にうまくいってない
アニメ1期が奇跡的に成功したが、その勝ちパターンはアニメ2期へ引き継がれず、監督の別作品に生きてしまっている
外注先にナレッジが溜まるという、いろんな業界でみかけるやつだ
ついでに何でこうなったか考えてみると
原作がある場合は原作愛で割とどうにかなるのだが、原作がない場合は厳しい
だというのに主導している方々はさほどIPに慣れていないらしい
そしてあまり利益追求で始まったプロジェクトでもないとも書かれている
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1488452395
というわけで、不慣れな人材によるチャレンジのようなプロジェクトだったわけで
なるようになったのだろうと推測する
そもそもの失敗として、利益追求型プロジェクトではないのにIPを目指しているあたりがおかしいのではないだろうか?
https://www.bandainamco.co.jp/group/ip.html
もし「作りたい作品を」「長く愛されるものを」作るなら、1メディアに集中するべきなのではないだろうか