最近はツイッターにあるマシュマロなんかで気軽に感想が送れる。
それが楽しくて毎日送ったりもしていた。
けれども書いても書いても送っても送っても「感想が欲しい」「感想が来ない」「匿名は寂しい」。
書き手、描き手は大変なことだと思う。読んで欲しい、見て欲しい、感想が欲しい。それは当たり前の欲求だと思う。けれども私はなんだか疲れてしまった。
先日、イベントに行ってたくさん本を買ってきて漸く読み終わった。
あそこも良いし、此処も良い。この表情は素敵だし、こんなセリフが思いつくなんて。
文章は気に入った部分を何度も何度も読んだ。私では逆立ちしたって出てこないような表現ばかりだ。
でもこの読んだ感情を、高揚を、勢いのまま絵を漫画を小説を写真をグッズを生み出した人に伝えようという気がまったく起きなくなってしまった。
それを少し、自分で悲しく思ってしまった。でも此処で無理に書いてもきっとまた同じことの繰り返しだと思ったのでやめておく。
本当に、自分は何かを伝えることに疲れてしまってるんだと改めて思った。
それでも。感想を今まで何百と伝えてきて良い思い出もたくさんあったので忘れないように此処に書いておこうかなって思う。その思い出話。
自己満足をだらだら書くので暇なら読んで。
まだ随分と昔、私がまだ交通費も捻出できず地元のイベントにしか参加出来なかった頃、支部の凄く好きな字書きさんがわざわざこちらにいらしてくれるとあった。
本当に好き過ぎて、いつか感想はお手紙で伝えたいとメッセージも送ってなかった人だった。
私は慌てて便箋を買いにいった。どの便箋もその人の作風には合わない気がして、文具屋で随分と悩んだ。
どれがあの人の作品に合うだろう、どれがこどもっぽく思われないだろう。
散々悩んで私が選んだのはなんの変哲もないクラフト便箋。そして蝋引きの封筒にした。
家に帰ってもの凄く時間を掛けて手紙を書いた。お話が文章が、凄く凄く好きだと手紙を書いた。何度も作品を読み返して、そのたびに泣きそうになって、そのことも書いた。
あまりにも汚い自分の字に嫌気がさしながらも、それでも手紙を書ききり、封をした。相手のお名前を書いた時、やっぱり字が汚いなと思ってしまった。
そして、当日、緊張してお手紙を渡した。
そう言うとその人は私の書いた名前をなぞりながら
「全然汚くないですよ」
と言ってくれた。それだけで嬉しくて嬉しくて、そのまま本を買って帰ろうとしたら多分サークルの方に渡す用のお菓子まで頂いてしまった。
そして私は逃げるようにそこをあとにした。
その時に買った本も凄く良くて、感想をすぐにでも伝えたいと思ったけど、この人は手紙を書きたいと思った。
そこから暫くタイミングが合わずにその人のサークルに行くことが出来なかった。本は通販。
イベントで暫く、となると軽く数年経ったりする。その人はジャンルも変わってしまった。
そんなある日。
「以前そこへ行った時はご飯も美味しくて感想の手紙も貰って良いイメージしかない」
と。これが自分のことだとは思わなかったが、私の地元に良いイメージを持ってくれて、また来てくれるといってくれて私は嬉しかった。
改めて前に買った本の感想を手紙に書いた。以前、手紙を渡した時もとても良くして貰ったと書いた。
そしてイベント当日、別ジャンルへと行って書き手の方に手紙を渡した。
前ジャンルの時に出された本の感想で申し訳ないんですけど。と云って渡すと私の書いた手紙を見て「あっ!」と云った。
そう訊かれて頷いた。その人は私の手を取って。
「気持ち悪くて申し訳ないです。私、貴方から貰った手紙、嬉しくて嬉しくて何回も読み返してもう筆跡を覚えてしまってて」
そう云われた。
私は感想を書くことが好きだけれどもそれは一方的なコミュニケーションだと思っていて、自分が書きたいことを書いて渡してしまったら基本其処で完結してしまっていた。相手がそれを読んだことを気にしたこともなかった。
基本的に私はウェブ媒体以外では小説や漫画の二次創作を手にすることが多い。なので、必然的に感想もその辺りになる。
けれどもある日、表紙の子と目があってしまった。本当に偶然通り掛かったサークルのイラスト本。一度通り過ぎて、気になって手にしてしまった。薄い本は一期一会だ。
結論、大当たりだった。
私はすぐに感想を書いた。表紙の子と目があってしまったことや、中のイラストの湿度や温度を感じるような情報量。そして、描き手の熱量。とにかく圧倒されたと書いた。
イラスト集で感想なんて書いたことがなかったけど、気付いたら便箋4枚にみっちりと書いていた。
そして次のイベントにもそのサークルさんが参加されるとあったので、お手紙を渡してまた新しい本を購入させて貰った。
まぁ、勿論素敵だったので感想を書きますよねー!! 感想書くの楽しいー!!! みたいな感じで書いて、また次のイベントへ。
すると、また手紙を渡した瞬間にサークル主さんから「あ、あの、此間もお手紙下さいましたよね!」と云われる。
「あ、はい、迷惑でしたか???」と、焦って新刊を買って逃げようとしたらいきなりその人が泣き出したので、泣くほど酷いことを書いてしまっただろうかと私は焦った。
謝ろうかと思ったが、何を謝って良いかわからなかった。思い当たる節が多過ぎる。もしかしたら手紙や感想が嫌な方だったのかもしれない。そう云う方も少なくない。どうしようどうしようと思っていると。
「貰ったお手紙が凄く嬉しくて。私、漫画上手くないからいっつもイラストばっかりで、あんな風な感想貰ったことなくって」
いやいや、でもあんなに素敵な絵ならSNS場でいっぱいコメント貰ってるんじゃなかろうか???そう思った。
そういうと。お手紙がどれだけ嬉しかったか、時間を掛けて書いてくれて本当に有り難かった。また絵を描いて本を出したいと思った。そんなことを言われた。そして。
「手紙を貰ったのが嬉しくて。手紙が大好きになって、自分も手紙を書くようになりました」
どんなことでも、些細なことでも一筆書くようになったと。それを聞いて手紙を書くのが好きな私も嬉しくなった。
SNSのメッセージでも良く感想を送る。手紙が一番好きだけど、メッセージはやっぱり手軽で便利。
上でも書いた通り基本的に相手からのリアクションは求めてないので、送ったら一度自分の中では完結してしまう。
けれども丁寧な人はお返事をくれたりする。
そして、その中には初めて感想を貰いましたという人も少なくなかった。
また、筆を折ろうとしていた。けれども私の感想でまた描こうと思った。そんな人も結構いた。
たかが私の感想で描き手の方を大きく動かせるなんて思ってもいないし社交辞令だって分かってる。それでもこうしてわざわざメッセージが届いていることを伝えてくれている気持ちが嬉しかった。
私は何も書けないし、生み出せないし、作れない。
それが出来る人たちが凄いと思う。
ここに書いたこと以外にも感想を伝えていて楽しい思い出はたくさんあった。
勿論、差し入れを放り投げられたことも手紙を捨てられたことも、感想が迷惑と言われたことも、感想を送った相手にブロックされたこともある。
けれどもそれは私が相手を不快にする何かがあっただけかもしれない。何か粗相をしたのかもしれない。良くない言葉選びをしてしまったのかもしれない。気持ち悪かったのかも知れない。
何百と感想を書いてたらそういうこともある。
次は気を付けよう。反省をすることはあっても、感想を送るのを辞めようと思ったことはなかった。
便箋を選ぶのが好きだった。ペンのインクを補充するのが好きだった。パソコンを前に本を読み返しながら言葉を選ぶのが好きだった。どう伝えるか、どうしたら伝わるか。そんなことを考えながら感想を送った。
素晴らしい作品を読んで興奮する気持ちは未だにあるのに。もう相手に伝えたいと思う気持ちがなくなってしまった。
ただ、それを楽だと感じてる自分もいて、それがなんだか凄く寂しい。
少しだけ感想を書いていた時の思い出をここに書けて良かった。
お前感想もこんな独りよがりな怪文書だったの? ドン引きされてただけでは
今日も女さんは学級会か。延々とよく飽きないな。
感想書くのだって簡単じゃない。 書きたいときには書いて、書きたいと思わない時には書かない。それでいいじゃないの。
気持ちの悪い長文だな こんな奴からの感想誰だってもらいたくないから勝手に辞めればいい
自己満足に見返りを求めた結果 自分がいなければこの人は駄目だと思ったのが間違いなんじゃないかな 所詮はあなたは一読者に過ぎないんだから
あなたの感想は確かに誰かを救ったよ。