2016-03-08

公立保育園を増やしたい方と公立幼稚園を守りたい方へ

盛り上がっている公立保育園問題。なぜ公立保育園は増えないのか。

色々報道される中で、予算問題や近隣住民問題だけではなく、「適地がない」という問題を聞いた方も多いと思う。

子ども安全安心に育てるには、適した土地必要なのは間違いない。

では、その適当土地がいま、何に使われているか

ひとつの回答が、公立幼稚園である

昭和時代専業主婦時代に大量設置された公立幼稚園は、いまも大抵の土地で生き残っている。

から近い、小学校に隣接、治安がよい、等の素晴らしい土地で……

定員割れ問題(詳細は調べてくれ)を抱えながら……

「定員割れしているなら、公立幼稚園潰せばいいじゃん」

そう感じる方も多いと思う。

必死保活している人には、憎まれても仕方ないと思う。

でも、話はそう簡単ではない。

公立幼稚園だって少なくなりながらも、現に通っているユーザーがいる。

雇用だって取引だってある。

一部では公立幼稚園廃止に踏みきった地域もあるが、まだまだ少数派だ。

役所公立幼稚園廃止を仄めかすたびに、署名活動が展開される。

「いまどき署名意味あるの?」

意味はあるらしい。定員の過半数に満たないような幼稚園はいまも元気に存続している。

一方で、公立幼稚園教育が魅力的なのも事実だ。

よく知られている話だが、私立幼稚園に比べれば公立幼稚園のどかで、牧歌的で、ぬくもりがある。

(これは優劣の問題ではなく、好みの問題だ)

他の施設同様、公立幼稚園に通っているちびっ子達もまたいい笑顔をしており、元気にすくすく育っている。

少数派になったとは言え専業主婦はまだまだ多い。

自由習い事をさせたいから拘束時間の短い公立幼稚園を選ぶ保護者も意外と多い。

外国籍の子もの受け皿になっている等、意外と知られていない役割もある。

私は保活をしている親に、公立幼稚園を憎んでもらいたいのではない。

いずれ誰かが気づくことだから、先に書いただけだ。

要は社会全体として、若い世代へのサポートを増やしていく方向に進んでもらいたいだけだ。

まずいのは公立幼稚園側だ。

そのうちひどいバッシングを受けることになるだろう。

その時、先生方が傷つくのは容易に想像がつく。彼たち彼女たちは懸命に働いている。

公立幼稚園側に反省すべき点はないのか?

ある。いっぱいある。

園児への教育内容ではない。

保護者へのマーケティング保護者意識だ。

先生方はあくま幼児教育プロであり、マーケティングプロ保護者あしらいのプロではない。

そんなことがやりたくて先生を志す人はいないだろう。

園児が増えない理由分析することはない。

分析をしないから対策を打つこともない。打つとすれば思いつきのアイディアで、二年目には忘れらている。

いざとなれば署名頼りだ。保活ユーザー幼稚園ぶっ潰せ署名を逆に浴びせられたら死ぬ

園児保護者が減っているのに、保護者仕事は減らさない。むしろ増えている。

「昔からこうだから」の一点張りで、いまだによくわからない行事への動員を強制したりする。

よく言われるように、全員一律で何かの係を負わせられたり、それが決まるまで帰れなかったりもする。

何かを変えようとすると、これまで我慢を強いられてきた上級学年やOBOGから袋叩きに遭う。

これは主に先生役所ではなく、保護者自身問題だ。

この辺りは、町内会マンション自治会、小中学校PTA等と構図が似ている。

「長くて数年の付き合い(課題先延ばし)」

能力ややる気ではなく、持ち回りや強制で決まるリーダー課題解決力ゼロ)」

サイレントマジョリティよりもノイジーマイノリティを優先(迷走とモチベーション低下)」

平成になって金属疲労を起こしている、お馴染みの奴だ。

公立幼稚園を本気で守りたいなら、当事者がまず意識を変えねばならない。

そうでなければ、少なくない税金を払っている人は納得しないだろう。

繰り返すが、私は保育園派と幼稚園派の争いを煽っているのではない。

全部まとめて若い世代問題であり、日本全体の問題だ。

多様な価値観を認め合って、前へ進んでいけるかの試金石だ。

公立保育園は増えてほしい。

公立幼稚園今日的な価値を示しながら、生き残ってほしい。

そして、(詳しくは書かないが)保護者同士の保育園派・幼稚園派の不毛な反目がなくなってほしい。

いまどき、単一価値観でやっていける組織なんてないんだよ。

バックグラウンドが違っててもいいじゃねーか、お互い色々あるんだよ。

そんなことを、インフルエンザにやられた頭でふと考えた。

  • うちの市は公立幼稚園なんて僻地に一つしかないわ 私立幼稚園は100以上あるけどね だから幼稚園は私立で当たり前 ちょい大きめの都市なら大体そうじゃない? 前に田舎に住んでいた...

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