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2023-10-28

刑務所のことについて呼ばれたので出てきたよ

〇この増田褒め称えてたブックマーカーが哀れすぎるわね。学者崩れをメディアに出して世論操作に使う理由を納得。 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231019135239

というわけで当該増田とその追記https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231020183410)を書いた増田です。呼ばれたようなので出てきました。

前のニュースから進展があり、「受刑者ホタテ殻むき「困難」と判断 米などに輸出できず 」と記事になり、そのブコメとして「格安受刑者使うとか人権感覚が」という趣旨のものが多数あった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/010/047000c)ので改めて書いてみようと思う。

結論

結論としては前の2つで書いたもの基本的には変わらない(理由は前掲記事記載したとおり)。

受刑者を使って利益を得ようとしても、国庫的には負担の方が大きい。

 ⇒受刑者刑事施設収容することに要する国庫負担の方がはるかに大きく、国庫的また国民経済的には受刑者再犯せず、社会に出て仕事をして貰う方がはるかメリットが大きい。

民間事業者側にとっても利益は小さい。

 ⇒今でも格安の労賃で刑務所作業発注できるのに必ずしも受注量は潤沢とは言えない。作業によっては採算が取れないものがないわけではないが、少なくとも大々的に展開できるようなものではない(できるのであればやってみればいい。法務省が大喜びするはずだ。)

格安労働力のために受刑者を増やそうなんて端緒も見られない。

 ⇒半官半民の刑務所が出来てから日本受刑者数は右肩下がりが続いており、また、制度的にも、近年可能な限り刑務所収容するのではなく社会処遇を充実させる方向で動いており、そこに変化は見られない。

受刑者社会に近い内容で処遇することの効果法務省も、それ以上に研究者肯定的であるものの、取り組みは大きくは進んでいないし大きく広がりそうもない。

 ⇒受刑者はいずれ社会に戻っていくので、必要以上に施設慣れ(施設適応)されると困る。しかし、脱獄リスクを嫌がる法務省側、受刑者を受け入れることに積極的ではない民間企業側とハードルが高く、外部通勤作業は広くは進んでいない現状である

これを前提として今回の件少々付言していく。(この前提から納得いかないという方は申し訳ないが刑事政策をご自身で紐解た上で、データと突き合わせてもらう他ない。穏当な参考書としては「刑事政策学」(武内本庄)や「刑事政策概論」(藤本)なんかが良いと思う。これ以外にも参考書はあるが刑事施設についてはあまり触れられていないことが多いので。)

ではまず記事を見ていこう。

宮下農相は「刑務所外での派遣作業などの仕組みが活用可能検討していたが、輸出先の転換を推進する観点からは困難であるという結論に至った。受け入れ事業者周辺地域理解といった課題もあり、作業環境の整備などの課題も多い」と説明した。農林水産省によると、少なくとも米国英国カナダニュージーランドでは、受刑者労働による産品について輸入できない規定がそれぞれの国の法律にあることが分かったという。

はっきり言って完全に前回の記事勘違いしていた。海外輸出用だったものを、今回の事案で国内流通用の工場受刑者作業する話だと思っていた。

何故かというと、そもそも法務省は刑務作業がかかわった製品について、アメリカを始めとした数か国に対して輸出ができないのを理解しているはずからだ。根拠はある。法務省局長名の文書において

GATT(ガットというやつだ)加盟国は、刑務作業製品に対して輸入規制を設けることができ、イギリスアメリカカナダニュージーランドは実際に輸入規制を行っている。」

「刑務作業契約にあたっては、民間企業に対して、輸入規制が行われている国があること、その他の国もそうなる可能性があることをよく説明すること。」

規定しているからだ。(確かリンク先の「刑務作業製品の輸入規制対応について(通達)(平一八矯成三三三四)」てやつ。(https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029326246.html))

それが何で前回報道のような形になったのか、正直言って外部からは全く分からない。官僚劣化とかリサーチ不足などというブコメもついており一理あるなぁと思いつつも、法務省側は元々この要件を知っているはずなので、農水省法務省コミュニケーション不足で条件が正確に法務省に伝わっていなかったように感じる。

余談1(こっちが本論)

刑罰論まで踏み込むとキリがないので、刑務作業強制労働)の捉え方に限定して説明しておこうと思う。

(前提1)1930年ILO条約では強制労働禁止しているものの、刑罰による労働条約上の強制労働には当たらないとされている。(懲役刑自体国際法違法ではない)

(前提2)アメリカでは1935年前後に刑務作業製品一般販売禁止した(輸入禁止もこの流れからと思われる)

(前提3)2015年国連拘禁処遇最低基準規則でも作業があることを否定していない(苦痛を与える目的作業否定されている)

(前提4)1957年ILO条約では「経済的発展の目的のための労働力の動員」が禁止されており、日本は近年までこれに批准してこなかった。

     ここから、「日本懲役刑経済的発展を行うための奴隷労働だ」などとの批判もあり、ブコメ批判も当たってそうに思えるが、結局懲役刑が残ったまま日本はこれに批准した(去年)。つまり懲役刑について、経済的意味での強制労働ではないとされたわけだ。では何が問題だったかというと、この条約には「政治的・・・見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁」に対して強制労働を行わせることも禁止している。日本場合法令上一部公務員がスト等を行った場合懲役刑強制労働あり)になりうるため、ここがネックだったというわけだ。結論として、公務員のスト等を懲役から禁錮(捕まっておくだけ)に法改正し、条約批准している。

このあたりを前提として論じていきたい。ブコメから

〇別の所でも書いたけど日本人は人権理解していないという実例でしたね案件。ちょうどタイムリー廃業の自由がない労務奴隷制からね。

このあたりは全く違うことが分かる。前提1と前提3に照らした場合国際法上全く合法で、ただ、それにより出来上がった製品国内法で流通拒否している国がある(条約拒否することも認めている)という話だ。

これは日本アメリカ(というか特に英米系)の国で刑務作業に対する捉え方が全く違うことに端を発している。

ざっくりというと、そもそも規則正しく生活させ、労働させることは社会復帰に有用であると考える日本と、自由刑拘禁さえしておけばよく、その他は受刑者自由意志に任せれば良いとする国々との差異になる。

これは人権感覚問題というよりも(それを言うなら自由剥奪することも十分すぎるくらいに人権侵害だ)、勤労が美徳なのか罰則なのかという宗教観の話になってしまうので結論を出すのは容易ではない。

また、刑務作業の他にも、日本では性犯罪者には性犯罪者向けに、薬物事犯者には薬物事犯者向けになど再犯防止のための指導を行えるが、これも拘禁するだけが刑罰の国だと、刑罰の内容は拘禁までであり再犯防止に向けた取り組みへの参加は受刑者自由意志に任されるということになる。個人的にはどっちが上とか下とか人権感覚が優れているとかの問題ではないように感じている。(ちなみにアメリカと比べて日本の方が再犯率は圧倒的に下でそこを評価する人もいるだろうし、"教化"に強制的に参加させるなんてありえない、とする人もいるだろう。)

これは懲役刑がなくなって拘禁刑に変わっても同様で、これまでは「作業義務」とされていたところ、「社会復帰のために必要な働きかけを行う」(つまり作業社会復帰に有用と思われる者には作業をさせる)ということなので、今後も変わらない。

作業の捉え方の変遷(古典的な低廉な労働力の確保や労働自体苦痛を伴わせることから現代までの変遷はここでは記しきれないので興味ある人はぜひ)

余談2

前のブコメでも受刑者もっと金が出ればなぁというもの結構あった。それに対して前の記事でこう書いた。

受刑者給料はでないよ。法律上の賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

増額することに反対する研究者は多分ほとんどいない。ネックは完全に国庫からの持ち出しになることと、国民理解だろうか。

法務省によると現在民間から刑務作業で受け取っている労賃がおおよそ28億円だ。受刑者数は約4万人だが、民間との契約従事している受刑者をざっくりその半分の2万人として考えた場合受刑者1人当たりで受け取っている労賃は年間14万円程度になる。(民間からの刑務作業従事せず、刑務所内で給食を作ったりしている受刑者も多数いるためざっくり半分とした。この割合根拠はない。)

この労賃でさえ刑務作業を埋めることに四苦八苦している現状で労賃をあげると、今以上に刑務作業の確保に苦慮することになるためそれは難しいだろう。とするとその余は国庫から補填することになる(ざっくりとした試算で、全員に刑務作業を行わせる前提800億円くらいだろうか)。また、アメリカのように仮にこれを民間との契約で得た金銭を基にした賃金と整理するのであれば、それに見合う人能力の高い人だけがまともな刑務作業を行い、その他の大部分の受刑者そもそも刑務所の中で何もしない、させないという環境に置かれる可能性がある。(作業が本人の希望制という違いはあるが)

日本においては、刑務作業は単なる罰則だけではなく社会復帰のための積極的な意義を認めつつ、報酬についてはもう少し何とかならんか、という論者が一般であるように思う。

刑務所のことについて呼ばれたので出てきたよ

〇この増田褒め称えてたブックマーカーが哀れすぎるわね。学者崩れをメディアに出して世論操作に使う理由を納得。 https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231019135239

というわけで当該増田とその追記https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20231020183410)を書いた増田です。呼ばれたようなので出てきました。

前のニュースから進展があり、「受刑者ホタテ殻むき「困難」と判断 米などに輸出できず 」と記事になり、そのブコメとして「格安受刑者使うとか人権感覚が」という趣旨のものが多数あった(https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/010/047000c)ので改めて書いてみようと思う。

結論

結論としては前の2つで書いたもの基本的には変わらない(理由は前掲記事記載したとおり)。

受刑者を使って利益を得ようとしても、国庫的には負担の方が大きい。

 ⇒受刑者刑事施設収容することに要する国庫負担の方がはるかに大きく、国庫的また国民経済的には受刑者再犯せず、社会に出て仕事をして貰う方がはるかメリットが大きい。

民間事業者側にとっても利益は小さい。

 ⇒今でも格安の労賃で刑務所作業発注できるのに必ずしも受注量は潤沢とは言えない。作業によっては採算が取れないものがないわけではないが、少なくとも大々的に展開できるようなものではない(できるのであればやってみればいい。法務省が大喜びするはずだ。)

格安労働力のために受刑者を増やそうなんて端緒も見られない。

 ⇒半官半民の刑務所が出来てから日本受刑者数は右肩下がりが続いており、また、制度的にも、近年可能な限り刑務所収容するのではなく社会処遇を充実させる方向で動いており、そこに変化は見られない。

受刑者社会に近い内容で処遇することの効果法務省も、それ以上に研究者肯定的であるものの、取り組みは大きくは進んでいないし大きく広がりそうもない。

 ⇒受刑者はいずれ社会に戻っていくので、必要以上に施設慣れ(施設適応)されると困る。しかし、脱獄リスクを嫌がる法務省側、受刑者を受け入れることに積極的ではない民間企業側とハードルが高く、外部通勤作業は広くは進んでいない現状である

これを前提として今回の件少々付言していく。(この前提から納得いかないという方は申し訳ないが刑事政策をご自身で紐解た上で、データと突き合わせてもらう他ない。穏当な参考書としては「刑事政策学」(武内本庄)や「刑事政策概論」(藤本)なんかが良いと思う。これ以外にも参考書はあるが刑事施設についてはあまり触れられていないことが多いので。)

ではまず記事を見ていこう。

宮下農相は「刑務所外での派遣作業などの仕組みが活用可能検討していたが、輸出先の転換を推進する観点からは困難であるという結論に至った。受け入れ事業者周辺地域理解といった課題もあり、作業環境の整備などの課題も多い」と説明した。農林水産省によると、少なくとも米国英国カナダニュージーランドでは、受刑者労働による産品について輸入できない規定がそれぞれの国の法律にあることが分かったという。

はっきり言って完全に前回の記事勘違いしていた。海外輸出用だったものを、今回の事案で国内流通用の工場受刑者作業する話だと思っていた。

何故かというと、そもそも法務省は刑務作業がかかわった製品について、アメリカを始めとした数か国に対して輸出ができないのを理解しているはずからだ。根拠はある。法務省局長名の文書において

GATT(ガットというやつだ)加盟国は、刑務作業製品に対して輸入規制を設けることができ、イギリスアメリカカナダニュージーランドは実際に輸入規制を行っている。」

「刑務作業契約にあたっては、民間企業に対して、輸入規制が行われている国があること、その他の国もそうなる可能性があることをよく説明すること。」

規定しているからだ。(確かリンク先の「刑務作業製品の輸入規制対応について(通達)(平一八矯成三三三四)」てやつ。(https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/029326246.html))

それが何で前回報道のような形になったのか、正直言って外部からは全く分からない。官僚劣化とかリサーチ不足などというブコメもついており一理あるなぁと思いつつも、法務省側は元々この要件を知っているはずなので、農水省法務省コミュニケーション不足で条件が正確に法務省に伝わっていなかったように感じる。

余談1(こっちが本論)

刑罰論まで踏み込むとキリがないので、刑務作業強制労働)の捉え方に限定して説明しておこうと思う。

(前提1)1930年ILO条約では強制労働禁止しているものの、刑罰による労働条約上の強制労働には当たらないとされている。(懲役刑自体国際法違法ではない)

(前提2)アメリカでは1935年前後に刑務作業製品一般販売禁止した(輸入禁止もこの流れからと思われる)

(前提3)2015年国連拘禁処遇最低基準規則でも作業があることを否定していない(苦痛を与える目的作業否定されている)

(前提4)1957年ILO条約では「経済的発展の目的のための労働力の動員」が禁止されており、日本は近年までこれに批准してこなかった。

     ここから、「日本懲役刑経済的発展を行うための奴隷労働だ」などとの批判もあり、ブコメ批判も当たってそうに思えるが、結局懲役刑が残ったまま日本はこれに批准した(去年)。つまり懲役刑について、経済的意味での強制労働ではないとされたわけだ。では何が問題だったかというと、この条約には「政治的・・・見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁」に対して強制労働を行わせることも禁止している。日本場合法令上一部公務員がスト等を行った場合懲役刑強制労働あり)になりうるため、ここがネックだったというわけだ。結論として、公務員のスト等を懲役から禁錮(捕まっておくだけ)に法改正し、条約批准している。

このあたりを前提として論じていきたい。ブコメから

〇別の所でも書いたけど日本人は人権理解していないという実例でしたね案件。ちょうどタイムリー廃業の自由がない労務奴隷制からね。

このあたりは全く違うことが分かる。前提1と前提3に照らした場合国際法上全く合法で、ただ、それにより出来上がった製品国内法で流通拒否している国がある(条約拒否することも認めている)という話だ。

これは日本アメリカ(というか特に英米系)の国で刑務作業に対する捉え方が全く違うことに端を発している。

ざっくりというと、そもそも規則正しく生活させ、労働させることは社会復帰に有用であると考える日本と、自由刑拘禁さえしておけばよく、その他は受刑者自由意志に任せれば良いとする国々との差異になる。

これは人権感覚問題というよりも(それを言うなら自由剥奪することも十分すぎるくらいに人権侵害だ)、勤労が美徳なのか罰則なのかという宗教観の話になってしまうので結論を出すのは容易ではない。

また、刑務作業の他にも、日本では性犯罪者には性犯罪者向けに、薬物事犯者には薬物事犯者向けになど再犯防止のための指導を行えるが、これも拘禁するだけが刑罰の国だと、刑罰の内容は拘禁までであり再犯防止に向けた取り組みへの参加は受刑者自由意志に任されるということになる。個人的にはどっちが上とか下とか人権感覚が優れているとかの問題ではないように感じている。(ちなみにアメリカと比べて日本の方が再犯率は圧倒的に下でそこを評価する人もいるだろうし、"教化"に強制的に参加させるなんてありえない、とする人もいるだろう。)

これは懲役刑がなくなって拘禁刑に変わっても同様で、これまでは「作業義務」とされていたところ、「社会復帰のために必要な働きかけを行う」(つまり作業社会復帰に有用と思われる者には作業をさせる)ということなので、今後も変わらない。

作業の捉え方の変遷(古典的な低廉な労働力の確保や労働自体苦痛を伴わせることから現代までの変遷はここでは記しきれないので興味ある人はぜひ)

余談2

前のブコメでも受刑者もっと金が出ればなぁというもの結構あった。それに対して前の記事でこう書いた。

受刑者給料はでないよ。法律上の賃金ではないので。企業法務省国庫お金流れる受刑者にはこの流れと完全に別枠でお気持ち程度のお金が国から出る。この額が少なすぎるとする研究者は多いが、「受刑者に月10万円出します!衣食住保証!」なんてのが国民感情として認められるはずもなく。

増額することに反対する研究者は多分ほとんどいない。ネックは完全に国庫からの持ち出しになることと、国民理解だろうか。

法務省によると現在民間から刑務作業で受け取っている労賃がおおよそ28億円だ。

受刑者数は約4万人だが、民間との契約従事している受刑者をざっくりその半分の2万人として考えた場合受刑者1人当たりで受け取っている労賃は年間14万円程度になる。

民間からの刑務作業従事せず、刑務所内で給食を作ったりしている受刑者も多数いるためざっくり半分とした。この割合根拠はない。)

この労賃でさえ刑務作業を埋めることに四苦八苦している現状で労賃をあげると、今以上に刑務作業の確保に苦慮することになるためそれは難しいだろう。とするとその余は国庫から補填することになる(ざっくりとした試算で、全員に刑務作業を行わせる前提で最低賃金を支払うとして800億円くらいだろうか)。

また、アメリカのように仮にこれを民間との契約で得た金銭を基にした賃金と整理するのであれば、それに見合う人能力の高い人だけがまともな刑務作業を行い、その他の大部分の受刑者そもそも刑務所の中で何もしない、させないという環境に置かれる可能性がある。(そもそも日本受刑者の2~4割(研究者によって違う)はIQが70に満たない人たちだ。そういった人たちに賃金が払えないからと何ら働きかけをしないというのが正しいとは個人的には思っていない。)

日本においては、刑務作業は単なる罰則だけではなく社会復帰のための積極的な意義を認めつつ、報酬についてはもう少し何とかならんか、という論者が一般であるように思う。

2021-10-09

anond:20211009154508

GATTとかSTARTとかSALTとかCOCOMとかうまくはまってたよな。

最近はそういうのある?

2020-04-05

[][][]VORZE A10サイクロンSA遠隔操作するアプリを作った

内容が内容なので匿名ダイアリーに投げ捨てる。

Bluetooth端末で動作する。(CC0 License)

<!DOCTYPE html>
<html>

<head>
  <meta charset="utf-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
  <title>A10 Cyclone SA easy controller</title>
</head>

<body>
  <span id="status">initializing...</span>
  <script>
    let status = document.querySelector('span#status');
    let device, characteristic;
    const connect = async _ => {
      try {
        device = await navigator.bluetooth.requestDevice({
          filters: [{ services: ['40ee1111-63ec-4b7f-8ce7-712efd55b90e'] }],
        });
        status.textContent = 'connecting...';
        let server = await device.gatt.connect();
        let service = await server.getPrimaryService('40ee1111-63ec-4b7f-8ce7-712efd55b90e');
        characteristic = await service.getCharacteristic('40ee2222-63ec-4b7f-8ce7-712efd55b90e');
      } catch (e) {
        status.textContent = `failed to connect: ${e.message}`;
        return;
      }

      document.addEventListener('pointermove', evt => {
        evt.preventDefault();
        let y = evt.y / innerHeight * 2 - 1;
        let data = Math.abs(y) * 0x7f | (y < 0 ? 0x80 : 0x00);
        characteristic.writeValue(new Int8Array([0x01, 0x01, data]));
      });
      status.textContent = 'swipe up and down to move';
      document.removeEventListener('click', connect);
    }
    document.addEventListener('click', connect);
    status.textContent = 'tap screen to connect';
  </script>
</body>

</html>

2015-06-27

TPPができるまでの80年をざっくりまとめた。

概要

関税かけまくってブロック経済を築き上げたせいで戦争をひきおこした反省から自由貿易万歳世界を作ろうとしたけどやっぱそれも色々無理があってみんな経済以外のことも包括した地域協定作るようになってまあTTPもその一貫だよ。

GATT成立前史

WWI終戦

アメリカ「ゾウさん(共和党政権になりました。でも保護貿易もっと好きです」

ヨーロッパ「こちとら世界大戦ボロボロなんじゃクソ米野郎殺すぞ」

1929年 大恐慌

アメリカ「うわあ、なんだか大変なことになったぞ」

ヨーロッパ世界「マジ死ぬ。なんとかしてくれ」

アメリカ「とりあえず、世界のことはほっといて国内産業保護するか。いでよ! スムート・ホーリー法!」

スムート・ホーリー歴史上類に見ないほどめっちゃ高い関税かけます

アメリカ「ハハハ! つよいぞーかっこいいぞー!!」

ヨーロッパ「つよい……報復でこっちも関税かけまくったる」

世界経済ますます悪化ブロック経済化が促進。そして、WWIIへ。

1947年 GATT採択

ヨーロッパ「……という悲劇があったので、これから関税とかなるべくかけるのナシにしよう」

アメリカ 「だよな。おれ昔からマジそれ考えて色々やってきてん。ってかみんなで最恵国待遇やればよくない?ピース

ヨーロッパ「(マジむかつくなこのジャリ……)じゃあ、これから自由貿易な。まず条約作ってそのあと機関的なもの設立しよう」

アメリカいいねいいね!……あ」

ヨーロッパ「どうした」

アメリカ「ごめーん。ママ議会)がダメっていうから機関のほうは無理だわ」

ヨーロッパ「おまえなーっいつもなーっ」

アメリカ「あと加盟するから、うちの農産物のこれとこれとこれを対象から除外してくれ」

ヨーロッパ「」

GATT成立後

1950's ディロン・ラウンド交渉

ヨーロッパ「と、とりあえずなんとかGATTができた。とりあえず関税率のひきさげとかこれからみんなで相談していきましょう」

60s ケネディ・ラウンド交渉

GATT工業製品関税を一律で大幅引き下げることに成功したぞい」

70s 東京ラウンド交渉

ヨーロッパ「えー、今回も関税引き下げますけど、関税だけ下げても他に姑息手段使って実質保護貿易じみたことしようとする(非関税障壁)馬鹿がおるので、そういうのもガンガン規制していきます

アメリカ 「ギクッ」

80s ウルグアイ・ラウンド交渉

GATT工業製品に比べてダンチにムズかった農業産品の関税も下げることにしました。

    あとまー、知的財産権とかサービス業輸出入とか、そういうのも大事だよねこグローバル化社会

90s ドーハ・ラウンド交渉

GATT途上国とか巻き込んでいろいろ欲張ろうとした結果、うまくいきませんでした」

95年 WTO設立

世界貿易機関「苦節半世紀、やっとオトナ(機関)になれました」

アメリカ「感動的だなあ」

ヨーロッパ「ほんっっっとーにな」

地域経済協定

92年 NAFTA設立

アメリカ「すっかり自由貿易世界常識なってアメリカさんは満足です。議会は相変わらずうるさいけど。なあ、ヨーロッパさん」

ヨーロッパ「うん、そおね」

アメリカ「ん? ところでそのEUってのなに?」

ヨーロッパ「あ、これはね……」

アメリカブロック経済圏じゃない? ずるくない? みんなでやろうって言ったじゃん! なにヨーロッパだけ内輪でそんな作ってるの!! GATT違反!!!

ヨーロッパ「ち、ちがうよ……そもそも違反じゃないよ。GATT24条で「地域内における関税その他の貿易障壁撤廃すれば地域経済協定OK」って規定されてんだよ……」

アメリカ「ずるい!!!じゃあおれらも作る!!!

メヒコ「わーいやろうやろう」

カナダ「……やだなあ……」

NAFTA爆誕


TPP登場

2000年以後

日本WTOは出来たけど、やっぱみんなでみんなで仲良く自由貿易やるのって限界があるよな。ドーハ・ラウンドはあんななっちゃったし、最近じゃEUさんが成功したおかげで各所で似たような枠組みが雨後の筍状態だし……のるしかないな、このビッグウェーブに!!」

ASEANをはじめとした地域・国々と独自自由貿易協定を結びまくる。

2006年 TPP生まれる。

シンガポールうちらもなんか作ろ。金融とか情報とか著作権とかその他もろもろナウいもん全部乗せでさ」

ニュージーランド「そっすね。名前は『環太平洋戦略的経済連携協定』がいいかな」

ブルネイ 「かっこいい」

チリ   「なんかバラバラな感じのメンツだけど気にしない方向で行こう」

2010年 アメリカ参入

アメリカNAFTAのおかげで南北アメリカ大陸は制覇したけど、やっぱこれから環太平洋地域だよな……でも一から作るの面倒だし……」

アメリカ「お、あそこにちょうどよさげな枠組みあるやんけ! GATT24条もクリアしてるし! おーい、入れてくれ」

TPP  「マジか……まあアメリカさんが入ってくれたら心強いっちゃけど……」

アメリカ「よーし環太平洋地域も取り込んでがんばるぞー」

その後

オバマ「がんばろう」

議会「がんばれない」

オバマ「がんばろう」

日本「がんばりたくない。せめてコメだけは見逃してくれ」

オバマ「がんばろう」

民主党「がんばれない」

オバマ「がんばろう」

共和党「普段は敵だけど、今回は強力してやるよ」

オバマ「なんとか許可もらったぞ。60日以内に条約とりつけなきゃ」

日本 「なんか思ってた以上にいろいろ辛い……」←イマココ

 
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