中学高校と男子校だったこともあり、女性に免疫ができず、自己嫌悪もあって青春とはかけ離れた学生生活。
童貞を捨てれば自信がつくかもしれないと思って、大学3年のときにネットで知り合った年上女性と会った日にホテルに行くも、緊張でたつものもたたず撃沈。
その女性のおかげで3ヵ月後に捨てることは出来、なあなあで結婚する事情があって2年で離婚。
25にして再び独身生活が始まった。
Aというオンラインの友人がいた。
彼女は学生のテレホ全盛期にゲームのサイトで知り合った同じ年の女性。
プログラムの仕事を自営でしている私は、夜中仕事をしながら彼女とメッセをするのが日課だった。
学生のときから一度も会ったことが無かったが、私は離婚、Aは結婚破談、なんとなく環境が近かったのだろう。
何かのきっかけで会おうということになった。
少し暗そうな感じのAだが、ブツブツと小さい声で面白い冗談をしゃべる子だった。
お互い緊張してチャットのように話せなかったが、思ったよりかわいい子だなという印象だった。
そしてお互い人肌恋しかったんだろう、勢いで二人で旅行に行こうという話になった。
やれるとおもった。
旅館に一泊で旅行にいったが、車の中での会話はチャットのようには弾まず、自分の緊張やの押しの弱さが原因で、結局別の布団で寝て何も無かった。
Aは私が寝るまでタバコをふかして窓の外を見ていた。
自己嫌悪いっぱいの旅行から帰って一週間後、男性に告白されて付き合うことにしたとAがメッセで言ってきた。
別に好きでもなかったと思ってたのに、人の手に渡るとすごく悔しかった。
Aは別れたり、ダメって分かってるのに離れられない、悪魔だわと私に愚痴を言いながら付き合っていた。
そう思って自分のモンモンとした気持ちを整理をつけようとしていた。
結局半年位して別れたらしい。
そして、モンモンとした気持ちは消えていった。
Aは私のことを「いいんだけどなんか残念な感じ」という印象だったとチャットで聞いた。
月日は流れて30になった。
友人の少ない自分には、Aとのチャットが日課であり生活の一部だったのだろう。
ある日なんだかチャットで落ち込んだ感じのAに、久しぶりに飯でもいこうと誘った。
がんばってちょっとこぎれいなレストランを予約して、久しぶりに会った彼女は前より少し綺麗になった感じだった。
しゃべり方はあいかわらず、ボソボソとしていたが冗談をいって私を笑わせてくれた。
食事の後彼女が誘ってくれたバーにいって話していたら、ろうそくに照らされた彼女の顔が一段と綺麗に見えた。
そこで恋心に火がついてしまったのだろう。
よく分からないけどこの気持ちはたぶん好きに違いないと思った。
彼氏がいないのも知っていた。
次の日言いたいことがあると告げて、彼女のマンションまで片道高速2時間。
好きだから付き合って欲しいと伝えた。
40の単なるおっさんだという。
私は帰り際に1度だけ抱きしめさせてといって抱きしめて、車の中でばかやろーっていいながら家に帰った。
それから一週間気持ちが張り裂けそうだったのを覚えている。
初めてソープにいって気を紛らわそうとしたりもした。
Aのこと、Aの不倫相手のことを思うと悲しくて仕方なかった。
そのあと私がAに対してとった行動は「5万で一晩ともにして欲しい」というとても最低なものだった。
Aと1度でも寝たら、この張り裂けそうな気持ちがスッキリなくなるのではないかと思ったのだ。
Aは一蹴した。
そもそも、寝たら友達じゃなくなるのが嫌だと告げられた。
何度もお願いをして5日目くらいに今すぐ来るならいいよといわれたので、夜中高速をすっとばしてAの家でそういう行為をした。
Hうまいねといわれた。気持ちがこもっていたから事実だったのかもしれないし、みんなに言うのかもしれない。
4,5回そういうことをしたのを覚えている。
私の中であった変化はというと、毎回5万円はきついなというのと、帰る時に俺名にやってるんだろうと朝帰りに思うこと。
朝、Aに「帰らないで」といわれたけど、仕事をサボれない私はごめんといって帰ったのを覚えている。
払わない日もあった。
私は性病にかかった。
今思えばソープが原因だったわけだが、そのときは彼女から移ったと思った。不倫相手がもってたに違いないと。
Aに検査するように薦めたが、結果Aはシロだった。
私は薬を飲んで1ヶ月ほどで治った。
一緒に食事に行くことはあってもその後の展開は無かった。
手に入らないようになると、麻薬が切れたかのようにAが欲しくて欲しくて仕方が無くなった。
Aのことで頭がいっぱいになって、Aの不倫相手が恨めしくて、Aがメッセから落ちたら不倫相手と寝てるのかと妄想した。
もはや病気だった。頭の中は仕事と彼女のことだけ。半年~1年はその状態が続いた。
そんなとき、数年ぶりにあう学生時代の友人がホーパーティーに誘ってくれた。
きょどりながら参加した。
その後もその友人は合コンにも誘い出してくれた。
人数あわせもあっただろう、当時の自分を誘ってくれたことに感謝している。
きょどりながらもパーティーや合コンに参加していると、最初はオブジェでも少しずつのりがよくなってきて、女の子のメールアドレスや電話番号を少しずつゲットできるようになってくる。
お互い興味が無い同士でも、その子と自分で幹事をすればまた合コンができることが分かる。
既婚者にも声をかけた。
そうこうしているとAのことはすーっと心の中から無くなっていった。
いろんな経験を経て、1年位して素敵な人に出会い、30後半の私は今再婚して子供がいる。
Aとのことが無かったら、パーティーに参加していなかった。
Aと寝なかったら、彼女が欲しいとかやりたいとかも思わなかった。
きっと再婚することは無かっただろう。
Aには幸せになって欲しいと願っている。