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2014-10-05

医学的にはMENSA高知団体とは言えないという話。

MENSAという団体をご存知だろうか。ホームページには

MENSA(メンサ)とは、1946年イギリスで創設された、全人口の内上位2%のIQ(知能指数)の持ち主であれば、誰でも入れる国際グループです。 」

とある

そして、MENSA自分たち団体のことを「高知団体」と呼んでいる。全人口内の上位2%とは、IQにして148(標準偏差σを24とする)となるので、これはかなりの高知能ということになるだろう。単純に考えると50人に一人程度存在するということであるから、その希少さはかなりのものだ。そして、日本で有名なMENSAとは正式には「JAPAN MENSA」というものらしく、これはMENSA日本支部であるという。(以後のMENSAという記述JAPAN MENSAを示すものとする)

MENSAについては私も昔から知っていて、「へぇ、そのような団体があるのか」と興味は持っていた。

ところが、先日大学の友人がMENSAの入会テストを受けてきた所、どうやらこの試験というもの所謂IQ(全知能)」を測るテストとは少し違うものらしい。このような入会テストを行っている団体が「高知団体」として世間認知されていくのは良いことなのだろうか、少し疑問に思った。

そこで、一応大学医学を専攻した身として、MENSAに対して一言述べておこうと思いこのブログを書くことにした。

MENSA医学的には高知団体ではない

MENSAの知能測定方法が「全く無意味」というわけではない。知能の限られた部分しか測定していないということである。そして、それこそが一番の問題なのだ

医学的に知能指数を測る方法は何種類か有る。(知能指数 - Wikipedia)

かなり初期のものとしてはビネー式知能指数テスト。こちらは「子供向けの知能指数テストであり、大人には有効ではない」ということが明らかになっている。そこで、登場したのが「WAIS」と呼ばれる知能指数テスト現在、大人が医療機関知能指数テストを受ける場合には、大抵「WAIS」を受けることになる。(田中ビネー式については割愛)

ところで、MENSA公式ホームページには「入会テスト受験は15歳以上に限る」と記されている。つまり子供向けではなく、大人を対象にしたテストであるということだ。

そこで、医療機関実施されている大人向けの知能テスト「WAIS」について少し詳しく見ていこう。

WAISの試験内容

WAISは現在、14の下位検査から成り立っている。(ウェクスラー成人知能検査 - Wikipedia)

言語検査



動作性検査

そして、これらの知能検査から各々の「知能指数」を算出。それらを総合して全知能(合成得点による全検IQ)を算出することとなる。

ところで、なぜこのような成人向けの知能指数テストが行われるのだろうか。WAISのスコアから何が分かるのだろうか。

実は、WAISのスコアは高ければ良いというものではない。それぞれの分野のスコアがある一定範囲内(15以内)に収まっていることが重要なのである。そして、これの範囲を超えてしまうと、発達障害との診断が下る可能性が高くなる。医師はそれを一つの目安として発達障害の診断を下すことになっているからだ。

まり部分的に隔たった知能は「発達障害である可能性を示唆することとなるということだ。

MENSAの入会テストについて

さて、MENSAに話を戻そう。

MENSA試験内容とはどのようなものなのか。

実は、これはWAISで言うところの「行列推理」だけを問うものなのである

すなわち、MENSA試験においてスコアが高いということは、WAISで言うところの「行列推理スコアが高い」ということのみを指し示す結果であり、(各能力の発達がある程度独立であることを考慮すれば)上述した「発達障害である可能性も、一般の人よりも遥かに高いということである

まりMENSAという団体には、世間よりも遥かに高確率発達障害の人が存在していると考えられるだろう。

MENSAに望むこと

MENSA高知団体自称するのであれば、最低でも言語性知能や他の動作性知能のテスト必須にしていただきたいものだ。

行列推理スコアが高いだけで「高知団体」と言われても、それは詐称に他ならない。むしろ行列推理だけのスコアが高いということは、高知であるということを示すより、発達障害示唆する可能性の方が高いとすら言えるだろう。

 
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