2021-02-28

九条大罪・第1話を法的観点から考察」に納得できない

九条大罪・第1話を法的観点から考察

https://note.com/oredayo_ore/n/ne64be5c33038

上記noteがバズっているようですが、内容にほとんど納得できませんでした。

ただし私は法的観点にはまったくの素人なので実際には書いてあることが正しいのかもしれませんが、疑問点は多かったです。

まず九条の間違いその1~スマホを置いてけ~」について。

かにスマホを持っていないことについて疑惑は持たれるでしょうが携帯キャリアGPSレベル位置情報は持っていないでしょう。

「こういったサービスもあります」としてソフトバンクの「紛失ケータイ捜索サービスとは」にリンクしていますが、リンク先を読むと

とされており、GPSレベルの精度が得られるかは疑問です。

またnoteには「キャリアが具体的にどんなデータを保管しているかまではさすがにわからないです」と書かれていますが、そもそも利用者告知せずGPS位置情報を取得すること自体が重大なプライバシー侵害です。

たとえば110や119の緊急通報時にはGPS位置情報を取得されますが、そのことは公開されており、実際その状況になった場合利用者スマホに「位置情報が取得された」と通知が来るそうです。

「実はGPS位置情報を常時取得していて警察に渡していました」という場合会社が傾くくらいの大問題になると思います

九条の間違いその2~レシート処分しろ~」について。

時間にもよるもの飲み屋に行っていたのならその時点でアウトです。」とありますが、そんなわけないですよね。

重要なのはアルコール摂取していたかどうかであって、飲み屋に行ったかどうかではないはずです。

酒を飲んだかどうかはどんな注文をしていたか店員に聞くぐらいしかないと思いますが、当日ならともかく、何日も前に来た客の注文なんて覚えているものでしょうか。

さらそもそも防犯カメラ映像確認するのが大変な作業のはずで、足取りを追うためにどれだけの数の防犯カメラ確認しなければならないでしょうか。

ほとんどの防犯カメラ警察管理しているわけでもなく、所有者に許可を得て映像をもらわなければならないはずです。

犯人が行った可能性のある全ての場所防犯カメラを探し、許可を取ってようやく映像のチェックができるようになると思いますが、それらの映像を見るのにもまた膨大な時間がかかります

犯人がまだ見つかっていないとか、間違いなく飲酒していたと思われる別な証拠でもあるならともかく、「飲酒たかどうか不明自首してきた犯人」に対してそこまでやるんでしょうか。

九条の間違いその3~あまりにもピュアで人を信用しすぎ~」について

これは確かにその通りで、録音とかされてたらオシマイでしょうね。

ただ、「過酷な取調べに耐えきれず虚偽自白をしてしまった冤罪事件枚挙に暇がありません。」とありますが、そもそもこの事件冤罪事件ではありません。

冤罪事件被疑者無罪であり、無罪であることを主張してもまったく受け入れられないことから絶望して虚偽自白をするのでしょう。

一方でこの事件被疑者は実際犯人であり、罪を軽くするために証拠隠滅をし、弁護士からは余計なことを喋らないよう指示を受けています

冤罪事件とはまったく立場が違い、「森田くんが取調べに耐えきれず、全てを白状してしまって」という状況がいったいどのような取調べなら発生しうるのか、見当がつきません。

(何か決定的な証拠でも見つかれば別ですが、その場合はもう冤罪事件の話なんかなんの関係も無くなってますよね)

最後に最大の疑問がひとつあります

このnote、どの辺が「法的観点から考察なんでしょうか?

たとえば「(証拠隠滅が発覚した場合九条先生はそのまま逮捕勾留されて職を失い」と書かれていて、確かにそれはそうだろうとは思うものも、「法的観点から考察」というタイトルから期待したのは「この行為は〇〇法の第○条に違反しており、このケースでは〇〇の刑罰を受けることになるだろう」という話でした。

しかしこのnoteには具体的な法律の話はほとんど出てきません。

イソ弁ときが依頼者をクズなどというのは決して許されません。」とか、一体なんの法律の話をしてるんだという感じです。

そんなわけで、あまり納得できない記事でした。

最初に書いたことを繰り返しますが、私は法律素人であり、上の疑問も見当外れな部分が多々あるかもしれません。

詳しい人による、法的根拠を持った解説を期待します。

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