年号が一回りするけど、まだまだ時効に出来ないから、記憶の整理のために増田に残します。
長文注意。
それそこ2000年代半ば、大学卒業して就職もできず、派遣社員だけでは食べていくのが精一杯で、週末はキャンギャルまがいのバイトを入れて糊口をしのいでいました。
その中でも、大手家電販売店にいるメーカーのロゴの入ったカワイめの服を着た売り子?までいかない、質問したら「詳しい人呼んできますね!」って逃げられるアレをやっていたときの話です。
ちなみに、当時はあのちょっと恥ずかしいコスチュームをきるだけで、普通のロゴパーカー派遣の1.5~2倍の時給でした。今は知らない。
フロア担当の偉い人に神妙な顔でバックヤードに呼び出されました。
勤務中の態度が悪いとか、休憩が長いとかでお叱りを受けるのかな?と思って、ヒヤヒヤしながら休憩室に行くと、フロアでたまに見る怖い顔したお客さんもならんでて「?」が深まる。
どうやらその方は私服警備の人だったらしく、となりにいたおばちゃん顔の人も併せて「何にも買わないのに、何してる人なんだろう」と訝しがっていたことを反省しました。
話を聞くと、ミニスカで店頭に出ている女の子たちを盗撮していた輩を捕まえたと。
念のため動画を確認して欲しいとのことで、テレビに映し出される私のパンツ。
覆面警備のおばちゃんが「気持ち悪かったら、すぐに止めるからね」とそばにいてくれました。
間違いなくそのダサパンツは自分のもので、他にも被害者がいると言うことで、今後どうするかは追って連絡するとのこと。
派遣元に連絡するから、今日は帰って良い。作業時間は最期までいたことにして付けておくと言われ、その日はラッキーくらいに思ってドーナツ食べて帰りました。
その後しばらく週末の現場に入ることはなかったのですが、1ヶ月ほどあとにその店舗の偉いさんからの連絡で、加害者とその親御が直接誤って示談にして欲しいとのこと。
そこでやっとことの怖さに気づいて(遅い)、面会するなら立会人として当時の彼氏に同席してもらう旨伝えました。
店舗のバックヤードに行くと、自分より少し年上の男性とその母親らしき女性が憔悴したかおで座っていました。
棒読みみたいな「すいませんでした」と言った男性に被り気味で、母親の人が念仏のように言い訳をつづけました。
問題を抱えた兄弟がいるため、この子には手をかけられなかった。
聞き分けのよい良い子なんです。
ストレスでこんなことしでかしたんです。
は?知らんがな。
メンタル弱ってたら、見知らぬ女の子のパンツを無許可で撮影してシコって許されるんか?
ハンディカム買えるくらいの財力あるなら、他にも解消法あるやろ?
何より何で笑ってんねん!!
なんだか得体の知れない恐怖で固まってしまった私の代わりに、概ね上記と変わらないことを彼氏が代弁してくれたことが救いでした。
強面の私服警備員さんとおばちゃん警備員さんが、加害者と母親の人の両方に「それは言い訳にはならない。やったことは犯罪だ」と言ってくださったことが救いでした。
なによりも虚ろな顔でずっと謝罪の言葉と息子さんの罵倒をしている母親の人が怖くて、怒りたいのと逃げ出したいのがごっちゃになっていました。
警察に突き出して事件にするか、誓約書と示談金を貰って今回は不問に処すかどっちにする?容赦はしなくて良いよ、ときかれて、当時めちゃくちゃお金がなかったので示談金をえらびました。
彼氏と二人でお腹いっぱいの焼き肉と、その後1ヶ月ちょっとましな食生活が出来る程度の金額でした。
その後、店舗に入るの女子スタッフはミニスカでなくてもOKになりました。
私は半年ほど務めた後、まともな給料の出る正社員になり、週末の店舗のバイトを辞めました。
いい年の大人になった今でも、あのバックヤードで盗撮犯と対峙して、まともに反論できる自信はありません。
そこにいたのは、私の隣で手を握ってくれていた彼氏と同じ男性ですが、得体の知れない何かでした。
その隣で念仏のように言い訳を呟いていた母親の人も、私と同じ女性のはずなのに、同じ何かだとは思いたくなかったです。
加害者が悪い、育てた親が悪い、加害者を取り巻く環境が悪い、と言ってしまえば簡単です。
干支が一周して、私は盗撮犯より年上になり、母親の人に近づいてきました。
何か一つ掛け違いが起これば、あの母と息子みたいになりかねないという事を、あの件にあったこの時期になると思い出すので、厄落としに増田に残してみました。