なんだかもう幸せで悲しくて寂しい感情が整理しきれず、つい増田に投稿しました。
暇つぶしにでも読んでもらえれば。
初めて会ったのは2006年。
僕は地方在住大学院生。その時はフリーランス駆け出しとして、学生ながらプロジェクトに参加。夏休み期間を利用して上京して、プロジェクトリーダーの家に居候。リーダーは、いわゆる坊っちゃんで高級住宅地に住んでて。そんで空き部屋がいくつかあるので、そこに居候させてもらったわけである。(羨ましいかぎりである。)
プロジェクトが進んで1週間。
地方大学の2年生で、このプロジェクトに参加するため夏休み期間を利用して上京。合流が遅れたのは試験のためだったらしい。案の定、同じリーダーのマンションの、別の部屋に居候することになった。
初めは正直少し田舎くさい子だなと感じたし、あんまり話さなかったのでとっつきにくい子だなと思ってた。でも田舎くささが取れれば、どちらかというと可愛い部類の子ではあった。
僕はその子の世話係になった。
元々僕は都内の大学に通っていたので地理感はあったし、先にプロジェクトに合流していたこともあったためだ。会社までの道案内や夕食を一緒にしたりして3日が経った。
その子の部屋でGが出たのである。何とかしようとしたが逃してしまったようで、どうしようもなくなり僕の部屋に避難してきた。
幸か不幸か僕は虫が大の苦手で、てんとう虫すら触れない。またこの頃にはリーダーはプロジェクトにかかりっきりで、虫の対応をしてる余裕など無かった。
仕方がない。唯一の解決策としては、僕の部屋で一緒に寝るしかない。という事で、新たに布団を一式僕の部屋に出し、同じ部屋に寝ることとなった。
この頃には大分仲良くなっており、その子の大学での活躍や勉強内容、高校時代の事なども話すようになっていた。大学に彼氏がいる事も聞いていた。
その後当面、一緒の部屋に寝泊まりすることになった。その子も相当に虫が苦手らしく、もう戻りたくないという事だった。
何日目かの夜。
何となく2人とも寝つきが悪く、深夜にお互い起きてることに気がついていた。
その頃には僕も好意を抱いていて、何気なしに手を伸ばしてみた。すると向こうも手を伸ばしてきてくれた。
お互い居候で、普段と違う生活。なんとなく寂しかったというのもある。
その晩は手を握って寝た。
それからは早いもので、次の日には抱きしめあっていたし、自然な流れで、ある日には寝ることとなった。
僕は当時フリーだったが、相手は彼氏持ちであったため、完全に浮気である。
そのままプロジェクトは無事終了し、彼女は一足先に地方へ戻っていった。
再会は早かった。
僕が自宅に戻る途中に彼女の家があったので、僕が戻る際に寄り道することとなった。そのまま2日ほど滞在し、今度は一緒に僕の自宅に行くことになった。
そして数日が経って、夏休みが終了。
一夏の恋は終わることになった。
その後は4年ほど音信不通。
4年後。
ふとしたきっかけで連絡を取り合うようになった。
きっかけは忘れてしまったが、ラインでやり取りするようになった。
お互い社会人になり、お互いの出張などの機会で会うようになった。頻繁な時は1年に3回くらい。気がつくと1年2年間が空いて会ったりしていた。ただ会うといっても食事したり、移動の隙間の30分だけだったり。
この頻繁とは言えない、デートなのかなんなのかよくわからない事を繰り返している間、僕は別の女性と結婚して子供がいて、彼女も学生時代とは違う、結婚するかもしれない彼氏ができていた。
そして今日。
何度目かわからないデートのような日。彼女の提案で水族館。周りはカップルか家族連れ。混雑の中、のんびり見たいところをじっくり見る。お互いのペースを尊重しつつ、もう何年も付き合ってるかのように、ストレスなく。はたから見たらただのカップル。
ゆっくり見て、少し遅めの昼食。
そしてそれぞれの次の予定まで小一時間空あるので、コーヒーを飲む。
遅くもなく早くもなくお互い心地よいペースで会話。
僕「お、とうとう結婚する腹を決めたの?」
彼女「そうなんです。だらだらしてましたけど、もう新居も決まって」
僕「おめでとう!籍は入れたの?」
僕「結婚式はやるの?」
彼女「やりたくないですー」
などなど。
やっとこの子にも幸せなパートナーが出来るんだと。嬉しさと寂しさと。
彼女「なんですか?」
僕「なんで僕ら結婚しなかったんだろう?」
僕「え?」
僕「えーー、言ってないよ。彼氏いたやん。僕はずっと付き合いたかったし、結婚したいなーと思ってたよ」
彼女「えー、そんなー。ずっと振られたと思ってました。」
僕「え、ということは12年間も振られたと思ってたの?」
僕「お互いはっきり言わないとダメだったねー」
彼女「そーですねー。あー、そーかー、あなたとは浮気か不倫しかしてないやー」
僕「そーだよー」
彼女「えー」
僕「残念だー」
彼女「うん、残念。」
などなど。
そして話が尽きない所でタイムアップ。
駅までの道。
僕「ちょっと手を繋いでいい?」
僕「そーだねー、すごい僕らにぴったりだね、不毛って言葉。12年間の不毛な関係。」
と言いつつ、僕らは手を繋いで歩きました。
お互い少し歳をとったけど、それは12年前、初めて手を繋いだ時と変わらない感じ。
このまま、僕らが結ばれないことを祈ります。