2019-06-24

今夜アニメどろろ』が終わる

アニメのもの面白かったけど、Twitterでのファン同士の交流お祭り騒ぎで楽しかったなぁ。昔の漫画原作だけどファン層がやや若めなせいか、皆元気だし発想が奇想天外なので愉快なTLだった。

そんな『どろろ』オタライフだった。

ともあれアニメどろろ本体感想などを気がはやいけどつらつら書いとく。

あ、ちなみに私のスペックはというと、原作未履修のまま生き長らえてしまった、最近はあまりアニメに熱烈にハマれなくなっていたオタク自称するのは気が引けるほどの者。『どろろ』を見始める前に履修したのは『BANANAFISH』で、もう当分こんな悲劇的な作風はいいや、と言った舌の根も乾かないうちにどろろ沼に転落した。なお『どろろ原作アニメ前半期が終わるくらいにやっと履修。

では以下感想

タイトルは『どろろなのだがとかく目を惹かれてしまうのは百鬼丸である。なんせ顔がいい。

・初期の頃の百鬼丸は表情がまるでないのだけど、カメラワークによっては、うるさくまとわりつくどろろにすごく迷惑そうにしているような表情に見えるのがツボだった。単に角度の問題で実際そんなに迷惑してるのかどうか分かんないところが良い。

百鬼丸身体のパーツをあちこち奪われた重度の身体障害者であるという設定が、このアニメではリアル描写されててよかった。身体のパーツを取り戻して当人が感じるのは喜びだけじゃなくて戸惑いや煩わしさもある(むしろ喜びよりそっちの方がフォーカスされがち)という描写がいい。耳を取り戻す瞬間子供みたいに地団駄踏んでたのが印象的。

特に耳を取り戻したら世界に溢れる音が煩すぎて知恵熱出しちゃうとこがよかった。

百鬼丸身体を取り戻す度に、百鬼丸視聴者が思ってた以上に何も出来ないし何も知らない・分からない赤ちゃんであるというのが発覚していくのが面白い。しかし、発覚するごとに「あっ、なんかごめん……」と一視聴者百鬼丸謝罪がしたくなるのであった。

百鬼丸が16歳の赤ちゃんだと発覚してからは、彼が徐々に成長をしていく様に一々感動してた。つい自分の子供を見守るような目線で見てしまった。

・前半期でいちばん気に入ってるのが『守子唄の巻 上・下』。そのストーリー悲劇性もさることながら、最初から最後までテンポよくタイトにまとまっていて、とてもよい良い。

・ということにことのほか感動してしまうのは何故かというと、アニメどろろ』、全体的に面白いんだけど変にテンポが悪くてかったるい印象があるのが否めないからなのである90年代後半のロードムービーアニメ雰囲気がうっすらとあって若干時代遅れな印象も。

アートと娯楽の境目を綱渡りで進んでいてたまに足を踏み外して落っこちている、そんな感じのアニメどろろ』の全体印象である

百鬼丸から見れば敵サイドである弟・多宝丸が物凄く良い子に描かれていて好感度高いところが良い。そんな良い子が悲劇に巻き込まれていく鬼畜脚本シリーズ構成さいこう。

・今までアニメを観るのに監督には注目したことはあっても脚本家に注目したことはなかったのだけれど、小林靖子という脚本家に期待と信頼を寄せるようになってしまった。

・確かアニメ開始直後くらいは監督が例のあの人なのでどうせ地獄み溢れる展開になるとか、少し経つとどうせミオは梅毒死ぬんでしょとか噂されていたが、結局、監督が例のあの人だからどうということはなかったような気がする。ま、ミオが梅毒で死ななかった代わりに他のキャラが疫病にかかって大変なことになったのだが。やっぱり監督持ちネタなの?

悲劇の全ては小林靖子様のせいに違いないと思ってごめんなさい。そんなことはないよね、常識的に考えて。

琵琶丸カッコいい。

どろろコロコロと丸っこくてとても可愛いのだが、後半期にどろろ身体が実はガリガリに痩せ細っていることが発覚してヒィッてなる。あんまり食えてない設定なので当たり前なのだが、しかし、あの顔の丸さ加減はお肉ではなく頭蓋骨のものの丸みだったのか……そんな……。

醍醐夫妻の毒親っぷりに真面目に憤ってしまった。空想上の人物にそんなに真剣にプンスカしても仕方なくない?と思いつつも、つい。あの二人には天誅が下って欲しいと、いまだに思っている。

・やたら母性というものフォーカスの当たる本作。正直、今時それ?と最初は思ったんだが、登場する母親母親役のキャラが皆それぞれ人として未熟な部分があり葛藤を抱えているので、OKです。超絶母性愛で全てをミラクル解決するような話ではなくてよかった。

登場人物がそれぞれ目の前にしている相手勝手理想を見出だしているような描写がちょくちょくあるのがグッときた。例えばミオから百鬼丸おかかちゃんからどろろ、など。相手虚像に癒されてんだな……。

どろろ百鬼丸にかなり雑に扱われているのにも関わらず、それでも必死に彼についていく理由が、よくわからなくはある。

・親とはぐれた子犬子猫通りすがり人間必死についていくのと似たような心理なのだろうか。

どろろ百鬼丸の絆が深まっていくのを描写するのには、24話では尺が足りないのではないかと思う。

鈴木拡樹天才だ!絶叫の演技が特に良い。「地獄変の巻」で背骨を取り戻すシーンなど秀逸だ。

・後半期でいちばん何度も観てしまったのが「地獄変の巻」。演出家個性なのか単に制作時間と人手の欠乏かなのかわからないが、異彩を放ちまくりの画面に目を奪われてしまった。この話を担当した演出家総監督する『どろろ』を観てみたい。ただしちゃん制作費をかけて。そしたら私も微量ながらお金払うし!

・後半期の膝から崩れ落ちるようなあのOPは一体なんなの。曲そのものはいいと思うけど内容と全然合ってないじゃないか原作漫画そっくりそのままアニメ化したものOPというなら納得するんだけど。アジカンにどういうオーダーしたらこうなるんだ。

・そんなOP曲に映像を作ったスタッフもびっくりしたらしいが、いい感じの動画にまとめてくれて一視聴者としては感謝しかない。

・でも『鬼滅の刃』なんか観ると羨ましくなってしまうよなぁ。こんないいOPつけてもらってていいなぁ、と。

・『天邪鬼の巻』は楽しかった。おこわちゃん可愛い普通あいポジションキャラって性悪に描かれがちだと思うけど、おこわちゃんはしっかり者の良い子で素敵だった。

・『鵺の巻』の上げ落としが酷い(誉め言葉)。中々懲りない百鬼丸ェ。

身体のパーツを取り戻していき、喋れるようになって感情表現出来るようになっていった百鬼丸だが、実は優しい顔に反して内面もしかして結構、うん、性格悪い?将来ものっそいDV男になりそう。そんな危うい奴だったことが判明していくのがつらい。近距離にいるどろろがモロに精神ダメージ喰らってるのがとても可哀想まだ子供なのに……。

社会的弱者KKOに同情出来るか問題様相を呈してきた。なんて現代的で重いテーマなんだ。

・多宝丸と陸奥兵庫の絆がグッとくる。なのにあんなことになっちまって……。

百鬼丸と多宝丸の兄弟対決は、もはや和解の道が全然見えなくてしんどい。が、うまく和解したらしたでそれはぬるすぎる展開なのではないかと思ってしまう。

百鬼丸身体のパーツを取り戻すことの是非については、私個人としては、一度きりの人生なんだし他人とかどうでもいいから取り戻せば?と思う。どうせ死んだら人からまれようが関係なくなるんだし。

と、こんな感じの感想

最終回、何とか色々片付いて百鬼丸どろろには幸せになって欲しい気持ちもあるが、そうなってはぬるいという気もする。

しか百鬼丸がコロッと死んだり重い業を背負って生きてくというのもなんか違う気がするしな。

ともあれ、今夜の最終回を心して待つことにする。

  • anond:20190624122005 ※ネタバレは当然のごとくにする。 ・いきなりハイライトの感想から言うけど、百鬼丸が目を取り戻したら度を超えたイケメンに超進化したので、私エネル顔。 昔話...

    • うん、前半面白かったのに後半見なくなっちゃった。 ただ2クールというもの自体しばしばこうなっちゃうんだよね。 オリジナルアニメだととくにそうなりがち。4クールとかもうシあ...

  • ♪ 疲れ果てた あなた わたしの まぼろしを 愛したの ♪

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