2016-05-20

男性痴漢の怖さを伝えるたとえ話を考えた

冬頃だったか、『男性痴漢の怖さを伝えるたとえ話』として、『女性男性をいつでも咬みつく世界』っていうのを見た。

 

 

それは、わたしとしてはイマイチぴん、と来なかったし、

実際、『美女に咬まれるならご褒美です』と言う男性も見かけたりしたので

わたしとしても同じくたとえ話を考えたのだった。

 

  

一般的エロ』と『BL』の立場が逆転した世界

 

あなたは、17歳の健康優良男子である趣味野球とかサッカーで、太陽の下で爽やかに汗をかく。最近クラスに気になる女の子なんかもいる。

 

 

あなたはふとコンビニに立ち寄った。若い女性が笑みを浮かべて、雑誌コーナーの角に常設されたBLコーナーで18禁BL立ち読みしている。

それは日常にありふれた当たり前の風景なのだが、エロBLの表紙に浮かぶ『健康野球少年鬼畜コーチにゆっくり脱がされて……?』なんて見出しを目にしてしまった時は

ああ、俺はなんて失敗をしてしまったんだろうと自分を責めた。

胸に感じる不快感は、自分がうっかりあのコーナーを見てしまったせいだ。あれは見てみぬふりをしなければならない。

そもそも、何でコンビニ18禁BLコーナーがあるのか、という問題提起をすることはなかった。生まれた時からある、当たり前だからだ。

 

 

 

あなたには仲の良い友達がいる。それは、クラスメイトかもしれないし、部活仲間かもしれない。

あなた電車通学だ。友達と一緒に電車に乗り、他愛もない話をしながら下校している。

ある日、あまり友達の話が面白かったから、少し過剰にスキンシップをした。それは、頭を撫でたりとか、胸を叩いたりとか、そこまで派手ではないアクションだ。

しかし、瞬間近くにたまたま居た女性が、鼻息荒く傍らに居た、彼女の友人らしい友達に話しかけた。

「ネェ、あの子たちどっちが攻めかしら!」

「えーわたしは髪が短い子かなぁ」

そこから先は、あなた友達の濡れ場が、さも楽しそうな猥談として展開された。近場に居る人はそこそこ耳にしているはずなのに、誰も彼女達を咎めない。

それどころか

「ちっ……公衆面前でイチャつくからこうなるんだよ」

と、あなた友達を責めるような声まで聞こえた。あなたはたまらなく恥ずかしくなって、急いで次の駅で降りた。

 

 

降りた駅で、友達と話した。

「一緒に下校するのやめようか」

「ええ、俺はなにもわるいことしてねぇよ! おかしいのあの腐れた女たちだろ!!」

あなたはそう抗議したが、友達はその日以降一緒に帰ってくれなくなった。

 

 

悔しくなったあなたは、いくつか上の兄に相談をした。

「あのなぁ、人様の見えるところで過剰なスキンシップを取るお前が悪い。俺だって課長に目を付けられないように注意して……」

しかし、兄の職場愚痴に変わってしまった。

兄は兄で、仲の良い同僚と一緒に居ると、セクハラ上司として名高い課長に「やっぱり兄くんはそういうところが受けなんだよ~~」とからかわれるらしい。

それは、昔からよくあることで、デフォルメされて何回もドラマ漫画に登場している、本当にありきれた話だ。

ありきれた話なのに、いざ自分当事者となると、あなたは悔しくて悲しくてしょうがない。

ついには匿名掲示板でそのうっぷんを晴らそうとするが、帰ってくる反応は

イケメン自慢乙」「つーか自分に自信がなきゃそんなこといえないよねwww」

「女だってブサメンイチャイチャしてるのはイヤだし」「本当はそう言う気があったんじゃないのwww」

と、からかわれるばかりで、あなた心配してくれたのは少ない人数だった。

 

 

 

本屋でもDVD屋でも、基本的にはキラキラとしたイケメン揃いのものばかりだった。

男性ターゲットとしたかわいい女の子商品は、『殿方向け』と固有ジャンルとして呼ばれ定着していた。

最近は『殿方向け』もその数を増やしていたが「最近は『殿方向け』ばかりが多くなってアニメ自体面白くなくなった」「『殿方』は文化衰退の敵」と

過激な事を言う女性も少なくなかった。

『殿方向け』愛好家は、ひっそりと愛好家同士で繋がりをもち、自慢のエロ披露していた。

それは本当にクローズドものだったが、昨今のSNSの発達でその存在感を示し、その存在認知されはじめた。

はいえ、テレビではBL的なものはあたりまえに流れるにも限らず、『殿方向け』に限ってはNHKなどで特集され、やや特殊オタク、として扱われていた。

まだまだ、BL一般エロの間には溝があるのだ。

 

 

こんな問題もあった。ある時期、性悪な男が「今、この人俺に向かってひどいことをいいました」などと女性に吹っかけて、名誉棄損罪で訴えたり、金銭要求したりしたのだ。

時にはグループで行ったりもしたこの『クサレ冤罪』は社会現象となり、それ以降、冤罪に怯えて女性たちは電車に乗った。

いつ、目の前の男性自分を指さして名誉棄損で訴えて来るかわからない。『絶対に声がでないマスク』が流行し、女性たちはそれをつけて電車に乗った。

いわく、このマスクをつけていたから、彼に対してBL妄想など口走ってません、というモノである

 

 

しかし、冤罪の恐怖は本当におびえている被害者さえも萎縮させてしまった。

あなたいくら自分の身に起きた悔しい思いを訴えても「大げさ」「冤罪目的なんじゃない?」とフタをされてしまったのである

あなた高校生のうちに、何度か同じような目にあった。スポーツマンタイプ高校生腐女子の好物なのだろうか、数えれば一週間に一度は『自分対象としたエロ妄想』を耳にした。

ひどいと写真を撮られたりもした。ひとりで居ても、妄想を話されることもあった。3人で居たら3P妄想だった。

男子高生のあなたは、酷い性的暴力の嵐の中に居た。

でもあなたは諦めていた。これはそういうもので、逆に商品価値さえあるんだ。自分は貴重なんだよ、うん…………

そう思うことで自尊心を保ち、生きづらい世の中を、あなた今日電車通学していくのである

 

 

読んでイヤな気分になったのは

書いていて思ったが、読んでイヤな気分になったのは、男性自身よりもむしろ腐女子のみなさんではないかと思う。

一般エロBLを逆転してみた結果、そもそもの目的が『男性痴漢の怖さを伝える』っていうのもあり、BLが完全に悪者になってしまった。

しかし、性的なモノを扱うって言うのは時に酷く対象を傷つけると思うのだ。

腐女子には古来より『隠れる』『当て字』『専門用語』と身を隠す忍者の様な文化があるが、それはきっとその為だろう。

SNSの発達により、そういったものが廃れつつあるが、わたしとしてはある程度の『隠れ』は必要だと思う。

 

 

そして、男性のみなさんも、もしこちらを『腐女子ってサイテーだな!』と思ったのならそれはお門違いだ。

ほとんどの腐女子公衆面前で、聞こえるところで萌え話はしない(まぁ、一部のキチガイは除いて)

本人に無理矢理干渉し、自分妄想リビドーを果たす、それが痴漢なのだ

もし、『腐女子ってサイテーだな!』って思ったのなら、それが女性が日頃思っている『痴漢死ね』の気持ちである

  • 痴漢は悪だと分かっている上で、その本能的な感情を抑えられないのが人間じゃないのかな。 そんな風に正論で他者を裁くような底の浅い人間理解でよくまともに生きていけるね。

  • 腐女子はフィクションの二次妄想をしても、生身の男子を触ったり盗撮したりしねーだろ 「男性に痴漢の怖さを伝える」じゃなくて、完全に腐女子ヘイトだろ

  • 一人納得してる所悪いけど男はバカだからそれでも伝わらないと思うよ

  • おいおっさん、今はコンビニで18禁本は立ち読みできないぞ

  • 殺人鬼が同じ電車に載ってたらどう思う?って聞いたほうがいい 女性にとっては痴漢ってそれほどに心と体を壊す存在なんだし、刑罰もそのくらい重くさせるべき

  • この程度じゃなあ ほぼ天国じゃん 間接的ご褒美だな 書き直し

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