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2015-05-25

タラバガニが本当はヤドカリだってことを指摘するのに気を遣いすぎてずわい。

2014-06-02

コンビニ立ち読みしているやつ

なんで買わないの?邪魔なんだけど。

いい大人が狭いところに密集して、なんだかよくわからないマンガを読んでいる光景って無様で笑えますね。

しかしながらああいうごみくずみたいなやつもイソギンチャクヤドカリ関係みたいに強盗除けとして一定機能果たしているのだろうか。

だとしたらコンビニすげーわ。すき家でも雑誌読み放題にすればいいのに。

2011-09-02

沖縄日本ではない

母親沖縄人で父親が内地人。

私自身は本土でずっと生まれ育ち、5年に1度くらいの頻度で母と帰省する。

今年も帰った。

やっぱりここは日本ではない、日本の一部とするにはもったいない、と帰るたびに思う。

言葉食べ物自然信仰も思想も建築様式も芸術も町並みも何もかも日本とは違うのだ。

中国に近いけど中国とも違う。


実家首里城のすぐ近くにある。

母親守礼門に隣接する小学校に通った。

首里城とそれを囲む城壁を何度見ても紫禁城万里の長城に重なる。

赤を基調とするカラフルな配色、豪華絢爛な装飾。

町中あちこちに祭られるシーサーや石敢当は言わずもがな、龍を祭る風習も中国に似ている。

赤塗りの瓦屋根、通路を囲む石垣、路面を覆う石畳も、中国的であり日本的でもあり、両方が合わさって「沖縄らしさ」をかもし出している。

言葉は確かに日本語の一種であり転訛したものだが、日本語との対応関係がわからない語や中国語の残滓らしきものをよく発見する。

食べるものも、豚のあちこちの部位やらヤギ肉やら苦瓜やらピーナッツ味噌汁やらヤドカリやらハブ酒やらグアバやら、

もはや日本料理に分類していいものではない。



沖縄の人は内地人をそれと見分けられる。私もすぐにないちゃーだとばれる。

雰囲気だけでもなんとなくわかるようだし、しゃべったらほぼ確実に見分けられる。

姓を教えれば決定的に判別できる。

沖縄の人は本土姓と沖縄姓を正確に区別できる。

本土から沖縄に移住して3年滞在している友人の通称は「大城」だ。

現地人を装いたいためというが、この沖縄姓を名乗っていても本土人とばれるという。

顔が薄っぺらいからかななどと言っていたが、風格や匂いでわかるものがあるのだろう。

本土のことを「大和ヤマト)」とも言う。



やっぱりここは違う国だ。

比喩的な言い方だが、通っている血が違うのだ。


現在沖縄人で自分日本人ではない、日本から独立したいと考えている人は皆無に等しい。

独立して自分たちだけで琉球国家を運営する能力がないことに関する説明は、あまり自明なのでここでは割愛する。

母親沖縄日本ではないと言ったら怒る。

多分これが標準的な沖縄人の反応だろう。

国民国家」という枠組みに押し込められて成長してきた結果、

明らかに違う属性を持つにもかかわらず、「日本人」としてのアイデンティティけが過剰に発達して、

本来の在り様との間に乖離が生じて、アンバランス立ち位置になっているように思う。



母は、親族東京でたまに食事をしたり東京にいる兄弟に贈り物をするときは、沖縄料理を選ぶ。

本人は「あえて沖縄料理にしよう」と意識していない。

自然と選んでいるのだ。

親族と話すとき自動的に沖縄弁に切り替わる。

また冒頭で「沖縄に帰る」と言ったが、母がいつもそう言うのでいつしか私も、

住んだこともないのに、「帰る」というようになった。

これもまた母は意識せずそう言っている。

帰省して祖母としか会わないこともあるが、

沖縄という土地自体が「家族のいる場所=帰るべき場所」と認識しているようだ。

意識せず自然体で現れるからこそ、自分の拠り所、ルーツなんだろうなあと母を見ていて思う。


国家」という枠組みで個人のアイデンティティを規定することには、本当はいろいろな不都合がある。

母親らにとっての拠り所は「日本」よりももっと狭い、空気のような存在であり意識する必要すらない「沖縄」なのだ。

2010-07-30

http://anond.hatelabo.jp/20100730021955

わっはっはっは。

10年前の俺か、お前は。

恋愛って精神病ってのはよく言ったもので、今となっては

「俺、なんであんな女に執着してたんだ?」

って気持ちしか残ってない。

俺、君とほとんど同じ体験してるよ。

結果は「私好きな人できたから」であっさり出て行った。

君と一緒に住んでる人(彼女って言いたくない)は今その年上男との地盤固め中なんでしょう。

きっちり地盤固めて、年上男がきちんと付き合ってくれるって言えばサクっと出て行きます。

君がつぶやいているとおり単なるヤドカリ中ですよ。

女男に限らず、愛がなくてもセックスして身を守ることが出来る人はたーくさんいますよ。

他の人のアドバイスどおり、いったん距離をとって冷静になって半年くらい連絡取らなければ

いったい自分が何を考えていたのか、なんでそこまで執着しているのか、それは本当に相手を

愛しているのか、きちんと考えられるよ。

とは言っても、こういう時期って誰かに何かを言われても自分で決定できない限り変化は

起こらないんだよね。俺も友達に相談して「絶対離れろ」って言われてもきかなかったもんな。

自分の女が誰か知らないやつに取られる!って必死になって(笑)

仕方ないよねぇ、あんときは精神病だったってすごい自覚できるよ。執着病っていうか。

まぁぐちゃぐちゃのどろどろになるのも経験、手ひどいしっぺ返しくらうだけくらって

次の恋愛いかすのもいいかもしれないね。

とりあえず精神的な負担は減らせないだろうけど、なるべく経済的な負担は減らすように

努力しなよ。

俺みたいに、自分の相手が他の男とずーっと一緒にいて、その間ずーっと経済的援助を

していたとかめちゃくちゃ落ち込むよ(笑)俺の金つかって他の男と遊んでたのかーって(笑)

本当の気持がわからない

自分の頭の中を整理する為に使わせてもらいます!

僕には4年間付き合っている彼女が居る。

お互い二十歳だけど、付き合って半年後くらいからずっと一緒に暮らしてる。

いっぱい喧嘩もして、正直最近は冷めていたかもしれない。

でも今僕が仕事を頑張れるのは家に帰れば彼女が居るからだ。

そんなある日、彼女が遊びに行ったきり連絡がとれなくなった。

夕方には帰ると言っていたのに、メールすらない。

電話すると切られる。

やっときたメールは「今食事中だから…帰りは遅くても10時くらい」

「おかしい。」僕は26時間テレビを見ながらそう思ったのを覚えている。

彼女が帰って来た時、22時をまわっていた。

22時前からの鬼電に出る事はなく、顔を赤らめてドアを開けて帰ってきた。

「何かあった」そりゃ誰でもわかる。

連絡もなく、こんな時間まで何をやっていたのか。

喧嘩したけど、結局その場では何もわからないまま彼女は寝てしまった。

枕元には彼女携帯があった。

イケナイとわかっていても気になる。すごく気になる。

奇跡的にパスワードを解除したその先には、

1まわりも年上の男との楽しそうなメールが山ほど。

その日も友達(女1男1)とその男とずっと一緒にいたみたい。

キスをしたような一文を見つけ、僕はパニックになった。

すかさず彼女を起し追求した。

しつこく、しつこく、自分でもひくくらいしつこく追求したらやっと、教えてくれた。

男に迫られ、強引にキスをされたらしい。

まずそんな男と一緒にいる事自体許せなかった。

すぐに正直に話してくれなかった事が悔しかった。

4年も一緒にいてこれか?

何もかも信用できなくなり、一度は別れようと言う話しになった。

でも同棲している。彼女には経済力がなく、出て行く所もない。

それにお互いにまだ気持ちがある事に変わりがない。

それならもう一度。続けてみよう。そう思った矢先の出来事だった。

実はここからが本題

やっと落ち着いたと思い、会社に向かった。

そんな中彼女からの一通のメール

サーフィンに行ってくる。ダメ?色々とあってパーッとしたいんだ」

しかも相手は強引にキスをしたてきた相手の知り合いらしい。

「は???お前何も分かってねぇんじゃねーの?」

「何言ってるんですか?」

「俺の気持ちは考えてくれないんですか?」

「えっ?えっ?」

またパニッック。でも今回は何か違った。

血の気が引いて、なんかスッキリした僕は電話で「もう覚めたわ。別れよう。出ていってくれ」と言った。

これでもう終わったと思った。

でもやっぱ俺はお前が好きだ。大好きだ。

家に帰ってからの気まずい雰囲気。

耐えかねて言った。「やっぱ好き」

なんてだらしない男なんだ俺は。

結局自分自身の事すらよく分からないまま、二人の関係は「保留」にした。

でも、海に行きたいと言い続ける彼女を止める事ができなかった。

この人はそーゆー人じゃない。信じてる。友達だ。他にも男女含めて沢山いる。

そんな事言われたってな。

それから一日。

胸がドキドキして、すぐに逢いたくて、声が聞きたいって思うほど、恋をしてる自分がいた。

冷めていた気持ちに火がついた。

でもそれは自分だけ。

彼女は日曜、海に行くらしい。

なんなんだろ・・・

やっぱり惚れた方が負けなのだろうか。

昔は居るだけでよかった。

次はどこかに行きたくなった。次はモノが欲しくなった。

そしてはモノ要らなくって、どこにも行かなくなった。

次は居らなくなるんだろうか。

日曜になれば何か分かるかもしれない。何か変わるかもしれない。

今は不安不安でしかたない。

でも、もう何もできない。

何かしたら心が折れそうで恐い。

彼女ヤドカリだったら恐い。そう考えてしまう自分が恐い。

そう、結局僕が守りたいのは自分自身のなにかなんだ

どうしようもない自分乙!

誰でもいい 蔑んでくれ。慰めてくれ。俺はどうしたらいいんだ。

待 て た ら 待 と う。日曜日まで。

2008-07-28

[]拙僧のお願いを聞いて欲しいんです。。

突然のメールすみません、みのりといいます。

あの、お願いがあるんです。

どうか、拙僧のえっちフレンドになっていただけないでしょうか?

簡単な自己紹介をしますね。

拙僧の名は、島本みのり、31歳です。

職業は、ヤドカリさんの通信販売と、

コオロギさんとスズムシさんの飼育をしています。

コオロギさんとスズムシさんは、釣り餌などの需要があります。

どちらも、在宅での仕事です。

専門学校時代には、大僧正というあだ名でした。

理由は、大僧正っぽいからだそうです。

自分ではよく分からないのですが。。

それ以来、自分の事を拙僧と名乗るようにしています。

就職活動の時、面接では毎回のように、

「なぜ自分の事を拙僧と言うのですか?」

と質問されました。

「大僧正っぽいからです」

と答えていたのですが、毎回面接で落とされてしまっていました。。

えっちフレンドになるにしても、拙僧がどんな顔なのか

知ってからじゃないと決められないと思うので、

http://

上のURLに拙僧の顔写真を載せています。

友達に言われているように、大僧正っぽいでしょうか?

拙僧のえっち友達になってくださるのを、

期待して待っています。

2007-03-14

昼下がりの駐車場

クルマで移動する仕事をしているので、ときどきさぼって車中で昼寝をする。

クルマを止める場所はロードサイドの大型店や公共施設の広い駐車場で、たいがい同じように昼寝をしているクルマが散見される。

あ、この前もあのワゴン止まってたな、なんてこともときどきあるが、とうぜん我々はヤドカリのように、止まっているときは殻の中に閉じこもっているのでどんな人物がその中にいるのかわからない。

あの人もきついノルマをこなす営業のほんの一瞬の空き時間を憩っているのかもしれないし、アポを入れた相手にすっぽかされて時間をもてあまし、今夜のデートのコースでも考えているのかもしれない。

もし、あのクルマの窓を叩いて「こんにちは、きょうはいい天気ですね。そちらもさぼりっすか」と微笑んでみたりしたら、そこからドラマが始まったりするのかな、と妄想しつつ、自分がそんなことされたら気味が悪いだけだよなと思い直す。

彼らとコミュニケーションを取るような状況があり得るとしたら、その駐車場で突然に事件が発生してみんなクルマから飛び出してくるような場合だ。

事件が起きなければコミュニケートできない。

なんだか、いつも受け身で恋愛もまともにできなくて、心のどこかで大事件が起きるのを待っている自分にいまさらながらに気がつく。嫌になる。

やっぱり窓を叩いてみるべきか。しかし叩いてみたら、こんどは空気の読めないヤツでしかなくなる。

答えのでないまま浅い午睡を終え、フリスクを噛みながら次の仕事へとクルマを走らせた。

2007-02-13

お嬢さんが亡くなったそうで」(6) 2/13 三連休の出来事

■流れ

200X年事件 ──→ 2006/12/25初めての来訪 → 2007/1/5友人帰国 → 1/27その話を聞く → 1/28カラオケボックスで録音 → 1/29(1)1/30(2)昨日書いた動機について2/1(3)K宅訪問にあたり2/3(4)豆まきで初対面2/9(5)Kからのメール2/13(6)三連休の出来事


■(6)三連休の出来事

参ったな、どうしたらいいのか。

呼び出し

2/10(土)。まず連休初日から。

連休何してるの?(>_<)」とAからメールが来たのは土曜の午前だった。

Kのあんな告白があったので「映画見たり、いろいろと」って適当に答えると「映画いいなぁo(^-^)o 何見るの?」と来た。

なんで俺にメールするんだ? と思ったのとそう毎週顔見るべきじゃないしあんま深入りは……と思い、「映画はひとりで見るって決めてるんだよね、ゴメン」とテンション低めのメールを返しておく。

すると直球で「奢ってくれないの?(>_<)」と来たので「そんな無茶な(笑) お金ないし」と返信。「えー(>_<) お兄ちゃんになってくれるんじゃないの?(>_<)」ときて、(>_<) ばっかじゃ、お前ははまちゃんかと思いつつ「んーと、実家の方で見るから悪いし」と返して文末に「ではまた」とメールのやり取りを打ち切る。

その後映画見て家に帰るとKから電話が来た。

「お前明日か明後日時間ある?」とのこと。「Aのことか?」と聞くと「よくわかったな。ってまあ他に用はないか(笑)」と笑う。まだ豆まきから一週間しか経ってないじゃん、なんだよと思うけど先日のメールのこともあるし放っておけない。

「明日は大丈夫かな。またなんかあったの?」

「まあ大したことじゃないよ。11時に渋谷に来てくれない?」


2/11(日)。

11時に渋谷に着き指定の場所で待つと、K、K両親、そしてAが車でやって来る。オールスターじゃないかと見ていると、K母が「今日はすみません」と仰々しく挨拶してくる。なんだろ? と思いつつ「いえいえ、あの、K? 今日は何?」と聞くと、「ゴメン! 俺今日デートでさ…」とKは電車でどっかに消えてしまった。すぐ携帯メール

「本当にゴメン。Aが両親にどう媚を売るか見といてくれ。また今度!」

とフォローのようなものがきた。なんで俺が……。

|K父|俺|

|K母|A|

車にはこんな席順で乗った。進行方向は ← 。

「どこに行かれるんですか?」

K父「ああ、西武だよ。とりあえずこれ停めなくっちゃな」

駐車場に着くまでにKに「俺、どうすればいいの?」とメールする。

少しして返事が来て、「Aが“みんなで出かけましょう”って。俺は彼女休みだし連休ずっとAを見張ってるわけにいかないから、“今日はちょっと……”って消極的な態度みせたら、Aが“X呼んだら?”って言うから。ゴメン」とのこと。Aが呼び出したのか。

仕方なくK父、K母、Aのショッピングに付き合う。俺は別に気に入られたいわけじゃないから少しぶっきら棒に後ろからついて行く。もう次にこんなことで呼び出されるのは嫌なので、Kのご両親に「またX君呼ぶの悪いし」と思ってもらえるような態度をとっておく。

ショッピングが終わり、ご両親は表参道の方に用があるということで、Aは「じゃあ私はXさんと漫画でも読んでる」と言い出したので、ちょうど休めると思い渋谷ネットカフェについて行った。

Aの提案

ネットカフェではしばし待たされたけど、まあ別室ってのも変なのでペアシートで座った。漫画を選ぼうかなと思うと「とりあえず座りましょう」とのことなので、ドリンクを持って部屋に入る。

今日は疲れたねー」とありきたりのことを言ってとりあえず寝っ転がる。ホントに疲れた。

「ご苦労様です。Kさん逃げちゃいましたね(笑)」

「ホントだよー、なんで俺が来なくちゃいけないんだろ」

などと無難な会話の後、Aが少しだけ嬉しそうにこっちを見て言い出したのが始まりだった。

「ねえXさん、お兄ちゃんになってくれるんでしょ?」

「なにそれ」

「え、Kさんが言ってたけど…」

なに言ったんだあいつ? とポカンとしてると、「どうせKさんも本当のお兄ちゃんじゃないじゃん?」と言うので「そうだけど、」とつぶやくと、「ならXさんの妹になってもおかしくないわけだよね」と言う。

「いや意味わかんない」

「KさんからXさんの家族構成を聞いてさ、Xさんでもいいかなって思って」

「いやちょっと待ってよ。君あれじゃん、Kのお嬢さんのYちゃんが亡くなった代わりにKの家に居ついてるわけでしょ。それならKんちで暮らせばいいじゃん。うちは誰かが亡くなったわけじゃないし」

「……なに怒ってるの」

は? 怒るというか警戒しまくりなんだよこっちは! と疑い深い目でAをチラッと見るとガム噛みながら足組んで天井の方を見ている。K両親がいた時と違って態度悪いな、どちらにしろその考えは正さなければと思い諭すように言う。

「そんな手軽に家族を変えられてはKのご両親に申し訳ないでしょう。その“家族を変える”って発想がもう……異常だよ」

するとAは座り直し、ちゃんとこちらを向いて話す。

「そう? 家族なんて、よりいい方に乗り換えていけばいいじゃない。生まれた時から決まってる親っていうのは18(才)過ぎれば変えてもいいと思うけど。それこそ学校で転科したり、プロバイダー乗り換えたり、彼氏彼女を変えたりするような感覚で。一組の家族や両親で満足するのなんてどうかと思うわ。特に私みたいに田舎生まれで東京に来たら、頼りになる親は一組じゃ足りないし」

絶句した。

家族を「いい方」に「変える」?

そんな発想を聞いたことがなかったので困惑したが、やっとのことで

「……そんな、家族ヤドカリみたいに言うのやめろって」

と言ったら吹き出された。

ヤドカリ!(笑) 面白い例え使うんだね。確かに宿を借りてるから宿借りかもね(笑)」

確かに妙な例えだなと思ったが、ここは負けられない。とにかくその思想への拒絶の意思を示しておく必要があるので、ちょっと考えてとりあえず「ため口やめろよ」と言っておく。

するとそんなこと気にするんだこの人? という目で見られ、鼻で笑われた。

もうその考えを聞きたくもないし染まりたくないので、「行こう、もう」と席を立ってレジに向かうと、ゾッとするようなセリフを言われる。

「いわゆる家族 2.0 ってやつ?(笑)」

これを聞いてヤバいと思った。「2.0」を冗談にする奴ならはてなぐらい知ってるかもしれない。いや、ネットキャッシュを消して「2.0」と口にする人がはてなを知らないわけがないか?

そんなことを思って、店を出て「にーてん、ぜろ?」ととぼけてみる。

「そう、子供が親を選ぶ時代。新しい家族の在り方よ。これまでの家族が 1.0 だとしたら 2.0 なわけ」

「……」

こんな発想の女に下手な会話はしない方がいいだろう。「ふーん」と答えておく。店を出るが、駅まで5分なのに距離が長く感じる。Aより少し後ろを歩きながら、早く駅に行ってAと別れたいと強く思った。その時の俺は嫌悪感一杯の表情をしていたに違いない。

こんなことをKの家族が知ったらどう思うか……、Kは知ってるのだろうか、ご両親はと思ってると、Aは駅の入り口の階段のところで「じゃあここで。今日ありがとう」とこちらを振り返る。

「ああ」

「今の話……どう思った?」

「……別に」

「考えといてね。あ、Xさんの家族の詳細なデータ頂戴? メールで送っておいて。年齢とか、兄妹の歳とか勤め先とか……」

とそこまで聞いて呆れて言葉にできないので大きく首を振り、ウザさ満杯の表情をする。

「俺んちはやめろって、Kが、ご両親がこんなこと知ったらどう思う?」

「Xさんは進歩的じゃないのねー。こんなことベラベラ話すわけないじゃない。私の考え、Kさんのご両親は承知よ?」

そう言うとAは「じゃあ」と階段を降りていく。「……え? お、おい!」と言うと、Aは階段を降りながらこちらを見ずに手を振る。

知ってるって、Kの家族は全部知ってて住まわせてるのか? 俺が今日渋谷に呼び出されたのはこのため? そんなことを考えながら、夕暮れ時の渋谷で汚い雑踏の中でしばらく座り込んでいた。


疑惑

早速Kに「なんかAが凄いこと言ってたけど聞いてるの?」とメールすると、Kから電話が来た。

「凄いことって? 大丈夫だった今日?」

「ああ大丈夫、というかAはなんだよあれ。意味わかんない」

「何て言ったの?」

さっきのAが話していたことについておおよその説明をするとKは「そっか……」と黙ってしまった。

「俺がお兄ちゃんになるって、Kが言ったの?」

「え、なにそれ」

「Aが言うには、俺がAの兄になりたがってるとか……」

ウソだよ、またAのウソ。俺そんなこと言ってない」

“また”って何だよ、よくわからず狼狽しつつ「これがこの前お前が言ってた、『モラル的に言えないこと』なのか?」とため息をつく。

「いや、そのことじゃないけど……」

「え? ってことは、まだAはなんかあんの?!」

「うーんまあ、、また連絡するよ。とりあえず家族データとかAに送るなよ」と話したくなさそうに切られてしまった。

そんなもの送るわけないだろう、とこちらも電話を切ってさっきの会話を思い出しながら歩き始めたら、さっきのAの言葉を思い出した。

「KさんからXさんの家族構成を聞いてさ、Xさんでもいいかなって思って」

もうAは知ってるじゃん、うちの家族構成……。

他にどんなことを知られてるんだろう。Kは余計なこと話してないだろうか? そんなモヤモヤを考えているうちにふと思い浮ぶのが、ひょっとしてKは俺にAを押し付けるつもりだろうかということ。例えばKが話そうとしない「AがK宅に来た理由」に何かがあって、それで証人だといって俺を呼び出して家族構成を教え、宿借り状態のAを俺に引き渡すつもりとか……。

でも、現実に無理だろう。うちの実家は両親が二人で住んでるけど、年頃の娘が来たからといって住まわすとかないはず……父親は喜ぶだろうけど。


その後メシを食って家に帰り、一応母親に「変な電話に気をつけろ」とメールでも送っておく。振り込め詐欺電話も撃退した両親だから大丈夫だろうとは思うが。

母はメールレスは早い方じゃないけどその時は早かった。

「そういえば昨日電話きたよ、フラワーアレンジメントの教室の件でぜひ習いたいって。そういうのじゃなくて振り込め詐欺に気をつけろでしょ? 最近税務署とかの」

母は花を教えている。

「その習いたいって人は、なんて人?」

「○○さんかな、うちに見学しに来たいって」

○○って、Aの苗字じゃねーか!

そういえば母親の名前はググると出てくる。「ダメだ絶対入れるな」と書いて電話の方が早いと思い電話するが出ない。電車に乗ってるのだろうか。改めてメールを書く。

「その人は家に入れちゃダメだって。いつ来るって言ってた?」

「ああ電話気づかなかったごめんなさい。明日って言われたけど、明日は教室休みだから17日にしてもらったよ。家じゃなくて教室だから大丈夫」

土曜の時点で電話して、月曜に行くと言ってたのか……行動が早い。

Aにどういうつもりだとか聞いてみたいが今は触れたくない。Kものらりくらりだろうし。

かといって17日(豆まき渋谷に続いてまた土曜か)まで待つのもなんだからKにメールしてみる。

「A、うちに来るとか言ってたらしい。うちの様子見なのか?」

「Xんちに? なんで?」

「俺んちは絶対に無理だよってAに伝えといてくれ。」

「だよな。ただ思いつきじゃなくてそれなりに勝算があるらしいぞ。ほらお前、Y関係があるだろう。うちの親が話したみたいなんだよね、お前とYが付き合ってたこと」

「余計なこと話しすぎだよお前の家族! とりあえず今週ちょっと時間くれ。30分でいいから」

そして待ち合わせの時間を決めて、今週Kと会うことにした。


■追記形式にした件について

はてな匿名ダイアリーのトップでいきなり長文がドカーンと載ってるとウザく感じるので。ここは「続きを読む」記法が使えないんですよ。なので半分ぐらい書いてアップして、次の日に追記として半分載せるようにしました。

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