はてなキーワード: パスコとは
iPhone3GSのホームボタンの調子がここしばらくすこぶる悪いので、
(音声コントロールとかは使ったこと無いので知らない)
※選んだものだけを終了させるやり方は不明
以上です。
これで自分は今のところ、(以前よりは面倒なものの)、問題なく使えています。
説明不足なところがあったりしたらすいません。
http://anond.hatelabo.jp/20110314221640
http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20110315/1300127183
さすがにトイペを買い込むのは引く。
少々のパニックは仕方ないだろ。
2.現在の商品出荷状況及び今後の見通し
・現状
パスコ埼玉工場、パスコ利根工場の商品供給先である関東北部エリアの一部及び東北の一部にて出荷休止中。その他の関東地区の取引先については、中部、関西地区の工場からも商品移動を行い、品目を限定して出荷を行っている。
・今後の見通し
出荷休止エリアについては近日中に出荷再開の見通し。また原材料納入業者被災の影響で、一部の原材料の供給がストップし、菓子パン類一部の商品の生産が出来ない状況。今後も中部、関西地区の工場からの商品移動を継続しつつ、生産可能な商品に絞り込んで関東、東北地区での出荷量を確保していく。
3.被災地救援物資の供出
被災地への救援物資としてのパンの供出は、生産能力的な理由により、農林水産省からの要請に限定し、本日より対応を開始している。
明治ホールディングス 東北地方太平洋沖地震による影響に関するお知らせ
1.被害状況
下記の4工場が地震による被害等により一部操業を停止しておりますが、全力で復旧に努めております。
【菓 子】 関東工場(埼玉県坂戸市)、蔵王食品(子会社、山形県上山市)
その他物流倉庫の被害により製品供給に一部支障をきたしております。
【医薬品】 北上工場(岩手県北上市)、小田原工場(神奈川県小田原市)
雪印メグミルクは千葉、茨城、宮城の市乳3工場が生産再開メド立たず
サッポロホールディングスは千葉工場で16日から出荷再開も仙台工場はライン一部崩壊で再開メド立たず
丸八倉庫は仙台営業所が一部被災。被害軽いもようだが、安全性確認に要時間か
アサヒビールの福島工場と茨城工場が製造停止、他工場から振り分けるもフルカバーは困難か
キリンホールディングスの仙台工場と取手工場が稼働停止で再開メド立たず
ピーナッツをほおばりながら、扇子を仰ぐ。
非常に暑い。。
気持ちのよい、というより、きもち、気持ちのよい昼下がりである。太陽はすでに存在を夏として同化し、俺の存在を見てくれといわんばかりにムキムキで俺らを悩ませる。
ムキムキの太陽はまるで歌の広場のロゴマークのような形であり、ソフトクリームをなめるそのしぐさに惹かれている((c)ビーズ)。
異様に時間が過ぎるのは遅い。まるで日本代表のパスサッカーのように、何も起こらない時間が続く。
たった今テレビのリモコンを押してみる。
とっても退屈だ。
澱粉のようにお湯で溶かしてドロドロになった暑い夏休みの暑い昼下がり、まったく進まない文章の展開と、まったくアイデアのわかない脳みそ。
それを俺は「夏休み」と名づけた。
「昼休み」でもいいけど、「夏の昼休み」は包含関係的には夏∋昼なので「夏休み」を採用したんだな。これが。
タバコに火をつけて一本の煙が舞い上がる。煙は天井まであがるとで折れて、右曲がりにひろがっていった。まあ、左にも曲がっていったんだけど、右曲がりの煙の方が多かったかもしれない。
煙はぐるぐると→→↓↓と結局部屋を対流しはじめた。
小学校の教科書の「対流」ページの動きだ。なんて想像通りなのだろう。まるで、日本代表のパスコースのように読め読めだ。
リモコンボタンを取り出して、適当に必殺技っぽく←→→→のボタンを押してみる。なんだかよくわからないチャンネルにつながった。今までみたことのないチャンネルだ。
頭の中がアレな事で有名な我らがサッカー協会会長様から、先日このような提案がなされた。
すでに地方協会訪問の際に、「10-15歳の育成世代でバックパスをさせてはいけない」と地方協会幹部たちへ指導方針の通達を始めている犬飼会長。ドイツのような“ルール化”まで視野に入れる。育成世代の試合でバックパスを出した場合は警告を出したり、プレーをその場で止めるなどの特別規則が導入される可能性まである。
http://www.sanspo.com/soccer/news/081108/scg0811080504000-n2.htm
なにをもって『バックパス』と見なすのか定かでないが、仮に記事後段にあるようにラグビーの逆、「後方へのパス一切禁止」という事であるのならば、これはもはや別の競技である。
よって、このルールの元で行われる競技をア式蹴球ならぬ犬式蹴球と定義し、そこでの戦術を考察したい。
犬式蹴球においては、縦方向のパスコースが切られるのは鉄板である。さらに横パスのインターセプトも常に狙われる。そこがアタッキングゾーンならばドリブル突破を狙うべきではあるが、そうではない低い位置ならばどうか。横方向へドリブルしつつ縦を空け、前方へのパスの相手を探るのが正解となるだろう。守備者の圧力を受ける為、実質は斜め後方へのドリブルとなる。
この、「進行方向に対して斜め後方を見ながらのドリブル」というのは基礎練習に組み込むべき基本動作と言っていい。
マイナス方向へのクロスが入れられない為、コーナー付近やゴールライン近くは完全なデッドゾーンとなる。えぐればえぐるほどパスコースがなくなってしまうのだ。
サイドでボールを受けた選手は、早いタイミングでアーリークロスを入れるか、中へドリブルで切り込んでいくしかない。
上記デッドゾーンに追い込まれない為に必要となるのがこの「逆ウェーブ」だ。
本来のサッカーにおける「ウェーブ」とは、ボールホルダーの後方内側にいる選手が、ボールホルダーの後ろを通り外へ回り込んでいく動きを言う。これによってサイドの数的有利とマークのずれを生じさせる戦術である。しかしながら、犬式蹴球においてはむしろデッドゾーンへ誘い込まれる危険性が増すため有効とは言いがたい。
有効なのは全く逆の動き。ボールホルダーの前方外側にいる選手が後ろから内側へ回り込んでいく。この動きで横パスを受ければ前を向いてボールを持てる可能性が増える。
トップの選手へのパスはスルーパスでなくてはならない。マークに付かれている状態で足元へ入れてしまうと次の手がなくなる。『落とす』ことが出来ないのだから。(よって、3人目の選手が飛び出すという動きも無意味である。)トップの選手はむりやり振り向き突破を狙う他ない状態となり、これはかなり困難を伴う。
それでは、犬式蹴球においてポストプレイヤー・ターゲットマンが不要であるか、というとそうでもない。相手最終ラインの選手は自分の後方へボールを落とされる事を嫌う。キーパーに返せないのだから、後ろ向きでボールを追う形となればタッチかコーナーに逃げるしかない。よってフィードボールは無理にでも跳ね返さざるを得ず、そのセカンドボールを狙う戦術が有効となるだろう。深い位置からボールを繋ぎ組み立てていくのはあまりにリスクが大きいというのもある。極論すれば、相手センターバックにわざとボールを渡し、そこを奪いに行くほうが効率的なくらいだ。
深い位置でスローインを得た場合、近くの選手に入れてしまうと手詰まりとなる。よって、直接フィニッシュが狙える位置まで投げ入れられる選手が、チームに最低1人は必要。
上記した通り、ゴールキーパーとの間にボールを落とされるのは避けたい。また、ワンタッチで入れ替わられるのを防ぐ為にも、ある程度距離を取っておく事が必要だろう。最終ラインの選手は無理にインターセプトを狙わず、いったん楔を受けさせ、その後詰めて振り向かせない形が有効か。
犬式蹴球の守備は基本的に縦方向のパスを警戒する形となるが、サイドだけは例外となる。ある程度の深さからは縦へ縦へ繋がせ(あるいはドリブルさせ)、デッドゾーンへ追い込むべし。
ドリブルが大きくなった相手に対し、ボールと相手の間に体を入れる。これは決して良い奪い方とはいえない。プレッシャーがかかった状態で後ろ向きにボールを持つ事となり、手詰まりとなる。
これはむしろ守備というより攻撃か。上記のように最終ラインの選手が後ろ向きでボールを持たされた場合、バックパスができないのだから、ゴールキーパーはエリアを大きく離れて(少なくとも横並びの高さまで)ヘルプに向かう必要がある。
犬式蹴球は放り込みやパワープレイ、力任せのドリブルをベースとした大味な競技となる事が予想される。また、その特殊性により、場合によってはサッカーと正反対の戦術的セオリーを持つ事となる。
よって、犬式蹴球の習熟は、少なくとも「サッカーの強化」には不適であると考える。ゴールキーパーの足元の技術に関してのみ効果があるかもしれない。
まあ、彼が言ってるのは「後方へのパス一切禁止」という事ではないのだろうさ。「前へ仕掛けるべき状況で仕掛けなかった選手にペナルティを」って事なんでしょうよ。でもね、そんなのを『ルール』として明文化できると思う?主審が一定の基準でジャッジできると思う?若年層指導者は『消極的プレー』に対して今まで全く指導をしてこなかったと思ってる?
彼が言ってる他の寝言、秋春制だとか『最強チーム』だとか含め、彼は自分が銀の弾丸を撃てると思い込んでるんだろうな。自分の一言で状況が劇的に改善される、と。他の奴らは何もしてこなかったし何も考えてない、と。
俺は今、ベッドに寝転がりながら自分の手元にある機械を眺めていた。一見ただの黒くて薄っぺらい塊の、その機械はiPod touch。今日の帰り道でたまたま拾ったものだ。多分人並みには道徳心を持ち合わせていない俺は、その機械をもらってしまうつもりで拾って家に持ち帰った。そして今、そいつと顔をつき合わせている。
イヤホンをしてそいつのイヤホンジャックに差し込んで、そして前面に一つぽつんとつけられたボタンを押してみる。そうしたら、前面のパネルに『ロック解除』と光るスライドボタンが現れた。てっきり本体のボタンを押してしまえば音楽が聴けるものだとばっかり思っていた俺は、肩すかしを食らうのと同時に困惑した。一瞬戸惑ったが、そのパネルに表示されたボタンをタッチして見た目の通りにスライドさせてみると、今度は電卓の様な画面と一緒に『パスコードを入力』という表示が現れた。
またもや肩すかしを食らった。どうやら曲を聴くには、数字を4つ入力しないとならないらしい。試しに適当な数字を入力してみるが、『パスコードが違います』と赤い表示が出てくる。
こいつでは音楽が聴けないのか?
軽くいらだちながらあれこれといじっているうちに俺は、最初に押したぽつんとしたボタンを2回連続で押してみた。すると、ギターを持った山崎まさよしの写真と一緒に再生ボタンだと思われる三角が表示された。
俺は当たりを引いたらしいことに軽く興奮し、今度こそと思いながらその三角をタッチした。
するとどうだろう、見事にギターのイントロが聞こえてきた。
その曲は、『One more time, One more chance』だった。
俺はもっと他に曲が入っていないか、再生ボタンと同時に現れた早送りボタンや巻き戻しボタンを押してみたが、どうにもその曲しか流れない。
やっぱりちゃんと音楽を聴くにはこのパスコードをなんとかしなければならないことに気づいて俺は軽く落ち込んだが、今しばらくはこの山崎まさよしの名曲に聴き入ることにした。
その曲で俺はふと、中坊だった頃の出来事を思い出した…。
その日は俺にとって特別な休日だった。小学校の頃から密かに憧れていたあの子と、一緒に映画を観に行く約束をしていたからだ。しかも、二人きりで。最初はクラスの奴ら5、6人で、みんなで観に行く予定だった。ところが約束の日が近づくにつれ一人抜け、二人抜け、最後には俺とあの子以外のみんなが揃って予定を悪くしてしまった。あれはきっと誰かが気を回してくれた結果だったんだろうと思ってる。要するに、隠していたつもりの俺の気持ちはあいつらには筒抜けだったというわけだ。そのことに多少気恥ずかしさを覚えたが、しかし折角もらえたチャンスを俺はモノにするつもりだった。
薄曇りの寒い冬の日、俺と彼女は昼前に待ち合わせて一緒に電車に乗り映画館のある街へ向かった。
あの日の俺は冴えていたと思う。まずは映画館に向かい午後半ばのいい席のチケットを買ってからファミレスでお昼ご飯を食べて、上映時間になったら再び映画館へ行って映画を観た。そしてその後あの子のウィンドウショッピングにつき合って、あの子が色々と眺めていた小物のうちで俺もいいと思ったものをあの子に気づかれないように気をつけながら内緒で買った。本当にいい手際をしていたと思う。
冬の日、早くに日は暮れはじめ、さあそろそろ帰ろうと、駅で切符を買おうとしていた時だった。
俺はだんだん緊張してきていた。帰りはあの子を家まで送っていって、告白しながらプレゼントを渡すだけ。たったそれだけが俺の完璧な計画に残った最後のシナリオなのに、それを迎える勇気はまだ出来ずにいた。
「あれっ!?」
そんな俺の逡巡を、あの子の短い悲鳴が断ち切った。
俺は驚いて彼女の方を向いた。
「どうしよう?お財布落としちゃったみたい…」
自分でも信じられないといった様子で、彼女は俺に告げた。
シナリオにないそのトラブルに、俺は非常に焦った。動揺しながらも、彼女と一緒に今日立ち寄ったところを、財布を捜して一通りまわってみた。でも、見つからなかった。
駅に再び戻ってきたとき、あの子は泣き出しそうな顔をしていた。俺もどうしようか途方に暮れていた。さっきプレゼントを買ってしまったため、電車賃は自分ひとりの分しか残っていなかった。
だから俺は、あの子に自分の財布を押し付けながらこう言った。
「お前電車に乗って帰れよ。俺は歩いて帰るから」
俺は、トラブルでの動揺ぶりを少しでも挽回したくて、余裕を持った振りをしてこう言った。
「でも、そんな…」
そう答えるあの子に、俺は更に余裕を見せつけるべく、ポケットの中から当時ようやく普及しはじめていたMDウォークマンを取り出し、
「大丈夫だって。これがあるから退屈しないし」
と強がった。
そうしたら彼女は、少し考えた様子で、
「じゃあ一緒にそれ聴きながら歩いて行こう。私もウォークマン聴いてみたいし」
と提案してきた。
俺はなおも彼女を電車に乗せようとしたが、彼女の「ウォークマン聴きたい」という意見を退けられず、結局二人して歩いて家まで帰ることになった。
そのウォークマンで流れていた曲が、山崎まさよしの『One more time, One more chance』だった。その日観た映画の主題歌だった曲だ。
ほどなくして、雪が降ってきた。
もう日は暮れていて、街灯の明かりにだけひらひらと光る雪が。
俺たちは、ふたりで一つのイヤホンをして線路沿いの道を歩いた。雪の寒さに身をかがめ、黙ったまま歩いた。何度も何度もリピートしてかかる『One more time, One more chance』を聴きながら。
不意にあの子はそうつぶやいた。
「家までずいぶんかかることになっちゃうね」
そして、
「ごめんね」と。
その言葉に俺は、
「何言ってんだよ。老化は足から来るって言うし、俺ら若いもんは歩いて当然なの」
はっきりとは覚えていないが、確かそんな感じのことを答えたと思う。考えてみれば、中学生の発言としては多少ジジ臭かったかもしれない。
そのまままたしばらく、黙ったまま道を歩いた。
だんだんと白くなっていく足下に、並んで、一定のテンポで、黒い跡をつけながら、黙ったまま道を歩いた。
信号待ちで立ち止まった時、俺はふと気づいた。家に電話をして親に迎えにきてもらえば帰れると。なんでこんな簡単なことを今まで思いつかなかったのか、軽く後悔しながらあの子の方を向いて、口を開こうとした。
あの子はただ、まっすぐ前だけを見ていた。
その目元は、なんと表現したらいいのだろうか?はにかむ、というのか、優しげで、切なげで、でも幸せそうな。そんな横顔をしていた。
それを見て俺は言葉を飲み込んでしまった。そして、このまま歩いて帰ろうと心に決めた。
信号が青に変わり、俺たちはまた歩き始めた。
何度あのギターのイントロを聴いた頃だっただろう?結局地元の駅に着いたのは夜の11時過ぎで、駅の前に待ち構えていたお互いの両親にたっぷりと怒られた。俺としてはあの子を家まで送っていくつもりだったけど、そんなことは出来ず、俺たちは別れてそれぞれの親と一緒に駅から家までの短い道のりを帰った。
その短い道のりの中で、俺は両親になんで電話しなかったのか問いつめられた。あの信号で思ったことをそのまま言うことは出来ずに、「別にいいだろ」とぶっきらぼうに答えたのを覚えている。
そして同時に、こう思っていた。
あの子も俺と同じ気持ちで歩くことを選んでくれていたらいいな、と。
あの子との特別な思い出は、それっきりだ。俺たちは違う高校に進学し、疎遠になってしまった。
そんなことを思い出しながら俺は、きまぐれであの子の誕生日をパスコードに入力してみた。当然ながら、正しくはない。
「だよな」
そう思いながらそのiPod touchを一旦は机に置いたが、ふともう一つのきまぐれを起こして今度は自分の誕生日をパスコードに入力してみた。
そうしたら、ロックが解けた。
俺は一瞬固まってしまった。でもすぐに我に帰り、何かに取り憑かれたかのように、左下に現れたミュージックボタンをタッチする。そしてプレイリスト、アーティスト、曲、アルバム、その他、すべてをチェックした。
そのiPod touchには、山崎まさよしの『One more time, One more chance』しか入っていなかった。
俺はそれを見て、あの結局渡しそびれてしまったプレゼントをどこにやったのか思い出そうとしながら、「また、歩くか」とつぶやいた。
窓の外には、雪が降っていた。
彼は道を歩いていて、iPod touchを拾った。
早速家に持ち帰ってみて曲を聴いてみようとするが、そのiPod touchにはパスコードがかかっていて曲が聴けない。けれどもいじってみるうちに、ホームボタンをダブルクリックすれば今流れている曲を聴くことだけは出来ることに気づく。
そのiPod touchで流れていた曲は、山崎まさよしの『One more time, One more chance』だった。
その女の子と初めてのデートに行った時、女の子が財布を落としてしまい、家に帰る電車賃が無くなってしまった。彼も自分の分の電車賃しか持っていなかった。彼は女の子に自分の財布を押し付けて、「お前電車に乗って帰れよ。俺は歩いて帰るから」とカッコ付けようとする。「でも、そんな…」と渋る女の子に、彼は最新型のMDウォークマンを見せながら、「大丈夫だって。これがあるから退屈しないし」となおも強がる。そうしたら女の子が、「じゃあ一緒にそれ聴きながら歩いて行こう」と提案し、結局二人で歩いて家まで帰ることになった。
そのウォークマンで流れていた曲が、山崎まさよしの『One more time, One more chance』だった。
雪が降ってきた冬の道を二人でひとつのイヤホンをして歩いて帰った。
何度も何度もリピートしてかかる『One more time, One more chance』を聴きながら。
女の子はそうつぶやいた。
「家までずいぶんかかることになっちゃうね」と。
途中で彼は、『そうか、家に電話をして親に迎えにきてもらえば帰れる』とさすがに気づく。でもそのことを言おうと女の子の方を見たら、切ない様な、優しい様な女の子の横顔が目に入ってきて、そのまま歩いて帰ることにした。
結局家に着いたのは夜の11時過ぎで、二人して親に思いっきり怒られた。でも、後悔とか罪悪感とかは全く感じず、満たされた気持ちだった。
けれども二人は結局、違う高校に進学したのをきっかけに疎遠になって行ってしまった。
そんなことを思い出しながら彼は、きまぐれでその女の子の誕生日をパスコードに入力してみる。当然ながら正しくはない。「だよな」とか思いながらそのiPod touchを一旦は机に置いたが、ふともう一つのきまぐれを起こして自分の誕生日をパスコードに入力してみた。そうしたら、ロックが解けた。そのiPod touchに入っていたのは、山崎まさよしの『One more time, One more chance』だけだった。
それを見て彼は、「また、歩くか」と一人つぶやいた。