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2017-08-03

宇宙開発ICBM、そして宇宙バカ

もともと宇宙開発は、

大陸間弾道弾ICBM)の開発の副産物にすぎません。

ですが、副産物はい

国のメンツをかけた平和的な宇宙競争になったのは、

政治家のおかげというよりも

素晴らしい宇宙バカどもが、ソビエトアメリカに生息していたからです。

宇宙に行きたい!

という願望にとりつかれた宇宙バカどもは

軍部政府に利用される形で

実質上、逆に彼らを利用しまくったのです。

ソビエト宇宙計画をすべて取り仕切っていた

セルゲイコロリョフと、

アメリカ宇宙開発の中心だった

フォン・ブラウンが、その典型的宇宙バカです。

もちろん2人とも、政治の醜さはよく分かっていました。

フォン・ブラウンは元々ドイツ科学者で、

深刻な宇宙バカでした。

そのためナチス命令で、V2ロケットを開発させられています

ですから

戦後アメリカが彼をチヤホヤ優遇してくれるのは、

ナチスと同じく兵器開発を求めているからだと分かっていました。

一方ソビエトでは、革命からツィオルコフスキーという偉大な宇宙バカがいたため

ツィオルコフスキーは、宇宙ロケット理論ほとんどを考え出した人です)

革命後の科学振興政策あいまって宇宙バカが次々と出現します。

そのバカ軍団の中で

グングン頭角をあらわしていたコロリョフは、

スターリン時代強制収容所に送り込まれ、あやうく死にそうになりました。

(ピンとこないでしょうがスターリン時代ソビエトでは

どんな分野でも、優秀で目立つ人は

あいつ、外国スパイだよ」とウソの密告をされて殺されました。

スターリン時代の密告制度は、

大衆嫉妬にもとづいた民主主義制度という意見もあるのですよ)

さて、過酷労働内臓を悪くし、歯のほとんどを失なったコロリョフ

もうマジで死ぬ寸前でしたが、

本当にギリギリタイミングで、政府によって研究所に呼び戻されました。

ドイツとの戦争がはじまったから、

さっさとロケット兵器の開発しろ!と命令されたのです。

こんな政府に協力なんかしたくね~よ!というのが人情ですが、

コロリョフは黙って働きました。

そして苦節十数年、黙って働いたコロリョフは、

ついに人類史画期的仕事をなしとげます

彼は、R-7ロケットを作り上げたのです。

ソユーズロケットの原型となったこのR-7は

現代基準でいっても

おそろしく優秀なロケットでした。

コロリョフが作り上げたのは、史上初の実用的な宇宙ロケットだったのです。

ただ、R-7は大陸間弾道弾として開発されており、

宇宙打ち上げるという考えは、政府にまったくありません。

けれど、

コロリョフスタッフ人工衛星制作を命じます

政府の指示でなく、ほとんど独断

コロリョフは、世界最初人工衛星スプートニク1号」を宇宙打ち上げました。

もう全世界は、大騒ぎです。

有名なスプートニク・ショックです。

まり世界反響に、ソビエト政府ビビりました。

いちおう、コロリョフ書類は出していたのですが、

人工衛星?まあ、核ミサイルに役に立つ実験ならいいけどよ」

政府はえらく冷淡な反応で、

まったくスプートニク1号の意味が分かっていなかったのです。

こんなに騒ぎになるんなら、宣伝に使えるぞ!

と気付いたソビエト政府は、

この後、真剣宇宙開発にのめりこみます

アメリカ政府も、真っ青になりました。

当時のアメリカロケット人工衛星打ち上げ能力がなく、

ミサイル技術ソビエトより圧倒的に劣っていると気付いたからです。

そして、アメリカにいた宇宙バカフォン・ブラウンにも

いよいよバカを発揮できるチャンスが回ってきたのです。

コロリョフフォン・ブラウン

この宇宙バカ2大巨頭のその後の激しい競争

軍部主体だった核ミサイル開発を

宇宙ロケット開発へシフトさせていったのですよ。

バカは偉大ですね。

2008-07-25

ソ連宇宙オタが非オタ彼女ソ連宇宙世界を紹介するための10機

via http://anond.hatelabo.jp/20080723220117

まあ、どのくらいの数の宇宙オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、

アカではまったくないんだが、しかし自分のソ連趣味を肯定的に黙認してくれて、

 その上で全く知らないソ連宇宙開発世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」

ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、ミール公社歴史を紹介するために

見せるべき10機を選んでみたいのだけれど。

(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女宇宙開発布教するのではなく

 相互のコミュニケーションの入口として)

あくまで「入口」なので、研究者が100人規模で亡くなる、といった過大な被害を伴うR-16は避けたい。

できれば生体サンプルの回収失敗、大きくても宇宙飛行士数名の死亡にとどめたい。

あと、いくら宇宙開発的に基礎といってもフォン・ブラウンのAシリーズを感じすぎるものは避けたい。

ゲーム好きが『テニス・フォー・トゥ(または無題)』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。

彼女の設定は

宇宙開発知識はいわゆる「アポロ13」的な映画を除けば、NHKドキュメンタリー程度は見ている

ツォルコフスキー度は低いが、頭はけっこうケロシン

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

スプートニク1号コロリョフ

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「開発競争の始まり」を濃縮しきっていて、「コロリョフ工場長」を決定づけたという点では

外せないんだよなあ。今もOLVとしてR-7シリーズ現役だし。

ただ、ここで「スプートニクショック」トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

このイベントの背景について、どれだけさらりと、ナチス話にならずWW2すぎず、それでいて必要最小限の米ソの軍事バランス彼女

伝えられるかということは、オタ側の「真のLEO打ち上げ能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

ミールコロリョフ

アレって典型的な「ソ連オタが考える一般人に受け入れられそうな宇宙ステーション(そう思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの

という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには

一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「15年運用のこのステーションは“第二世代”としていいと思うんだけど、率直に言ってトラブルどう?」って。

コラブル・スプートニクコロリョフ

ある種の歴史オタが知っているトライ・アンド・エラーと、ライカ犬を使った生体実験へのこだわりを

彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも初期宇宙開発的な

宇宙開発混沌ぶり」を体現するコラブル・スプートニク1号(スプートニク4号/ボストーク1K)

「機密情報への対処」を体現するコラブル・スプートニク3号(スプートニク3号/ボストーク1K)

の二機をはじめとして、オタ好きのする失敗をシリーズにちりばめているのが、紹介してみたい理由。

N-1 / ソユーズL3(コロリョフ

たぶんこれを見た彼女は「アポロ計画だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

グルシュコが新型ケロシンエンジン開発を断ったこと、そのためにN-1一段目(Aブロック)がエンジン30機のクラスタだったこと、

アメリカに先取りされて向こうは大人気になったこと、この計画がその後コロリョフの死によって頓挫したこと、

最終的に中止になったこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

ポリウス(コルニロフ)

「やっぱり宇宙は軍事のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ゼニット」「アルマース」

でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、このレーザー宇宙要塞という壮大さが好きだから。

断腸の思いで軌道投入時に自壊、っていう結末が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、

上層部の「開発局への中断命令」か伝達されない、ということへのがいかにもソ連的だなあと思えてしまうから。

ポリウスの自壊措置を俺自身は酷いとは思わないし、仕方ないだろうとは思うけれど、一方でこれが

国際情勢やソ連財政次第ではきっちり軌道に入れて、SDI計画を完成させただろうとも思う。

なのに、アメリカへの外交を考えて即座に大気圏突入させて捨ててしまうものを作ってしまう、というあたり、どうしても

秘密裏に作られていた超絶秘密兵器を捨てられないオタク」としては、たとえソ連がそういうキャラでなかったとしても、

親近感を禁じ得ない。ブラン計画の関連と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

TKS/プロトンチェロメイ)

今の若年層でTKS見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

リュート計画よりも前の段階で、ステーション建造とか巨大建造物打ち上げはこの宇宙船で下地作りができていたとも言えて、

こういう今のISSの原型がひっそりとこの時代に開発されていたんだよ、というのは、

別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくソ連好きとしては不思議に誇らしいし、

いわゆるミール以後でしか宇宙ステーションを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

ルナ1号(コロリョフ

コロリョフの「夢」あるいは「メチータ」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。

「月への旅行」的な目標宇宙開発オタには共通してあるのかなということを感じていて、

だからこそアメリカ版『レンジャー計画』はルナ計画以外ではあり得なかったとも思う。

マルス」というアメリカの月ロケット計画が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの夢」の

源はジュール・ベルヌ「月世界旅行」にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、

単純に月調査競争を楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

神舟中国航天)

これは中国だよなあ。長征墜落とか情報統制とか、そこのスリルを味わってみたいなあ。

こういう中ロの有人衛星技術供与協定をこういうかたちで現実化して、その結果の発展を受け入れられるか

気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

ソユーズTMA(コロリョフ

9機まではあっさり決まったんだけど10機目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にソユーズTMAを選んだ。

スプートニクから始まってソユーズTMAで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、今の有人宇宙船スタンダード

なった船でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。

というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10機目はこんなのどうよ、というのがあったら

教えてください。

「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。

 
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