はてなキーワード: 真陽とは
最近のブックマーカーの間では,陰性証明が不可能であるとか無意味であると言ったデマが流行しているみたいだ。
陰性証明を要求するのは利益に比べて害が大きいが,不可能だとか無意味だとかいったものではない。
感染していないことの証明はできないが,検査結果が陰性であったことは証明できる。
検査の結果が陰性であったならば,「検査結果は陰性でした」と紙に書いてハンコでも押せば良い。
検査が陰性だった場合,その人は,未検査の人に比べ,病原体を保有している可能性が低い。
自称理系くんが大好きな偽陰性・偽陽性をいつものように計算してみよう。
感度を70%,特異度を99%とし,市中に感染者が1%いると仮定する。
1万人に検査したとすると,非感染者9900人中6930人の真陰性と2970人の偽陽性,感染者100人中99人の真陽性と1人の偽陰性が出るから,検査結果が陰性であった人が感染者である確率は1/6931≒0.014%である。
したがって,検査結果が陰性だった人が感染者である確率は,検査していない人が感染者である確率よりも98%ほど低い。
検査が本当に無意味なのであれば,COVID-19を治療する医療機関は検査せずに退院させれば良いのであるが,実際には検査に意味があるからそんなバカなことはしない。検査で陰性であった場合,未検査よりも病原体保有者である確率が低いからこそ,退院時に検査を行なっている。(ただし,実際には感染性は発症後6日程度で失われるともいわれており,症状さえ落ち着いていれば病原体保有者であっても退院させて良いような気もする。)
COVID-19の予防活動の目標は,感染確率を0にすることではなく,感染確率を8割減らすことである。「100%ではないから無意味」などという妄言は慎まれたい。
ある時点で未検査の者がn日後に感染者である確率は,ある時点で陰性だった者がn日後に感染者である確率よりも高い。
検査リソースが不足していることから,より必要性の高い検査にリソースを集中したい。
また,陽性だった場合に感染者として扱うことになっているので,偽陽性によって医療リソースが消耗されてしまう。
逆に言えば,これらの害よりも益が大きい場合には網羅的検査にも意味があろう。たとえば市中感染確率が高くアセスメントも困難な場合に献血血液を網羅的に検査するようなことは,場合によってはありうるだろう。
現在はそのような状況にはないから盲目的検査は不要であるし,まして職場復帰ごときのために網羅的検査を行うなどもってのほかである。
仮に事前確率1%の場合、感度70%特異度99%の検査で陽性だと事後確率は41.4%半分以上間違いです。陽性でも感度は関係あるのです。いいですか。疑ってない無症状の人にコロナPcRしちゃダメですよ。— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) April 25, 2020
誰が感染してるのか分からない……そこで全員検査することにする。
その中で、検査結果は、陽性と陰性に二通りが出てくる。
つまり、
\ | 陽性 | 陰性 |
---|---|---|
感染者 | 感染者かつ陽性(=真陽性) | 感染者かつ陰性(=偽陰性) |
非感染者 | 非感染者かつ陽性(=偽陽性) | 非感染者かつ陰性(=真陰性) |
の4パターンが出てくる。
ここに10000人居るとすると、1%の100人が感染者とわかっている。
感染者100人のうち、70%の70人が陽性(=真陽性)とされ、残り30%の30人は陰性(=偽陰性)とされる。
特異度……非感染者かつ陰性の判定の出る割合……99%なので、
非感染者9900人のうち、99%の9801人が陰性(=真陰性)とされ、残り1%の99人が陽性(=偽陽性)とされる。
\ | 陽性が出た数(人) | 陰性が出た数(人) | 合計(人) |
---|---|---|---|
感染者数(人) | 70 | 30 | 100 |
非感染者数(人) | 99 | 9801 | 9900 |
合計(人) | 169 | 9831 | 10000 |
検査後、陽性が出た合計人数は70 + 99 = 169人。
新型コロナウイルス検査の精度を高めに見積もって感度80%、特異度99%としてみる
患者数を仮定すると真陽性、偽陽性、真陰性、偽陰性の人数が計算できる
真陽性800、偽陽性100万、真陰性9900万、偽陰性200
真陽性8000、偽陽性100万、真陰性9900万、偽陰性2000
真陽性800万、偽陽性90万、真陰性8910万、偽陰性200万
有病率が低い時に検査を過剰に行った場合のデメリットとして偽陽性者を多く出す点がある
真陽性者数に対しての偽陽性者数を許容する割合を仮に偽陽性者許容割合と定義する(偽陽性者数/検査で陽性と出た人数)
水際作戦の時は偽陽性者割合を高く設定し、ある程度市中に蔓延した場合は低く設定することになる
偽陽性者許容割合を50%程度と設定すると有病率約0.01以上の時に検査が有用となる
偽陽性者許容割合を10%程度と設定すると有病率約0.1以上の時に検査が有用となる
日本全体では
検査でも原因がわからない肺炎の有病率を0.01%とすると1万人
さらに臨床所見だけで新型コロナを疑うような肺炎を0.001%とすると千人(これは流行状況によって大きく変化する)
場所、患者の状態によって有病率が大きく変わり、かつ検査数に上限がある場合は、有病率の低い患者で検査をフル稼働させると、本当の新型コロナ患者の発見を逆に遅らせることになる
よって肺炎患者を全員検査する方法はあり得ない、ましてや風邪症状の患者をや
2次医療圏レベルで新型コロナ患者が出た場合は肺炎患者にはやるべきかもしれない
100万人医療圏で新型コロナ患者が10人いると予想される場合
風邪患者10000人のうち新型コロナ患者の有病率は0.001