2020-06-01

「陰性証明不可能あるいは無意味」というデマについて

最近ブックマーカーの間では,陰性証明不可能であるとか無意味であると言ったデマ流行しているみたいだ。

陰性証明要求するのは利益に比べて害が大きいが,不可能だとか無意味だとかいったものではない。

陰性証明可能である

感染していないことの証明はできないが,検査結果が陰性であったことは証明できる。

検査の結果が陰性であったならば,「検査結果は陰性でした」と紙に書いてハンコでも押せば良い。

陰性証明意味がある

検査が陰性だった場合,その人は,未検査の人に比べ,病原体保有している可能性が低い。

自称理系くんが大好きな偽陰性偽陽性をいつものように計算してみよう。

感度を70%,特異度を99%とし,市中に感染者が1%いると仮定する。

この場合検査していない人が感染である確率1%である

1万人に検査したとすると,非感染者9900人中6930人の真陰性と2970人の偽陽性感染100人中99人の真陽性と1人の偽陰性が出るから検査結果が陰性であった人が感染である確率は1/6931≒0.014%である

したがって,検査結果が陰性だった人が感染である確率は,検査していない人が感染である確率よりも98%ほど低い。

検査が本当に無意味なのであれば,COVID-19を治療する医療機関検査せずに退院させれば良いのであるが,実際には検査意味があるからそんなバカなことはしない。検査で陰性であった場合,未検査よりも病原体保有である確率が低いからこそ,退院時に検査を行なっている。(ただし,実際には感染性は発症後6日程度で失われるともいわれており,症状さえ落ち着いていれば病原体保有者であっても退院させて良いような気もする。)

COVID-19の予防活動目標は,感染確率を0にすることではなく,感染確率を8割減らすことである。「100%ではないか無意味」などという妄言は慎まれたい。

亜種:検査後に感染するかもしれないか無意味というデマ

ある時点で未検査の者がn日後に感染である確率は,ある時点で陰性だった者がn日後に感染である確率よりも高い。

スタート時点での感染である確率が高いのだから当然である

網羅検査の害が大きいこと

検査リソースが不足していることから,より必要性の高い検査リソースを集中したい。

また,陽性だった場合感染者として扱うことになっているので,偽陽性によって医療リソースが消耗されてしまう。

逆に言えば,これらの害よりも益が大きい場合には網羅検査にも意味があろう。たとえば市中感染確率が高くアセスメントも困難な場合献血血液網羅的に検査するようなことは,場合によってはありうるだろう。

現在はそのような状況にはないか盲目検査不要であるし,まして職場復帰ごときのために網羅検査を行うなどもってのほかである

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