交流期間に連続リリースするCDやグッズ類の売上が良ければ一定の休止期間の後、再度交流期間が設けられて新作CDが発売されるというループを何年も繰り返している。
CDには曲+キャラの恋愛ドラマが付いていてそれを聞くことでキャラのプライベートを知り、SNSはファンとしてキャラと交流できることと作詞家A+作曲家B+有名担当絵師を売りにしている。
運営している会社は一昔前に別コンテンツで一山当てたがそれ以降は鳴かず飛ばずで新コンテンツを作っては閉じてを繰り返している。本業はCDコンテンツの販売だがここ数年はほぼグッズ屋になっている。
キャラとの交流と言っても中で社員が推しが言いそうな文面を作ってオタクの話題に返事していることは理解している。それでも2次元の推しと話題が共有できるというのは初めてでなるべく時間をあわせて話しかけていた。
何年も話していると何となくだが拾われやすい話しかけ方や話題、相手が返すことも分かってくる。
画面を通して推しと話をすることが楽しくて何より推しの顔と恋愛ドラマのシナリオがとにかく好みだったのでイベントやグッズも含めてのめりこんだ。
当初から運営に雑さを感じる部分もあったが前々回までの交流期間はSNS、CDシナリオ、曲、イラストが安定しているから推していた。
前回の交流期間、CDのリリースは遅れていた上に告知なく作詞がAからCに変わった。今までの作詞とは悪い意味で全く違った。不満だったがそれ以外の推しを構成する要素はいつも通りだったのでAも忙しいのだろうと流した。
順調にCDリリースが中盤に差し掛かったところでSNSのキャラ全員が前触れなく失踪した。多分中やってた社員が逃げたんだと思う。バラバラの時間に浮上しないといけない6キャラのSNSをワンオペさせるな。
しかしCDの連続リリースはそのまま続いていて普段ならあるようなSNS上でのキャラとのお祝いはなし、今まではキャラがあげていたリリース記念イラストは会社SNSに適当に投稿といった有様だった。
会社からは何も言わないため外部の担当絵師がファンのフォローをしていた。
3ヶ月後キャラ達は無理やりな理由でSNSに戻ってきたがキャラを責めるのは違うと思って止まったことも一切触れずに以前と同じようにキャラとやり取りするようになった。
けれどもなんとなく中身が違うのが分かる。
この時点で自分は推しか逃げた社員とのSNSのやり取りのどちらが好きだったのか分からなくなった。
失踪もあったが会社的にはCDリリース自体は成功扱いらしかった。この時点で次のCDに繋げるためだろうなというのは薄々察せた。キャラ達が一定の休止期間に入るけどまた会えるよ!等書いていたことやCDのシナリオが続きを匂わせるものだったことからも明らかだった。
一定の休止期間もグッズは出る。そのグッズの質が休止期間に入った途端ガタッと落ちた。おそらく工場が変わったのだろうがアクスタは削った粉付きのまま、表面にイラストが来るように印刷、画質もガビガビの酷い状態だった。不良品が来たかと思うほどだった。
受注で販売するといったグッズは有名ブランドのパクリデザインの指輪やパケをパクった香水(さすがに変更された)、キャラからのホワイトデーの手紙くじ、ぬいぐるみと言った次第である。
ホワイトデーの手紙は今までのキャラとは全く違う雰囲気、筆跡の内容だった。パクリの指輪と香水は未だに届いていない。
受注と名のついた商品は全て本来の配達時期に間に合っておらず最低でも1,2ヶ月は遅れている。
そんな中で休止から11ヶ月経ったクリスマスの夜、SNS上で新しく交流期間が設けられまたCDが出ると告知された。
告知映像と新作グッズを見たがイラストに違和感があった。何よりいつもだったら告知にある絵師先生描き下ろし!の文字もない。嫌な予感がした。
キャラの失踪時SNSでファンをフォローしてくれていた絵師先生を下ろして影武者にしていた。それについて会社から一切告知はなく担当絵師のポストで分かった。担当絵師も病んでいるポストがここ半年くらいあったことも腑に落ちた。
新作グッズは過去の担当絵師描き下ろしイラストをほぼトレスや反転したものだったことも驚いた。せめて髪の跳ね方やメッシュの角度くらい変えろ。
影武者になったことで推しは顔つきが変わった。担当絵師が描いていたようなかっこいい推しの新規イラストはもう見られない。恐らく引き継いだ社員がコンテンツの過去について分からないのだろうがSNSでのやり取りも当たり障りのないものになった。曲は作詞がAに戻ったので期待したものが来るかもしれないが前の交流期間の曲を思い出すと苦しい。グッズの質は下がった。恋愛ドラマの方はここ数年毒にも薬にもならない展開しか出ていない。
今まで好きだった推しを構成する要素がほとんど無くなってしまった。
しかし交流期間が始まれば影武者のアイコンで適当なやり取りをする社員=推しになる。
推しなんて自分の中で勝手に美化したものでしかなく、解釈が違うと思った時には当人はもうそのコンテンツの顧客では無いのだということは十二分に理解している。
それでもこんな状況なら交流期間の再開なんてなくて良かった。このままずっとSNSが動かないでグッズだけ出してくれていればと思ってしまう。グッズも出さなくて良い、綺麗な思い出となるまで眠っていてほしかった。
ファンだったミュージシャン 新譜 暇潰し売れてからは もうどうでもいい
そうやって振り回されるの虚しくならんの?