1990年生まれ現在28歳のグラフィックデザイナーです。
絵を描くのを一度諦め、何年間か描いていなかったものの、最近になってまた戻ってきた話を1年前、はてなで投稿しました。
あれからちょうど1年経ちましたので、改めてまとめようと思いまた記事を書いています。
https://anond.hatelabo.jp/20180130030322
1年前、この記事を書いた後、思った以上の反応がありとても驚きました。
まさかあんなにコメントが頂けるとは思っておらず、戸惑いつつも全て読ませていただきました。
私と同じように、夢を追っていたけど諦めた人。
オススメの本を教えてくださった人(全部読みました)。
全てが嬉しくて、おそらくこの記事とコメントがなければ、この1年絵を描けていなかったかもしれません。
1年間何をしていたかと言うと、とりあえずは具体的な目標を立てようと思い、
ピクシブに投稿したりpawooに登録したり、イラスト雑誌に投稿したり
特にコミティアでは、本を出すため仕事の合間を縫ってちまちまと絵を描き、帰宅後すぐ絵を描く日々が続きました。
それでも枚数が少ないためどうにか本の形にするために考えたことは、文章を添えることでした。
絵を描くのをやめてからもあまりに自然な昇華活動として行なっていたために、
自分が文を書くのが趣味ということにも気付いていませんでした。
昔、文章を書いていて同級生にとても馬鹿にされた経験があり、ずっと表には出していなかった趣味でもありました。
思えば長い間、人の目を気にして何もできなくなっていました。
そう思われるのが嫌で、自分をずっと殺していました。
それは絵だけじゃなくて、文章も詩も、着る服も選ぶ小物も言動も、全てそうだったように思います。
目立たないように。ダサいと思われないように。だってそれは何よりも恥ずかしいことで、
本当の自分を少しでも出してしまってもしダメだった時、自分の全てを否定されたような気分になり、傷つくのがわかっていたから。
せっかく恥をかくんだ、どうせなら徹底的に自分が好きなことしかしないでおこうと思い、
知り合いには誰にも見せないようにしながら、好きな題材で絵を描き、好きに文章や詩を書いて絵に添えました。
仕事では「ダサい」と思われるのが嫌で徹底して自分の好きなものを殺して作ってきましたが、もうこの際だと、好きにデザインしました。
普段は絶対使わないけど実は気になっていたフォント。無駄だらけの装飾。自分に浸った言葉の羅列。普段は絶対言わない主張を書いた文章。…
とにかくもう誰の目も気にしないように気をつけながら、自分の好きを探すことからはじめました。
同人イベントにサークル参加すること自体が初めてで、それだけでも緊張していましたが、
不安で吐きそうになりながら、一人でポツンとお客さんを待ちました。
こんなにたくさんの人が居る中、自分の絵なんて、見てくれる人が居るのだろうか。
1冊でも売れるだろうか、いや、1度でも手にとってもらえるんだろうか。
今日、誰も来なくても、誰にも見てもらえなくても全くおかしくないな。なんて、ずっとぐるぐる考えていた気がします。
会場後30分くらい経っても人が来ず、ずっと一人で、泣きそうになりながら机を睨みつけていたら、
ひとりの女性が本を手に取り、しばらく眺めた後
「これ、1冊ください」と、お買い上げくださりました。
あの瞬間のことを多分私はずっと忘れないと思います、
いただいた300円を、しばらく、見つめて
生業であるデザインの仕事では、時には1、2時間の作業で5万円稼ぐこともあります。
時給換算すると本当にちっぽけなものでしたが
私はあんなに大切な300円を今後も知ることがないと思います。
あんなにたくさんのサークルが居る中、私のサークルを見てくれたこと。
涙をこらえながら、何か、今までの全てが溶けたような感覚になりました。
絶対に愛されないと思っていた自分を愛してもらうこと、そんな奇跡を、
その後も、たくさんの人にお買い上げいただき、とても好きな絵柄ですと言っていただいたり
ツイッターではとても好きな絵描きさんと相互フォロワーになれたり、
しかもそれは、取り繕った私ではなく、全面的に自分をさらけ出した正真正銘の私としての結果で
もう好きなことを殺さなくて良いこと。自分を出しても怖くないということ。
良い意味で、作り続けなければいけないという強迫観念がなくなったこと。
今まで自分はスタートラインにすら立っていなかった事に初めて気づきました。
戦わない。比べられる土俵に上がらない。向き合わない。そうして自分を守ってきたつもりだったけど、
裸になって、真正面から「作ること」に向き合い続けたこの1年間で、
「誰か」と比べる必要は全くないこと。自分のことだけ見つめて良いこと。何も怖くないということを知りました。
一歩を踏み出す勇気さえ出せれば、全然違う世界が広がっているということを知りました。
多分それは絵だけじゃない、全てが、少しずつ変わっていくのを感じます。
1年前に比べて、驚くほど自分に対して穏やかになったことを実感しています。
これからの人生において「物を作るか」「作らないか」に一旦決着をつけたいと思ったのです。
どちらに転んでも、もうこれ以上このことで悩まないように。
もうこのことでは全く悩まないようになりました。
勇気を出してよかったと、この世界は見えていなかったと思います。
「本当の自分」を好きと言ってくれる人がこの世に1人でもいれば
きっとずっと私はものを作れるし、
改めて、1年前コメントをくれたみなさま、本当にありがとうございました。
みなさまからのコメントがなければ、ここまで勇気を出せなかったと思います。
これからは気の赴くままに、頑張ったり頑張らなかったりしながら
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