私は同性愛だ。
15歳高校生になって直ぐ台風じゃないかってくらいの大雨の日に同じ中学校だった同級生に告白した。
度胸のない私は前日にそれとなく告って逃げた。
そして懲りずに次の日にも告った。怒られた。
「お前、昨日逃げただろ」って。
はい。すいません。全力で逃げました。
ピンポンダッシュってこんな感じなのかなぁって思う。
嫌われちゃうかもと思って動画でいう巻き戻しボタンを心の中で連打してた。無いんだけど。
でも答えは「いいよ」で私が「は?」って返してしまったからまた怒られました。
そりゃビビるでしょう。
どっちだよw
彼女は身近に味方がいなくて。だからどこか自分本位になってしまう事が気に食わなくて。
私が我慢しなきゃ。が爆発して別れるって話を周りが呆れる程に何度もした。
迷惑一杯かけました。本当ごめんんなさい。
その頃には慢性胃炎になってよくゲロゲロしてたなぁ。懐かしい。
彼女は親が離婚してから親戚たらい回しされ、なんとか地元から離れた場所で浮気相手と一緒に暮らしていた母親の家に転がり込んだんだけど言われた言葉が「私は新しい生活があるから高校卒業したら出て行って」だって。
お前がまだ離婚してないのに別の男に股広げてたの知ってんだよって何度あの子が吼えようとしてたのか知ってたから。追い詰められる度に何もできないのが悔しくって、ただただ頭撫でて慰めて。
それでもいよいよどうしようもなくなった時に一緒にビルから落っこちるか。とか約束して、最後だしっていつも彷徨ってた街中ぶらついて飛ぶビル探し始めたらやっぱり悲しくなって意味わからない程泣いたり。
それだけを支えにして18で彼女は地元鉄道に就職して1Kのアパートで暮らしてた。
毎日入り浸って直ぐに合鍵貰って「おかえり」「ただいま」って言われるのが嬉しいって言うもんだから私まで嬉しくてそのうちお泊り多くなって母に「家は一つにしなさい」言われてその足で飛び出したの覚えてる。
突然の自立に弟が面食らってたの面白かったなぁ。
しばらくしてはじめての引越し。
壁が薄くて冬の朝起きると息白かったりしたけどまぁ。うん。いい思い出。
年末に会社近くの青果店で蜜柑を一箱買ってくるのがお決まりになってた。
私の奢りだい。
そんな感じでずっと暮らしてた2人の城を引き払いマンションを買った。
新築なんぞ手が出ないのでフルリノベーションされた中古マンションを購入したんだけどね。
驚いたのが家賃に当たるローンが諸々の税金込みでも前の2DKよりはるかに安い。
2人して紙面をガン見したのは記憶に新しいのね。
引越しを機に今まで別財布だったお互いの給与を一部徴収して残りはお小遣い制を導入。
余ったお金は旅行費にしようっていうのがこれまたたまらなく好き。
旅行が好きな私は彼女と知らない場所に行けるっていうのがとても嬉しい。
だから今まで金銭的に余裕がないからって行けなかったのが格段に回数増えたのが凄いって思ってる。
そんで、今日。
散歩がてら寄った地元のスーパーでブラックフライデーの影響で安くなった品を何も考えず買い込んだ私は千切れそうなポリ袋をぶら下げながら思い出した。
来年の6月の記念日を超えると付き合っていなかった年月を付き合っている年月が追い越すんだと。
15年かぁ。長ぇなぁ。
でも一瞬だったなぁ。
老けたなぁ。
きっと高校生の時にぶらついたあの道や帰りたくないって駄々こねるあの子を送ったあの坂道を登ろうものなら息切らすんだろうなぁ。
でも、彼女たちは見ることができなかった「新しい土地の風景」を今の私達は数多く見ていてなんだか感慨深かった。
知らない15年を追い越したらまた何か始まるのかな。
きっと日常はは変わらないんだろうなぁ。
朝起きて弁当作って仕事しておかえりかただいまを言ってご飯作って食べて風呂入って寝る。
週末には暇と言ってあの子を外に引きずり回して帰ってきてゲームやって日が暮れてって。
きっと何も変わらないけど何か思う日は続くのかもしれない。
後何年一緒に居れるのかなぁ。
神さま教えてくれ。
出来れば看取ってあげたいなぁ。
ひとりぼっちが多かったあの子だから最後くらいは私がひとりぼっちを引き受けてあげたい。
できる限り早く迎えにきて欲しいけど
私も寂しがりですからね。ええ。
とりあえず日記打ってたら夕飯作りそびれたので迎えに行ってごめんを言います。
腹減ったーーー。