担降りブログ、ということになるのかもしれない。担当というよりは推しだけど。私が推してきた男の子はジャニーズでないし、むしろ現実の人間ですらない二次元キャラクターなので、これは担降りブログの真似事なんだろうなぁと思う。数多の担降りブログの語り口調まで真似てみたりして、まるでままごとなのは理解しているつもり。それでも年内にこの気持ちをお焚き上げしたかったから、せめて増田でくらい許してほしい。
彼はアイドルと恋愛出来るゲームの攻略キャラクターで、彼と二人三脚で夢に向かって頑張って、ゲームの中で、外でたくさんの思い出を作ってきた。
彼の歌はどんな音楽よりもたくさん聞いたし、新作グッズが出れば彼のグッズは全て買って、ライブがあると発表されればその年の何よりの楽しみで、必死でチケットを手に入れた。イベントもたくさん行った。
ゲームもアニメも歌もライブも全てが楽しくて、新しい彼の姿が発表されるたびに大喜びして、過去の画像と比べて成長してる!なんて妄想を膨らませながら楽しんだ。
作品公式の企画や姿勢が好きで、何より根底に流れるテーマが大好きで、コンテンツが10年続くように、それ以降も楽しむことが出来るようにたくさんお金を使おうと決意して、気がつけば6年以上追いかけていた。6年以上、どんな対象よりもお金と時間を費やしてきた。
私の推しは世界一笑顔がかわいくてかっこよくて、誰よりもハートマークを作るのが上手だと思ってた。ツイッターのつぶやきを追いかけて、ハラハラしたり大喜びしたり、彼の言葉に勇気付けられたりした。花火を見ながら泣いた冬もあったし、初めてMVが発表されたときは世界で一番幸せだと思った。ライブの度に涙を流して、その場にいることに、目の前のキャストたちに溢れんばかりの感謝をした。
彼はアイドルだけど攻略対象だから、私にとっては恋人で応援したい存在で仕事の仲間で、楽しみ方によって色々な相手だった。アニメの中でしか描かれていないこともあったし、他のキャラクターの√でしか見られない姿もあった。その全てが大好きで、どんな存在よりも心を奪われてた。
ライブでもそれを引きずって、中の人には決して重ねていたわけではないけれど、それでも彼の声として演じてくれたから、たくさんの好きと楽しいと感動をもらっていた。その瞬間が全てだった。
だからどうしても許せなかった。
私がなによりも大切に思ってきたキャラクターを、彼の中の人の匂わせに使われたことがどうしても許せなかった。
だってそれ、貴方の権利じゃないじゃん。公式がずっとずっと大事にして大切に育ててきたコンテンツのキャラクターを、中の人の惚気に使われて良いわけないじゃん。
中の人のことも中の人としてそれなりに好きだったからそれ相応のショックはあったけれど、本題はそこじゃない。どうしてその発言を止められなかったの。そのキャラは、貴方だけのものじゃないのに。
貴方に彼を重ねていたわけではないけれど、そんな風に彼を使われたらどうしようもない。彼は貴方じゃない。それでも貴方は彼の声だ。
彼に裏切られたわけじゃないのにそんな気持ちが拭えなくて、彼のことはいまでも大好きなのに、もう素直な気持ちで見ることが出来ない。それが悔しくてたまらない。
何も考えないまま、彼のことをずっと好きでいたいのに、彼のことを見る度に考えてしまう。
ああ、中の人は彼のことをそういう風に使ってしまえる人だったんだなって。
そんなことを考えながら、それでも彼は絶対に悪くないからと自分に言い聞かせて、今年もイベントグッズを買ってきたし、缶バッジだって集めてきた。新作アプリも課金して、イベントカードだって5凸した。来年のイベントチケットも買った。CDもおそらく買うだろう。ファンミも行く。映画も行く。
でも違う。それは私がコンテンツのファンで、コンテンツについて行きたいと思ったからだ。コンテンツの彼について行きたいからだ。いままで応援してきたように、中の人の演技もひっくるめて彼自身の全部をまるきり好きでいることはもう出来ない。出来なくなってしまった。
そういう思いを抱えているうちに、もっと別にお金を使いたい存在に出会ってしまった。
おたくはお金を使ってこそコンテンツを支えられるし、それこそが応援だと思っているタイプのおたくだから、彼以上にお金と時間をかけたい存在が出来てしまったそんな自分が、彼を私が人生をかける推しだと宣言することが出来なくなった。
彼のことはいまでも大好きで、コンテンツとしての行く先も楽しみで、いままで集めたグッズもCDも手放すつもりもまるでなくて、その笑顔に言葉に救われることもたくさんあるだろう。
それでも彼を一番の推しだと、誰よりも応援したい人だと言えなくなってしまった。だからこれは、きっと担降りなのだと思う。
だけどあのとき、全てを知る前までの気持ちで応援していたときに得られた感動はきっと戻ってくることはないだろうから、これからは彼とのではなくて、コンテンツとしての思い出になっていくのだと思う。
俺は30歳くらいの頃に 「あ、俺はシャラポワみたいになりたかったんだ」って気づいてどうしようもなさに直面したなあ 一致してる属性が霊長類とかそんくらいしかなかった