バカか。
少なくとも、30年、長女として生きてきて、
例えば、私の母は、私を産んで、実家に里帰りした。
そして、子育てと時代遅れに亭主関白な夫の世話と元農家の姑の介護に疲れ切った体で、
親という威厳を保つために、
慈愛に満ちた母親の顔で、
母に説教をする。
世話になっておきながら、世話をしてくれる娘をけなす。
娘が怒ると、下手に出る。
機嫌をとる。
娘の娘、孫にいろんな贈り物をする。
そしてかわいそうな老人のふりをして、
親戚中に娘の不出来を嘆いたりする。
○○をしたのだからと娘の罪悪感を刺激して、
わがままを言ってべったり甘える。
実の娘にべったり甘えて生きるのだろうか?
実の親の娘に対する甘えはぞっとするほど深い。
本能で知っているのかもしれない。
えげつないぞ、実の親の娘に対する甘えは。
親に頼った分は、膨大な利子つきで返さなければならくなる。
少なくとも、私の親はそういうタイプだ、残念ながら。
このような親の恩という借金は目に見えない。
実は世話なんてほとんどしていなくても、
と言い続けて子の罪悪感を刺激すれば、
バカバカしい。
年老いた親は、仕事もなくなり、子どもも巣立ち、あとは死ぬだけ。
ただし、息子にはしない。
なぜか、息子に嫌われることを母親はとても嫌う。
父親は息子には無関心なことが多いようだ。
どちらにせよ、娘に対するほどの甘えは見えない。
娘にほど甘えないのかもしれない。
自立が遅れた分は十分返したと思う。
父が私を名指しで丸投げしなければ、
バカバカしい。
たかが3000円の出費で、
実家で当たり前のように押し付けられこなしてきた無償労働に比べて、
頑張ってきた私がひどく安っぽく感じるほどだ。
親を頼らないことは、今の日本で空気を読み続けて生きると、難易度が高いチャレンジになる。
私の両親は私に対し、子どもを産み育てて当たり前、一人前だと執拗に訴えてきた。
これは罠だ。
日本で子どもを産んでしまったら、とても夫婦2人では育てられない。
里帰り、里帰り出産といった形で、親を頼ることになる。
この時親を頼ったら詰みだ。
「孫育てを手伝った恩」を「老後の親の介護」で返さなければならない。
また無力な子どもの頃のような、もしくはそれ以下のなにもできない心身になる。
実の親であれば、こんな状態の娘など、簡単に洗脳することができる。
親の言うことを聞いていればいいいのよ、と。
バカバカしい。
死んでもごめんだ。
親や周囲からなんと言われようが、
親に頼らず子供を育てられる資金が貯まるまで子どもは産まない。
貯まらなかったら産まない。
正直、無理だ。
なんと言われて脅されようと、
夫婦2人が生きていくだけで大変なのに、
リスクが高すぎる。
また、こんな歪んだ家族を持っている私のもとに、
と思う。
歪んだ家庭で子育てをしてくれた親が持っているのは、
見返りを期待した何かを愛と呼んでいるだけ。
上等な親のふりをして、
理解のある親のふりをして、
常識のあるふりをして、
こんなバカバカしい嘘を言うくらいなら、
正直に「やばくなったら頼らせてくれないか?」と頼めばいいのに。
断られる可能性がある言い方なんて、怖くてできないんだろうな。