増田「なんでも。教えないことにしてるの」
という会話を今日もやった。たぶん、週に一度以上の頻度でやっていると思う。
新任の頃には「ひいきしてるとか思われたくないからね」と大真面目に答えた結果、却って面倒になったこともあった。そんなわけで今では愛想笑いしつつ問答無用の拒否を返すことにしている。
そんなことをわざわざ意識したのは、↓のはてブ※を見たせいだ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.excite.co.jp/News/reviewbook/20141021/E1413849264458.html
記事そのものもピントが外れている部分があるが、はてブのコメントもまた別の方向に外れた物が多い。確かに、『教師は教え子に体罰ではない懲戒(課題を多く出す、放課後残すなど)を与えたり、成績を付けて進路を左右したりする権限がある』ことに無自覚な教員はいる。
だが当たり前の話なのだが、教え子たちはそれ以上に教員の権限に無自覚だ。増田が中高生だった頃を思い返しても「先生は問答無用で僕の成績をつける権限があるのだから、愛想良くしておこう」などと意識したことは無かったし、今増田が書いている駄文を読んでいる読者も同様だろう。
というわけで、当事者の立場からブクマでよく見る意見に返答すると以下のようになる。
閉鎖空間だから悪い ← 言いたいことは理解するが、学校の外には学校以上に生徒を狙う変態がうろうろしている件
教員に権力があるのが悪い ← どう使うか次第です。逆に権力が無かったら、何の力を使っていじめを防止するのですか?
権力があるのは仕方ないが、その間で信頼関係が成立するはずがない ← 会社の上司と部下で結婚という話し、結構聞きますけどそれもアウトですか? (大人と子どもだから同等に語れない、というのは考慮すべき意見ですが)
チェック機構が必要 ← 意外と、校長や副校長といった管理職がチェック機構になっています。それは民間企業と同じでしょう。『校長が生徒にセクハラ』はたまに聞きますが、少なくとも『理事長や校長が、手下の教職員とグルになって教え子に性的嫌がらせ』なんてエロゲのような事例は寡聞にして聞いたことがありません。
勘違いするな ← 以下、本論
では冒頭に書いたようなことを聞いてくる女子はどのような意図を持って聞いてきているのか。
『教え子たちが本当に増田に(生徒と教師間における)好意を持っていて愛想良くしていたり、その延長で増田のプライベートなことまで知りたがっている』というのが幻想であるのは当然のことだが、それと同じくらい
『教え子たちは実は”少しでも良い成績をつけてもらう”もしくは”卒業するのに必要な成績を最低限の努力で手に入れる”ことに必死になっていて、勉強にある程度自信がある子どもは正攻法でテストの点を取りに来ていて、自信がない子たちの一部が僕のスケベ心につけこんで平常点を獲得しに来ている』というのもやはり幻想なのだ。
正確に言うなら、『1度や2度、少し会話するだけの相手』ならばそうやって上辺を取り繕って本来より高い評価を得る事も難しくは無い。誰だって面接の時には多かれ少なかれそれを意識する。
だが、35時間(週に1時間授業があるとした年間の授業時間数)も、しかも連続した35時間ではなくて1年間という長いスパンの中から切り出した35時間で、ぼろを出さないことは難しい。それが誰にでも可能なことであるならば、真っ先に役者という職業が必要無くなる。
増田自身、冒頭のようなことを聞いてくる女子が、本当に増田に好意を持って聞いてきている、などという勘違いをしたことはない。
だがその逆、つまり「無邪気なふりをしていて実は”先生が誰をひいきしているのか知りたい”という下心を持っていて聞いてきている」そんな風に考えていた時期は増田にもありました(AA略)。だが、その前提に立ったら説明がつかないことが多すぎるのだ。
つまるところ、冒頭のようなことを聞いてくる生徒というのは日常会話の延長として、大人/男としての意見が欲しくて話しかけているだけにすぎない。つまり、『仕事の同僚や上司とであっても、ある程度プライベートな話もした方が上手く行く』と思っている人種の学生版だ。もちろんその逆の『仕事の相手とは仕事の話しかしたくない。仕事とプライベートは別』な人種の学生版である、あまり教員に積極的に話しかけてこないタイプの生徒もいる。学校は特殊な空間のようで、種を明かせば実は社会と大して異なる空間ということもない。でも「先生ってチ●コでかいの?」は無いわ。それ聞いてどうするんだよ(本当に聞かれた事あります)。というかそれ、女→男のセクハラだよね?
ただ、これも学校の中に限らず、社会でもある話ではあるが……。権限として上に立っている人間が、「誰が可愛いと思う?」に対して馬鹿正直に具体名を答えるのはまずい。
本人にひいき等の意図がなくとも、『○○って実はひいきされてない?』と悪意混じりで話が膨らんでいく可能性は相当に高い。という事情があるから押さえつけて話を切るしかないが、未成熟であるが故にそんな増田の気苦労を理解していない教え子が「なんで?」と無邪気に聞いてくるのを見るとやはり心が痛む。
そのような姿を見ると逆説的に『先生』ということで、悪意を持って生徒に接することはないだろうと信頼されているのだなと実感するのだが、だからといって心の痛みが和らぐわけではない。
増田自身、冒頭のようなことを聞いてくる女子が、本当に増田に好意を持って聞いてきている、などという勘違いをしたことはない。 増田はそうであっても、勘違いする男(教師、と...
元増田だけど、その直後にある『実はどいつもこいつも、成績のこと考えて媚びてるんだろ?』的勘違いとの対比として書いた以上の意味は無い。
でも「先生ってチ●コでかいの?」は無いわ。それ聞いてどうするんだよ(本当に聞かれた事あります)。というかそれ、女→男のセクハラだよね? いいえ、我々の業界ではむしろご褒...