職場と喧嘩した結果、お金をそこそこもらったのでしばらく無職生活を送ってた時、
暇だったので某無料通話アプリの話し相手募集掲示板で同世代の三人の女性とそれぞれしばらくやり取りをしてみた。
霊能力者というか、ヒーラー?
統合失調症にかかった辺りから色々と感じるようになって、色々勉強してそういう商売を始めたのだそう。
いつも彼女が一方的に親との確執や商売上の愚痴等をがーっと喋り、落ち着くと通話が落ちるとかそんなパターンだった。
具体的には忘れたが、親との確執も結構現在進行形で半端なかった感じで、こういう人が他人を癒すとか大丈夫かいなとか思った記憶がある。
自分をリーディング(遠隔視?)した際、「気管支に重大な欠陥を感じる」と言われたが、
ある時、彼氏になりそうな人がいるみたいな話をされたのでその素性を聞いた所、
やはりその通話アプリで知り合って実際に会い、好意を抱いた人だそうで、
キャバクラだかのボーイを転々とやりつつも碌に給料を貰えないらしく、極貧生活を送っているとのこと。
一方で婚活もしているそうで、年収1000万円以上が条件らしい。
その条件は厳しいのでは?と聞くと、前に付き合ってた男の年収がそれくらいだったからとのことだった。
その彼氏候補には堅気の仕事に就いてもらったらいいんじゃね?というと、
話している内に最寄駅と町界名までが同じことが解り、地元の店とかの話で盛り上がった。
そして最寄駅前で実際に飲むことになった。
当日現れたのはちんまりした感じのおばちゃんと言った感じの人。
しかしまあ、通話の際は気にしなかったが実際に会ってもとにかく喋りが止まらない。
彼女は家族の健康上の事情でしばらく実家暮らしだったが、今は実家からそう遠くない辺りで一人暮らしをしており、
家族が倒れた際に仕事を辞めてから、しばらく働いていないとのことだった。
二時間くらいのつもりだったのだが、向こうの勢いが止まらず、19:30に店に入って出たのが23:30を回っていた。
ご近所さんだしお互い暇だし、時間が合ったらランチでも近場で食べに行きましょうやみたいな話になってその日は別れた。
それから何度か通話のお誘いがあり、話している中で「好きな人がいて悩んでいる」みたいな話をされた。
その人は株かなんかでめっちゃ稼いでいるバツイチのイケメンで、自分みたいな干物女とは全然釣り合いが取れていないんだけど
何故か相手をしてくれるのでどうしていいか解らないと言うので、共通の知人使って外堀埋めたら?みたいな提案をしたら「その彼も無料通話アプリで知り合い、一度飲みに行っただけなのでそこまで踏み込めない」とのこと。
そのバツイチイケメンは彼女に「女性としての自信をつけさせる為」ひたすらセックスしようと言ってきているらしい。
んじゃエッチをちらつかせて思わせぶりな態度とってればいいんじゃないのとかいやむしろエッチしちゃえばいいんじゃないのとか適当な返答に終始した。
また、某有名婚活サイトに登録して活動を開始したとも言っていた。
その後何度か誘われてお茶をする機会があり、バツイチイケメンや婚活の進捗の話を聞いた。
バツイチイケメンにはメールをしているけど忙しいのか反応が良くない、婚活は今度都心に住む年収1000万円の自営業と会ってくるのと並行して、年収400万の40歳リーマンとやり取りを始めたとのことだった。
このあたりから、彼女に対して口調がぞんざいになっていたと思う。
いやもう、バツイチイケメンとエッチしたらいいんじゃね?とか。
テクニック的な所で頑張れば食い込めるんじゃね?とか。
ある時、夜中に彼女から「急ぎの話がある」とメッセージが来たので通話してみると、バツイチイケメンの家に突然呼ばれて行ってきたのとのことだった。
うろ覚えな経過としては、突然バツイチイケメンから彼女に「体調が悪くなったが誰も呼べる人がいない、来てくれないか」みたいなメッセージが来たので駅三つほど離れた彼宅の場所まで料理を抱えて自転車で持って行ったが、別にそんな具合悪そうでもなく、彼宅で一晩を過ごしたが何もなかった。彼は延々DSやったりテレビ見たりしていた。夜は彼がベッドで寝て彼女がソファーで寝た。昼くらいに帰るねって行って出てきた。
うんまあ、家に上がれたってことはこれ以上ない前進だろうから、やりたいようにやればいいんじゃないでしょうか…。
自営の人とは会わなかった、40歳リーマンからはほぼ毎日メッセージや通話が来るけど面倒くさくなってシカトしている時もある、云々。
ところで今時間ある?ご飯食べた?
ふーん、あ、そう。まあ、好きにしたら?いや、今起きて飯食ったばっかだから。
すると彼女が豹変した。
機嫌悪いの?あたし平和主義者だからさ、八つ当たりされても困るんだけど。
私はあなたにとやかく言ったことないのに何でそういうデリカシーがないこと言うの。
こっちだって空気読んでるのに。仕事したらいいじゃん。逃げているだけでしょ。
これで通話を切られ、最後に
人のせいにばっかりしていないでもうちょっと大人になったら?
世の中そんなに甘くないし(笑)
あんたとやり取りしていると心が荒むのでコンタクト切るわ。」
というメッセージがご丁寧に送られてきた後にブロックされていた。
その20分後、携帯に「私の連絡先、消しておいてください」と更にご丁寧にメールが来たので
「本当にありがとうございました」と返信した。
その後、生活圏がまるで一緒ということもありスーパーと最寄駅で一回ずつ見かけた。
スーパーでは向こうが気付いたらしく、結構な勢いで逃げて行った。
普通に働いている人で、地方名産の食べ物の話とか彼女が片想いしている人の話を聞いたりして、ほぼ毎日通話していた。
プロフのツイッターアカウントにそこそこの個人情報が載っててあぶねー人だなとか何となく思ってた。指摘しなかったけど。
最初こそは普通に楽しくお話していたが片想いの人にこっぴどく冷たくあしらわれた辺りから何かおかしくなり始めた。
それまでこちらが応援モードだったので何となくその愚痴を聞くことになったが、もう人生ダメだみたいなことを言ってる彼女にそう世界は捨てたもんでもないですよ的な話をしたような気がする。
すると、その感情の矛先が全部こちらにきた。
通話するたびに子供が欲しい、女の厄落としは出産、結婚しようとかまあまあなテンションで言ってきた。
あり得ん感じではいはいいいですよーみたいな感じで相手してたが、ある時それを端緒にやっぱり爆発した。
彼女は不妊体質で、若い頃に婚約者とその親族にまあ酷い言葉を浴びせられて破談にされたことがある…
産まれなかった子供は、賽の河原で石を積んで、鬼にそれを崩される仕打ちを受ける…
子を産めない自分は欠陥持ちなんだからそういう札を首から下げればいい…障碍者は障碍者って解るけど私はパッと見で解らない…
…そんな話を微に入り細に入り三時間こってり聞かされた。
通話が終わる際に彼女の「ああ、すっきりした」という一言はなかなか印象深かった。
しかし、すっきりしたはずだが、次の通話でもまるで同じ話をしてきた。
ああ癖になってきてるなあと思いつつ、潮時感も満載だった。
でも、この日は一時間半で終わった。
そこからはそもそも通話アプリを立ち上げることもなくなったので、もう彼女とも話していない。
自分とのやり取りの感想等が、自分が告げた名前と共に書き込まれていて、(アカン)となった。
・ちゃんと働こう。
・心療内科通院歴のある人には接し方を気を付けよう。ていうか、最初にそれを確認しよう。
・やっぱり年収1000万!
創作コーナー
二人前の話おもしろい。 もっとふくらませてほしい。