はてなキーワード: 置換群とは
その核心は、具体的な数や図形から離れ、演算の性質そのものに着目することにある。
群論を例に取ると、群とは集合G上の二項演算・が結合法則を満たし、単位元が存在し、各元に逆元が存在するという公理を満たす代数的構造である。
この抽象的な定義により、整数の加法群(Z,+)や置換群S_nなど、一見異なる対象を統一的に扱うことが可能となる。
群論の発展は、ガロア理論を生み出し、5次以上の代数方程式の代数的解法が存在しないことの証明につながった。
環論では、可換環を中心に、イデアルや素イデアルの概念が導入され、代数幾何学との深い関連が明らかになった。
体論は、代数的閉体や有限体の理論を通じて、ガロア理論や暗号理論の基礎を提供している。
これらの理論は、単に抽象的な概念の探求にとどまらず、数論や代数幾何学、さらには理論物理学や量子情報理論など、広範な分野に応用されている。
例えば、リー群論は素粒子物理学の基礎理論となっており、SU(3) × SU(2) × U(1)という群構造が標準模型の対称性を記述している。
また、抽象代数学の概念は圏論によってさらに一般化され、函手や自然変換といった概念を通じて、数学の異なる分野間の深い関連性が明らかにされている。
圏論的視点は、代数的位相幾何学や代数的K理論などの現代数学の発展に不可欠な役割を果たしている。
単純な公理から出発し、複雑な数学的構造を解明していく過程は、純粋数学の醍醐味であり、同時に自然界の根本法則を理解する上で重要な洞察を与えてくれるのである。
> 数学の研究者になるような人はみんなフィールズ賞とか取れるチャンスはある。
そう言われると、そりゃ可能性って言えばゼロじゃないけど・・・くらいの受け止め方になってしまうな。
理Iに入れる人は頑張れば数学者になれる、っていうのは、まあ頑張れば数学の修士取るくらいは出来るよね、
というのと、ポスドク重ねつつもどこかでどこかで大学の教員になって研究職として生活していけるよね、
というのでは意味合いがかなり変わってくるというか、後者も確かに頑張れば可能かもしれないけど、
本当にそれ頑張っちゃう? 自分の適性はよく考えた方がいいよ? という感じ。
努力も才能のうちみたいな面もあるけど、数学に限らず研究職を続けていくには「情熱」が欠かせないというのと、
個人的な経験として東大理Iは受験数学としての一通りのことをミスの無いレベルで身に付ければいいだけで(二次試験で全問完答できる必要もない)、
そこから先の数学的な概念操作についていけるかは、かなり相性に左右されるところだと思う。
特に受験数学では置換群のさわり位しか出てこない代数学(群・環論)は、受験の微積や行列計算とはかなり異なる世界なので、
大学で解析と代数の両方を抵抗感無く楽しめるなら、その「楽しい」を伸ばしていって数学専攻するのも適性あるかもね。
苦手意識ありつつも努力してちゃんと克服できるなら、それはそれでタフネスとガッツがあって素晴らしいんだけど、
その強みは数学に限らず広く役に立つ武器なので研究職に思い入れが無ければ就職したら? と思ってしまう。
自分は理I入った時は数学好きだったけど、その後に東大数理(修士)まで行ったうえで、これ以上数学を専攻していくのはムリだな、