2024-09-13

人生の(プチ)リセットボタンを押した話

当時はリセットボタンなんて思っていなかったが、今あの時期を説明するとリセットボタンという表現が適切かもしれないなと思った話。

フェイクあり

当時の自分高校卒業フリーターをしていた。高校時代すでに半分不登校みたいな感じで、友達は多かったが、いかんせん勉強がとても苦手だった。

大学には進学しなかったが、バイト出会コミュニティ面白くて良い人が多かったし、

高校時代同級生とも関係は続いていたので、定期的に遊んだりして気がつけばフリーターも2年目を迎えていた。

フリーターのままでいるのも良くないとは思っていたので正社員で働くことにした。大学進学は選ばなかった。

勉強浪人ではなく、あてもなくフリーターをした後に大学入学するのはダサいイメージがあった。

今思うと心底どうでもいいのだが。

仕事を探したが、高卒正社員選択肢が限られた。

気軽さ重視で短期や3~6ヶ月程度の期間限定バイトばかりやっていたので、バイトから正社員登用の選択肢もなかった。

結果、親に連絡をして学費を出してほしいとお願いした。

大学ではなく、フィリピン語学学校を1年分。

両親はとても喜んでくれて、応援してくれた。バイトは期間満了でぬるっと辞めた。

繰り返していた短期バイトフットワークの軽さで、無尽蔵に遊び仲間が居たが、家族以外誰にも言わなかった。ダサいと思ったから。

一人暮らししていた家を解約して荷物は全部実家に送った。携帯も解約した。

なけなしの貯金を持って、飛行機に乗って、日本を離れた。

これが自分リセットボタン親族の連絡はつながっていたのでプチリセットボタン

2カ月後、実家から連絡がきた。

高校時代同級生自分消息心配して高校に連絡を入れたらしい。高校から実家に安否の確認が来たとのこと。

話に聞くと、高校同級生たちは心配して解約したアパートにも来たらしい(知らない中国人男性が住んでたのこと。申し訳ない。)

びっくりした。連絡がなくなって心配はされるとは思っていたが、皆すぐに忘れると思っていたからだ。

今この歳になると、みんながアッサリ忘れてくれると思っていたのも衝撃であるが、当時は心底そう思っていた。

もちろん心配してもらえた嬉しさもあったが、当時は正直いい年してフリーターで、親に金借りて語学留学してる自分ことなんて忘れてくれよという思いが圧倒的に強かった。

1年経って日本帰国したときは、改めて同級生たちと集まって酒を飲みながら謝罪をした。

会うまではちょっと緊張したが、会ったらやはり楽しかった。

ちなみに同じパターンバイト仲間たちも心配して家に来ていたとのことを別ルートで知り、同じように謝罪した。

当時の仲間は今でもごくたまに集まるが、最近改めて当時の話になった。

「あの頃は怖かった」と言われた。その後に「でも今なら同じことをしたいと思う」と。

何を言っているんだと笑い飛ばしたが、自分もたまに目の前にリセットボタンがチラつくことはある。

一度ボタンを押してしまうと、選択肢として気軽に出てきてしまものだと思う。

1年間の語学留学如きで英語力は爆発的には上がらなかったが、今はなんとか正社員を続けている。

正直給料は低いが、同僚や上司に恵まれ仕事に不満はない。

同性の友達しか居ない人生だったが、最近恋人も出来てとても楽しい

それでももし急に、今すぐ飛行機チケットをとって海外に飛んだらと妄想にふけることがある。

海外自分がいるときの、自分がここに属していないという圧倒的な不安感や、必死コミュニケーションを取ろうとする自分のダサさがたまに無性に恋しくなる。

今は安定していて刺激も無いのかもしれないが、それで十分自分幸せであると、

ちょっとマンネリや不満如きですべてをリセットする必要なんて何も無いし、それで得るものよりも失うものの方が多いこともわかっている。

ただ、あの時リセットボタンを一度押してしまったせいで、何をしていても「自分はいつでもリセットできる」という選択肢が選べる状態になってしまっている。

それがとても良くない。

責任をもって仕事をするとか、恋人に誠意を持って接するとか、深く悩んで考えるとか、そういったものがめんどくさくなったときに、

自分は他の人よりも近い場所リセットボタンが配置されているように思える。

どうか身の回り幸せを大切にしてくれ。あのとき衝動性をこの歳になって出さないでくれと自分に願うばかりだ。

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