2022-03-03

アンリミテッド夢精

自分でも信じられないような経験をしたので記録に残す。


まず自分スペックだが、30代後半既婚エンジニア

愛する妻に不倫され心がズタボロに壊れて鬱病になり、精神科のお世話になっている。

処方されてる薬はレクサプロ


薬を処方され始めて1年くらいになるが、症状は驚くほど安定し、無事に社会復帰果たしている。


薬の効果は絶大だ。まず怒りや悲しみという感情俯瞰して見れるようになる。

そして、そんな事に心を奪われる事が馬鹿らしく思えてくる。

そもそも元来はエンジニアという職業から極めて単位時間あたりの生産性には気が向く方だったし、不倫された悲しみから思うようにコントロール出来なくなった感情や体調、それによって地に落ちる生産性に悩む日々から解放された事は本当に嬉しかった。

曲がりなりにも、また自分人生を歩めるのだと少し嬉しかった。


一年も経つと薬と過ごす日常も当たり前になる。

自分日常も戻ってきた物だと錯覚していた。

そう、錯覚していたのだ。


薬の副作用なのか、不倫された事による心の傷なのか、気づけば一切の性的興奮への興味を失っていた。

眠くて勃起することはあれど、シコっても射精しないし、射精しようとも思わない。

裸の男女に何も感じないし何も期待しない。むしろ人々の営みを猿か?と引いて感じるほどに、虚無感と賢者感に常に満たされる日々だった。

自慰に使われていた時間コーディングという極めて生産的な時間に生まれ変わった。

人類、いや、精神としての新境地の達した気持ちだった。


ところが、だ。


先日、炎上プロジェクトの火消し対応出張滞在が長期化し、ついには持ってきた薬が底を尽きてしまった。

とはいえ、もう一年も安定した日々を過ごしている。

断薬症状は怖いといえば怖いが、そこまで恐怖は無かった。

俺はもう立ち直ったと、心から信じていた。

から特にアクションを起こす事もせず、そのまま仕事に打ち込んだ。


事件断薬3日目に起きた。


それまでも、頭痛などの断薬症状は現れたいが、現地で購入した頭痛薬などを服用する事でさほど大きな問題にはならなかった。

そもそもレクサプロは効きもマイルド断薬症状もマイルドと呼ばれている薬だ。

日々の生活への大きな悪影響はなかった。


それがだ。

その日見た夢は、それまでの人生で見た夢とは何もかも違っていた。


夢の中の自分は、それまで失ってたいた感情、つまり性欲の洪水の渦の中にいた。

とにかく湧き上がる性欲を抑え切れないのだ。

エッチな事がしたくてしたくてたまらない。

これまでの人生で、こんなに性欲に頭を奪われた経験があるだろうかというくらい、とにかくムラムラしてたまらないのだ。


そして何より、そのとき自分はいま、夢の中にいる事を完全に理解していた。

まり明晰夢だ。


その世界では全てが自分の思うがままだった。

不倫した妻が、過去叶わなかった恋焦がれた人が、仲のいい友人や知人から有名人、大好きなゲームアニメヒロインモブキャラまで、どんな異性もコツを掴めば無尽蔵に召喚できた。


召喚して何をするかって?やる事はひとつだ。


満たされなかった思いを、とにかくぶつけた。

セックスがしたいのではない、俺は、愛し、愛されたかったのだ。


その夢で、俺は何度も射精した。

とにかく射精した。

自分でも驚くが、とにかく何度でも射精できるのだ。

決して鬼頭は摩擦によって痛くならないし、精巣は無限生産力で精子提供す続ける。

とにかく、何度でも何度でも射精でき、その快感無限に味わう事ができるのだ。


頭がおかしくなりそうだった。

本当に、本当に、気持ちいいのだ。


そんな無双な俺にもわかる。

世界では今まさに世が開けようとしている。

後少しだけ、後少しだけ、

どうか神さま、この時間を1msでも私に。

とにかく俺は射精を繰り返した。


その朝はとても気持ちの良い目覚めだった。

こんなにスッキリした頭で目覚めた朝が、過去にあっただろうか。

新しい朝に、新しい世界を迎えれた事にとにかく感謝を捧げた。


案の定、寝起きのパンツの内部は大変な事になっていた。

でもその事後処理は、それによって得られた体験の偉大さの前には、もはや何も無いにも等しい物だった。

自分は人を超越したのだ。

刹那な性欲に負けて愛する妻を寝取った間男を、不倫浮気に悩み悩まされる人類を、俺は仮想化によって超越したのだ。

ついに性欲は、人の営みは、誰も傷つける事のない持続可能(SDGs)なエクスペンスへと昇華されたのだ。

その達成感と幸福感は、なにものにも変え難い物だった。


その体験は三日三晩続いた。

無事に出張を終え帰宅し、投薬を再開した自分は、良くも悪くも日常へと戻ってきた。


あれは夢のような出来事だったのかもしれないし、実際のところ夢だったわけなので、まぁ夢見たいなというか夢なわけだけど、今も自分世界や人を捉える価値観を持つ上で、とても大切な思い出になった。


自分幸せにするのは自分自身だ。

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