2020-06-12

婚活日記

婚活を始めた。その手のサイト登録し、ガイダンスを受け、美容院に行き、スーツを新調した。

APEX LEGENDSというFPSゲームがある。3人1チームとなって縮小していくマップに追われながら20チームの中から最後の1チームになるまで戦い抜くバトルロワイヤル形式ゲームだ。

メール確認し、送信し、あるいは受けたメールに返信する。内容は当たり障りなく、それでいて相手に興味があるような素振りのものだ。大体はうまくいかないが、俺みたいなやつでも意外と向こうから連絡されることもある。

バトルロワイヤルに参加する20チームの中で勝者になれるのは1チームのみ。勝ち抜くのは腕前と判断力、そして運が大切だ。生存が主目的なのだから戦闘はほどほどに、無理そうならさっさと逃げるのが

一番だ。

相手喫茶店で会う約束を取り付ける。最初からディナーに誘うのは踏み込みすぎなので昼間に軽くお茶するだけだ。会って1時間度会話をする。身の回りの話をして人となりを伝え、相手の様子を観察する。特に問題はなさそうだ。相手の離席中に会計を済ませにこやかに別れる。早々に連絡先も交換できた。次は夕食か。

俺が使うキャラクターオクタンアドレナリン中毒イカれたYoutuberみたいなやつだ。興奮剤を自分に打ち込んで加速し、ジャンプパッドを設置して無謀な大ジャンプをやってのける。オクタン立ち位置は割と弱キャラで、他に似た役割もっとうまくこなせるキャラがいるし頭の喰らい判定が大きくてヘッドショットをもらいやす事故も多い。しかし加速して駆け抜けていく快感はなかなかの物だ。

二度目は駅チカのチキンの店。少々ガヤガヤしてるが店は小綺麗で悪くはない。そこそこ打ち解けて次回の約束を取り付けた。三度目は少し上等なレストラン面白いハプニングもありかなり距離が縮まったと思う。四度目は何度か足を運んでいる専門店で、なんだかいつもより味が落ちてる気がした。

マップは縮小しきり残っているのは俺のチームと相手のチームだけ。つまり逃げ場なしのガチンコ勝負だ。立ち位置は高度のある相手が有利だが次のマップの縮小ではあいつらが追い込まれる…俺達は下からも果敢に銃撃をかまし相手マップ中央に寄せ付けまいとする…撃たれた敵はドームシールドを展開、これは内外の攻撃を寄せ付けない鉄壁バリアだ。効果時間いっぱいまで俺たちは攻めあぐねて相手回復する時間を得る…いや俺は何だ?俺はオクタンだ。オクタンは強くはないがイカれる事に関しては一級品だ。こういう時に一番"楽しい"戦い方があるじゃないか!俺は敵側に駆け込みアルティメット・アビリティ使用する。つまりはこう、ジャンプパッド放出!ハッハー!!天高く飛び上がった俺はそのままドームシールドの中に突入する。ドームシールドの中は何だ?アサルトライフルライトマシンガンサブマシンガン武装した敵チーム3人だ!しかし集中砲火を受けるのが間違いないドームの中に単独で、しかも真上から突っ込んでくるバカがいるとは思ってない連中はまだ呑気に回復アイテム使用していた。俺は銃は構えずとっておいたグレネード…足場を燃やすテルミットと着弾点に張り付くアークスタードームの中に投げ込んで自分がテルミットの炎に巻き込まれるのも気にせず脱出する。慌てた敵チームは三人揃って俺を狙う。興奮剤だ!!背中をバシバシと撃たれながらも爆速で駆け抜ける俺は体力ミリで逃げ切る。その間に炸裂したグレネード相手は一人ダウン、残り二人も少なくないダメージを受けて瓦解したところに俺のチームの残り二人がトドメを刺す。優勝、チャンピオン!!!オクタンを通じて俺にもアドレナリン身体を駆け巡るのを感じる。これだ。これに比べたらまともな成人男性のまともな人生なんて屁みたいなもんだ。

もう会った女たちの顔と名前も思い出せねぇ。メシ屋の場所と味は覚えてるけどな。

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