先日、カイジやアカギでおなじみ福本先生の『銀と金』に出てくる誠京麻雀をリアル友人を集めて遊んだのでした。
・麻雀で1牌ツモるたびに場代が必要、払わない場合は以降その局ツモ切り
・親は場代を2倍にしていい(しなくてもいい)
・場代の3倍払うことで、二度ヅモしていい
という文書にするとシンプルなルールとなります。漫画の中だと1ツモ100万円からはじまってそのうち1ツモ1億円になったりする。麻雀の点数差は関係なく、1位がすべての場代を総取りする、というルールです。
んで実際にやってみたわけですね。もちろん雰囲気を出すために現金を用意して現金で遊びましたが、【プールしたお金を1位が総取り】といったことをしなければ賭博行為ではないのでご安心ください。実際に遊んでみると、小銭を大量に用意し10円をスタートとして、10円、20円、40円、80円、160円までアップすることがありました。1ツモするのに160円の支払い。有効ツモでも無駄ツモでも160円。なんとか自分の手をテンパイさせるために二度ヅモしたら480円。リーチかけて上がるまで6順で960円。昼飯食えるやんけ。そして仮にこれで上がったからと言って、現金がかえってくるわけではないんですよね。漫画上では、半荘やって1位を取らなければ投資した金額は全額失うことになるわけです。そこに毎ツモ100円前後を投入できるか?というゲームとなります。苦行。
■感想
とにかくつらい。当たり前だけど精神的に嫌になりますね。なんで160円払ってるの…ってなる。でも実際160円までアップになると割とみんな降りる。降ろすためにアップするとも言える。一方で、漫画の中でもあった、『前の局でたくさん投資しちゃったからこの局も降りるわけにはいかない』っていう1位の苦しさを経験できたのはよかったですね。もう嫌なのに気がついたら1000円を両替しているという。あっという間に高みへさらわれる…!ギャンブルの魔性…!ってなってた。
あとはちょっと単純に手間ですね。毎ターン小銭入れるのと、あと両替が頻発するのと。デジタルでやったほうがいいんだろうなーとは思いますが絶対現金でやったほうが精神的に辛いのでおすすめです。そして漫画だと降りた人の描写ってほぼないんですけど、現実だと早々に降りるとヒマですね。まぁ配牌がとんでもなくゴミの時なんかに気楽に即座に降りられるのはある意味ラクですけど。完全に降りなので他人の牌姿を見てニヨニヨするくらいでしょうか。
最初のうちは割とレートが上がったんですけど、1ツモ160円くらいになるとみんな降りることが判明しその状態で親だけ続行するのはいかにも辛く、そのうち80円でも長時間進行するのは辛い…ということがわかり、アップしても40円止まりが多かったですね。なので結局後半は10円20円ばかりであんまり誠京麻雀感はなかったかなぁ。単に親が穏健派だったとも言えるけど。
■提案
というわけで誠京麻雀をリアルでやる場合の提案となるんですけど、下記を導入すると良いかと思います。
(1)アップは『現在レート+10 ~ 現在レート*2』の範囲で選べるようにする
こうして幅をもたせないとアップしないので。10円刻みだと高くまでいかないし、かと言って40円の次が80円だとけっこうみんな降りちゃうので。1円スタートも考えたけど小銭の準備が苦痛なので10円スタートでいいと思う。500円玉もたくさん用意したけどほぼ使わなかった。10円玉を鬼のように用意すると両替が減ると思う。
(2)トップ総取りはやめる
当然だけど半荘で10000円くらい投資があったとして、1人が総取りすると他3人がつらい。あくまで楽しく遊ぶことが目的なので、原点より浮いた分を分割するとか。その場合だとあんまり順位の意識がなくなってしまうので、順位ウマはつけたほうが良さそう。大抵の場合1位が投資しまくってるんだろうから、ワンスリーくらいつけてもいいのかも。
(3)東風戦にする
やったらわかるけどめっちゃ時間かかる。小銭の投げ入れ・両替にも時間かかるけど、この局はまだ投資して継続するかどうかを悩んだり、二度ヅモするかどうかを悩んだりするので時間がかかる要因が多い。その分戦略性も高いといえば高いんだけど。お金の力で周りを下ろすこともできるし。あとそういう理由で親がどんどんアップしてみんなが降りて親が上がる(テンパイ流局)という場合が多いので連荘になりやすい。東風戦で2時間とかかかる。単純な時間もそうだけど、一度卓が終わらないと精算されないので精算回数を増やして平均化する意味でも東風戦がオススメ。
すぐわからなくなるので、多めの金額(5000円とか)を手元に用意して東風終了時点でいくら減ったかを計算して投資額を把握できるようにしたほうが良い。私は小銭を大量に用意したことで逆にいくら使ったか全然わからなかったので結局(仮にちゃんとルール通りにお金を受け取ったとして)勝ったのか負けたのかよくわからなかったように思う。
■まとめ
ということでものすごくニッチな提案だけど、リアルで誠京麻雀をやる場合にはぜひとも検討してもらいたいお話でした。正直、誠京麻雀のルールを把握していてかつ誠京麻雀をやりたがる4人を集める、というのが一番むずかしいような気はしますが私の場合は意外となんとかなりましたし、あととても重要な点として、は参加した4人が全員『もっかいやりたいね』って言ってることでそれだけ楽しかったのだと思います。なお再掲となりますが、今回は主催の私が全員分の小銭を用意しただけなので賭博行為ではありませんことを明記しておきますネ。
全然やる気にはなれないんだけど(お年玉麻雀でいいよ)、 編集者と作者でこれくらい詳しく検証してみてゲーム性とかたしかめてんのかな? とは思った。 しかし実際のところ絵柄が...