2018-09-10

この国では、収入一定額を他人寄付することが義務付けられている

国民相互扶助精神をかん養するための寄付の促進及び規制等に関する法律」、通称投げ銭法」。

この制度が導入された経緯は、単純ではない。

プライマリーバランス悪化生活保護受給者に対するバッシング自己責任論の台頭、新たな天下り先を確保したい財務官僚の思惑、利権匂いをかぎつけた政商の働きかけ、歴史に名を残したい政治家スタンドプレー、「普通の」国民による与党への盲目的な支持、そして何より、圧倒的多数国民政治に無関心だったこと。

様々な要因が絡み合い、比較法的にも特異なこの制度誕生した。

当初、努力義務だった規定は、罰則付きの義務となり、寄付すべき収入割合は、いつのまにか増加していった。

制度の根幹は、いたってシンプルである

「全て国民は、収入一定割合他人寄付しなければならない。」

投げ銭制度の影響を大きく受けたのは、芸能人だった。

知名度と人気が金になるこの制度

テレビに出ることは、それ自体利権と言えた。

芸能人の出演料は、低下の一途をたどる。

やがて、ほとんどの出演者は、テレビ局に金を払って「出演させてもらう」存在に成り下がった。

また、貧困層への寄付も––法律の(建前上の)目的に沿って––盛んに行われた。

有志が寄付募集ウェブサイトを立ち上げ、多くの貧困者が、実名・顔出しで寄付を募ったのである

もっとも、寄付が集めたのは、寄付する者にとって「分かりやすい」「心地よい」者だけだという指摘もある。

知的障害者よりも身体障害者の方が、容姿の醜いものよりも美しい者の方が、多額の寄付を集めた。

投げ銭制度歴史は、その悪用規制歴史でもある。

制定当初から制度の潜脱を防ぐための以下のような規制存在した。

親族への「投げ銭」の禁止

過去自分又はその親族に「投げ銭」をした者への「投げ銭」の禁止

過去10年以内に「投げ銭」をした相手への再度の「投げ銭」の禁止

・将来の「投げ銭」の約束無効

制度の抜け穴を探す者とこれを規制する者のいたちごっこにより、その他の禁止事項は膨れ上がっていった。

それでも、「投げ銭」で損をしたくない者は、常に存在する。

彼らは、非合法的に、相互投げ銭をするシステムを構築していった。

いわゆる「互助会である

典型的互助会の仕組みはこうだ。

例えば、Aさん〜Zさんの26名で互助会構成するとしよう。

ある年、AさんはBさんに、BさんはCさんに、……と寄付し、ZさんはAさんに寄付する。

翌年以降は、これを少しずらして行う。

こうすれば、「互助会」外に富は流出しない。

当然、このような互助会非合法である

密告、司法取引、報奨金などの制度により、取締りが図られているが、宗教人種地域などに根付いた狭いコミュニティによる互助会は、なかなか根絶しなかった。

だが、この互助会も、ある女性の起こした事件きっかけとして、姿を消すことになる。

その女性は、手練手管で数々のコミュニティに入り込み、数百に登る互助会名前を連ねることに成功したのだ。

数回は、互助会趣旨に従って寄付を行ったものの、その女性は、あるとき、全ての互助会の取り決めを無視して姿を消す。

この方法によって、女性は数億を超える富を得たともいわれる。

この事件が知られると、多くの互助会疑心暗鬼に陥って崩壊した––それゆえ、この女性政府関係者と疑う向きもあるが、政府はそこまで有能ではないとの反論もある。

のちに「詐互嬢(さごじょう)」と呼ばれるこの女性

金を「カッパ」らわれた者達は、目を「皿」のようにして、彼女を探しているという。

https://anond.hatelabo.jp/20180909133511

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