「国民の相互扶助の精神をかん養するための寄付の促進及び規制等に関する法律」、通称「投げ銭法」。
この制度が導入された経緯は、単純ではない。
プライマリーバランスの悪化、生活保護受給者に対するバッシング・自己責任論の台頭、新たな天下り先を確保したい財務官僚の思惑、利権の匂いをかぎつけた政商の働きかけ、歴史に名を残したい政治家のスタンドプレー、「普通の」国民による与党への盲目的な支持、そして何より、圧倒的多数の国民が政治に無関心だったこと。
様々な要因が絡み合い、比較法的にも特異なこの制度は誕生した。
当初、努力義務だった規定は、罰則付きの義務となり、寄付すべき収入の割合は、いつのまにか増加していった。
「全て国民は、収入の一定割合を他人に寄付しなければならない。」
芸能人の出演料は、低下の一途をたどる。
やがて、ほとんどの出演者は、テレビ局に金を払って「出演させてもらう」存在に成り下がった。
また、貧困層への寄付も––法律の(建前上の)目的に沿って––盛んに行われた。
有志が寄付募集用ウェブサイトを立ち上げ、多くの貧困者が、実名・顔出しで寄付を募ったのである。
もっとも、寄付が集めたのは、寄付する者にとって「分かりやすい」「心地よい」者だけだという指摘もある。
知的障害者よりも身体障害者の方が、容姿の醜いものよりも美しい者の方が、多額の寄付を集めた。
制定当初から、制度の潜脱を防ぐための以下のような規制は存在した。
・過去に自分又はその親族に「投げ銭」をした者への「投げ銭」の禁止
・過去10年以内に「投げ銭」をした相手への再度の「投げ銭」の禁止
制度の抜け穴を探す者とこれを規制する者のいたちごっこにより、その他の禁止事項は膨れ上がっていった。
彼らは、非合法的に、相互に投げ銭をするシステムを構築していった。
ある年、AさんはBさんに、BさんはCさんに、……と寄付し、ZさんはAさんに寄付する。
翌年以降は、これを少しずらして行う。
密告、司法取引、報奨金などの制度により、取締りが図られているが、宗教、人種、地域などに根付いた狭いコミュニティによる互助会は、なかなか根絶しなかった。
だが、この互助会も、ある女性の起こした事件をきっかけとして、姿を消すことになる。
その女性は、手練手管で数々のコミュニティに入り込み、数百に登る互助会に名前を連ねることに成功したのだ。
数回は、互助会の趣旨に従って寄付を行ったものの、その女性は、あるとき、全ての互助会の取り決めを無視して姿を消す。
この事件が知られると、多くの互助会は疑心暗鬼に陥って崩壊した––それゆえ、この女性を政府関係者と疑う向きもあるが、政府はそこまで有能ではないとの反論もある。
のちに「詐互嬢(さごじょう)」と呼ばれるこの女性。
毎月の収入から最低何割かを、国内の誰かを指定して入金しなければならない法律ができたとする。誰に入金するかは検索できる。 中学生以上は、誰かからお金を入金してもらえる権...
「国民の相互扶助の精神をかん養するための寄付の促進及び規制等に関する法律」、通称「投げ銭法」。 この制度が導入された経緯は、単純ではない。 プライマリーバランスの悪化、生...
ガンダーラか
They say it was in India~
国内すべての金の流れを掴める社会 国税庁の理想郷ですな
課金警察
死ぬしかない。
いや、親兄弟に入金して終わりやろ。まあたまには心臓病の子とかに入金するかも。
要するに、評価経済、ってやつか? こうして明文化すると、上手くいくわけがない感じだな。生産が伴ってないから、イコール実態が伴わなくて、不正と暴走の温床だろうな。
日本語とても上手です~
そんな社会でもKKOは見捨てられる、ただ一つの変わらない無価値です。