はてな匿名ダイアリーの『売れないジャニーズJr.を好きになった。』『ジャニーズjr.に認知された感想』という記事を読んだ。
私は5年ほど前からあるジャニーズjr.の応援をしている。好きになった当時は、私も彼も中学生だった。身の回りではTwitterが流行りはじめた頃だった。ジャニーズjr.個人のテレビやコンサートについての出演情報はジャニーズネットなどには掲載されない。情報収集のために私もアカウントを作ったが、それでも今よりはずっと少ない情報、そして小さな財力でファンをしていた。
現在、アルバイトで稼いだお金のほとんどをジャニーズに使う生活だ。現場のための費用以外にヲタクと遊んだり飲んだりするお金やそのための洋服代なども含む。正直、リア友と話すよりヲタクとして知り合った友達と話す方が私は好きだ。リア友と話しているとどうしても共通の知人の悪口や噂話に発展してしまうことがある。面倒くさい。その点ヲタクと共有する悪口などといえば、よくある事務所に対しての文句や自担が置かれている環境に対しての愚痴などが多い。少なくとも私の場合はそうだ。そうだった。真剣に悩んではいるものの、こんな話をやめられないのもヲタクの性である。
ところがここ数年で仲良くなった友達数名の中に、いわゆる「つよいヲタク」がいた。担当はそれぞれ違うが、一緒にいると現実を忘れられてすごく楽しいし、ヲタクとしても人としても尊敬できる人たちだった。ただある日突然、会話の中に「列」という単語が浮上した。私は足を踏み入れていない域だったのでその場ではふーんそんな世界もあるのねと会話を聞いていた。しかし、その場にいた私以外全員が経験者だった。話を振られてしまった私が「そういうの行かないんだ…」と白状すると、一瞬静まり返った。怖かった。そしてスルーされた。
別に、だからじゃあ次並んでみようとかは思わなかった。並ぶ理由がないと思っていたからだ。けれど、並ばなければ聞けない楽しい話や、ヲタクだけじゃ予想しきれない次の現場についての話などもたくさんされるようで、少し悩んだのも事実だ。私は今の担当を担当して5年経つが、そういった世界に足を踏み入れていないばかりに、最近好きになった人より私の方が彼のことを知らないような気がしてきてしまって、少し悲しくなった。担当歴が長い方が偉いなんて思ったことはあまりない。けれどそこで、なんだか少し悔しくなってしまった。
私が、応援しているjr.に求めてるものって、そういえばなんだっけ?
「見られたい」わけではなかった。なんなら私は自分の顔面に恐ろしく自信がないのでできるだけ見てほしくない。彼の目にはキラキラ輝くペンライトと彼の名前が貼り付けられたうちわだけ入ってくれれば幸いだった。同担拒否というわけでもないので、彼が彼のファンに対しファンサをしている姿も好きだし喜んでいる彼のファンの子の姿を見るのも好きだ。たまに、私がその立場になってしまう時もある。正直、超うれしい。にやけてしまったり驚いたりしてしまう私の反応を見て楽しんでいる彼を見るのも大好きだ。書いていて、すごい矛盾してんなって思った。
私は、見られたい<見たい派だなと気づいた。どんなに近い席で入っても、バックを務める彼はどうしてもメインや他のjr.に被って見えなくなってしまう時がある。私はいつもそれが耐えられない。いるのに見えないのが耐えられない。だから、近すぎず遠すぎない距離を選ぶようになった。
そんなこんなで、5年という少なくはない期間、特定のjr.をそこそこマメに追って来た。が、おそらく自担には認知はされていないだろうなと思う。(その周りのjr.やメインのタレントには認知されてしまったかなと感じるタイミングはある)
ファンレターは1度だけFC宛てに出したことがある。担当になった当時だ。好きになった理由やこれからも応援したいんだというような旨の文章を書いた記憶があるが、なんせ中学生だった自分が書いた拙い文章だ。正直思い出したくもない黒歴史に匹敵する。それ以来書いていない理由は、書こうとしても単に伝えたいことが「大好きだよ!」「応援してるよ!」以外に毎回見つからなかったからである。もともと、私は彼の自己プロデュース力に惹かれたのだ。そのため、「こうしてほしい・こうすればいいのに」という私の感情はTwitterに吐き出したりたまに雑誌にはがきを送ったりすればもう充分だった。なんだかんだ最終的には彼を信頼したいのだ。
私は妙に、自らの応援スタンスに潔白さを求めてしまう。チケットを定価の10倍以上で買うこともあるが、もうそれはその時の自担を見るためには仕方なかったと思い、割り切っている。
例えばEXではカンペや公式のペンラ以外使わないだとか、少年収で持つうちわは1本だけとか、本当にそういう変なところにこだわってしまうのだ。くだらないなと思うかもしれない。自分でも思う。相変わらず矛盾もしている。自担はjr.の中では人気がある方だと思っているが、予測しきれない現場がなくなったわけではない。そしてなんとなく知る手段も知ってしまったわけだが、この性格のせいかそれを使う気にはなれないのだ。知りたいのに、踏み出せない。
少し考えて、そこまでするのがヲタクなら、私はヲタクじゃなくていいやと思った。
ヲタクの友達から赤裸々な色々な話を聞くのは勉強にもなるしやっぱり楽しい。けれど、私がそこに足を踏み入れる勇気はまだない。
踏み入れれば、もう少し彼のことを知れるのかな。もっとみんなと色々な話ができるのかな。
私なんかの存在や感じたことを知ってほしいんじゃなくて、彼が思っていることを知りたいのに。
私なんかを見てほしいいんじゃなくて、彼のことが見れればそれでいいのに。
ヲタクって面倒くさい。