筋トレを始めたきっかけは35歳を過ぎたあたりからTシャツがなんとなく似合わなくなってきたこと。
と言っても運動習慣のない中年男性としては標準的な体型だろう。体脂肪率20%、筋肉がないのに脂肪がついてちょっと浮いた胸、布一枚では隠しきれない腰回りの肉、姿勢が悪く丸まった背中。
そういえばいつ頃からか夏にTシャツ1枚で出掛けなくなった気がする。
Tシャツみたいに自由な私と斉藤由貴も歌っていた通り、体型を気にしてTシャツを着れないなんて自由じゃない。
俺は筋トレを始めることにした。
寝室を潰して家トレ部屋に。
ダンベル、可変式ベンチ、懸垂スタンドを買い揃えた。ダンベルははじめ片側20kgだったがしばらくして不足になり32kgの可変式に買い替えた。
ジムは過去に1度挫折している。当時はジム通いの目的が漠然としており、マッチョ達の住むフリーウェイトエリアに足を踏み入れることもなかった。
なので今回は筋トレの敷居を徹底的に下げ、帰宅したら5秒で懸垂ができる環境を整えた。
文献や筋肉系YouTuberを参考にトレーニングメニューを組み立て、一度に多くの筋肉を鍛えられる多関節種目を中心に週4回〜5回の頻度で実施。katochan33は裏切らない。
トレーニング時間は平均すると1時間程度。時間がとれない日はメイン種目だけ数セット行うなどして、なるべくトレーニングの間隔を空けずに継続することを心がけた。
初心者の発達は目覚ましく、動作の習得と神経系の発達によって挙上重量はどんどん伸びていった。
身体の変化については3ヶ月でちょっと変わったような気がする、半年で明らかな改善が感じられ、1年経った頃には周囲に変わったねと言及されるようになった。
久しぶりにジャケットを着たら肩周りが窮屈で着れなくなっていて悲しくも嬉しい気持ちになったりした。BEAM Fで15万かけて作ったスーツが駄目になった。
仕事が忙しくて1週間空いたり、無理をして肩を痛めたり、新型コロナ罹患後に調子が戻らなくて2ヶ月ほど空いてしまったような事もあったが、幸いにもその都度仕切り直すことが出来て現在に至る。
家トレが1年半続いた頃、32kgのダンベルでは重量に不足を感じる部位がちらほら出てきた。
特に脚トレは自宅の設備だけでは運動強度を漸進的に上げていくことが難しく行き詰まりを感じ始めた。
他の部位においても高重量を扱う局面の必要性を感じる事が多くなり、またモビリティ向上のためのエクササイズや期分けした体重の増減量も取り入れ始めた。
そう、自分は(一般的に見れば)ガチ勢に片脚を突っ込み始めていた。俺はジムに入会した。
家トレ時代と変わらず週に4〜5日のペースでジムに通っている。
Tシャツの似合う身体になるという当座の目標はとうに達成したので、とりあえずの目標として具体的な数字を定めた。スクワットで言うと体重の2倍、現在の体重が75kgなので150kgの重りを担いでしゃがんで立ち上がること。
たまに「そんなに頑張ってボディビルダーにでもなるの?」というような向きのことを聞かれるが、その質問には「山登りが好きな人に登山家になるのかと聞かないでしょ」と返している。
実際のところ自分でもよく分からないのだ。趣味かと聞かれると違うような気がする。確かに熱意を持って取り組んではいるのだが。
筋トレは終わりがないが故に山頂を自分で定めなければいけないのだけど、幸いジムには自分よりはるかに高い場所でトレーニングしているマッチョがゴロゴロいる。あいつらはみな謙虚で優しく、でも着実に自分の山を登っている。
(トレーニー目線で見れば)初心者を脱した程度のレベルに過ぎない自分でもここまで来れたのだから、もうちょっと先の景色を見てみたい。いまのモチベーションはこの程度。
とりとめのない文章を打ち込んでいるうちに深夜1時を過ぎてしまった。明日は胸の日だ。
明日クリアしたい種目・重量・回数は頭の中にあるのだが、まあキツいだろうな。疲労も溜まってる。でもそれの繰り返しでここまで来たのだから明日も挑んでみるか。
俺の現状はこんな感じだ。ここまで読んでくれた皆さんありがとう。もし興味があればまずは腕立て伏せから始めてみるといいよ。皆その繰り返しでマッチョになるのだからね!