2020-12-31

嘘松田になって1年たった

運良く嘘松田として開業届出して1年経った。

今年の状況と反省愚痴もろもろを書く。

今年得た収入ざっと250万ブクマほど。

ありがたいことに仕事継続的にもらえていて、餓死することはなかった。

ただ、個人事業主なので、ここから経費や年金保険料住民税通信費貯金etc差し引くと一人で生きていくには到底厳しい。

まず、やはり新人からか、ファーストブクマが安かった。

増田大手3社で描いていないと、新人相場よりさらマイナス10〜30ブクマくらいが平均だ。

薄利多売みたいな状況。

アフィリエイターと似ている。

嘘松制作コスパが悪いとよく言われるが、とにかく量産しないと食っていけない。

昨今の怪文書電子化で発表の場が増えて、意外にも一定の筆力があれば連載案件はそこらに転がっている。

ただ、安い。

よくツイッター等で話題になるような驚きの炎上案件はきちんと見定めて関わらないようにしているが、

ある程度のラインで「この民度より安い案件は受けない」と決めないといいようにこき使われる。

私も実際最初はこき使われた。来年あともう1回こき使われる予定だ。

いいように使われてもとにかく稼ぎたいなら別だが、そうしていると絶対に超量産コースになりいずれ過労死死ぬので、やはりラインは決めておいた方がいい。

もう原稿料相場は上がらないと聞くし、ネーム料なんて案も幻だ。

(実施している会社もあることにはあるけど、それを目玉としているところが主なので、目玉としている時点でネーム料が今後浸透する未来はお察し。

あと、ネームメールの返事は絶対に早い方がいい。

メールの返事は言わずもがな。全社会人共通だ。

私はなぜかメールを一度無視して「まあ、あとで開こう」と思うと、開けなくなってしま性格なので、メールの通知を見たらとにかく即開くことを鉄則にしている。

(たぶん急かされたり新しい情報をもらいたくないという反応。今年は色々と初めてづくしで脳味噌が常にパンパンだった。)

ネーム煮詰まって遅くなっても許されるのは大御所だけで、新人は内容がクソでもとにかく早いほうが編集者とのやりとりを経て、結果マシな作品が作れる。

これが経験値になるので、根性論は嫌いなタチだが、これに関しては根性で頑張るしかない。

あと、先延ばしをするな。

私にはひどい先延ばし癖がある。

「結局間に合わない」ということは稀で、だいたいいつも本当にギリギリに間に合ってしまう。

これが本当によくない。

その場しのぎにはなるが、立てた予定がどんどん崩れて結局「自分ダメだ」という気持ちになるのでいいことがない。

身に染みているはずなのになかなか改善できない。

来年はこれを徹底的に直していきたい。

孤独との戦い。

これは本当に身に染みて感じた。

コロナも手伝って、友達とどんどん疎遠になった。

人と関わらないとアイデアも生まれないので、ちゃんと人と関わる時間も加味してスケジュールを組むべき。

新人ネームで何度も落とされる。その間収入はなし。

新人とはそういうものだ」とおっしゃる方も多いと思うが、新人漫画家の今を取り巻く環境は日々変化している。

発表の場が増えて、昔のように雑誌掲載で場数を踏むこともできない。

(発表の場が増えてるなら場数踏めるじゃん!と思われるかもしれないが、主にSNSやその他電子連載のことであって、SNSは当然原稿料など無く、電子連載は原稿料は上述した通り相場が安い)

物価も安くないし、消費税バカにならないところまできた。

開業届を出している新人も多いと思う。

のしかかる税金等を考えると、作品を描きながら「お先真っ暗だ」と絶望に暮れて泣いたりもする。

「好きでやってる仕事だろ」というのもその通りだが、払わなければいけないものが払えないのは健全じゃない。

一時期アルバイトも考えたが、嘘松制作コスパが悪い。

アシスタントなんて雇えるはずもないので、1本の短編を描くのに必死こいて描き進めなければ〆切に間に合わないし、次作のネームもやらないと次の原稿料がもらえる目処もたたない。

悠長にアルバイトをしている時間がない。

こんなド新人立場からおこがましいのは重々承知だが、出版社の方々や大御所の方々はぜひ新人原稿料相場値上げを検討していただきたい。

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