2020-12-18

三十路で初めて芸能人ベタ惚れした女のライブレポ

今まで「好きな芸能人は?」と聞かれて悩む人生を送ってきた

芸も見た目も中身もドンピシャな人と30年ちょっと出会わずしかもここ数年は家にテレビもない状態で平気で生きてきた

でも初めて、ついに、心から「好きだ……」と思える芸能人の手がける音楽と出合ったのは1年前のこと

日常でずっと音楽を聴いていたところ、アルバム発売をきっかけにSNSを追いかけ始めたらまんまとベタ惚れするに至る

今日はついにライブに行ってきて、終了直後に鼻息荒く(萌え語りを聞くのを趣味とする、稀少な)友人に語りまくって帰ってきた

予めどなたかお伝えしておくとKan Sanoさんです

 

ライブは長い長いMCから始まった アー写ポーズをとっておどけるKanさんからは高揚感が伝わってきた

Kanさんは前衛的な作曲スタイルクールな外見、何かが乗り移ったかのようなパワフルな演奏から考えつかないくらい中身が「普通の37歳男子」(あえて「男子」と呼びたい)なところが人の心を掴むんだと思う

直前までの不安ライブができる喜び、オーディエンスの表情が見える喜び、インスタでファン交流した時の笑い話を「早く直接伝えたかったんだよ」という気持ちとともに話してくれた

そしてflavorから始まる本編 弾けるようにキーボードを叩く姿にただただ体を揺らすしかできなかった

Ash Blownのアレンジはかっこ良すぎたし、On My Way Home黄昏時の街並みが強く頭に浮かぶピアノ渋谷から幽体離脱した気持ちになった

私がKanさんを好きになるきっかけになったSit At The Pianoは私の居るエリア前に置かれたキーボードでとても楽しそうに演奏してた 人間が極限まで楽しんでいる姿はハッとするほど美しいということを知った そしてミキシングサンプリングを一切行わない素の旋律の美しさは心に強く響いて息を呑んだし、感動で涙が滲んだ

 

そして、アルバムで一番好きなShe's Goneは独唱から始まった

フィジカルのものを手にしていないので歌詞記憶あやふやなところがあるわけだけど、今日は歌にあまりエフェクトがかかってなかったか歌詞がとてもはっきり聞こえて、泣いてしまった 私が思っていた以上に切ない歌詞だったのだ

こんなに軽やかなアップチューンに山崎まさよしばりの未練がましい歌詞を乗せちゃうKanさんの感性には敬服してしま

どんなに辛くても、体を揺らして音楽に身を任せればいつのまに気持ちは上がってる……のかもしれない

そんなポジティブ気持ち勝手に受け取って、そして楽しそうに演奏するKanさんを見て、また少し泣いてしまった

 

とき森川さんと担当楽器を交換し、ときに颯さんのドラム乱入し、かと思えば真っ赤なトランペットを吹いて、いい感じに好き勝手やってるKanさんは無邪気で尊い

無邪気に超絶技巧披露するってそうそうできることではないと思うんだけど、やってのけるのがKanさんのすごいところなんだと思う

努力結晶、無邪気さ、クールさ、荒々しさ、全部が同居していて、それを惜しげもなく表現できる人はとっても稀有

内面にどんなにすごいものを持ち合わせていても、ある程度表に出さないと人には判別できないことがほとんどだ

世の中のディスコミュニケーションは「情報量不足」がほとんどの原因だと思うんだけど、Kanさんはライブという限られた場所で全部出し切ってしまう 自分内面と常日頃向き合い、丁寧にアウトプットしているからできることなんだろう

表現に向き合うことはイコール自分と向き合うことであって、常に向き合い、問いを重ねる心の強さがある人がすごいパフォーマンスに到達できる

あの無邪気なステージKanさんのすごいところをたくさん見た気がする

 

生のライブは色んなエネルギー発見を得られて、「このために生きてるし働いてる」と実感する

Kanさんと同じ場に居合わせたこと、ライブを観てKanさんに対して感じたこと、全部抱きしめて寝て明日から仕事を頑張る

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