子供がいつ目の前の人が怒鳴るかビクビクしながら生きるようになったら、目に見えないだけでハンデを持たされて生きる宿命を背負わされているようなもの。
人を信用できず、自分の言動も「人を怒らせないかどうか」が基準になる。大人の気分でそんなトラウマが根づくなんてつらすぎる。
それなりに信頼してた人から騙されるっていうのは酷なものだ。相手は私を騙そうとしているのだから、信頼も友情もそこには無いのだろうが、私に取ってはお世話になった先輩だったんだ。
詐欺の内容はオプザイルといわれる手口のものらしい。グーグルで検索かけるだけでわんさか記事が出てきた。ざっくり言うと、失敗しない投資法を見つけたからそのシステムが入ったUSBを買わないかって話だ。
気持ち的には相手の話を信じたいのに、話が余りにも詐欺の常套手段であり、話の裏を取るまでもなく信じられる要素がなかった。疑うより信じた方が楽で気持ちが良いって言うのは本当だなぁなんて、先輩の話を聞きながら思っていた。
騙されたフリをしてその日は先輩と別れたが、その後も苦しかった。部活を共に頑張っていた時期も何もかもその人との思い出が嘘になったような気になった。
先輩、あなたはもっと賢くて優しい人間だと思ってましたよ。稚拙な計画で後輩を嵌めようとする浅はかな人間だとは思いませんでした。そんなあなたを慕っていた自分が悲しくて悔しいです。