私はボイスもない、総選挙はいつも圏外のアイドルを推している。
彼女は美しく気高い。妥協を許さず自分を魅せるために努力し続けている。
しかし、このまま彼女に投票し続けていても未来がないように思えて仕方なかった。
彼女はどうしても人気が出ない。
いきなりお気持ち表明ブログの定型文を使ってしまって申し訳ない。
このブログは夢見りあむdisではない。それだけは最初に述べておく。
たくさんのプロデューサー達がその場のノリで投票するような雰囲気を作り出さなければ、ボイスなしの圏外アイドルはシンデレラにはなれない。
例えば7thの時のウサミンが良い例だろう。
しかしそれは非常に難しい。
ウサミンには元々ある程度の人気があったからこそ成しえた偉業だ。
総勢200人近いアイドルの中から頭一つ飛びぬけるような魅力が彼女にあるだろうか。
そうは言いつつも三桁近く担当に放り込んだ。
今回は本田未央あたりがシンデレラになるんだろう、と諦めや嫉妬を感じつつ中間発表を見て驚いた。
あれだけ好みが分かれると言われていた夢見りあむが全体3位に輝いていたのだ。
確かに選挙が始まってからもじわじわとイラストも増え、彼女を肯定的に捉える雰囲気が出てきていた。
正直私は夢見りあむのことがあまり好きではなかった。
何故そんな私が夢見りあむを推すに至ったのか、ということについて書いていきたいと思う。
まず、下世話な話にはなるが夢見りあむは胸がデカい。私はそれだけでもう好きになってしまう。かなしい。
また、ただのメンヘラかと思ったら予想以上に強メンタルというギャップにハマってしまった人もいるのではないか。
私は中間発表のあとすぐ夢見りあむをモバマス、デレステ両方でプロデュースした。
「Pサマだけはりあむがいいって言って!推し変せずずっとずっとりあむを推してほしい!」という彼女の叫びに私は屈してしまった。
ああ、夢見りあむならこの腐った総選挙に革命をもたらすことが出来るのではないかと。
それが運営の思うツボだったとしても私は構わない。
アイドルは使い捨てられると分かっていてなおアイドルに夢見る夢見りあむなら、我々の醜い嫉妬心を理解して許してくれるのではないか。
いや、許してほしい。
夢見りあむへそんな汚い票を入れないでくれ、というプロデューサーのブログも読んだ。言いたいことはよく分かる。
汚れたガラスの靴は履かせたくないと、そのプロデューサーは言う。
しかし私が今まで推してきたアイドルはどう転んでも汚いガラスの靴ですら履くことが叶わないのだ。
汚い票を入れるな?そんなのは贅沢だ。夢見りあむは今しかシンデレラにはなれない。
彼女はどうしたってブームが過ぎたら使い捨てられるアイドルだ。
ならば一度くらいは夢見りあむの夢想を現実にしてやってもいいじゃないか。
童話のシンデレラは謙虚な姫だ。姉たちにいじめられ、お城へ行けなくても文句ひとつ言わず黙って家事をする。そして偶然に偶然が重なり王子と結婚する。
彼女は何一つ努力していない。魔女と出会い、王子に一目惚れされたという偶然に甘え、醜い闘争心嫉妬心を見せもしない。私は昔からシンデレラが大嫌いだ。
シンデレラストーリーを日本で実現した女と言えば洞松院だろう。
洞松院は細川勝元の娘として生まれたにもかかわらずあまりにも顔が不器量だったために尼として寺に放り込まれてしまう。
しかし偶然にも30歳を過ぎたころ還俗し、他の家へ嫁ぐことになる。当時30歳で嫁ぐこと自体が珍しかった。そこからが彼女の始まりだ。
詳しいことは長くなってしまうので省くが、彼女は自らの手腕や実家の権力という持てる力を生かし最終的に一国の主へと登り詰める。
この闘争心丸出しのシンデレラストーリーこそ現代に求められているのではないか、と私は思う。
もっと自分を認めてほしい、見捨てないでほしい。とここまで自分をさらけ出したアイドルが他にいただろうか。
チヤホヤされたいと欲望を丸出しにしたアイドルが他にいただろうか。
夢見りあむはそんな現代のシンデレラストーリーを実現してくれる希望ではないか。
私が本当に推しているアイドルはそんな醜い姿は決して見せない。彼女は高潔だ。
正直なところ夢を見れない本当の担当アイドルを推し続けることに疲れたのだ。
同担達は口にこそ出さないが、今回も総選挙は無理じゃないかという絶望感が漂っている。
もう限界だろう。私は限界が一足早く来てしまった。本当に申し訳ない。同担はリムった。
我々の醜い嫉妬心が詰まった票も、純粋な気持ちで夢見りあむに入れた票も、票は票だ。
夢見りあむならそんな票に後押しされてシンデレラになったとしても「オタクはチョロいな!もっとぼくをすこれ!」と笑い飛ばしてくれるだろう。
絶望を知っている彼女ならば我々の嫉妬も、諦めも、そして本当に推しているアイドルを応援し続けられなかった弱い心も許してくれるはずだ。