話題の「真木よう子コミケ参戦表明→炎上→辞退→クラウドファンディング中止」の一件についてツイッターでぼそぼそやっていたところ相互フォロワーから「こんな荒れた話題俺は見たくねーんだようるせえ!」と空リプが来てやりづらかったので此方にまとめる。
別に批判をしたいわけでもなければ攻撃をしたいわけでもなく、ただ自分の中で感じたことを吐き出してまとめたいだけである。
◆全体的に
個々の問題自体はそれほど大事ではないが、どれも元々コミケが抱えていた問題であり、それをよく思っていなかった人々からの不満噴出にも繋がったのだと思う。
コミケと言うのは、よく言われる通り「全員が参加者」という前提のイベントである。
販売者と顧客という立場ではなく、サークル参加者と一般参加者だ。要はイベントに参加した全員で作り上げるもの、という意識が強い。
そして、この大イベントが薄氷を踏むような、あるいは綱渡りをするような危うさでこれまで続いてきた、という認識の人が多い。
一つでも対応を誤れば、二度と開催ができなくなる可能性もある。
忠告するコミケ参加者側に対して「運営でもないくせに」「そんなにえらいのか」という指摘もあったが、だからこその忠告だろう。
◆写真について
また参加表明の際に出回った画像に、コミケ開催中にビックサイトの内部で撮られた写真があった。
「あれは撮影禁止区域での撮影ではないだろうか?」「周囲に写っている人へ了承は取ったのだろうか?」という疑問が呈されていた。
混雑していない場所だった為恐らく明確な撮影禁止区域ではなかったろうが、そうだとしても周囲へ写っている人への了承は得られていない可能性が高い。
その上クラウドファンディングという大金を集める告知と共に出回ってしまった為、「営利目的での使用」にかかる可能性もある。
それを持ってしてまず、「ルールをよく知らない、影響力の大きな人が来てしまった」と言う認識が広がってしまったのだろう。
◆クラウドファンディングについて
クラウドファンディング自体は悪いものではなかったと思う。
前例があるのは知らなかったが、それなら尚更問題はなかっただろう。
ただ、800万円と言う目標金額は大多数の参加者には大金も大金だ。
それだけ集めるなら会場費も込みにして、別のところで別のイベントを開いた方がお互い幸せなんじゃないか、という疑問も湧くのは仕方のないことに思う。
◆会場について
キャンプファイアにて公開されていたクラウドファンディングで募集した金額の使い道には雑誌の制作費・支援者へのリターンにかかる費用という文字はあっても、当日会場で係る経費や混雑対策費などの文字はなかった。
コミケに普段来る層と、真木よう子の写真集を買いに来るファン層はほぼかぶらないだろう。
となれば単純に真木よう子ファンの分だけ来場者数が増え、その分列を作るスペースが必要になる。
周りには列で正面を潰されるサークルも出てくるだろう。
しかも交流をしたいと言うことは、ともすれば本人が手売りをする可能性もあり、手法として嫌われる牛歩にもなりかねない。
列の整理や混雑対策も持ち出しと(一応)考えるならば、尚更コミケでわざわざ狭いスペースを間借りするメリットは、会場の面から見るとない。
◆写真集について
自分が初めてコミケへ行った時、既にコスプレエリアは大盛況だったが、まだコスROMへの風当たりは強い時期だった。
三次元の人間が被写体の「写真集」は、コスプレをしていてさえオタクには馴染みの薄いものだったのだろう。
現在、以前よりコスROMへの当たりは柔らいだろうが、そうでない生身の人間の「写真集」となると、抵抗があるのもわからなくはない。
交流が目的と言うのもコミケのルールに明確に反してはいないだろうが、それでもサークル参加者は自分の作った「創作物」にこそエネルギーを注いでいる人が多数のはずだ。
そんな中写真集は作るがどんな方向性かも決まっていない、と言われてしまっては「そんな、やりたいことをやる場所へ来て、やりたいことがわからなくて進路が決まらない学生みたいなこと言われても……」という話である。
◆ツイッターでのやり取りについて
本人はよくファンともツイッター上で交流していたようであり、もしかすると一番厳しげな意見に返事をすることで、やんわりと忠告してくれていた人々への解答にしようと思ったのかもしれない。
だが結果的には、これまたネット上では嫌われている、同情心を誘い自分は手を汚さず周囲の人々に攻撃させるファンネルと化してしまった。
果たして悪意があったのかなかったのかまでは推し量ることが出来ないが、悪手であったことは確かだ。
「いやなら見るな」と言っていた人がいたが、テレビと違い現地に行ってしまえば見る見ないの話ではなく、上記した「会場について」の問題に直面することになる。
真木よう子一人の為に真木よう子ファンが増え、その分会場は狭くなり、移動に支障をきたすかもしれない。
そう考えるととても「いやなら見るな」で片付く問題ではなさそうだ。
◆辞退・中止が発表されて
案の定「オタクは心が狭い」だの「そう言ってオタクを貶す人々には来てほしくなかった」だの対立が発生している。
叶姉妹並みの対応をしてほしかった訳ではなく、様々な疑問点を解決すれば、受け入れられた部分もあったとは思う。
大体書きたいことを書いたのですっきりした。
おしまい。