数年前に出会い系で会ったの相手と性行為をした。しかも、コンドームなしの危険なセックスだった。
その当時は、危険ということが妊娠してしまう、という意味の危険かと思っていた。
その日から5週間ぐらい経ったあと、風邪を引いた。本当に普通の風邪だった。
喉が痛くなって、少し熱が出て、三日ぐらいで治った風邪だった。
そのとき、少し熱のある頭でネットで調べてたら、HIVに初期症状というものがあるということを初めて知った。
知っていることといえば、
このぐらいだった。調べていて初めて、コンドームなしの危険なセックス=性病に感染する危険なセックスだということを知って、青ざめたのを覚えている。
HIVの検査には危険な行為の日から最低三ヶ月あけないと正しい検査結果がでない。
私は三ヶ月したら、検査を受けようと心に決めたが、危険な行為をしたことでさえ、時間が経つにつれて忘れてしまっていた。
"HIV 初期症状"で検索するとたくさんのページがヒットする。
よくみてみるとアフィリエイトのページが多い。HIVの検査キットにリンクされていて、クリックするとページのオーナーは数パーセントリターンを得ることのできる仕組みだ。
つまりは、広告的要素の強いページが多い。広告なので売れた方がいいので、初期症状について煽って検査キットを売るようなコンテンツが多い。
50~90%の人に風邪に似た初期症状がでる(かなり分散があるのはデータではあるが。。)。初期症状があった人のうち、96%の人に発熱の症状がある、とあるが、実際はHIV感染全体のうち、48~86%に発熱の症状があったとなる。96%というと全ての人みたいな感覚になるが、48~86%の確率であり、数字マジックで煽っているのがわかる。
深く調べていくと、医者からのコメントは全て、検査しないとわからない。三ヶ月後に検査してください。というものである。
今すぐ初期症状について調べるのは止めて、危険日から三ヶ月後の日に検査を予約してしまうのがいいかもしれない。
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話が戻るが、私は検査をせずに忘れていた。そして、数年後、パートナーがコンドームなしのセックス後、4週間後に風邪を引いた。インフルエンザに似た風邪だった。ここで私は思い出した。そして、血の気が引いた。もしかしたら、自分はHIVに感染していたのではないかと。自分の命はいいとして、他の人を巻き込むことはできない。すぐに保健所の検査を受けに行った。
私が選んだのは一番近くて週末にやっている無料の保健所だ。ここを選んだのは失敗だった。即日検査だが、結果が1週間後に出るからだ。この1週間はまさに地獄・ホラーだ。何をしていても、陽性だったら、どうしようという考えがすぐに浮かぶ。仕事のひと段落したあと、トイレに行ったあと、ご飯を食べたあと、寝る前。精神的に強いと思っていても相当こたえる。食欲不審になった。私はこれも罰だと考えて過ごしていた。精神が強くない人は、その日に結果がわかるところを選ぶべきである。検査自体は流れ作業だった、10時からで10時15分ぐらいに行ったが、私の前にすでに2、3人すでに検査を済ましていたのが、前にあった試験管の数でわかった。
私は理系でロジカルに物事を考える。しかし、検査結果の前日は健康祈願できる五條天神社にお参りに行った。お守りも買った。検査結果を受け取るときは、お守りを握りしめていた。神に祈った。そして、陰性だった。神様ありがとうと心から思った。
先の述べたように私は理系だ。なので、自分がHIVに感染する確率を調べていた。HIVに感染する前提条件として、当然だが、相手がHIVに感染していなければならない。私の場合は、相手が神奈川県で21歳の女子大生だったので、下記のようになる。
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これは単純に確率の話。当事者になればわかるが、気休めにはならない。宝くじに当たる人が実際にいるように自分がならないということではないからだ。検査を受けるしか気休めの方法がない。
また上記の考え方を東京で同性愛の人に当てはめると、オーダが3つぐらい上がる。特に母集団が300人(特定のbar等)ぐらいだとすぐに自分が感染者となり、移す側にまわってしまう。
私はたまたま運がよかった。そして、無知がそもそもの元凶であることを認識した。
人生が180度変わってしまうリスクを考えなしに危険な性行為をすることの恐怖を知ってもらいたい。