自分はもう35になんなんとするのにこれまで恋人がいたことがなかった。
趣味はゲームと歴史。アニメは多少見る。あと同人誌と歴史関連の旅行か。デブだし、仕事はあんまり真面目にやる気がないから当然できるようになるわけがないし、男子高出身で女性への接し方はよくわからないし(知人友人としてなら、まあ大丈夫なんだけど)、恋人になってくれる人なんていないと思っていた。
でも趣味の方は結構充実していて楽しいし、オタクを捨てて恋人というのは思いもよらず、そこまで恋人が欲しいわけでもないし、恋人とオタク趣味を天秤にかけたらオタク趣味だなあ、と思ったからまあこれでいいかなと、全然恋人を獲得するための努力などしてこなかった。
それが極まっていたのか、数年前なんかは結構嵌ったジャンルに女性がたくさんいて男女で仲良くしている人たちもいるのに自分は同性同士で仲良くなってた。すごいな、そういう集まりの中にいてなお自分はそういうのと縁遠いのか。とも思ったが、でも自分が恋人がいた方がいいと強く思っているわけではないので当然でもある。
そんな感じだったんだけど今恋人いる。
どうしてこうなったのかよくわからないけど付き合って欲しいと言われた。
自分を恋人にしたい女性なんかいないだろと思っていたから最初は何の冗談だみたいな態度を取ってしまって失礼千万だったと思う。状況が状況なら騙しとか詐欺とか何らかの意図盛り盛りなのではないかと疑ったと思うんだけどそのひととはずっと前、人生の1/3以上も前から知り合いなのでそんな気遣いはなかった。
知り合ったのは趣味を通じてなので同じ趣味はあるし、もちろん興味ジャンルが違うところがあって色々薦めてもらえて面白いもの見れたりするし、すごくいい。今自分は艦これにめちゃくちゃ嵌ってるんだけど恋人も付き合い出す前から艦これ好きで攻略情報のやりとりしたりしてるし「来週から艦これイベントだね、がんばろう!」とか言ってくれたりするし初デートの時に大鳳レシピ聞かれて教えたら2回で大鳳出てなんかもーラッキーだったね。大鳳は我々のキューピッド的なところあるよね。大鳳とケッコンカッコカリしました。
恋人はいわゆる腐女子なんだけど自分も腐男子だしお互いの趣味に相互理解があっていい感じだね。興味ないところには相互不可侵できそうな感じはあるし、かなり理想的な雰囲気。ちょっと体が弱そうなところが心配だけど。
でもほんと恋人探しのために何もしていない自分がこんなに恵まれていいんだろうかみたいな考えは頭をもたげてくるし、あと恋愛なんて娯楽の一ジャンルでしょうそんなのが人生に大きな影響与えてたまりますかねみたいな風に思っていたけどそれは違った。
これまで恋人になってくれる人はいないだろうという推測のもとに当然結婚はできないので死ぬまで独身、なら自分一人なら今の収入のまま昇給しないと仮定しても何とかやっていけるだろうと思って仕事には本身を入れず適当にこなし趣味に全力振りの人生を送って来たけど恋人になってもらってからビックリするくらい意識急転回した。最初に書いたようにいい年だから結婚のことも頭をよぎるわけだ。すると仕事で自分の分だけの稼ぎをすればそれで良いよねって考えは否定される。気が早いと思われるかもしれないけど自分はそうだった。結果以前と比較して仕事に前向きに取り組むようになったしバカにしていた「結婚してないやつに重要な仕事は任せられない」みたいな言説にも多少腑に落ちるところが出てきた。あと「彼女ができてからあいつ付き合い悪くなったよな」みたいな話も「そんなことあるのかよ」と思っていたけどあるね。別に意識が恋人一辺倒に偏らなくても恋人のために割く時間が新たに必要とされて、そこは仕事から割くのは難しいから友達付き合いとかそれまでの娯楽から割かれることになるわけだ。そういう状況になってからようやくわかった。根強く言われることってやっぱそれなりの根拠があるんだね面白いもんだね。
あと恋愛なんて娯楽の一ジャンルという考えもひょっとしたら改めなくてはいけないかも知れなくて、それは初めて手を繋いだ時に手を繋いだだけでもだいぶ高揚したんだよね。恋愛経験ないって恐ろしいね! あと本能って怖いわ。このあとどうなることやら。
ところで、ウザ行為だとは思ったけど親友だから許してくれってことで親友に「恋人探しのために何もしていない自分がこんなに恵まれていいんだろうか」って言ってみたことがある。親友は私の人徳のなせる業だと言う。曰く、お前は欲がないし、自分の功績をことさらに誇らないし、不快感がないと。
まあデブなんで不快感はあると思うんだけど、どうなんだろうね。実はここ数年趣味の方で積んできた実績的なものが重なってきてその世界の人では知る人ぞ知るぐらいの知名度は出てきて評価もされてる。確かにそれを誇ったことはない。好きでやってきたことだからそんなことで自慢してもと思っているからだ。そういえばそっちの方面でも著名な人と何人も知り合いになって結構覚えがめでたかったりする。純粋にその人のファンだったりしたんだけど、その人は今や自分を対等に扱ってくれたりする。これもすごく幸運なことだなあと思っている。
話がそれたけど、それも含めて何か運が良すぎやしないかと思っていたりする。でも、恋人探しには全然労力は払わなかった自分だけど今の恋人は大事にしたいと思っているので、希望はできるだけ聞いて対応するし、全然気にしていなかった身だしなみ(臭ったり汚かったりしないようにくらいしか気を付けていなかった)は今は気にしているし、ダイエットも始めたし、これまで怠けてきた分の努力は投入してうまく行くようにしたい。「デブなのも服装がクッソダサいのも気にならない、自分にとってマイナスにはならないけど、そこに気を遣ってくれてかっこよくなってくれるなら嬉しい。でもあんまりかっこよくなって他の人に取られたらやだなあ」と言ってくれている。なにこれ私にとってもったいなさすぎるほど素晴らしい恋人。あとこれ聞いた時ちょっと興奮した。よくわかんないけど。自分は絶対浮気とかするはずないしね。「これまで付き合って来た人の中でって言うか全然違うレベルで安らげる」って言ってくれているので、そこは期待に応えたい。
この話にオチはありません。長々と読んでくれた人には申し訳ないことをしたと思っている。
でも何と言うかな「待てば甘露の日和あり」みたいなことは世の中にあるんだなと思う。だから「できれば今の恋人と最初に知り合った時から付き合いたかったなあ」というのはたぶん違うんだよね。
待てば甘露の日和ありって 海路の間違いかと思ったら、ちゃんとある諺なんだね。 あ、それ以外は特に興味ないです 他人の頭の上にネバネバした甘ったるい何かを ぶっかけたくなるく...
待てば甘露の日和ありって 海路の間違いかと思ったら、ちゃんとある諺なんだね。 あ、それ以外は特に興味ないです 他人の頭の上にネバネバした甘ったるい何かを ぶっかけたくなるく...
うんちぶりぶり