2012-05-26

ぼくらはなぜ、違法ダウンロードに走るのか?

とうとう違法ダウンロード刑事罰化されるようです。

これに関して様々な議論が興り、賛否両論様々な意見が出されています

だけど、違法ダウンロードの実に30%、ダントツ一位の割合を占める中高生から意見というのはほとんど、というか全くありません。

そこで、高校生から見たダウンロード刑事罰化に突いて書いてみようと思って、今回初めてはてな匿名ダイアリー投稿させて頂きます

文章は下手かもしれませんが、ご容赦下さい。

実は僕も、興味あってずっと昔(と言っても5年ぐらい前からですがw)から状況の推移を見てきた一人なんです。

そんな中こんな記事を見つけたました。

違法ダウンロード 「海賊版認識」どう判断

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120506-00000067-san-soci

この中で津田さんが実に的を得た発言をしています

>また、「違法ダウンロード未成年者が多いが、彼らの摘発で抑止効果を狙うのは青少年健全育成の面で問題がある」と批判している。

そうなんですよね。冒頭にもいいましたが違法ダウンロード中高生が一番多いんです。これが余り知られていない。

ソースはこちらです。

違法ダウンロード 中高生3割「経験あり」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120506-00000566-san-soci

そう思えば確かに、YouTube少年ジャンプアップロードして中学生逮捕されたり、ゲームダウンロードブログで自慢して炎上したりもしてましたね。

潜在的な未成年ダウンローダーを測るととても多い数になるわけです。

じゃあ、一体なぜ、中高生はこんなにも違法ダウンロードをする人が多いのでしょうか?

同じ高校生として、そして自分も少し前までダウンロードを頻繁にしていた者としてその原因を考えて見ることにしました。

おっと、その前に自己紹介から始めさせて頂きます

僕は現在高校3年生で、前述のとおり元ダウンローダー、いわゆる割れ厨です。

中学生の頃本当にあれこれ落としていたので、リアル割れ中坊、ということなのでしょうかw

僕がダウンロードに目覚めたきっかけは、偶然訪れたコンビニに置いてあったこれです。まだAmazonにありましたw

最強ツール×最凶サイト!! ダウンロード虎の穴 (100%ムックシリーズ) [ムック]

http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%C3%97%E6%9C%80%E5%87%B6%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88-%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E8%99%8E%E3%81%AE%E7%A9%B4-100-%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/dp/4883809404

今では絶対に出版できないムックです。2009年4月ですから違法化(2010年)一年前ですね。中学3年生の頃です。

そこから一気にダウンロード世界へと入っていったわけです。

それを特に後押ししたのが、ネット上に散らばるありとあらゆるダウンロード紹介サイトと、「Windows100%」「iP!」です。

ネトランは幸か不幸か、この頃にはもう休刊されていました。

HDDを買い、ムック雑誌を見て、あらゆる物を落としまくりました。

動画音楽ゲーム漫画・・・

そしてwin100やiPにはダウンロード以外にもゲームハックやDVDコピー(ちなみにこれはコピーコントロールではなくアクセスコントロール回避するという仕組みなので現在違法ではありません)も紹介されていたので、それに従うようにPSPWiiDSなどをハックしていきました。

まさに芋づる式です。

そもそも規制するならこのようなムックから規制すれば、僕のような人も生まれなかったんじゃないかとおもうんですけどねぇ。

というか、Google規制して違法コンテンツ検索結果に出ないようにすれば一気に解決すると思うんですが。

だって例えば音楽でも、曲名+mp3で簡単にファイルが出てくるんだし・・・

下手するとmp3とかを付けなくても検索上位に出てきたりしますよ。。。

ま、無理でしょうけど、それは置いといて。

その時の僕の心情はどのようなものだったのでしょうか。これを見ればなぜ中高生違法ダウンロードが多いのかが理解できるかもしれません。

一つ目は、「悪いことやってるオレってカッケー!」です。

これは説明不要でしょう。さっきも例に出した違法ダウンロードブログで自慢して、炎上パターンです。

しかしこれは、大抵の場合すぐ消えます

僕の場合2009年で違法化前でしたが、モラルとしての問題は少しですが感じていました。

2つ目は「お金もったいないから

これも現実的な理由でしょう。大金持ちの家でないでもないかぎり、お金というのはできるだけ節約したい。

お小遣いをできるだけ使いたくない。でも音楽は欲しい。アニメも観たい。

ダウンロードに走るわけです。

これはおそらく大人の方がダウンロードをする理由でもあるので、ここで終了となります

ですが中高生場合には、ここから更に先、強烈な第三段階まで進むのです。

考えてみてください。そのお小遣いというのは誰からもらうのでしょうか?

大抵親、家族です。

こっちは何も出来てないのにお金だけもらって、音楽DVDゲームを買っていく。

これにもし、罪悪感を感じる中高生が出てきたら・・・

それが3つ目、「家族に申し訳ないから」。これです。

この心境に達すると、もう無敵です。

自分家族負担をかけたくない。なんとかして自分に掛けるお金を減らして欲しい。

なら、CDゲームを買うのは止めて、ダウンロードで済ましてしまおう。

これはなかなか止められません。

ダウンロードを辞めることはすなわち家族負担をかけること、そんなのは嫌だという、いわゆる自己犠牲の心から来るものからです。

もちろん先にも出た「これは他人に迷惑をかける行為である」というモラルの問題は感じているかもしれません。

しかし、何せ製作する人間も、そもそもコンテンツ自体に目に見える実態がないので、そこまでは想像できずに自ら(の家族)のことが優先されてしまうのです。

まり、いわゆる自分(の家族)ためなら他人をも犠牲にする、しかダウンロードしている当人は逆に自分犠牲になって家族のために尽くしているという感覚に陥るわけなのですね。

そりゃそうです。大抵の場合自分の大切な人とそうでない人を二者択一しなければいけない時、ただ音楽を作っているだけの基本無関係な、しかも会ったことのない人のほうを選ぶでしょうか?

そういうことなのです。

こういう「・・・不快に思うから自重しよう」とか「・・・はこう思うだろうな」と考えて他人に憑依したような気分で語る他者依存な人は多いと思いますね。特に震災においてその例が自粛という形で顕著に現れました。

そんなことを考えながら今佐々木俊尚さんの「当事者時代」を読んだりしていますステマじゃないよ。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334036724/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=hatena0660-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4334036724

から、どうしても違法ダウンロードを無くしたいなら、今以上にライブを重視し、そこでの商品販売を強化するとともにサイン会握手会を頻繁に行ってコアなファンを増やしていくのがいいかもしれませんね。

そうした結果がAKB商法だったりするのかもしれませんw。

話がずれました。

そういう僕がダウンロードを基本止めたのは高校入ってしばらくした頃。

2010年ですから丁度ダウンロード違法化が始まった辺りですね。でもこれが原因ではありません。

単純に観たいものがなくなったからです。

ネットがあれば無料で何時間も楽しめます。僕だってニコニコ動画ヘビーユーザーです。

そこではアニメの公式配信もあれば、音楽の公式配信だってあります。が、それもたまに見る程度でほとんどユーザー投稿した動画を見て楽しんでます。あとニコニコの言論系公式生放送とみゃうネット羅針盤とか。

でも、最近音楽で一番聞いているのは実際初音ミクだったりします。それほどに音楽は堕ちてしまっているとも言えてしまうんです。テレビをつけたらAKB韓流ゴリ押し

まり、「落とす価値もない」。もう終わりです。

製作者側にとっては死活問題でしょう。それを結局違法ダウンロードのせいにして、刑事罰化を通そうとしている。

僕の予想では例え刑事罰になったとしても売上は上がらず、非親告罪化、スリストライク化となるでしょう。

それでも売上は上がりません。ネットの発達によって娯楽が何倍もの規模で多様化たからです。

インターネットを止めない限り、元の売上に戻すことはできないかもしれません。不可能ですが。

(そもそもその刑事罰だって動画を見たあとにローカルに残るキャッシュを取り出せば誰にも見つかることもなくファイルが手に入るので意味ないと思うのですがね。。観るだけなら違法投稿された動画であろうが合法ですし。まさか将来に「観るのも禁止」になってしまうのでしょうか・・・

しかし、もしかしたら今の中学生たちはそんなことすら考えずに、そもそもコンテンツがただで手に入ると思っているのではないでしょうか。

だってだって、いままでCDを買ったことはありません。

ネットが世に出てから生まれた今の中高生世代は、ゆとり・・・じゃなくてデジタルネイティブ世代とも言われてます

生まれた時から情報機器に囲まれた生活を送ってきたのです。

ちなみに僕の場合95年生まれですから、ちょうどインターネット日本で普及するころ、すなわちwindows95が発売された年に生まれたことになりますちょっと感動的ですw

そもそもネットというのはFreeが原理原則です。すなわち「自由」、そして「無料」なのです。

オープンソース化はその最たる例だし、ネット上にはフリーソフトフリーウェア)もいっぱいあります

お金を払ってコンテンツを買うコンテンツ業界ビジネスモデルは、ネットには不向きなのです。たぶん。

そんなFreeなネット文化に触れながら育った中高生果たしてコンテンツお金を払ってまで楽しもうとするでしょうか。

ネットには、無料しかもとても楽しいコンテンツであふれているのに。

僕的には、真に製作者側、出版社さんやコンテンツレーベルのお偉い様方達が考えるのはここだと思うんですけどね。

刑事罰か云々ではなくて。

おそらく「それでもここまで完成度の高い作品を作れるのは我々(の会社契約しているクリエイターたち←ココ重要しかいない!」と胸を張っているのでしょうけども。

最近どんどんネットから有名アーティストになっていく人もいるんですけどねぇ。

まあ、僕にだって5年先10年先のことは分かりません。10年前、ほとんど誰も今を予想できなかったように。これがネット上の事になるともう不可能といえるかもしれません。

しかしたら音楽業界がV字回復する可能性だって、一応無いわけではないのですw

僕はないと思ってますがね。

とりあえず今回は僕の思っていることをただなんとなしに書いたわけですが、もしこれを読んだ人がなにか思うことがあったらとても嬉しいです。

ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました

  • 僕は現在高校3年生で、 ちなみに僕の場合95年生まれですから、ちょうどインターネットが日本で普及するころ、すなわちwindows95が発売された年に生まれたことになります。ち...

  • 当事者としての心情、面白かった。 一つ目は、「悪いことやってるオレってカッケー!」です。 2つ目は「お金がもったいないから」 それが3つ目、「家族に申し訳ないから」。...

    • この2つがよくなれば、有料コンテンツとインターネットの関係は明るいものになるのではないかな。 最低でもプリペイド式にしないと無理だろうな。もしくは定額制。 後払いで、し...

  • おもしろかった。多くの点で同意 僕がダウンロードに目覚めたきっかけは、偶然訪れたコンビニに置いてあったこれです。まだAmazonにありましたw 自分もだいたい一緒。友人の家に...

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