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はてなキーワード: パイプラインとは

2009-07-24

中国情勢 - 中国海外石油投資過去一年分だけでも天文学的に

ロシアカザフスタンベネズエラブラジル四カ国だけで600億ドル

中国は昨秋のリーマン・ブラザーズ倒産による世界金融危機と、直後からの原油暴落に際して「鉱区の安いところを徹底的におさえる」という路線変更があったようだ。

ロシアには鉄道輸送による従来の石油輸入を量的に倍加させ、このために先払いの形で30億ドル支払った。日本向けのパイプラインプロジェクトも横から奪い、さきに中国の大慶にパイプラインを敷設することでロシアと合意した。

いずれも外貨準備高2兆ドルを背景に自信満々である。

くわえてシベリアにおける石油とガス開発に中国は旺盛な意欲を見せる。

工事費のローン、先払いによる長期安定供給補償など、幾つかの支払い方法を取り混ぜ、合計ロシアに支払う額面は250億ドル。このカネでロシアの幾つかの銀行破産を免れた。

同様にブラジルに100億ドル石油輸入代金の長期契約が主である。

カザフスタンにも100億ドル

いささか想定が異ったのは反米政治家毛沢東主義者が治めるベネズエラである。

チャベス大統領は六回、北京を訪問し、中国を礼賛し、多くのプロジェクトの誘致に成功したが、目標とした日量100万バーレルの対中輸出は態勢作りが遅れており、現在のところ2009年達成目標の40万バーレルとはるかに下回る日量16万8000バーレルにとどまっている(ジェイムズタウン財団チャイナブリーフ』、7月24日号)。

いずれにしても中国ロシアカザフスタンベネズエラブラジル四カ国だけに600億ドル超の投資を決定し、実行に移した。わずか一年間、しかも四ケ国だけで、である。

ほかにスーダンアンゴラナイジェリアアルジェリアで鉱区を抑えた。

インドネシア豪州とはガスの長期契約をすでに結んだ。

イラクには復興第一号の鉱区入札で中国が一番札。

イランとは200億ドルを超えるいくつものプロジェクト

果てしなき中国資源争奪戦争への挑戦は、まことに未曾有の規模である。

しかし進出した国々では歓迎されず、反中国暴動がおきたり中国人エンジニア誘拐、殺害されたり、また工事中国人が大量にやってきて、機材も建材も建機もぜんぶ中国から運び、現地人の雇用がなく、チャイナタウンをつくり、中国語新聞も発行し、やがてプロジェクトが終わると、かれらは現地に住み着き、つまりには侵略なのではないのか、と現地では不安が拡がる。

2009-07-17

ナブッコパイプラインを何が何でも完成させないとという話。

http://news.google.co.jp/news/story?sourceid=navclient&hl=ja&rlz=1T4GGIH_jaJP282JP282&q=%E3%83%8A%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3&safe=active&um=1&ie=UTF-8&ncl=dISTh9AWggb5EzM&ei=K_9fSp3GG8qGkAXH_P3MDA&sa=X&oi=news_result&ct=more-results&resnum=1

欧州不良債権火薬庫の一つとなっている東欧勝手デフォルトしないようにする為には、元金は無理でも、金利だけでも払えるようにしなければならない。ナブッコパイプラインは、その為の道具として利用されようとしている。東欧を通過するガスの通過料を、金利返済に当てる事で、返済期間の繰り延べを可能とし、景気回復を待つという発想である。

欧州ロシアから暖房用のガスを買っているが、その価格供給不安定に対し、不満が発生している。ナブッコパイプラインは、これ以上問題が拗れるようならばパイプラインを完成させるという欧州側の恫喝の道具としてしか機能してこなかったのだが、東欧デフォルトされると、連鎖的に欧州内の金融機関が飛ぶ事になり、財政赤字をさらに積み上げて救済しなければならなくなるという懐事情によって、駆け引きの道具ではなく、借金返済の道具として利用しなければならなくなったのである。

ロシアにしてみれば、独占状態だった欧州へのガス供給競争相手が生まれるという恐怖から、早急に問題を解決するインセンティブがあったのだが、ナブッコが開通し、暖房用ガスの供給が多様化する事で、旧衛星国に対して国際世論を気にした遠慮や譲歩してでも早期解決する必然性が無くなると言える。

ナブッコよりも安価に確実に供給しないと、外貨を稼げなくなるという環境だけが残る事から、衛星国が再びごねるような事があったら、問答無用軍隊差し向けるようになるであろう。

安定供給の為には、禍根を絶たなければならないという理屈である。戦場を通ってきた燃料は買わないという人は、割高なナブッコガスを買えば良い、ロシアの行動を正義と認める人にだけ、安価にガスを売るという商売が可能になるのである。

独占には、独占であるが故の責任が伴うが、非独占となれば、多様な価値観が成立することになる。

衛星国は、環境の変化を理解できるのであろうか。グルジア紛争の時とは違い、自分の懐が危ない以上、欧州は目を瞑る事が増えるであろう。

2009-06-09

世界資源戦争の新局面 ガス争奪戦の巻

中国プーチンの苛立ちを横目にトルクメニスタンへ30億ドルを貸与

アシガバード政府トルクメニスタン)は中国から30億ドル融資を受けると公式に発表した(AP速報、6日)。

トルクメニスタンアフガニスタンとの国境近くにヨロタン鉱区(天然ガスが吹き出している)では6兆立方キロ・メートルのガス埋蔵が確認されている。『向う百年間、毎年500億立方キロのガスを供給できる』とベルディムハマドフ大統領は胸を張っている」(ワシントンポスト、6月6日付け)。

トルクメニスタンという謎の国は、いまも鎖国中だが、独裁者ニヤーゾフの怪死以後、すこし風向きが変わった。

第一にカスピ海沿岸のガス鉱区からはロシアだけにしか流通ルートがなく、従ってトルクメニスタンは長らくロシアの「家来」だった。ガスの値決めも、一方的にロシアが通告するだけだった。

第二はトルコのジェイハン港へ西側がパイプラインを通したため、カスピ海の対岸アゼルバイジャンまで海底パイプラインを敷設すれば、ジェイハン・ルートに合流が可能で、待望の西側へ出せるという強い衝動が拡がっていた。現在カスピ海の別の鉱区開発をマレーシアメジャー「プルタナス」などが行っている。

 

第三にイランへの供給が始まり、距離的には一番近く、ロシアへの強い桎梏から逃れられる。イランイランで、南へ向かうパイプラインを隣のパキスタンへつなぐIPルートイランパキスタンの頭文字をとって「IPルート」という)にも動き出した。これも背景には中国がある。パキスタンのグァイダール港からパキスタンパイプラインを敷設してカラコルムを通過させ、新彊ウィグル自治区まで繋ぐ。

そしてトルクメニスタンの懸案だった「ロシア以外」のルート中国向けガス供給である。

トルクメニスタンからカザフスタンを通過して、えんえんと7000キロのパイプライン中国へ向かうが、年内に工事が完成予定。

このルートから年間500億立方キロのガスが中国へ向かう。これは25年の長期契約で、そのために中国トルクメニスタンへ30億ドル融資する(つまり、先払い)。

豪ではリオ乗っ取りに中国は失敗したが、世界各地の資源鉱区あさりは続いている。

2009-06-04

グレートゲームの大激変、米国オバマ政権、闘う前に敗れたり。

イランのガスはパキスタンから中国ルートが確定、米国勢は敗退

▲第一幕 イラン悪魔、でもタリバン交渉相手だった

 

そもそもの新グレートゲームの始まりはクリントン政権のときである。

中東から南アジアにかけての資源争奪戦争冷戦後新しい局面を迎えていた。

ユノカル」は米国石油メジャーの後発企業で、カリフォルニアが地盤、ただし海外に鉱区の開発権を多く抱える。米国内での政治コネクションが薄く、主流のメジャー共和党系が多いため、ユノカル民主党を頼った。

出発からボタンの掛け違いだったかも知れない。

クリントン大統領ホワイトハウスに実習生モニカ・ルインスキーを招き入れ、情事にふけっていた。

後日、大統領弾劾裁判において、「あれは挿入していないからセックスではない」ととてつもない言い逃れの詭弁クリントンは危機を切り抜けた。

そんなおりに遠路はるばるとアフガニスタンから珍客があった。タリバン幹部である。

要件はなにか。

トルクメニスタンのガスを、アフガニスタン経由でパキスタンの港へ運ぶ。総延長1560キロのパイプラインを敷設する。これをユノカルが主導する。

米国を引きつけた魅力の第一は、このルートは「悪魔」のイランを通過しないこと。

第二にロシアを通過しないこと。クリントンは乗った。

ソ連崩壊後、世界帝国の輝きを取り戻したかの錯覚のなかに米国は酔った。

クリントン政権はこのプロジェクトに前向きで、カリフォルニアメジャーユノカル」はトルクメニスタンアフガニスタンを根回しし、それからパキスタンから分岐してインドへも輸出ルートを追加でつなげようとインドを訪問した。

インド工業化を急ぎ、ガスは必需品、プロジェクトに乗ってきた。

これをトルクメニスタンアフガニスタンパキスタンインドの頭文字をとって「TAPI」という。

直後、タリバン系アルカィーダがタンザニアなどの米国大使館を襲撃し数百の犠牲がでた。

クリントンは激怒し、ただちに報復としてインド洋上の米艦からトマホークミサイルを五十発、アフガニスタンのアルカィーダ軍事基地にお見舞いした。

当時、カブールタリバン政権に協力して電話工事をしていたのは、中国企業だった。不発弾トマホーク中国タリバン政府から買った。

もちろん1560キロのパイプラインプロジェクト[TAPI]はご破算になった。

▲第二幕 NATOの勝利が上海シックスを刺激した

01年9月11日、NY貿易センタービルワシントンDCのペンタゴンが、テロリストの奇襲を受けた。ブッシュ大統領はただちにアフガニスタンへの空爆準備に入り、まずはロシアを口説いた。

旧ソ連衛星圏のカザフ、ウズベク、キルギス、タジク上空を通過して爆撃機は飛んだ。

米本土からは長距離爆撃機ウクライナ上空をかすめ、NATOトルコ基地から旧ソ連イスラム国家の上空を飛んだ。

そればかりか世俗イスラム国家となったウズベキスタンキルギスンは空軍基地米軍に貸与し、タジキスタンには訓練基地パキスタンも四つの空軍基地を貸した。

この時点での図式は米軍NATOの大勝利だった。

グレートゲームの変質を知覚していなかった。表面的に米軍の装備が優れていたため、地上戦ゲリラ戦抵抗をかるく想定してしまった。

仇敵ロシアとその配下だった国々がテロ撲滅戦争に協力するという目的米軍NATOの活動を支援したことも見通しを曇らせた。

そしてアフガニスタンに米傀儡のカルザイ政権が発足し、カブールにしか統治が及ばない新生アフガニスタン誕生した。

一応は合法政権ゆえに外交権をもつ。

ユノカルは、「あの話」(TAPI)を復活した。カルザイ政権発足直後にトルクメニスタンアフガニスタンパキスタンの三カ国は、例のパイプライン敷設プロジェクトで正式に合意した。

これを不快に見ていたのは第一にイラン、第二にロシア、そして第三が中国である。

密かな反撃が準備された。

イラン中国と密かに武器輸入などを交換条件として、ガス鉱区を与え、さらには25年の長期契約でガス輸出を許可していた。イラン中国からえるものは武器と核技術である。

中国上海シックスの主導権をもつが加盟六ケ国(中ロ、カザフ、キルギス、ウズベク、タジク)にオブザーバーとして、イランインドパキスタンモンゴルを加え、あたかもNATOに対抗するかのような、東側の軍事盟主の立場を確保し始めた。

解体されたワルシャワ機構に変わるものとしてロシアは「全欧安保」を言いつのり、CIS間では個別あるいは集団的安全保障条約を結んだが、バルト三国グルジアと、そしてトルクメニスタンが加わらなかった。

プーチンはがむしゃらにロシア帝国の栄光の復活を夢見て、バルト三国ウクライナへのガス供給をとめ、グルジアには戦争を仕掛けた。

同時に欧州ロシアルート一本のガス供給ルートを多角化するためにナブッコ、ジェイハン・ルート建設を始めるや、同時に対抗して北方ルート黒海ルートを提示して欧州を揺さぶっていた。

とくにオーストラリアブルガリアドイツにはそれぞれが薔薇色のシナリオを提示し、欧州の団結をそぎ、利益誘導型で西側の分断パイプライン建設を妨害する。

 

▲第三幕 「中東金正日」=ニヤゾフ大統領の怪死

トルクメニスタン独裁者が「突如」死んだ。

トルクメニスタン砂漠の国だがイランやクエートの匹敵するほどの天然ガス埋蔵があり、いまのところ地政学的にロシア流通依存せざるを得ない。

だからこそニヤゾフ大統領はガス輸出の多角化に乗り気でアフガニスタンルートの開発が急がれた。これを“脱ロシア”化と捉えるモスクワ不愉快である。

 

ニヤゾフが突如急逝、主治医ドイツ人は前日に逃亡していた。

直後、トルクメニスタンの中立路線は変更となり、新政権はややロシア寄りに外交姿勢を修復した。

そして延々と中国へ輸出される総延長7000キロものガス・パイプライン敷設工事が始まり、TAPI・ルートへの比重は軽くなった。

いや、というよりも投げやりになった。

(所詮、アフガニスタン戦争は片付かない。パキスタンは所詮、米国にはつかない)。

つまり米国事実上の敗北が見えた。

トルクメニスタンは変心した。

イランはこの機会を待ち望んでいた。

もともと内陸部のトルクメニスタンアフガニスタンを経由して、パキスタンの港を目指すというユノカル案は、「イラン回避」ルートである。

米国イラン悪魔と呼びつつけた。

だとすればイランはガス油田から運搬ルートを南下させ、南の港へパイプラインを敷設していた。全長900キロのうち、残すところはあと250キロ。

地図凝視していただきたい。この地点からパキスタンのグァイダール港は「となり」なのである。

中国は古くから、この地政学的利点に目をつけた。

すでにパキスタンムシャラフ政権のときから、治安の悪いバルチスタン地域に中郷は労働者を運び込んで道路建設し、資材を運び、グァイダール港を近代的港湾設備を持ったものに改築してきた。

つまりイランからパキスタンの隣町へ運ばれるガスを、この地で精製し、パイプラインパキスタン西安から北東へ貫き、しかもインドへは分岐せず、この点でイラン中国パキスタンの利害は完全に一致した。

これが「IPCルートと呼ばれる。

▲第四幕 パキスタンイラン反米

パキスタンは白昼堂々の裏切りを演じた(ここで「裏切り」と穏当でない語彙を用いるのは米国契約概念からみれば、そういうニュアンスだから)。

五月下旬にパキスタンイラン契約したのだ。

中国が最終ユーザーとなり、中国パキスタンがともに天敵であるインドへは分岐しない。

パキスタン西端に位置するグァイダール港は、すでに中国資本技術をもって港湾のかたちをなしており、大々的改築(新築に近い)が進み、アラビア海に面する深海は将来、中国海軍の原潜基地になりうる。

げんに中国の六隻の軍艦アラビア海ソマリア沖の海賊退治に参加している。

パキスタンから中国への高速道路も着々と工事がすすみ、嘗てのカラコルム・ハイウエィは完成しているため、ガスの運輸ルートはこれに添ってパイプラインを敷設すれば良いのだ。

中国がこのルートに執着するのはマラッカ海峡への依存度を低減させるためで、ほかにもアンダマン沖合のガス田から(開発成功後は)ミャンマーを南北に貫くパイプライン建設して、マラッカ海峡への依存度をさらに激減させる計画がある。

中国にとっては、ユノカル買収を土壇場で拒否された米国への心理的復讐劇にもなる。

パキスタンはこのパイプライン通貨収入を年間五億ドルと想定、つまりこれをAPAI計画では、アフガニスタンがもともと受け取る予定だったのだが。

イランパキスタンとの正式調印はイラン大統領選挙の直後に盛大にテヘランで開催される(アジアタイムズ、5月27日、6月3日付け)

敗者はインドアフガニスタン米国、勝者はイランパキスタン中国

くそ笑んだのはロシア、臍を噛んだのはトルクメニスタン、そして日本はいつものように、こうしたグレートゲームの変質さえ知らず、ユウセイの人事とか、セシュウ制とか、およそ世界現実とは無縁の矮小な論議にエネルギーを費やしている。

2009-05-30

あたかもコミンテルンのごとく軍部政権少数民族ゲリラを両天秤の中国

欧米ミャンマー報道は「スーチー」偏向プリズムで目が腐乱している

アウンサン・スーチー女史だけが欧米にとってミャンマー報道の全て。

日本マスコミの取材力も解析力も貧弱だが、欧米マスコミのそれも変わりばえしない。スーチー女史が民主化シンボルというのは、盧武鉉韓国民主化シンボルだった、という嘘放送同様に悪質なデマゴギーに属する。

しかしスーチー問題はここでは論じない。詳しくは高山正之氏の『スーチー女史は善人か』(新潮社刊)を参照されたい。

ミャンマーを壟断しているのはたしかに軍人政権だが、社会構造は二重になっており、軍部より上位に仏教があり、国中いたるところパゴダばかり。敬虔なひとびと、穏和な性格農業国家倫理性が高い。それこそ欧米植民地時代の悪辣非道な統治に比べると、ミャンマー国民倫理の高さ、その潔さは比べようがないのではないか。

英国植民に狎れ、英国留学したスーチー女史には土着の思想も発想もない。東チモールグスマンのごとし。或いはパキスタンのブッド元首相のごとき。

ミャンマーを一週間旅行したことがあるが、その穏やかな人々と風景のどかさに、むしろ感動した。

さてミャンマーの北方地域から北東部にかけての山岳地帯は軍事政権も統治が及ばない無法地帯をかかえる。カチン族、カレン族、モン族が実効支配する地帯で、しかも麻薬栽培が盛ん。その無法地帯国境を接するのは?

中国です。

辺境地帯のゲリラは武装しており、独自の税金を取り立て、長年にわたって軍事政権と対峙してきた。

北東部はカチン族などの部族長らが指導権を握り、カチン民主戦線(NDA),シャン州軍(SSA),民主同盟軍(MNAA),ワ州軍(UWSA)等、反政府では同じでも、ゲリラ間の統制はとれておらず、お互いがいがみあっている。いがみ合えばあうだけ、ミャンマー軍事政権としては分断統治がやりやすい。

しかし国際的孤立にくわえ、国内政情不安民主化要求の板挟みにあって、ミャンマー軍幹部は、個別にこれらゲリラ頭目たちと会談しはじた。

年初から五月初旬にかけて密かに停戦を話し合ったが、長い戦闘による猜疑心が交錯したため交渉は難航し、結局、五月下旬になって破談におわっていたことが分かった(アジアタイムズ5月29日号)。

停戦条件は信用できない

軍が提出したのは、ゲリラ側の武装解除とひきかえに、かれら戦闘員をミャンマー政府の『軍人』として政府軍へ参入し、給与を支払うことなどが条件だった。

とくにUWSAは、中国テコ入れで対空砲、地対空ミサイル、190ミリ迫撃砲などで武装しており、軍部の出す条件はうっかり飲めないと踏んだ。

武装解除したあげく軍が急襲して殲滅させられた例を、カチン族らは見てきた。

UWSA軍は25000名。またワ州軍はカチン族の集団で武装兵士20000名を抱えると言われ、武装解除と自治が交換条件だが、やはり政府を信用しておらず、停戦交渉は決裂した。

これらの武器はどこから来たか

中国である。ワ州には中国が援助した武器工場まで存在する。

一方で、欧米が激しく非難するミャンマー軍事政権が制裁措置をもろともせずに存続する理由は最大の胴元が中国だからである。

国際的に孤立しても核武装を急ぎ、核実験を繰り返して平然としている北朝鮮も、結局は中国テコ入れをしているからだ。

中国国際社会の反対をよそに、堂々とミャンマー政府を支援してきた。

中国ミャンマー軍事政権への武器援助の交換として獲得したのは、インド洋アンダマン海沖合の無人島を二つ租借し中国海軍の観察基地としているほか、ミャンマー沖合の海底ガス油田開発権利をインドと競って獲得している。

後者は30年の長期契約である。

中国雲南省ミャンマー南方の港湾とを結ぶハイウェイ建設、山岳での発電所建設を援助し、さらに沖合からミャンマーを南北に縦断するガス輸送パイプライン中国が敷設する。

そうしてビジョンを持っていると同時に中国反政府ゲリラ組織へのテコ入れを行うのである。第一はパイプラインを安全にまもるためには山岳ゲリラとの妥協が必要であり、第二に中国が最大支援国としての発言力をバックにミャンマー軍事政権を説得できるからだ。

 

ビルマ共産党に一時期テコ入れしたのも中国だったが。。。。。

一方、中国1970年代から反政府ゲリラの肩入れしてきた。理由は彼らがビルマ共産党の流れを汲むからであり、また国境貿易の主体でもあり、麻薬の柱石地点でもある。

途中で中国ビルマ共産党の武装援助のテコ入れをやめる。理由はビルマ共産党は、とても組織的に脆弱で使い物にならないと判断したからである。

あたかもコミンテルン辛亥革命直前から清朝反政府組織テコ入れし、孫文日本から寝返らせて、周辺をソ連将校らが固め、さらに蒋介石毛沢東の双方を援助した。西安事件を命令して蒋介石毛沢東を共闘させるために国共内戦を終わらせ、抗日統一戦線を組ませた。当時の中国共産党は山岳ゲリラの類い、スターリンの命令には逆らえず、また蒋介石も息子の蒋経国モスクワ留学(という名の人質)にとられていた。

コミンテルン国民党共産党に両天秤をかけていた。

いま中国は、あたかもコミンテルンの謀略の現代版を実践するかのように、一方でミャンマー軍事政権に異常なテコ入れおこない、他方ではミャンマー反政府ゲリラ組織にもテコ入れしてきたのだ。

山岳ゲリラの跳梁に悩まされるミャンマー現地民はタイの難民キャンプへ逃れており、これは国際的な人権問題。次の難題がそこにある。

2009-03-15

キルギスの新しい独裁者=バキーエフ大統領の政敵が謎の事故

キルギスの新しい独裁者=バキーエフ大統領の政敵が謎の事故

資源鉱物リッチ、これから開発を展望される国で何が起きているか

2005年独裁者アカ―エフ大統領を追い出した“チューリップ革命”とは、いったい何だったのか?

欧米マスコミは、これを「民主化」と書いた。

期待の星といわれたバキーエフは、権力を握るや民主の顔をかなぐり捨てて、前のアカーエフ一族よりもひどい腐敗、汚職、部族重視の体質をもち、非民主政治をおこなってきた。

ビシュケクへ行くと、バキーエフ大統領の人気は低い。

メディット・サデルクロフは過去二年間、キルギス大統領府にあってバキーエフ大統領に仕えた。

モスクワへの急傾斜やビシュケク国際空港米軍使用などを烈しく批判し、09年一月に大統領府を去った。

モスクワへ行ったバキーエフ大統領が、ロシアからの23億ドル援助と引き替えにマナ空港から米軍を追い出すと宣言した直後である。

2001年9月テロ事件直後、同年12月から米軍キルギス国際空港に駐留してきた。2010年8月に撤収することになり、米軍は代替地を捜している。

つぎの事件には、こういう背景がある。

ウォールストリートジャーナルの独占インタビューに答えたサデルクロフは、「嫌がらせ脅迫日常茶飯で、死んだ人の指やら、肉片を送りつけるグループがある」と恐怖を語っていた。

次の大統領選挙に自らも立候補すると示唆した。

デルクロフは交通事故により、突然死んだ。2009年3月13日金曜日。そう、13日の金曜日イスラム圏でも何かが起きるのだ。

「この悲劇は事故である」とビシュケク大統領府は記者会見した。

疑惑は晴れなかった。

このサデルクロフとともに辞任したエルミラ・イブラヒモバ副首相は、「これは間違いなく政治暗殺だ」と言った。「ほかで殺されて、死体を移動し、交通事故に見せている」と。

キルギス中国北方にいたトルコ民族が17世紀頃までに移動してできた遊牧民国家。『突厥』や『鉄勒』の流れをくむ。

十八世紀あたりまではコーカンド・ハーン、1855年にロシアに併合され、1918年露西亜革命後は、ソビエト自治区。つまりモスクワ衛星国家となった。

1990年アカーエフが登場し、91年独立、93年にキルギスタン共和国を「キルギス」と国名変更。

そして95年、アカーエフ大統領追放劇があった。

アカーエフは学者出身。いつしか身内、部族で権力をかため、米軍基地使用は、これさいわいと基地の燃料供給サービスから付帯事業の悉くを一族が経営する企業契約させ、米軍基地使用料も私物化した。 

キルギスの北隣は資源リッチカザフスタン

こうした遊牧民的な近世首長支配統治の典型は、カザフスタンに見られる。

もともとナゼルバエフ「大統領」は、地元遊牧民が「ナゼルバエフ・カーン」と呼んでいる。

カーンは「汗」。成吉思汗(ジンスカーン)を連想すれば良い。

1991年ソ連から独立したカザフスタンは、共産党時代の書記だったナゼルバエフが、そのまま大統領に就任し、爾来18年間、この国の独裁者として国家を壟断してきた。

中国の新彊ウィグル自治区に隣接するため、鉄道繋ぎ、それを活用して中国石油を売った。

カザフスタンは、いまではガスもパイプラインを敷設して中国に売るかまえ、しかし、基本的には多くのパイプラインロシアへ繋がっているため、モスクワの顔色を窺う。

メドべージェフロシア大統領が就任後、まっさきに訪問した外国が、このカザフスタンである。

オバマ大統領が就任後、真っ先に外遊した先がカナダであるように、隣国関係の文脈で、ロシアカザフスタンという資源リッチの国を極めつきで重視している。

ウランが第一のねらい目。いずれウランカルテルを形成し、原発ブームにわく西側や中国を牽制する思惑が露骨である。

かくて中央アジアイスラム圏の政治暗闘はきょうもまた。

2009-03-10

ロシア資源戦略に予期せぬ躓き

ウズベキスタンキルギスもふたたびモスクワの家来の道を選んだが。。。

ペトロエコノミー

2009年二月現在、ガスの国際価格は1000立方メートルにつき400ドル強。

ウクライナに圧力をかけたロシアは十八日間にわたってパイプラインを止めガス供与を中断したが、1月18日に360ドルで合意した。

ところでロシアの仕入れ価格は? 

ガスは生産価格が謎なので、流通情報の一部から推定すると、おそらく1000立方メートルにつき300ドルだろう。

1月23日、メドべージェフ大統領タシュケントに飛んで、カリモフ・ウズベキスタン大統領と会談している。

この結果、ウズベキスタンのガスは全部がロシアに輸出されている。「全部」である。

地政学的に海への出口もなく、カザフスタン露西亜に挟まれた格好のウズベキスタンとしては他に手がない。とはいえ全てをロシア任せ、つまりロシアの完全な価格統制下にはいったという事態を意味するのだ。

08年の購買価格は160ドル、09年の価格は305ドルで合意、ウズベキスタン価格トルクメニスタンのガスを独占しているロシアの思惑よりちょっと高い程度と専門家は見る。

三年前の06年1月1日にもロシアは突如、ウクライナへのガス供給を中断し、値上げ交渉武器とした。

09年1月にもおなじ暴挙を演じ、18日間、ロシアはガス供給を止めてウクライナを締め上げたことは述べたが、ウクライナから先へ伸びるパイプライン供給するEU国分が激減し、EU諸国が悲鳴をあげた。「プーチンはガス供給の中断を政治的な武器として脅した」と。

プーチンの人気に大きな影

欧米経済危機が深化する中で、ロシアの思惑だったガス価格値上げはうまく機能せず、どちらかといえば中途半端に、今回の恐喝騒ぎは中断した。

「まったく商売の下手な実りなき闘争」という批判がロシア国内にも沸き起こる。

ロシア経済は好況から暗転、目も当てられない惨状となっている。

第一に「ペトロエコノミー」と別名されるロシア経済で、GDPの大部分をしめる石油とガスの収入が激減したため財政赤字がGDPの5%に達した。

第二に09年に支払いを迎える対外債務合計は1600億ドル。外貨準備は4000億ドルと言っても08年には、このうちの1300億ドルが海外へ流失し、さらに09年1月第二週だけでも外貨準備から303億ドルが減っている。

第三に経済見通しの暗さ。

09年のロシアGDP成長率は2・4%に落ちるだろう。反面、消費者物価は13%値上がり予測だ。

為替レートは一ドル=24ルーブルが、36に落下。50%もの通貨下落となれば輸入物資の価格が暴騰するだろう。

そこへもってきて中国露西亜の間を結ぶ石油パイプライン建設世界不況原油価格暴落の影響をもろにうけて暗礁に乗り上げたようだ。

シベリア資源を延々とパイプラインを敷設して、最初は分岐ポイントから中国の大慶を運ぶという計画。その次にパイプラインをさらに延々と敷設しナホトカまで運んで日本向けとするという世紀のプロジェクトが挫折する危機を迎えたのだ。

▲当初見積もりの十倍以上

SPO(東シベリア太平洋石油パイプラインプロジェクトだが、当初の見積もりより十二倍のコストがかかるらしい。事業主体「トランスネフツ」社のニコライ・トカレフ会長によれば総予算122億ドル(当初見積もりは10億ドルだった)。

第一期工事のスコボロディロから中国の大慶区間は3億ドル。タラカンタイシット間1100キロの工事は、すでに83%が完成した。

しかし83%完成という数字はパイプライン敷設だけ、ポンプ拠点は65%しか完成しておらず、難工事区間に至っては27%しか工事が終わっていない。

この区間が完成すれば年間3000万トンが中国向けに輸出される手はずだった。

第二期工事区間はタイシット~フコボロディロで2009年末の完成を目指す。これが出来ると年間8000万トン。

ところが専門筋の見通しによれば2020年までにせいぜい年間5000万トン、その裡の2500万トンがESPOに供給され、残りはロシア側へ運ばれるという。

あまつさえ東シベリアに眠るとされる無尽蔵の資源は、当初予測を大幅に下回り、このプロジェクトコストに見合わないと露骨に反対するロシア側の学者も出てきた(欧米メジャーが逃げたのは、これが理由だった)。

さらにややこしいのは中国側の事業主体「ペトロチャイナ」社とロシア側事業主体「トランスネフツ」との最終的詰めが成立せず、最終価格、信用枠とくに利子の支払い、中国側の建設契約を誰にするかなどの問題で、依然として話し合いはもつれ、紛糾を続けている。雲行きはじつに怪しくなっているのだ。

2009-02-20

中国資源買い漁り。

 リオティントに195億ドル(約1兆8000億円)、倒産寸前のOZミネラルズに26億豪ドル(約1500億円)、という民間会社投資を行うという話が流れてきた。どちらも、経済原則から見れば非常識なディールであり、何が起きているのかと様子をうかがっていたら、ロシアに250億ドル(2兆3000億円)を融資して、見返りに毎年原油1500万トン(比重0.9とすると日量28万バレル)を20年間で返済とか、ベネズエラから、支払った金額は不明であるが、原油日量100万バレルを200年分確保という話が流れてきた。

 中国は、手持ちの外貨資産を、全部資源に切り替えるつもりらしい。貿易黒字を持っていても、アメリカ欧州から赤字の元凶として叩かれるだけだと見て、現金資産を他国に押し付けて、物を手に入れる事にしたようである。

 ロシアからパイプラインで引っ張る原油については、トン当り83ドル33セント、バレル単価は12ドルぐらいになるので、中国国境まで運んでくれる分と、重質成分と硫黄が多い事と、世界的な低金利が20年間続くという見込みであれば、ぎりぎりの値段と言える。しかし、ベネズエラ原油は、リオティントやOZミネラルズと同様、経済合理性に欠けている。

 中国からパナマ経由でベネズエラカラカスまでは19000Kmぐらいある。時速26Kmで730時間、つまり、30日間かかる。しかも、パナマ運河は最大でも50万バレルクラスタンカーしか通れないので、日量100万バレルだと、2隻必要になる。往復で60日間に、荷物の積み下ろしにそれぞれ1日かけるとして、62日間、2隻必要なので124隻以上のフリートオペレーションすることになる。

 ちなみに、日本中東の間は片道21日間で、200万バレル程度を積めるVLCCを一日二便(日量400万バレル)使っているので、日本全体でフリートの規模は90隻前後となっている。

 日本の4分の1の量を3倍の時間をかけ、しかも、4分の1のサイズのタンカーで運ぶということで、経済合理性が無い。

 そうまでして、貿易黒字を無くしたいのであろうか。これらの非合理なディールの結果、中国の黒字が資源国の黒字に変わるという効果だけは実際に発生するし、それらの資源国に中国産品を売り付ける事も可能になるが、ようは、それだけ米ドルが過剰に存在しているということでしかない。

 この過剰なお金をなんとかしなきゃならないのだが、どの国も、対策と言えばばら撒きしか出てこない、アメリカ購買力をあてにした輸出商売に染まりきってしまっていて、米ドルに対して安い通貨を維持しようと、通貨が過剰なのに、さらに過剰にしようという話しか出てこないのである。

 景気回復の為には、地下資源国の購買力をあてにしなければならず、その為には、価値観を輸出して消費習慣を植え付けなければならない。宗教独裁政権によって消費者となる一般大衆存在しない国家を、大衆消費国家に切り替えなければ、いつまでたっても景気は回復しない。

2009-02-12

http://anond.hatelabo.jp/20090212011918

山田昌弘って「希望格差社会」の筆者だろ。

だから人選としては悪くないんじゃねえの。

山田が指摘した通り、明治時代から続いてきた

教育機関会社というパイプラインが徐々に崩壊しつつあり、

経済的な意味での安定が得にくい社会になってきている。

これが若者の感じてる閉塞感なんじゃないか、という話は

俺は一定の説得力があると思うし、結婚できないのも同じ話だろう。

つーか、そういう話をするために呼ばれたんじゃねえの?

婚活がどうこうって何の話よ?アホなの?

2009-02-11

アフガニスタン麻薬汚職による「カルザイ汚泥」

  米国はカルザイ大統領排除に密かに動き出した様子

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 アフガニスタン攻略の当初、米国が引っ張り出してきたのがカルザイだった。

国連大使アフガニスタン外務次官の顔を持つカルザイは、民族衣装をまとい、米国の代理人のごとく、或いは自由民主の使者、大げさに言えば“希望の星”として世界政治に登場した。

 カルザイをこの日のために育ててきたのはCIA筋と言って良いかもしれない。

 米国事実上亡命時代、カルザイはカリフォルニアメジャーユノカル」の顧問として食いつなぎ、しかもユノカルは当時、トルクメニスタンのガスをアフガニスタンを経由してパキスタンの港までパイプラインを敷設するプロジェクトを進めていた。

カルザイ政権誕生するや、このプロジェクトはすぐに成立、参加国の署名式をすませた。

そして、この1580キロのガス運搬ルートに着目し、ユノカルへの買収をかけたのが中国CNOOC中国海洋石油)だった。

ブッシュ政権はCNOOCによるユノカル買収を回避させるため、コノコと合併させた。

しかし、ブッシュ大統領が簡単に制圧できると考えたアフガニスタンは泥沼だった。

嘗て英軍はアフガン征伐に向い、殲滅され、ロシアアフガンで失敗した。アフガニスタンは強悍な部族が伝統的に収めてきた土地である。

アルカィーダをテロリストと決めつけた米軍911直後から大規模な空爆

米軍制空権の下で北部同盟マスード派)とウズベキスタンに逃げていた部族(ドスタム将軍)との連合タリバンを南へ追いやった。

イラン寄りのヘクマチアルは下野した。

そしてカルザイ政権が成立し、まがりなりの七年間が経過した。

▲カルザイ政権の腐敗は目を覆いたくなる

「より良い状況が、カルザイ治世下で、単に「よい」だけの状態となり、それがやや悪くなり、より悪くなり、いまや最悪の状況が現出した」(アブドラ元外相)。

NATO米軍は数万の軍隊を投入したが、タリバンは逆に勢力を回復した。連合軍はかろうじてカブールの治安を掌握しているに過ぎず、西側の援助は、いったい何処へ消えたのか?

麻薬は撲滅されず、アフガン政府軍は弱体、警察は役に立たず、そしてカルザイ政権の腐敗は目に余るようになった。

バイデン上院議員(現副大統領)は昨年、カブールを訪問した際に大統領官邸大理石を敷き詰めた宮殿のようなダイニングルームに招かれ、ほかの二人の米国上院議員らと食事を執った。

バイデンは「汚職はなんとかならないのか」とカルザイを問い詰めた。カルザイは答えた。

「我が国に汚職はない。政治家は皆、清廉である」。

バイデンら三人の上院議員ナプキンを投げすて「食事会は終わった」と45分で席を蹴った。爾来、この政治家のカルザイへの不信感、不快感は根強く、これはヒラリーに伝播している。

ヒラリーはいまや国務長官。「あの国は麻薬に汚染されている」と発言している。

オバマ大統領も「カルザイは信頼出来ないし、かれのやっている統治は効果をあげていない」と発言している(この三人の発言はIHI,3月10日付け)。

カルザイは、しかし「米国傀儡」を離れて独自の道を歩もうとしているのではないのか。

どの国にも独立自尊精神はあるだろう。あれほど米国傀儡として登場し、西側をこまめに回ってカネをかき集めながら、カブールの治安もままならない境遇に陥れたのも、カルザイの無能によるものではあるが、カルザイ一人の責任ではなく、これはたぶんアフガニスタンの民が内包する長老支配という「伝統」の所為ではないか。

カルザイの任期は五月まで。もちろんカルザイは再選を目指し選挙準備に余念がない。

アブドラ元外相とアシュラフ・ガニ元財務相5月20日大統領選挙に対抗馬として立候補する。

▲「デモクラシー」とは投票箱主義のこと

デモクラシー」なるものはイスラム世界では適応が難しい。その通用しにくいシステムを維持し、それが民主化だというポーズを維持して西側の援助をさらに期待する。それ以外、この国におけるまつりごとは成立しまい。

だからオバマ政権ブッシュとの違いを見せるため、ブッシュが肩入れしすぎたカルザイを、[CHANGE]しようとたくらんでいるわけである。

ウィリアムウッズカブール米国大使は言う。

「カルザイ政権はよくやっている。タリバン政権下ではふたつしかなかった大学が17に増え、600万の子供学校へ通い、女性学校へ行けるようになり、当時なかった軍と警察をカルザイ政権は保持している。」

だが、首都カブールを離れると、アフガニスタンは「タリバニスタン」である。

 オバマ政権アフガニスタンへ三万二千の増派を予定している。

 嘗てバングラデシュ独立戦争で、突如「英雄」として登場したラーマン大統領は直後から一族の腐敗が絶えず、一年か貳年後に、暗殺された。

 なぜかカルザイの不評を聞いて、そのことを思いだした。

2009-02-05

カザフスタンの「ロシア離れ・米国接近」はモスクワを深刻に苛立たせている

カザフスタンの「ロシア離れ・米国接近」はモスクワを深刻に苛立たせている

 カザフスタン将校は毎年米国軍へ留学沿岸警備隊米国ノウハウを習得

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 カザフスタン石油と瓦斯に恵まれ、その豊かな資源外交武器としてきた。

 第一は地政学的に中国に隣接しているため、90年にアスタナと新彊ウィグルとの間の鉄道輸送を開始し、中国という新しい顧客を得た。

 中国は膨大な石油カザフスタンからも輸入した。

 第二にカザフスタンロシアへ従来通り、既存のパイプラインを通じて石油と瓦斯を輸出するが、ウズベキスタントルクメニスタンなどと異なり、ロシア以外の顧客を抱えるため、ロシアからの一方的な価格決めには反発できる立場を得た。

 この資源外交を主導した独裁者=ナザルバエフ大統領のしたたかさは特筆しても良い。

 第三の強みはウランである。

 日本ですらカザフスタン通いを始め、長期的なウラン獲得のために、同国の原発建設にも日本は援助の手をさしのべる。

 さて米国中央アジアで枢要なカザフスタンを「戦略的」に重要視して、巧みな外向的接近をはかってきた。

カザフスタン米国大使館には駐在武官。とくにカザフ軍将校を毎年30名の枠で米国へ「留学」させてきた。09年度は予算縮小の関係で20-25名規模になるが、くわえてカザフ沿岸警備隊KNB)の防衛ノウハウ米国沿岸警備隊が教練してきた。

 ウズベキスタン米軍基地撤去に続き、キルギス米軍基地契約終了の危機を迎えて米国は、このカザフスタンへのテコ入れを強化する模様である。

 手始めに「アフガニスタンへの米軍32000名増派にともなって、非軍事物資(テント、食料、医薬品)をカザフスタンで買い付け、運搬するロジェスティック拠点にする」(『カザフスタンディリー』、09年1月28日)。

 ロシアがジリジリと苛立っていることが手に取るように分かる。

 キルギスマナ米軍基地の閉鎖を通告、在ビシュケク米国大使館は「知らない」

 キルギスマナ米軍基地の閉鎖を通告、在ビシュケク米国大使館は「知らない」

 バキーエフ大統領モスクワ記者会見オバマ政権に強烈なブロー

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 キルギス大統領ロシアの圧力(?というより取引条件)に負けて、首都ビシュケクマナ空港に駐屯している米軍基地の撤去を決定したとモスクワ発表した(2月4日)。

 『モスクワ記者会見』での発表がミソで、クレムリン向けのパフォーマンスの可能性もあり、まずキルギス国会承認が必要だが。。。。

 この基地には大型輸送機などが駐機、米軍は2000人規模。

 米軍はこの基地の「家賃」として毎年1億5000万ドルをキルギス政府に支払い、さらに過去五年間でおよそ8億5000万ドルを教育振興、インフラ整備、雇用機会増大などを目的に援助してきた。

 むろん「独立国」としての矜恃を示すためにもキルギス国内には反米ナショナリズムがあり、基地継続使用に反対する勢力があった。それらは微々たる政治勢力で、そもそもキルギスの民は遊牧民が多く政治的無関心エリート海外へ出稼ぎに行く。

 バキーエフ大統領は、ロシアから20億ドルの援助と引き替えたのだ、という情報が飛び交かい、AFPがただちに在キルギス米国大使館に確かめたところ「何も聞いていない」と回答があった。

 『ユーラシア・ディリー・モニター』(2月5日号)によれば、モスクワがバキーエフのクレムリン訪問で提示したのは水力発電建設プロジェクト(ただしロシアとの合弁)に17億ドルの拠出という魅力ある条件だった。

これは2005年にプーチン大統領(当時)がビシュケクを訪問した際に約束した総合20億ドル援助のなかに含まれる。

 ついでバキーエフを魅惑したのは次のキルギス大統領選挙へのロシア支援キルギスマスコミロシア統制、+選挙資金)である。

 さらにキルギスからロシアへの出稼ぎ労働者は60万人。おそらく後者も死活的条件。なぜならロシアグルジアアゼルバイジャンと対立すると、出稼ぎ労働者を追い出すからだ。

キルギスは国内的に失業者だらけであり、追い出されると政情不安にも繋がる。

 ▲米軍基地を失えばアフガン作戦に戦略的障害となる

 もしキルギスが正式に米軍の撤退を要求する挙にでたとすれば、オバマ政権にとっては強烈なブローとなる(キルギス国会承認が必要なので米国の再交渉はありうる)。

なぜなら米国アフガニスタンへの増派を決めたばかり、すでに二年前にウズベキスタン空軍基地から撤去をさせられ、中央アジア最後の拠点だったビシュケク飛行場を喪えば、米軍アフガニスタン攻略計画に大きな支障がでるからだ。

 筆者はおととしキルギスの、この拠点のマナ飛行場を取材している。

 http://miyazaki.xii.jp/tyosya-kinkyou/index.html

 (このHP、2頁目の中段に写真があります ↑)

 米軍が借用しているマナ基地から僅か30キロの地点にはロシア駐留軍が陣取り、キルギス宗主国然として、米軍を監視している、不思議な構図が、ビシュケクでは展開されてきた。

   

 今回、唐突なキルギス米国離れの印象があるが、じつは舞台裏で進んでいたのはロシア資本によるキルギスメディア支配で、過去三年ほどに、このロシア統制下にあるキルギスメディアが何を報じたか。

 まず米軍基地では麻薬取引が行われ、さらに核兵器を隠匿しており、アフガンの次にイラン攻撃の拠点となる云々という作り話、うわさ話を広めてきたのだ。

 07年12月には米軍軍属が、キルギス人のトラック運転手をひき殺す事件が発生し、どこかの国の反米闘争が往々にして、こうした事件を政治利用するように、背後に反米運動組織化がなされていた。

 つい一週間前、メドべージェフタシュケントを訪問し、ウズベキスタンのガス全量をロシアが購入するという独占契約に調印した。

 ウクライナベラルーシへのパイプラインを締めあげて瓦斯代金を値上げし、いずれウクライナ東半分とベラルーシとの合邦を考えているロシアは、中央アジアの嘗ての属国群を巧妙に老獪な手段を繰り出して、いままた隷属化させようとしている。

 プーチンはすでにトルクメニスタンの瓦斯利権を抑え、今度はウズベキスタンの瓦斯の全量を抑え、アフガンに隣接するタジキスタンには軍事援助、そのうえで、勇躍、キルギスを囲んだのだ。

これでクレムリンに全面降伏せずに独自資源外交を展開するのはカザフスタンのみとなったのである。

2008-10-24

http://anond.hatelabo.jp/20081024001514

そうそう、附属組でノートとか資料のパイプラインができてるから

授業に出ずとも単位はきちんとかっさらっていくよ

2008-09-30

ゲーム機の性能に関する誤解というか

一部では某携帯ゲーム機の新型が出るかも知れないという噂で持ちきりのようだが、ゲーム機の性能/機能には同一世代中に向上/追加可能なものそうでないものがあるという事をきちんと理解したうえで発言してる人って意外と少ないな。自分とこ(のブログコミュニティ)でも、非現実的な「性能アップ」をガチで発言してる人がいるようで対応に困る。そういう事を並べるのもネタとしてありだと思うけど、それを真面目な要望と同列に扱われる事を期待されても、ねえ?

それとなく指摘しても「それでも、○○(ゲーム機メーカー)ならやってくれると信じたい!」と思考停止しちゃって、案の定後日その目論見が外れると「もう○○は信用出来ない!」とか言い出しちゃうもんだから始末が悪いったらありゃしない。


その手の「逆ギレ」で一番多いのがPS3で、現在PS2ソフトが動かない(初代PSソフトは動く)40GB版しか実質手に入らないのだが、これに対して「いずれファームウェアアップデートされてPS2の互換性が復活する」と、本気で信じてる人が未だに絶えないのは本当に厄介。元凶はGIGAZINEこのエントリーなんだろうけどね。

ソニー、新型PS3PS2との互換性を搭載する意向

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080117_ps3_ps2/

以前GIGAZINEPS2と互換性のあった初代PS3(20GB、60GBモデル)の国内出荷が終了し、互換性のない新型PS3に一本化されることをお伝えしましたが、ソニーが新型PS3に対して、PS2との互換性を搭載する意向であることが明らかになりました。

このページによると、ソニーPS3および次世代システムにおいて、初代PSPS2PS3PSP対象としたエミュレーターの開発ができるエンジニアを募集しているそうです。

引用文の前者後者が、一見すると関係ありそうで実際は無関係なところがそもそもの最大の問題点なんだよな。

具体的に言えば、根拠となっているSCEの募集要項は昨年5月から存在していたというのがまず一つ。40GBの発売は募集開始した半年後の11月なので、当然ながらリンク先には「40GB」の語句はどこにもない

上記の事情とこの文章から「40GBにもPS2互換が復活する」という推測を導き出すには相当にアクロバティックな思考を経なければならないのは明らかだ。

40GBが発売される半年前にこういう募集をしているページを、40GBが発売された3ヶ月後に取り上げて「新型PS3(40GBだと誤解を招く表現をとりつつ断定していないあたりが姑息だな)にPS2との互換性を搭載する意向」と書いてあるんだから、このエントリーには何か別の意図があるのではないかと勘ぐりたくなってくる。

さらに(リンクを踏めば分かるが)、現在はその募集要項のページが既に削除されている事が二つ目ポイント。さらに三つ目は、40GBの発売直前に、SCE欧州が公式に「40GBへのPS2互換性の搭載予定は無し」と発表している事

プレイステーション3PS2ソフトエミュレーションは困難、提供予定なし

http://japanese.engadget.com/2007/10/08/40gb-playstation3-cannot-handle-bc/

SCEE広報ディレクターNick Sharples氏によれば、新PS3PS2互換に必要なハードウェアを搭載しておらず、またソフトウェアエミュレーションによる互換も著しく困難であるため提供する予定はないとのこと。

さらに言えば、PS3部品構成だけでPS2を再現する事の難しさは既に各所で様々な考察がされている。分かり易いところではここなど。

monta@site » PS2エミュの難しさ

http://monta.moe.in/wp/2008/01-17/23-59_331/

もう解りますね?PS3では48GB/secの速度が出せず、PS2グラフィックス処理が追いつかないのですよ。。

つまりエミュレートしても遅延が発生してしまうわけです。GSとeDRAM間の帯域をフルに使っていない簡単なゲームならリアルスピードエミュ可能なのでしょうが、末期のPS2スペックを余すことなく使い切ったソフト群はエミュ不可能でしょう。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0314/kaigai344.htm

業界関係者によるとGSを残す理由は、GSPS3チップセットエミュレートできないためだという。GSが、超広帯域かつ低レイテンシのeDRAM 4MBの搭載を前提としたパイプラインになっているからだ。GSの特殊なアーキテクチャは、同じGPUでも、PS3GPU「RSX(Reality Synthesizer)」はメモリは外付けを前提としたPCグラフィックス型のパイプラインなので置き換えることができない。

引用者註:「GS」とはPS2グラフィック部分を担当するチップ。でもって、40GBには「GS」が搭載されていない。


こういった情報が揃っている事を示しても、それでもなおろくな根拠もなく「40GBにPS2互換が復活する」を諦めない人達が居るんですな。このレベルになるとまさに「狂信者」そのもの。新興宗教にハマる人達を全く笑えない。

時系列で並べればこうなる。

  1. 2007年05月18日 SCEJが「PS3および次世代システムにおいて、初代PSPS2PS3PSP対象としたエミュレーターの開発ができるエンジニアを募集」という要項を掲載
  2. 2007年10月08日 SCE欧州広報担当者が「40GBのPS2互換搭載の予定は無い」と回答したというエントリーをEngadget Japanがアップ
  3. 2007年11月11日 40GBのPS3発売
  4. 2008年01月17日 (1)を根拠にGIGAZINEが「新型PS3PS2互換性搭載する」というエントリーをアップ

ここまで見渡せば、GIGAZINEの該当エントリーがいかにいい加減であるかが明らかなはずなのだが…。


これはあくまでも、PS3に関する、いくつもある誤解のうちのたった一つに過ぎない。他のゲーム機に関してもデマの質、量ともにPS3と大差は無い。こういった誤解の淘汰を積み重ねていく事こそがゲームブログコミュニティに求められる役割の一つだと思っているんだが、なかなかうまくいかないもんだなあ。

2008-08-28

ガス業界が人気のようなので、ちょっとした小話を。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080827_osaka_gas_service/

http://anond.hatelabo.jp/20080828082341

ガスを取り扱う会社ゴマンとありますが、その生い立ちを知る人は少ないでしょう。ガス関連の会社って、なんだか電力会社とか電話会社とか社会インフラを担っているような感じでちょっと立派な会社に思っている人って多いんじゃないかと思いますが、現実はちょっと違う事もあるよ。という話。

もちろん、新潟から東京までパイプラインをもっているような本当に立派な会社新潟中越地震や、柏崎原発が止まった地震の時ですら供給は止まらなかった)は別ですけどね。

ガスを取り扱う会社の約半分は、元焚き木屋さんです。薪とか練炭とか取り扱っていたような所。ガスが普及し始めの頃、燃料ですから当然、取り扱いを始めたのです。

しかし、ガスが普及し始めた頃は、ガス中毒やガス爆発などの噂が後を立たず、地域住民の安全の為に、安全が確認されるまでは、ガスは危ないから取り扱わないと決めた焚き木屋さんが結構、多かったのです。焚き木屋が取り扱わないので、街のどちらかというとちょっとうさんくさい系統の商売をやっている人達がガスを取り扱いをしていました。

どうやらガスは別に危なくないと思われ始めた頃には、うさんくさい系の商売の人達シェアを広げまくっていたのと、縄張りを守ると言うような意識があり、後から市場に参入した焚き木屋風情ではかないませんでした。いつしかガス業界はぐんぐん勢力を伸ばし、焚き木屋なんぞは虫の息です。練炭自殺イメージすら付いて、もうオシマイです。

この話は、実は祖父のグチです。祖父は村で一番の焚き木屋でした。ちょっとしたお金持ちだったらしく、村議会議員になるほどの村の名士的な人間でした。祖父の娘(私の母)は、お嬢様としてモテていたとか。しかしガスが来てからおかしくなってしまった。祖父は当時、全国練炭組合とか全国焚き木組合(名称不明)の人達情報交換をしあっていたようですが、やはり新しいモノへの恐怖というか、爆発がヤバイからガスには手を出すなというような意見が多かったそうです。そうやっているうちにガスに負けてしまったとか。

祖父は今でも焚き木屋です。地元で取れる海産物を燻している会社に墨や練炭を売っています。これが結構、ウマイ。祖父曰く、これはガスでは出せない味だと言っていました。あまり儲かってはいないようですが、ガスへの対抗心はまだあるようです。

私の母もガスには良い思い出が無いようです。なんせお嬢様として育てられていたのに、商売が傾いてしまって、自宅を切り売りしていくハメになったからです。世間が、ガスに移行し始めたら一気に薪や練炭が売れなくなりましたからね。育ちが良かった母が就職して苦労した話を何度も聞かされました。余談ですが、お嬢様気分はとっくに抜けている母ですが、実家に戻ると、同級生がお嬢様扱いしてくれるのでとても嬉しいそうです。私も何度か母が降りる車のドアを先回りして開けたがるジイさんを見ました。

ここで私がガスに対抗しているオール電化関連の仕事でもしていればちょっとしたオチが付くところですが、全然関係ありませんw

ガスにまつわる話を聞くと祖父が熱く語る姿を思い浮かべます。きっとどこかに同じように熱くなっている人がいるんだと思います。練炭や薪の全国組合はどこにいったのでしょうか。当時、インターネットが普及していたらどうなっていたかなあ。母もお嬢様でいられただろうか。あーでも、そうだったら自分が生まれていないかっただろうから、むしろ良かったか。

2008-07-31

もう旧帝大連中国家公務員II種くらいまでは優遇してやれ

そもそも旧帝大だから優遇されるべきっていうフェーズでもないんだが、

まあどうしてもパイプライン保証をしたいのならそれくらいしてやったら? と思う。

きっと小役人風情がってんで反感買って国が立ちゆかなくなると思うけど。

2008-03-04

http://anond.hatelabo.jp/20080303234519

やっぱりpolipoはあくまでもプロ騎士なだけに、

初めて閲覧するページではオーバーヘッドが目立つだけなのかな。

パイプライン処理とかは普通火狐でもやってるしね。

2007-11-21

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20071121/p2

リンク先では管理職をボロカス言っていて、わからないでもないが、じゃぁIT系の反骨プログラマって何するのよとも思う。

技術者出世ってのは昔からの課題で、できる技術者には金をたくさん払って繋ぎ止め、質の高い仕事をさせつつ、同じような仕事ができる後進を育てさせなければならない。しかし、典型的な日本企業では昇給は昇進と結びついており、昇進は管理と結びついている。よい技術者とよい管理職の相関は0だから、嫌になって辞める技術者はたくさんいた。ただ、この問題を語るときに気をつけるべきは、味噌くそ一緒になってしまうこと。業界全体の雇用問題と、「できる技術者」の雇用問題は違う。

リンク先はその辺をごっちゃにしていると思う。厳しい言い方だが、できる技術者でかつ特別扱いされるべき人と、十把一絡げにされても仕方のない人の人口差は大きい。だから、一般論から前者が落ちていても仕方がない。多くの人は自分が前者であるという「仮定」((本人は前提というだろう))の下に一般論批判をするが、それはたいていの人には当てはまらない。

話は変わる。

たぶん増田の大まかな年齢で言うと、俺はおっさんの部類。で、その俺が入社したころおっさんだった人たちがいまでもバリバリやってるのが組み込み業界ソフトウエア無線あり、人工衛星システムあり、と独立系のおっさんたちのバイタリティはすさまじい。一方で、大企業に入社した若い連中はろくすっぽコードもかけないうちから外注管理なんかやらされて、百戦錬磨のおっさんたちと中国の海のものとも山のものとも着かぬ連中を1000行いくらで計ってる。

組み込みでもコーディングしている若い連中はいるが、大企業だと携帯電話開発みたいに仕事の山がパイプライン化してるところが多いかな。電子工学関係技術をやるなら中堅どころのメーカーは狙い目だと思う。会社技術が蓄積しているし、年中デスマーチってわけじゃないし、外注率が低いし、比較的仕事のローテンションも幅広い。何より、会ってみて実力の高いエンジニアが多いのはそういったところ。小企業もすごいが、大企業奴隷として押しつぶされる運命から逃げるのは難しいと思う。

大企業技術力の高い人ってのは、キーマンでもあまりいない。

そういうわけで、腕に地震のあるやつは組み込みにおいでよ。おもしろいぜ。

2007-05-24

実務向けなのか知識欲を満たしてるだけなのか

http://anond.hatelabo.jp/20070524111812

うちとこが良い情報工学科なのか悪い奴なのかは判らんが、

情報数学(っていうのかな?)が結構な部分を占めてたと思う。

微積代数学の基本的なところから

計算機における数値表現の方法、それによる誤差や精度保証の仕方。

離散数学とか統計とか諸々、プログラムを組む上で

必要になってきそうな部分を一通りかじってた。

レベルな部分だとフリップフロップ論理ゲートの仕組みから始まって

パイプラインCPUの仕組みを網羅して

クロックずつ手で書きながら追ってみる、っていうのが面白かった。

その後アセンブラ、C、Javaなんかを順次やっていってたから

http://anond.hatelabo.jp/20070524004238

その後に集積回路の使い方を覚えるんだ。単に電子回路を集めてモジュール化しただけのものだから簡単なはずだ。

そうしたらCPUの作り方がわかってくる。CPUを動かすには機械語が必要だけど、どうして機械語CPUが動くかがわかるはず。

そこまでいったらあとはアセンブラC言語Javaとだんだん高レベルな世界に行けばいい。

これを地で行ってるのかもしれないね。

本当に最初のところ、「0と1で何でコンピュータが動けるの?」「プログラムってどういう仕組みなの?」っていう疑問を

持ってた自分としては凄くマッチした学習方法だったと思う。

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