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カザフスタンの「ロシア離れ・米国接近」はモスクワを深刻に苛立たせている
カザフスタン軍将校は毎年米国軍へ留学、沿岸警備隊は米国のノウハウを習得
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カザフスタンは石油と瓦斯に恵まれ、その豊かな資源を外交の武器としてきた。
第一は地政学的に中国に隣接しているため、90年にアスタナと新彊ウィグルとの間の鉄道輸送を開始し、中国という新しい顧客を得た。
第二にカザフスタンはロシアへ従来通り、既存のパイプラインを通じて石油と瓦斯を輸出するが、ウズベキスタンやトルクメニスタンなどと異なり、ロシア以外の顧客を抱えるため、ロシアからの一方的な価格決めには反発できる立場を得た。
この資源外交を主導した独裁者=ナザルバエフ大統領のしたたかさは特筆しても良い。
第三の強みはウランである。
日本ですらカザフスタン通いを始め、長期的なウラン獲得のために、同国の原発建設にも日本は援助の手をさしのべる。
さて米国は中央アジアで枢要なカザフスタンを「戦略的」に重要視して、巧みな外向的接近をはかってきた。
在カザフスタン米国大使館には駐在武官。とくにカザフ軍将校を毎年30名の枠で米国へ「留学」させてきた。09年度は予算縮小の関係で20-25名規模になるが、くわえてカザフ沿岸警備隊(KNB)の防衛ノウハウを米国の沿岸警備隊が教練してきた。
ウズベキスタンの米軍基地撤去に続き、キルギスの米軍基地契約終了の危機を迎えて米国は、このカザフスタンへのテコ入れを強化する模様である。
手始めに「アフガニスタンへの米軍32000名増派にともなって、非軍事物資(テント、食料、医薬品)をカザフスタンで買い付け、運搬するロジェスティック拠点にする」(『カザフスタンディリー』、09年1月28日)。
ロシアがジリジリと苛立っていることが手に取るように分かる。