2023-01-31

貧乏人、家を買う

タイトル通り。

大袈裟でも何でも無い、我が家は本物の貧乏家族である

子供が5人以上、10人未満。

加えて私ら親はオッサンとオバハン。

唯一の救いは、お互いに安定した収入がある事。

だが、その額は決して高くは無い…。

食べ盛りの子供達の食費や習い事

生活費、夫のお小遣い

これに家賃光熱費を払うとなれば、

残るのは微々たる物しか無い。

給料日当日、払うものを分けて薄っぺらくなった自分給与封筒を持った夫が言った。

「…俺は支払いの為に働いているのかもしれない…」

それでも、楽しみながら節約レシピを参考にしては、新しい物に挑戦してみたりする。

もやしあんかけが美味しいって!

作ったげようか?!もやしは安いし!」

そんな私に長女は穏やかに

いいね、美味しそうだね」と答えてくれる。

そこに縦にも横にも急成長している男子が返答する。

「んじゃ、オレは肉」

………もやし下りを一蹴される。

男って………いつか結婚した時、嫁にシバかれるであろう。

だが、確かにもやしだけでは栄養がと考えさせられ、仕方なく肉を自分以外の家族全員分を買いにスーパーへ走るのである

そんな毎日に、金を貯めるなんて余裕は本当に無かった。

この十数年の間に受験やら入学卒業、そんなイベントの度に幾ばくかの貯金も底をつくことを繰り返して来た。

からタイトルにある家を買うなんて事は、夢のまた夢であり、憧れでしか無かったのだ。

それに、オンボロ貸家で暮らすこの日々は、不便もあったがそんなに悪く無かった。

近所の人に恵まれた事や、小さいながらも庭がある事。

薄すぎる壁のおかげで外の音もよく聞こえる。

夫の車の音もしっかりと聞こえたし、子供達の登校時の笑い声や、帰宅途中の元気な足音、すずめの鳴き声、行き交う人々の何気ない雑談

嫌う人も多いかもしれないが、私には心地良い日常だった。

私の住む地域は降雪量がそれなりにある場所で、冬はどうしたって厳しい。

何よりもしんどいのは夜、眠りにつこうとする時だ。

家族全員が眠りについてから家事を終えた私は下の子の布団に入る。

この時点で寒過ぎる。

ストーブはついているのに、冷気がものすごい勢いで入ってくる。

そっと下の子の頬に手を当てると、もう冷え冷えになっている。

生きてるよね?!のレベルで、腹の動きを見て呼吸を確かめしまうほどだ。

今でこんなに冷たくなっていては、夜中はどうなるのか。低体温になってしまうのでは無いか不安になり、居ても立っても居られず冷気の入る場所を探り出す。

ここだ!と思ったのは、やはりドアの隙間。

一応クッション性のあるテープは貼られているものの、年数が経って冷風が吹き出しているでは無いか

パッと部屋を見渡したら、使ってなかったマフラーが落ちていた。

我が家の2歳になる女児は、物色職人として日々働いている為、色々な所に色々な物が引っ張り出されている。

いつもであればヒステリックグラマーと化して片付けておくのだが、何度閉まっても出てくるマフラーを諦めていたのが幸いだった。

挟めてやった。

冷気レベルを下げる事に成功

ものすごい発明だ、冷気には長い布だと自己満足し、さて寝るか…と思ったのも束の間、布団に入ろうとした私を吹き付ける更なる冷気を感じる。

確認

ああ、もうダメだ。

ドアの四方全てから冷気が出てやがるとがっかりした。が、そんな事で諦める私では無かった。

外気温とほぼ変わらなくなった居間に行き、工具箱からマスキングテープを取り出す。

そしてドアの隙間という隙間にマステを貼りまくり、冷気・シャットアウト!!

何この達成感。

diyってこういう事なんだ、癖になりそう(後に違う事を確認

自信を持って布団に入る。

後は安眠するだけでは無いか、冬に圧勝したと思ったその時だった。

………鼻が寒い

鼻だけが異常に寒い

の子もやはり温まって来ない。

なぜ…?

せっかく入った布団から上半身を出し、ティッシュの切れ端を片手に冷気を探る。

もはやコールドバスターである

「ヒュ〜〜………」

かに冷気の音がする。

どこだ…どこなんだ…まさか

そう、ドア横にあるコンセントの穴から、冷気どころか寒風が流れ出ている!!!

けれど、コンセント自体劣化していて、そこにテープを直張りする勇気など無かった私は、おもちゃ箱授乳クッションを積み重ね、言うなればブルーメン音楽隊工法で冷気を横に逃す事にしたのだ。

寒い事は変わらないが、直接当たるより良いだろう…。

眠さも寒さも限界だった…。

もう布団に入るのは何度目だろうか、

二度と朝まで布団から出るまい。

明日、この功績を皆に伝えようとウトウトしていた時

「テーレーレーレーレーーレレーーー♪」

静寂をぶち壊す大音量で、ストーブが鳴いた。

延長ボタンを押さなければならない。

手は届かないだろうと確信していたが、今、上下逆になって足で延長を押すのはきっと無理だよなと色々悩んだ末、布団から出て行った。

ただの厄日だったかもしれない。

だが、私は決意した。

家買うと。

手を加えるにしても、また小金が掛かる。

自分の物にならないのに…これまでも結構掛かっているのだ。

潮時だ…。

ここはコールドスリーブ施設だ。

きっかけはそんなこんなで、家を買いました。

今月とうとう引越しです。

嬉しいのと、寂しいのと、冷気への苛立ちと…

この気持ちを残しておこうと思い立って、書いてみた次第です。

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