2022-10-01

箱イベにノれないオタクにとっての月ノ美兎という静かな輝き

現在VTuberグループにじさんじが、幕張メッセを3日くらい使って、グループあげてのオフイベントであるにじフェスというのをやっている。

盛り上がっているようだし、スタッフVTuberも力を込めているようである

が、俺はにじさんじ活動スタートの頃から追ってるオタクのくせに、いまいちそれにノれない。

地方に住んでる上にひきこもりから東京オフイベに行けないというのもあるが、そもそも、肉体接触でみんなで盛り上がるというのが猛烈に苦手なのである

「にじフェスはまるで文化祭みたいだ」というのはVTuber自身がちょくちょく口にするのだが、実際まあそういう盛り上がりであり、そして俺の苦手意識も、文化祭体育祭がキツかったことに近い。

中学高校文化祭は人のいない場所に逃げ込んで時間を潰していた。修学旅行苦痛だった。

そして俺の厄介な所は、イベントに参加するのは苦痛なくせに、悠々自適なひとり学生生活に満足しているわけでもなかったということだ。

ワイワイやっているクラスメイトのノリが嫌いだったが、しかし楽しそうなそいつらを見てルサンチマンや疎外感や不公平感は強く覚えるのだ。

にじフェスについても同じだ。にじさんじ、ないしいちからが成長するのはよいことだし、マクロかつ客観的にはオフイベは成功してほしいが、ミクロ主観的な俺は、ひたすら置いてきぼり感がある。

だがそんな俺にとって、やはり月ノ美兎は輝きなのである

月ノ美兎は言うまでもなくにじさんじのメインどころの一人であり、ここしばらく私生活事情で休止していたが、にじフェスでもライブを二本もこなすように、しっかり箱イベントコミットしている。

だが彼女は、今回のイベントイメージソングである、じんが文化祭モチーフ作詞作曲した『Hurrah!!(フレー!!)』という曲を紹介する時に、こんな風に言っていた。

「この曲のいいなって思うのが、明るいんだけど、陰の感じもあるの。私はそう受け取ったの。文化祭ってやっぱ、一部のお祭りになったりするじゃん。でも、なんか、救いがあるんだよね、この曲」

じんはこの曲にそのような救いをこめたのかもしれないし、そして、それを感じ取って明言してくれる月ノ美兎は俺のような人間にとって救いである。

月ノ美兎は今までのグループイベントを楽しんでいるようだし、彼女自身プライベートでの文化祭も楽しむ側だったことは、何となく伝わってくる。

だがそれでも彼女は、彼女人生で疎外感が発生した経験や、主流の生き方をできなかったときのキツさを覚えているのだと思う。

そもそも彼女VTuberとしても特殊だ。活動初期は3D動画勢がVとして当然であり、2Dで生配信にじさんじ邪道的であった。その後彼女たちの活躍によって生配信系Vが大きなブームとなるのだが、ゲームや長時間配信を得意としない彼女はやはり特殊だった。ぱっと見は脚光を浴びているのに、主流派マジョリティとしての振る舞いができない、「ステージ中央にいる異端」として5年間活動しているのがVTuber月ノ美兎である

そしてにじさんじが、あるいはVTuberが、ネットが、オタク文化自体メジャーになり陽キャアイドル的になりキラキラした「マトモな人間達」のものになっていっても、「マトモに生きられないし他者と関われないので、一人で部屋でオタクコンテンツ摂取することでしか生き延びられなかった人間」の存在認識してくれていて、どんどん派手で幸福そうになっていく界隈の賑やかさの中で、たまにモールス信号のように、あるいはradiko以前の深夜ラジオのように、月の光のように、彼女から俺たちへ密かにメッセージ送信してくれているように感じる。

それは相互理解なんかではなく一方通行送信であり、それどころかそもそも月ノ美兎はそんなメッセージ意図しておらずオタクたまたまそう聞こえただけの偶然のノイズなのかもしれないが、とにかく、俺はそう受け取っているのである

  • いや配信をメインに頑張れよ ライブイベントとかどうでもいいやろ 面白い配信、動画をファンに見せる それが配信者だろ

    • 何か勘違いしてるみたいだが、配信者である前にvtuberなんだよな だいたい、にじさんじは設立当初に配信者ではなく「バーチャルアイドル」を募集したし、それに応募したのが月ノ美兎...

  • 「じんが文化祭」って何ですか?

  • 彼女自身のプライベートでの文化祭も楽しむ側だったことは、何となく伝わってくる。 これが届くかはわからないけどFantasia day1の有料部分のMCでそうでないことは否定しているし君が...

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